本文
(←前半)
2001年08月11日:ガオレンジャー、カラオケに行く
2001年08月19日:ガオシルバー1062歳
2001年08月26日:ガオレンジャーの巨大ロボ
2001年09月02日:ガオブルー、ボウリングをする
2001年09月09日:ガオシルバー、土下座する
2001年09月16日:ガオブルー、死す
2001年09月27日:ガオレンジャー全滅
2001年10月01日:ガオレンジャー、新たなる敵
2001年10月08日:ガオレンジャー、タイムショックに出る
2001年10月14日:ガオレンジャー、串焼きを食べる
2001年10月21日:ガオレンジャーVS鍛冶屋
2001年11月01日:ガオレンジャーの痴話喧嘩
2001年11月04日:ガオレンジャーVSチーム・サーカス
2001年11月11日:ガオレンジャー、在庫一掃セール
2001年12月02日:ガオレンジャーのクリスマス
2002年01月08日:ガオレンジャー5話分
2002年01月13日:ガオレンジャー最後の怪人
2002年01月20日:最終決戦・その1
2002年01月27日:最終決戦・その2
2002年02月03日:最終決戦・その3
2002年02月10日:最終決戦・その4
今週の「百獣戦隊ガオレンジャー」は、第25話「三代目 鬼姫参上」でした。
百獣戦隊のメンバーは赤・青・黒・黄・白の5人。そこに先週から、ガオシルバーが加わりました。
さっそく、「パ~ッと、お祝いのパーティーくらいやりたいな!」と浮かれるレッド。
「心を癒し、人と人との溝をも埋める。それは、歌! いっつ、からおけ!」
間違ったテンションで絶叫するイエローに従って、カラオケパーティーを開くことになりました。
そう決まったところで、街に怪人が現われます。さっそく出動するガオレンジャー。
しかし、あっというまにピンチに陥ります。そこに、さっそうと助けに来るガオシルバー。
赤「シルバー、来てくれたのか」
銀「お前たちに会いに来たんじゃない。風が俺を呼んだだけだ」
シルバーが敵を追っ払ってくれた後で、カラオケパーティーのことを話す百獣戦隊。
「カラオケ…、音曲の宴か?」
平安時代の人間でありながらビリヤードの名手であるガオシルバーですが、カラオケについては分かっているのか分かっていないのか微妙な反応です。
ともあれ、「今は音曲を楽しむ気にはなれない」などと断わられてしまいました。
しかし、1人になってから女の子と楽しくデュエットしている自分を妄想して、やっぱり考え直すガオシルバー。
「もう1度さそってくれたら、うんと言おうかな。そうだな、あまり拒むのも悪い」。
そして、「そうと決まれば」と歌の練習を始めますが、その後は何の連絡も来ません。
「もう誘ってくれないのかな…」。ガオシルバーはスネてしまいました。
その頃、街では人間がネコ語しか喋れなくなるという事件が発生。シルバー以外の5人は、さっそく現場に駆けつけます。
被害者A「ニャオニャウニャオニャウ」
被害者B「ミャウミュウミャウミュウ」
ガオレッドによると、被害者たちは「カラオケしてたら、こんな声になっちゃった」と言っているそうです。
「何で分かるんだよ」と問われて、誇らしげに答えるガオレッド。
「俺は獣医だ」
ともあれ、ガオレンジャーは、被害者が歌っていたカラオケボックスの調査を開始します。
黄「ここは…! いいカラオケルームだ」
赤「確かに、イイ! 新曲も充実している」
そして、「事件が起きたときの状況を忠実に再現するんだ」と言って、カラオケを始めるガオレンジャー。
案の定、5人全員ネコ語しか話せなくなってしまいました。
そこで正体を現わす今週の怪人・カラオケオルグ。
カラオケオルグが変身したカラオケマシンで歌うと、ネコ語しか喋れなくなってしまうのです。
罠にハマった5人は、変身の掛け声「ガオアクセス!」も「ニャオアクセス!」としか発音できません。
叫ばないと変身できないので、生身のままで戦うしかありません。すぐにボコボコにされて、絶体絶命のピンチです。
そこに、またまた助けに来るガオシルバー。
「俺を誘わないからこんな目に」などとまだスネていますが、カラオケオルグを1人で秒殺してくれました。
カラオケオルグが死ぬと、声も元に戻ります。「治った治った」と大喜びのガオレンジャーは、その辺の被害者A・Bと何ら変わりません。
シルバー1人いれば地球の平和は守れそうです。
そして、巨大化戦闘。申し訳程度にガオレンジャーが活躍して、今週の戦いは終わりました。
最後に、ガオシルバーと会話して友情を深めます。
赤「また、いっしょに戦ってくれるよな」
銀「オルグあるところ風が吹き、その風は必ず俺を呼ぶ」
そう言い残して、いずこともなく去っていくガオシルバー。
「アンタ…。アンタ、格好いいよ!! 嗚呼…ッ!」
なぜかイエローが絶叫して、次回に続くのでした。
「百獣戦隊ガオレンジャー」の一員・ガオシルバーは、平安時代から1000年間封印されていた戦士です。
現代のことには疎く、「カラオケ=音曲のこと」といった中途半端な知識しか持っていません。
しかし、その割に必殺技はビリヤードを模したもの。ガオハスラーロッドなる武器を使って、ブレイクショットの要領でガオの宝珠を打ち出して、敵にぶつけて倒す技です。
そんなシルバーの行きつけの店は、ちょっと渋めのバー。今日も孤独にビリヤード台に向かって、ブレイクショットの練習にいそしんでいます。
その様子を見たバーのマスターが、声をかけてくれました。「お前、毎日そればかりで楽しいのか?」。
…どうやらガオシルバーは、来る日も来る日もブレイクショットの練習ばかり繰り返していたらしいです。
「もっと楽しいこと教えてやるよ」。そう言ってニヤリと笑うマスター(ヒゲ面のオヤジ)は、なぜだかホモという単語を連想させます。
ともあれ、シルバーはナインボールのルールを教えてもらうことになりました。
マスター「小さな数字から順に当てるんだよ」
シルバー「どれが小さな数字なのか、教えてくれ」
バイクの乗り方は聞かなくても知っているくせに、算数は分からないガオシルバー。
「お前、いくつだ?」とマスターにツッコまれて「1000と62歳だ」と答えると、「ギャグのつもりか? つまんねーぞ」と突き放されてしまいました。
そんな感じの無意味な冒頭シーンから始まった今週のガオレンジャーは、第26話「狼鬼、ふたたび」でした。
1000年前、恐ろしく強い敵に立ち向かうために、ガオシルバーは呪われたお面をかぶって邪気を取り込んでパワーアップ。
そうして敵を倒した代償に怪人になってしまいましたが、1000年後にようやく邪気と分離。めでたく人間に戻れて、現在にいたります。
しかしその際、実は分離した邪気もまためでたく独立した怪人になっていました。そいつが、シルバーに襲いかかってきます。
「ヒーローの乗り物は重くてスピードが出るから、下手に肉弾戦を挑むよりもバイクで体当たりをかました方が強い」
「空想科学読本」の柳田理科雄先生の理論に従って、邪気にひき逃げアタックをかけるガオシルバー。
しかし、あと一歩のところで取り逃がしてしまいました。
「これは自分のまいた種だ」とムキになって1人で解決しようとする頑固なシルバーを、紅一点のホワイトが「仲間だから一緒に戦いましょう」と説得します。
ホワイトは八方美人で、ブルーがメインの話ではブルー、レッドがメインの話ではレッドと、誰にでも気のある素振りを見せて、媚びを売るような目で見つめるキャラクターです。
今回も、まるでシルバーに惚れているかのような言動の連発でした。
そうして、17歳のスパッツ娘に説得されたガオシルバー1062歳・ロリコン疑惑。他の5人と協力して、邪気と戦うことになります。
まずはシルバーが上空から不意打ち、ひるんだところにブルーとイエローが不意打ち、そうして倒れたところにホワイトとブラックが不意打ち、さらに転がった先にレッドが不意打ち。
そして、吹っ飛んだ先にシルバーが必殺技を打ち込みます。まるで「さるかに合戦」のような集団不意打ちコンボで、見事に敵をブチ殺しました。
この華麗な連携プレイで、友情を確かめ合った6人の戦士たち。
「ついに、ガオシルバーは5人に心を開きました!」と、わざわざナレーションが入って解説してくれます。
そうして絆を深めた百獣戦隊ですが、しかし油断はできません。
公式ホームページによると、敵の女幹部・ツエツエさんが来週から「装甲ツエツエ」にパワーアップするとの情報です。
ネットアイドルちゆは装甲ツエツエを応援しています。
70年代末まで、特撮ヒーローは2つのタイプに分類できました。
1つは、仮面ライダーや快傑ズバットのような人間サイズの変身ヒーロー。もう1つは、ウルトラマンや大鉄人17のような巨大ヒーローです。
そこに、東映戦隊シリーズの第3作「バトルフィーバーJ」が登場。最初に通常サイズでひと暴れ、次に巨大化してもうひと暴れという新形式で、一粒で二度おいしいスーパー戦隊の基礎を確立しました。
その後、「電子戦隊デンジマン」では初の変形ロボ、「太陽戦隊サンバルカン」では合体ロボが登場。
「超新星フラッシュマン」からは2台目ロボが出てくるようになり、バンダイの収益に貢献しました。
「忍者戦隊カクレンジャー」に至っては、隊員1人1人に専用ロボが存在。
そのレッドサルダー・ホワイトカーク・ブルーロウガン・イエロークマード・ブラックガンマーは合体して無敵将軍になり、しかもゴッドサルダー・ゴッドカーク・ゴッドロウガン・ゴッドクマード・ゴッドガンマーが合体する隠大将軍も登場。
さらに、無敵将軍とツバサマルが合体するスーパー無敵将軍、隠大将軍とツバサマルが合体するスーパー隠大将軍、ニンジャマンが青二才呼ばわりされると怒りで変形するサムライマンなど、おそろしい数の巨大ロボが出てきました。
そして、シリーズ最新作「百獣戦隊ガオレンジャー」の場合は、ロボのパーツになる巨大な動物が10数体も用意され、汎用性の高い合体を実現しています。
胸 | ライオン(1200円)、ゴリラ(2000円) |
腕 | 鮫(1200円)、虎(1200円)、象(1500円)、熊(3000円)、キリン(1500円) |
足 | 牛(1200円)、サイ(1500円) |
頭 or 腰 | 鷲(1200円) |
コクピット | 鳥(7800円) |
飛び道具 | アルマジロ(1500円) |
※()内は超合金の値段
※「飛び道具」とあるのは、丸まったアルマジロを敵めがけて蹴り飛ばしたり突き飛ばしたりして、文字通りの鉄砲玉として使うという意味。
つまり、リカちゃん人形の首をもいでガンダムの頭を乗せる要領で、上記の部品を適当に組み合わせれば巨大ロボが完成する仕組みです。
例1)ライオン+鮫+虎+鷲+牛+鳥 = ガオキング
例2)ゴリラ+熊(×2)+鷲+牛+鳥 = ガオマッスル
この際、微妙な組み合わせの違いによって、いちいちガオキング・ソードアンドシールド、ガオキング・スピア、ガオキング・ダブルナックル、ガオキング・ストライカーなどと呼び名が変わりますのでマニアの方は暗記しましょう。
また、以上のものとは別系統で、狼・ワニ・ハンマーヘッドが合体する2号ロボ(5000円)も存在。さらに今後、コンドル・レオン・ジャガー・ソーシャーク・バッファロー・ファルコン・コングなどの出演も決定しています。
…「百獣戦隊」という名前の通り、本当に100体出すつもりなのでしょうか。
さて。
そんなガオレンジャーの今日のエピソードは第27話「雛がすねる」。
ただでさえ露出度が低いと不評だった悪の女幹部・ツエツエさんが、今週から装甲ツエツエにマイナーチェンジ。皮膚呼吸もできない全身密封状態に改悪されてしまいました。
一方、今週の怪人はツボオルグ。ネットで壷と言えば2chのことですが、ちょうど2chが潰れかかった日に登場したタイムリーな怪人です。
その能力は、金角銀角のひょうたんのように、どんなものでもツボの中に吸い込んでしまうというもの。
ツボオルグは、ガオレンジャーが2体の巨大ロボで実戦さながらのスパーリングを行なっている現場にやって来ます。
そして不意打ちをかけて、2大ロボをツボに吸い込んでしまいました。
それでもゴリラ・サイ・熊・キリン・象・アルマジロが残っていますので、ロボは余ったパーツでもう1台作れそうです。
唯一の問題は、コクピットになる鳥が一緒に吸い込まれてしまったこと。しかし、ツボのフタが開いたスキに、鳥の魂の半分だけが脱出に成功。それをコクピットにすれば、巨大ロボを完成できます。
ところが、ガオイエローに「性格が悪い」と言われて、怒った鳥はやる気をなくします。
「鳴かぬなら、鳴かせてみせよう、ホトトギスだ!」。その鳥をフライパンでブッ叩いてやる気を出させようとするイエローでしたが、逆に顔面にフンを飛ばされてしまいます。
そんなわけでチームワークを乱し、ガオレンジャーは巨大ロボの出動が不可能になってしまいました。
いつもの6人総がかりタコ殴り戦法(平たく言うとフクロ)で通常サイズのツボオルグは倒したものの、巨大化されると手も足も出ません。
やむを得ず、巨大化した怪人に通常サイズで立ち向かうガオレンジャー。案の定、踏み潰されて死にそうになりました。
そのピンチに、エサを食べたらゴキゲンになったヨーちゃんが「ゲップゥ」と言いながら助けに来てくれます。
さっそく、巨大ロボ発進。敵に向かって仲間のアルマジロを蹴っ飛ばして特攻させます。アルマジロは「キャプテン翼」のツインシュートのように分裂しながらツボオルグに激突、見事これを撃破しました。
めでたしめでたし。ネットアイドルちゆは、扱いが不憫なアルマジロ君を応援しています。
ヒーローには、特訓がつきものです。
キン肉マンは厳しい特訓の末にキン肉ビームを会得しましたし、「アストロ球団」の球一は回転するドリルの刃を素手で掴む特訓で魔球を編み出しました。
もちろん、戦隊ヒーローも例外ではありません。たとえば「超力戦隊オーレンジャー」のレッドは、巨大ロボを乗りこなすためにボクシングを特訓。必殺パンチを習得していました。
そこで、今週の「百獣戦隊ガオレンジャー」は第28話「奥義、伝承!!」。ガオブルーがボウリングの奥義をマスターするエピソードです。
今週の怪人はボウリングオルグ。
こいつが投げたボールにぶつかると、一般人はなぜか「気をつけ」の姿勢で吹き飛ばされ、ビルは爆発するという怪人です。
さっそくガオレンジャーが出動しますが、ボウリングオルグが投げたボールが直撃。はるか遠くに吹き飛ばされてしまいました。
「イテテテテ…」と起き上がる戦士たちですが、なぜかブラックだけは「犬神家の一族」か「エヴァンゲリオン」第9話のような姿勢で脳天から地面に突き刺さってます。
図にすると、こんな感じ。
ともあれ、ボウリングオルグを倒すには、その投球の対策を見つけなければなりません。
そこで、元フリーターの19歳・ガオブルーが提案します。
「あの回転と破壊力を持つボール、俺、昔みたことあるんだ。あのボールは、トルネード・スピンというボウリングの奥義と同じ水平回転をしている。同じ威力のボールを、真正面からぶつければ…」
そして、ブルーが以前アルバイトしていたボウリング場に向かいます。そこには、プロボウラーの間で「神様」と呼ばれているトルネード・スピンの使い手、ドン片山がいるのです。
ドン片山。「デスクリムゾン」のコンバット越前や「地獄極楽丸」のボビー矢野に匹敵する恥ずかしい名前です。
ところが、そのドン片山は既に引退。リストラ中年男性よろしく、ボウリング場の清掃夫になっていました。
その姿を発見したガオブルーは、「ドン、ドンでしょ? トルネード・スピン、教えてください!」と話しかけます。しかし、清掃夫は遠い目をしながら「ドン片山は、死んだんだ…」と言うだけです。
実はドン片山は、手首に異常な負担をかけるトルネード・スピンの投げすぎでプロ生命を絶たれていたのです。
ガオレンジャーはお茶をいれたり肩を揉んだりと一所懸命ゴマをすりますが、ドン片山はトルネード・スピンを教えてくれません。
その頃、他の5人とは別行動をとる一匹狼ガオシルバーは、いきつけのバーにいました。
シルバー「台を借りるぜ…」
マスター「好きな台を使いな」
マスターと渋い挨拶を交わした後、おもむろに取り出したボーリングのボールをビリヤード台の上に置くガオシルバー。そのシュールな光景は是非、公式ホームページのこの画像でお確かめください。
一方、場面は戻ってガオブルー。
仕方なく自己流でトルネード・スピンを極めようと、無茶な特訓をしています。その姿を見て、ついにドン片山が動きました。
ドン片山「無理して投げたって、壊れるだけだ。一生使えなくなるぞ。…どうしても投げるのか?」
ブルー「俺がやらなくちゃ…。俺の腕1本で、地球が救えるのなら!」
これに感動したドン片山。一度だけトルネード・スピンを見せてくれます。
ドン片山が投げたボールが転がった跡にはデロリアンでも走ったかのように炎が残り、ピンは爆煙をあげながら吹き飛びました。
この破壊力なら、ピンを倒すどころか人間の1人や2人殺せそうです。さすがドン片山。変な名前は伊達ではありません。
ドン片山「どうだ? 何か見えたか」
ブルー「ええ、ビビビッときました! バックストロールの高さと、そこからボールが自然に落ちようとする力。う~ん…、何て言うか、地球が呼ぶような」
ドン片山「…掴んだようだな」
そしてブルーは、ドン片山が全国大会で優勝したときのボールを託されます。
一方その頃、ガオシルバーは一足先にビリヤードのキューでボウリングのボールを突く特訓を終えていました。
その成果を見せるため、単身ボウリングオルグに挑みます。ボウリングオルグが投げたボールを、「男塾」の月光のように弾き返そうとしますが…。
案の定、あっさり吹き飛ばされるガオシルバー。
倒れこんだところに、ボウリングオルグが向かってきます。ガオシルバー、ピンチです。
しかし、そこにタイミングを見計らったかのようにガオブルーが現われます。どこからともなく、かっこいいBGMも流れ出しました。
ブルー「ボウリングオルグ、勝負だ!」
オルグ「面白れぇ!」
そしてやたら長い前フリの後、ついに両者が投球。2つのボールはぶつかり合い、ドン片山が全国大会で優勝したときのボールがボウリングオルグのボールを弾き返しました。
さすがトルネード・スピン、さすがドン片山、さすが変な名前!
その後は、いつもの展開でボウリングオルグが巨大化。巨大ロボとの第2ラウンドです。
ガオレンジャーのロボットはパーツの組み合わせ次第で、ガオキング・ソードアンドシールド、ガオキング・スピア、ガオキング・ダブルナックルなどに変化します。
今週もまた、新しい合体パターンが登場しました。その名は…
ガオレッド「誕生!バージョン違い・ガオキング!!」
…適当でした。
ともあれ、仲間のアルマジロをボール代わりにぶん投げて、巨大化したボウリングオルグを撃破。無事に事件は解決しました。
ネットアイドルちゆは、もう出番はないだろうけどドン片山を応援しています。
今週の「百獣戦隊ガオレンジャー」は、第29話「鹿が癒す」でした。
怪人出現の情報をキャッチして、どこかの山奥に駆けつけたガオレンジャー。その目の前に、「ガオレンジャーの墓」と赤い字で書かれた悪趣味な墓が立っています。
思わず「ジーザス」とつぶやくガオイエローの目の前で、墓は怪人に変形。そいつが今週の怪人、墓石オルグでした。
墓石オルグは防御力が高く、ガオシルバーの攻撃も通用しません。
ところが、「ボディの硬さは墓石の絶対条件!」などと墓石オルグが勝ち誇っているスキに、ガオレッドが背後から忍び寄って銃口を突きつけ、超近距離から射撃。墓石オルグを爆砕しました。
見事な不意打ちで勝利しましたが、そこは戦隊のお約束で墓石オルグは巨大化します。当然、ガオレンジャーも巨大ロボの出動です。
ガオレンジャーのロボは仲間の巨大な動物が5体ほど合体してできますが、現在、巨大動物の多くは負傷中。無傷の連中を寄せ集めると、先週と同じバージョン違い・ガオキングになりました。
しかし、いつまでも「バージョン違い」呼ばわりはいけないと思ったのか、今週はナレーションが名前を決めてくれます。
ナレーション「この新たなる精霊王の名前は、ガオキング・アナザーアームでどうでしょう?」
…「どうでしょう」と聞かれても困ります。
ともあれ、先ほどはたまたま不意打ちが一発で決まったから良かったものの、墓石オルグは強敵。正面から撃った必殺技は、すべて弾き返されてしまいます。
不意打ちを決めない限り、ガオレンジャーに勝ち目はありません。
そこに突然、巨大な鹿が現われます。こいつもロボットのパーツになる巨大動物の1体ですが、なぜか戦闘に参加してくれません。
実は1000年前、この鹿はガオの巫女が歌う歌を聞くのが大好きでした。
しかしある日、ザコ戦闘員に襲われて殺されそうになったガオシルバーをかばって、巫女は首を負傷。その傷が原因で、巫女は歌声を出せなくなってしまいました。
巫女が歌えなくなったと知った鹿は、歌が聞けないなら戦ってやらんとシルバーたちの前から姿を消してしまいました。
鹿の分際で生意気ですが、それが1000年経ってようやく顔を見せてくれたというわけです。しかし、それでもまだ戦ってくれる気はない様子で、シルバーが説得にあたります。
「お前の力を貸して欲しい。お前の力がなければ、決して死んではならない者たちの、命が…!」。ド真剣に土下座して頼み込むシルバーですが、鹿はどこ吹く風。まるで相手にしてくれません。
ところがそこに、現代のガオの巫女が登場。花びらが舞ったり発光したりとプロモーションビデオ風の演出効果付きで、1000年前の巫女と同じ歌を歌い出しました。
これを聞いた鹿は急にゴキゲンになって、「毎日この歌を聞かせてくれるなら力を貸してやる」と条件を出してきます。
それを巫女が承諾して、ようやく鹿が仲間になりました。地球の平和を何だと思っているのでしょうか、この鹿は。
一方、そんな大人の交渉が行なわれている頃、シルバー以外の5人は巨大化した墓石オルグに苦戦していました。
そのピンチに負傷がひどくてロボに合体して戦えない巨大動物たちが、瀕死の体をおして助けに来ようとしてくれます。どこかの鹿とはエラい違いです。
しかし、その助けをガオレッドは拒絶。
赤「俺は獣医だ。傷ついたガオライオンたちを、みすみす危険にさらすわけにはいかない」
黄「お前がリーダーでよかったぜ。…まだ手はあるってことだろ?」
赤「そうとも、まだ手はあるぜ!」
そして、墓石オルグがトドメを刺そうと接近してきたところに至近距離から不意打ちビームを連射。ひるんだスキに、すかさずペガサスローリングクラッシュを炸裂させます。
自信マンマンに格好よく叫んでも、不意打ち以外の手がないガオレンジャーでした。
ともあれそこに、歌でゴキゲンになった鹿が登場。「ジョジョの奇妙な冒険」第2部のシーザーのように、墓石オルグを巨大なシャボン玉の中に包み込んで封印してくれました。
この鹿は他にも、ベホイミやラリホーなど特殊能力に長けています。やはり性格が悪い奴ほど仕事ができるのでしょうか。
さて。
ところで、来週のガオレンジャーは第30話「満月が狼を殺す」。
公式ホームページの予告には、「今回、ガオ戦士の誰かが、オルグ征伐という目標を達成出来ずに死んでしまう」と書かれています。
あの生意気な鹿が死ぬのなら万々歳ですが、「誰か」という表現はヒューマノイドを連想させます。
そこで、お陀仏候補ナンバーワン・ガオシルバー役の玉山鉄二さんのホームページの掲示板には、不安の書き込みが集中。
来週の予告を見て、すっごく不安になりました。タイトル見ても恐ろしいです。仕事にも集中できないし、夜も眠れそうにありません。
確かに、夏休みが過ぎて玩具の売り上げが見込めない秋は、ドラマを盛り上げてクリスマス商戦に備える期間。
定番の盛り上げ方は悪の組織の内紛ですが、今回の悪はラスボス1名(いまだ姿見せず)、大幹部1名、幹部2名の零細組織なので難しそうです。
ただ、現時点でガオシルバーの出番をなくすと玩具の売り上げに影響しますし、それをバンダイが許すとは思えません。
それにネタバレ大好きな「テレビマガジン」でも、ガオシルバーのキック力は22トンとか走る速度は時速120キロとか能天気にスペックを記述しているだけで、特に訃報はありませんでした。
そうそう、役者さんの都合で途中死亡の可能性もあります。
たとえば「秘密戦隊ゴレンジャー」の初代キレンジャーは、役者さんのスケジュールの関係で一度降板。代わりに2代目キレンジャーが登場しましたが、3ヶ月経ったら初代が復帰。あわれ2代目はカンキリ仮面に殺されてしまいました。
また、「超電子バイオマン」の初代イエローの謎の降板に関しても、色々な噂があります。
本命は役者さんがレズで愛人と駆け落ち説で、その他にも撮影中の事故で大怪我説、風俗仕事を優先して撮影ボイコットでクビになった説などなど。
そういえば、「激走戦隊カーレンジャー」に登場したカーレンジャー6番目の妹・ホワイトレーサーの役者さんが途中で交代したのは学校でいじめられたからという噂もありました。
そんなこんなで、次回のガオレンジャーでは誰が死ぬのでしょうか。
人気なさそうな巨大動物が退場するとか、突然登場した見知らぬガオの戦士が死ぬとか、レギュラー陣が死んでも再来週には生き返るとか、別に大したことにはならない気もするのですが、来週は注目です。
今週の「百獣戦隊ガオレンジャー」で、ガオブルーがくたばりました。
特撮ヒーローが死ぬと言えば、つい先日仮面ライダーギルスが死んだばかりです。
ギルスは第27話でボコボコにやられて川に沈められ、ドザエモンになったところで次週に続きます。第28話はギルスがぷかぷか浮いている場面から始まり、それから30分ほど走馬灯を見て、最後にぷかぷか浮いている場面に戻って終わりました。
第29話でも、ギルスはまだ水没したまま。第30話になって、ようやく引き上げられて死亡が確認されました。
まあ、第32話にて超能力で生き返りましたけれど。
ともあれ、今日のガオレンジャーは第30話「満月が狼を殺す!」。先週の勝利で、百獣戦隊の面々が浮かれている場面から始まります。
青「ようし、次からの敵とは心おきなく戦えるぜ」
黄「れっつ、ばとる。かもん、おるぐ」
赤「あはは、文法むちゃくちゃ」
黄&赤「イエーイ!」
今さらですが、馬鹿ですか彼らは。
そのころ、悪の本拠地では、大幹部のウラ様がトンカチ片手に日曜大工。なぜかお手製の大きな十字架を作っています。
その様子を見て、「死を予感して自分の墓標を作っている」と勘違いしてしまう女幹部。「ウラ様、死なないでくださーい」と泣きながら駆けよります。
ともあれ、敵の作戦がスタート。手始めに女幹部がオープンカーを運転して、ガオシルバーを挑発します。短気なガオシルバーは見事におびき寄せられて、敵の挟み撃ちに。あっさり捕まってしまいました。
そのことを知ったガオレンジャーの5人が駆けつけると、まるで何かのSMプレイのように、シルバーは十字架にはりつけにされています。しかも、シルバー所有の巨大ロボは既に調教済み。
シルバーの巨大ロボは、シルバーの体内に邪気を注入して、彼を悪の戦士に改造しようとしているのです。
黄「おー、まいが」
とにかくシルバーの巨大ロボを止めようと、ガオレンジャーも巨大ロボを出動。「やめろ、やめるんだ」と抱きついて動きを止めようとしますが、あっさり振り払われてしまいます。
赤「こうなったら、やるしかないのかッ!」
たった1度のトライで平和的解決をあきらめ、シルバーの巨大ロボめがけて必殺技を放つガオレンジャー。決断が早いです。
そうして2体の巨大ロボが同士討ちをしている間に、はりつけにされているシルバーの横で、悪の幹部たちはクイズミリオネアごっこを始めます。
女幹部「ここで問題でーす。浮かんでいる大きなシャボン玉を破裂させるためには、何をすればいいでしょうか。1番。ウラ様をぶん投げて、ウラ様のツノでつつく。2番(以下略)」
幹部「う~ん、…3番」
女幹部「ファイナルアンサー?」
幹部「イエス、ファイナルアンサー!」
女幹部「……………………………………………… 正解」
幹部「やったー」
そんな高度なおちょくりプレイをかました後で、いよいよガオシルバーに邪気を注入します。ところが、シルバーは「ウォォォォォォォォォ!!」と叫びながら体内の邪気に抵抗。
白「シルバー、がんばってっ」
赤「正義の心が、勝つに決まってる!」
幹部「フレー、フレー、邪気」
そして…。
ナレーション「ガオシルバーは、勝ったのです」
シルバーが体内の邪気を追い出したことを、マスオさんの声が力強く断言。同時に、シルバー所有の巨大ロボの洗脳も解けました。
ところが、実は、そこまですべてウラ様の作戦のうちだったのです。
ウラ様「この時を待っていたでおじゃる」
追い出された邪気を、今度はウラ様が吸収。ウラ様究極体にパワーアップしてしまいました。まるでフリーザの最終形態のように以前より小さくなり、なおかつ格好悪い姿です。
しかし、外見はともかく実力は確か。ガオレンジャーの必殺技も、まるでヤムチャのかめはめ波のように通用しません。
その圧倒的な強さにひるんだガオレンジャーを、ウラ様が挑発します。
ウラ様究極体「来るでおじゃる」
パワーアップしても、おじゃる口調は変わりません。そのおじゃる口調が気に入らないのか、無謀にもブルーが1人で飛びかかりました。
青「負・け・て・たまるかァ~!」
しかし、強烈な攻撃を浴びて、倒れるブルー。ヘルメットが破れて、そこから血まみれの素顔が覗きます。苦痛におっ開いた目ン玉…。
その目がゆっくりと閉じられて、ブルーは死んでしまいました。
つづく。
そんなこんなで、来週は第31話「百獣戦隊、全滅!!」。先の展開を知りたい方は、公式ホームページでネタバレしまくりですのでご覧ください。
そういえば「勇者王ガオガイガー」では、ちょうど視聴率が2%前後で安定したところで第30話「勇者、暁に死す」・第31話「さらばGGG」と仲間が死にまくる話を放送して、本当に打ち切られたかと視聴者を不安にさせました。
しかし、「ジョジョの奇妙な冒険」の「アナザーワン バイツァ・ダスト」など、複数の主要キャラが数話で皆殺しになるケースは、たいてい生き返る予定があるので安心です。
「るろうに剣心」の御庭番衆クラスの雑魚キャラならばそれっきりだったりしますけれど。
ともあれ、ネットアイドルちゆはホモだちを失って傷心のガオブラックを応援しています。
今週放送された「百獣戦隊ガオレンジャー」は第31話「百獣戦隊、全滅!!」でした。
先週、「究極体」にパワーアップした悪の大幹部・ウラ様。その戦闘力は圧倒的で、ガオブルーが倒されてしまいました。
ブラック(男)は、泣きながらブルー(男)に抱きつきます。しかし、ブルーはもう死んでいました。そのショックに我を忘れて、ブラックとイエローはウラ様に挑みかかります。
黒「ウォォォォォォ!」
黄「ガッデェェェェェェェェェェェェェム!!」
しかし、ウラ様の強烈なパワーの前に、その2人も戦闘員なみに軽い扱いで死亡。続けてホワイトも秒殺され、残されたレッドとシルバーも大ピンチに陥ります。
ですが、そこは何の脈絡もなく現れたガオゴッド様が瞬間移動させてくれて、どうにか逃げ延びることができました。
秘密基地に帰って、落ち込むレッド。子供のように床に大の字で寝転んで、「どうしようもない」とフテ寝してしまいます。
そんなレッドに、ガオゴッド様がお説教。「決してあきらめるな。戦い続けよ。4人の魂も、黄泉の国からでもお前たちの戦いを応援してくれるはずだ」。…6人がかりで歯が立たなかった相手にいくら2人で戦い続けても、犬死にあるのみだと思いますが。
その頃、究極体になってゴキゲンなウラ様は、その姿を見せびらかしに街に繰り出していました。
「人間たちよ、見てたもれ。マロの美しい姿を!」。モデル気取りで一回転するウラ様ですが、その容姿は緑色のジャミラ。人間たちは「化け物だー!」と叫んで、逃げ出していきます。
その反応にウラ様は、「化け物? 怪獣? そちらの目は節穴でおじゃるか!」と逆ギレ。ビームを発射してビルを爆破し始めます。
そんなウラ様の目の前に、子供たちの一団が。「オホホホホホ…。わらべたちよ。汚れなきそちらなら、マロの美しさが分かるはずでおじゃる」。
じりじりと歩み寄って来るウラ様に、子供たちは「こわいよー、こわいよー、たすけてガオレンジャー」と泣き叫びます。
余談ですが、この9人の子供たちはガオレンジャーグッズを買って応募券を送った人から抽選で「百獣戦隊ガオレンジャー番組出演権」プレゼントキャンペーンに当選した方々のようです。おめでとうございます。
ともあれ、その子供たちの声が、フテ寝していたガオレッドの耳にも届きます。「たすけてーたすけてー」と頭の中にエコーする子供たちの声に、レッドは「この世のすべての命を守るために、俺はガオレンジャーになったんだ!」と思い出しました。
彼は元々拉致られてきてガオレンジャーになっただけのような気もしますが、深く追求してはいけません。
そうして、再びウラに挑むレッドとシルバー。しかし、4人を瞬殺したウラ様を相手に、あっというまに大ピンチになってしまいます。
一方、キャンペーンに当選した子供たちは、のん気に「がおれんじゃーだぁー」と大喜び。「がおれんじゃーがんばれー」と応援しています。いいから早く逃げてください。
ところでその頃、死んだ4人は死後の世界にいました。
そこは、周囲が全く見えない真っ暗な空間。いるのは死んだ4人と、謎の少年だけです。先ほどの子供たちがレッドを応援する声も、どこからともなく聞こえてきます。
そして、なぜか空中に映し出されたレッドがウラ様に苦戦している場面のリアルタイム中継を見て、「死んだ俺たちには、何もできないのか」と嘆くイエロー。しかし、謎の少年が「マグマの沼に飛び込めば現世にメッセージを伝えられるよ」と教えてくれます。
その言葉に従って、「ターミネーター2」のクライマックスで沈んでいくアーノルド・シュワルツェネッガーのように、…と言うよりはむしろ「ストーカー~逃げ切れぬ愛~」で飛び降り自殺するストーカーさんのような感じでマグマの沼に沈んでいく4人。
その声が、レッドの元に届きます。
ブラックの声「レッド、ネバギバだぜ!」
…マグマの沼に沈んでも伝えたい言葉、ネバギバ(ネバーギブアップの略)。
ともあれ、4人の想いもむなしく、レッド渾身の一撃もウラ様には通用しませんでした。さらにウラ様は巨大化して、レッドは絶体絶命のピンチです。
しかし、「俺は灼熱の獅子、最後まであきらめてたまるかァー!」と叫ぶレッド。その叫びに呼応して、新しい仲間・ガオファルコンが駆けつけてくれました。さらに…
ナレーション「その時、奇跡が起こりました。4体のパワーアニマルたちが、復活したのです。ということは、まさか…!」
そして突然、レッドの周囲の空間が発光。何の説明もなく死んだはずの4人が生き返りました。
ついでに新ロボも誕生。仲間のアルマジロをオーバーヘッドキックで蹴り飛ばして敵にぶつける必殺技で、あっさりとウラ様究極体を倒してしまいました。
そのダメージで通常体に逆戻りしたウラ様がフラフラしているところに、それまで影の薄かったシルバーが襲いかかります。
「ウラ、ここまですべて貴様の計算どおりだったかも知れない。しかし、貴様の起こした唯一の誤算は、ガオシルバーを誕生させたことだ!」
ウラ様にとって最大の誤算は、完全に倒したハズの連中が「奇跡」の一言で生き返ってしまったことだと思いますが、自己中のシルバーは気にしません。弱ったところに必殺技を叩き込まれたウラ様は、ついに爆死。
ウラ様「無念でおじゃる~!」
そうして、戦闘後のくつろぎモードに入る百獣戦隊の面々。
巫女「よかった。地球の大いなる命が蘇らせてくれたのね、きっと」
黒「自分たち、夢を見てたみたいなんだよな」
青「そうそう。死後の世界みたいなところにいて、子供たちの声が聞こえて…。それからどうしたんだっけ?」
白「誰かがいたような気がするんだけど…」
銀「誰かって?」
黄「んん~、誰でしょう(長島茂雄のモノマネで)」
赤「とにかく生き返ってよかった! 細かいことはもうどうでもいいさ!」
こうして、死んだことも生き返ったことも日常の些細な出来事のようにされてしまって次回に続きます。ネットアイドルちゆは、アバウトで大味な百獣戦隊ガオレンジャーを応援しています。
今週の「百獣戦隊ガオレンジャー」は第32話「三匹が喰う!!」でした。
ガオレンジャーが戦う敵は、大幹部1人と幹部2人の零細組織です。大幹部が死ぬと、それに代わる新しい大幹部が登場します。
先週の放送で、「~でおじゃる」が口癖だった2人目の大幹部・ウラ様が死亡。そこで今回は、3人目が登場する話です。
3人目が現れる前に、「次はどんな大幹部が来るのか」と話し合う2人の幹部。
男幹部「シュテン様は、アバウトだったしなぁ…」
女幹部「そう、そう。何でも力ずくでね」
男幹部「ウラ様なんか、あの言葉遣い気持ち悪くてなァ」
女幹部「そうでおじゃったわねェ…」
男幹部「ああ、おじゃったおじゃった」
悪の組織でも中間管理職は大変です。ともあれ、そこに新しい大幹部・ラセツ様が登場。しかし、彼は従来の幹部とは別に強そうな部下を2人ほど連れてきていました。
それを見て、「私たちの立場はどうなるのよ」とアセる旧幹部2人。
女幹部「ラセツ様ぁ、私どもに仕事を、ご命令を…」
男幹部「そうそう。こちらのイカつい方々より、細かい仕事に向いております」
女幹部「手先は器用ですのよ」
ラセツ様「…なら、ちょうどいい。俺たちは外で人間世界を味わってくる。その手先を生かして、夜食を作って待っておきなさい」
そう言い残して、2人の腹心の部下を引き連れてお出かけするラセツ様。呆然と取り残される旧幹部2名。
男幹部「…このままじゃ構造改革されちまう」
女幹部「痛みに耐えて、がんばりましょう」
その頃、ガオレンジャーは、2人目の大幹部を倒した余韻に浸っていました。
本当に日本かと疑いたくなるような大自然の緑の中、木の幹に寄りかかって優雅に笛を吹くガオシルバー。
「やっと俺は生きている実感を得た…」と1人でブツブツつぶやいている姿は、なんだか危ない人みたいです。
一方、シルバー以外の5人は、秘密基地で盛り上がっています。
青「すごいよ俺たちって、復活の奇跡さえ起こしちまったんだから」
赤「ついにウラも倒したしな!」
青&赤「だははははは!」
そう言いながら、恋人のように抱き合うブルー(男)とレッド(男)。ブルー(男)の本命はブラック(男)だったハズですが、さては浮気でしょうか。そういえば先週もレッドが、意味もなくブルーの太ももを揉みしだいていました。
白「3人目は、一発でブッ倒しちゃいましょうっ」
赤「俺達は無敵だぜ!」
全員「やる気まんまんだぜ~、いえ~い!」
みんなで手を叩き合い、男たちはなぜか服を脱ぎ始めます。
さて。場面は変わって、街に繰り出した三人目の幹部・ラセツ様。彼には口が2つあり、上の口は女声で、下の口は男声でしゃべります。…「下の口」と言うとなんだか卑猥ですね。
男声・女声の2種類でしゃべると言えば、右半身が男で左半身が女だった「マジンガーZ」のあしゅら男爵が有名ですが、ラセツ様の男声の声優はあしゅら男爵の男声と同じ柴田秀勝さん。
この辺りは、「超力戦隊オーレンジャー」で怪人バラグースカの声優が快獣ブースカの高橋和枝さんだったのと同種のオマージュなのでしょう。
ラセツ様(女)「まずは朝食の時間ね」
ラセツ様(男)「このうまそうな街を料理するがよい」
部下1「はっ! 破壊された街こそ、最高のご馳走プラ」
部下2「人間の悲鳴が、いいソースになるキュラ」
「街を料理する」と言うとアレですが、実際にやることはビルを爆破したり、ビルを爆破したり、ドーム球場を爆破したり…。
その知らせを受けたガオレンジャーは、得意の四つんばい走行で現場に駆けつけます。
すると、彼らの目の前に、おしゃれなレストランのように花が飾られたテーブルについて、ワインを飲みながら、ナイフとフォークを使って美味しそうに爆破されたビルの破片を食べているラセツ様が。
ラセツ様(女)「う~ん、美味。バブルの頃の建物は、建材が贅沢よねェ」
ラセツ様(男)「しかも、これは正面のエントランス。マグロで言えばトロの部分だ」
ガオレッド「貴様、何者だ!」
ラセツ様(女)「五色団子が 何か聞いているわ」
ラセツ様(男)「ハイネスデューク・ラセツ。人は絶望の王子と呼ぶ」
ガオイエロー「…おお、ポエムだ」
そして戦闘。しかし、ガオレンジャーは一撃で吹き飛ばされ、ラセツ様は「これはまだ前菜。次の皿が楽しみだぜ」と逃げてしまいます。
その後もラセツ様はビルを破壊し続け、テレビでも連続爆破事件と報道される始末。ガオレンジャーは、ラセツ様が好きそうな活きのいい建材が多い建設中の新都心で待ち伏せることにします。
白「私は西エリアを」
青「よし、俺たちは東エリアだ」
レッドは北、イエローは南に。そして、さも当然そうに2人仲良く東に駆けて行くブルー(男)とブラック(男)。レッド(男)との浮気も疑いましたが、やはり2人の絆は確かでした。
そうして待ち伏せているうちに、ラセツ様が出現。例によって、テーブルについて優雅にビルの破片を食しています。
ラセツ様(女)「うぅ~ん、この芳醇な香り」
ラセツ様(男)「さすがニュー都心。材料が新鮮だ」
ガオイエロー「お前、何してんだ!」
ラセツ様(女)「見れば分かるでしょう。食事中はお静かに」
ラセツ様(男)「エチケットを知らん奴らだ」
ところでその頃、ガオシルバーは新しい敵が出現していたことにようやく気が付きました。大自然に包まれた中、「しまった、気を緩め過ぎていた!」とカメラ目線で叫んでから現場に向かいます。
一方、五色団子呼ばわりされて「団子じゃ・ね・え・よっ!」とブチ切れたガオイエローは、ラセツ様のテーブルを破壊。
せっかくの食事(ビルの破片)を台無しにされたラセツ様は、「食べ物の恨みは恐ろしいぞ」とガオレンジャーを攻撃してきます。
その圧倒的な恨みのパワーの前に、ガオレンジャーはまた敗北。ラセツ様は「ガオレンジャーなど、刺身のツマにもならないわ」と言い残し、あきれて去っていってしまいます。
そこに到着するガオシルバー。瓦礫の下敷きになっていた5人を救出します。
二度も負けましたが、ガオレンジャーはまったく懲りません。「奴らの勝ちがビギナーズラックだってことを教えてやる!」「やる気、マンマンだぜぇ!」と叫んで、再びラセツ様に挑みかかります。
ガオシルバーも含めて6人になった百獣戦隊を見て、「なに、六色団子か!?」と驚くラセツ様。
「まずは白団子を食べようか」と、長く伸ばしたベロで紅一点のホワイトをからめとり、下の口で食べようとします。「私のファースト・チュウがコイツじゃ、やだぁ」。抵抗するホワイト。
ホワイト(女)が、下の口が、ファースト・チュウが、食われてしまいます!
…ともあれ、三度目の正直でどうにかラセツ様に一矢報いたガオレンジャー。
初登場の大幹部といきなり決着をつけるわけにはいきませんので、適当なところで悪役が捨て台詞を残して去っていくのは基本です。
ラセツ様(男)「こやつら、料理次第では珍味かも知れん」
ラセツ様(女)「食べ残しなど、このラセツの主義に反する」
ラセツ様(男)「必ず平らげに来る。塩とコショウで、下ごしらえして待ってろ。ウワハハハハハハハ…」
最後に一所懸命夜食を作っている旧幹部2人の姿が映り、次回に続きます。
今週の「百獣戦隊ガオレンジャー」は第33話「少年が祈る。」でした。
ガオレンジャーは、なぜか真っ暗な部屋に4人輪になって突っ立ちながら作戦会議。1人だけ輪から外れたレッドも、不自然に屈んだ姿勢からニョッキリ立ち上がりながら発言します。
妙に演出がはっちゃけてると思ったら、今回の監督は舞原賢三さん。「エコエコアザラク」やら「アナザヘヴン」やら「木曜の怪談」やら「怪奇倶楽部」やら「雀魔アカギ」やら「仮面天使ロゼッタ」やら「千年王国3銃士ヴァニーナイツ」やらを撮ってこられた方です。
そんなこんなで、リストラ直前の旧幹部のエネルギーを吸い取ってパワーアップした新幹部がアッサリ倒されるお話でした。
さて。
今週の「タイムショック」に、ガオレンジャーチームが出演しました。プログラム改変時の番組宣伝用特番とは言え、先日の「仮面ライダーアギト」に続いてのゴールデンタイム進出です。
クイズの間にミニドラマが挿入され、「ガオレンジャー」番外編のような雰囲気。その設定から役と素の境界をさまよう役者さん達の姿が面白いです。
まず、1人目の回答者はガオブラック。
質問「ガオレンジャーになって良かったことは?」
ガオブラック「安定収入が得られることです!」
そしてブラック、自分の年収は400万円だとカミングアウト。実は、ブラック役の酒井さんはことあるごとに収入の話をされる方で、ご自身のホームページの日記にもしょっちゅう金の話が出てきます。
4月17日
昨日、ギャラが入った。
初ギャラ!?...耳を疑ったあなたの為に、もう一度!
「初ギャラだ~~~!!」
なんと驚くなかれ、去年12月からの準備及び撮影を含めた期間、私は私財(そんなモン全くねえが...)を削り、オルグと戦っていた訳です。
オルグにやられる以前に私は自らの罪によって葬られるところだった訳です。(業界では、大抵3月後にギャラは振り込まれるのでこの場合に限らず、東映の支払いが遅かった訳ではない。去年及び一昨年の競馬でツッ込みすぎた酒井の自業自得が招いた当然の事態と言える....)
子供の夢をブチ壊してくれる内容ですが、ちびっ子は役者さんのホームページなんて読まないからいいのかな……と思っていたら、ゴールデンタイムで「安定収入」言い放つとは。
ともあれ、ガオレンジャーになる前は競馬とパチンコで食いつないでいたというギャンブラー酒井さん。ブラック役から素に戻ってクイズに挑み、見事に10問正解。400万円をゲットしました。
続いての回答者はガオホワイト。「1000万円もらえたら、ホワイトタイガーを飼いたい」とコメントします。
そういえば、「兄弟拳バイクロッサー」でバイクロッサー・ギンを演じていた役者さんは愛車を猛スピードでブッ飛ばして交通事故で他界されました。
本当に飼われるなら、「麗しの白虎・ガオホワイト、家で飼っていたホワイトタイガーに食われて死亡」なんて三面記事にならないよう、お気をつけください。
そこに突然、悪の女幹部・ツエツエ様が乱入。金のためにガオレンジャーと和解して、ツエツエ様みずからクイズに挑みます。
「自信がない」と不安で涙目になりながら、どうにか7問正解でホッとするツエツエ様。35歳だけど萌えます。
次の回答者は、1000年の眠りから蘇ったという設定の戦士・ガオシルバー。本編と違ってメガネをかけての登場です。
問題「アントニオ猪木の得意技は、”かかと落とし”と”延髄斬り”のどっち?」
シルバー「十六文キック!」
…やはり、平安時代の人間には厳しかったのでしょうか。というか役者さんアホです。
ともあれ、新聞のテレビ欄に「超美形ガオレンジャー登場」と書いてあったのは彼のことだったようで、手堅くお姉さま方のハートをキャッチしたシルバー役・玉山鉄二さん。メガネに悩殺された方々が押し寄せて、公式ホームページのカウンタもギュンギュン回っています。
そして、最後の回答者はガオレッド。ジャンルはアニメ問題です。
そう難しくないクイズだとは言え、「クレヨンしんちゃんの声優は矢島晶子さん」とか知っておられます。9問正解で300万円獲得。ついでにレッド役・金子さんにはアニオタ疑惑が浮上して、好感度アップです。
そうして、無事に合計950万円を獲得したガオレンジャー。最後はプロデューサーの元に駆け寄り、プロデューサーを胴上げします。
賞金の行方が気になりますが、年収400万円のブラックにボーナスは出るのでしょうか。
ネットアイドルちゆは、影が薄かったブルーとイエローも応援しています。
特撮番組を見ていると、たまに人情話が出てきます。たとえば、ちゆが好きな「超光戦士シャンゼリオン」の第31話「羊とパイと現金と」。
いつも尺八を吹いているのがうるさくて、仲間からも嫌われている尺八好きの怪人。ある日、手術が恐くて病院から逃げ出してきた少女と出会い、尺八の音色を褒めてもらいます。
その後、少女は病院に連れ戻され、怪人はヒーローに襲われて倒れます。怪人は、最期に少女のために尺八を吹いてから爆死。その尺八の音色が手術前の少女の耳に届き、彼女は安心して手術を受けることができました。おしまい。
さて。今週の「百獣戦隊ガオレンジャー」は第34話「鉄人鬼、泣く!?」。そういった類の人情話でした。
悪の大幹部・ラセツ様は、ガオレンジャーを倒すことより食事が大事というグルメなお方です。
そんな上司にゴマをするため、女幹部のツエツエ様は一所懸命お料理をします。メイドさんのコスプレ姿で、後ろに同じくメイドのコスプレをした戦闘員たちを引き連れ、大幹部様の前に食事を運びます。
「ラセツ様ぁ。今回も、わたくしツエツエが、腕によりをかけてお料理をご用意いたしましたわぁン♪」
頑張ります、ツエツエ役・斉藤レイさん35歳。
しかし、そんな35歳の料理は大幹部様の口に合いませんでした。料理の上手い怪人を連れてくるよう、命令されてしまいます。
一方、場面は変わって、今週の怪人・炭火焼オルグが人間を襲っているところ。
ガオレンジャーが駆けつけますが、炭火焼オルグはガオレンジャーの後ろを指さして「あっ!」と叫びます。単細胞なガオレンジャーが思わず振り返ったスキに、炭火焼オルグは逃走。
あっさり逃げられたガオレンジャーですが、ブラックがマツタケ犬のように臭いで追跡します。
ところが、ブラックがにおいを辿った先は、なぜか串焼きの屋台。「何のぞいてやがんでェ」と、串焼き屋のオヤジに怒られてしまいます。しかし、そこは元力士のガオブラック。
ブラック「あっ、いい炭使ってるわ。備長炭ですね?」
オヤジ「おっ。分かんのかい、兄ちゃん」
ブラック「やっぱ焼き物は炭じゃなくっちゃね!」
そうして、あっさり串焼き屋のオヤジと意気投合。
なお、紀州備長炭博物館によると、「備長炭」は料理に使うだけでなく、お風呂に入れれば体がよくあったまる上に、コンピュータから出る電磁波も防げて、消臭・除湿の効果もあり、肥料にもなれば不眠症も治せる素晴らしいアイテムだそうです。
オヤジ「一度のれんをくぐったからには、食べてもらわなくちゃな」
ブラック「でも自分たちは、カネが…」(※ガオレンジャーは年収400万)
オヤジ「この文左衛門、味が分かる奴ならカネはいらねぇ!」
そして、「その暑苦しい服脱いでよぉ、そこに並びな」と言われ、「ハイ、脱ぎます」と全身タイツを脱いで着席するガオレンジャー5人。
炭火焼オルグのことは完璧に忘却して、串焼きを腹いっぱいゴチになります。
ちゃっかりお土産までもらって秘密基地に帰った後は、5人仲良く並んで食後のお昼寝タイム。まどろんでいたところに炭火焼オルグ出現の知らせを受けて、ようやく地球の平和を守る任務を思い出す百獣戦隊でした。
そして、再び炭火焼オルグを取り囲むガオレンジャーですが…。
炭火焼「お前たちに用はねぇ、そこをどけ!」
ブラック「そうはイカのゲソ焼きじゃい!」
炭火焼オルグは周囲に炭を撒き散らし、ガオレンジャーがひるんだスキに逃走。しかし、その落とした炭を見て、ブラックは炭火焼オルグの正体が串焼き屋のオヤジだったと気がつきます。
さっそく、串焼き屋のオヤジを問い詰めるガオブラック。
オヤジ「どうしてオイラだって分かったい?」
ブラック「こんな質のいい備長炭、近頃めったに見ないからな」
オヤジ「頭かくして炭かくさず、か」
そして、なぜ串焼き屋なんかに化けているのか、炭火焼オルグの告白が始まります。「あれもう50年ほど前になるかな…」。
~回想シーン~
昭和21年・秋。炭火焼オルグは、戦後のバラック街を焼いて焼いて焼きまくっていました。しかし、彼はそんな人生に悩みます。
「焼いても焼いても満足できねぇ! オイラが本当に焼きたいものは何なんだ!」。
そんなある日、彼が焼いた瓦礫の中で、偶然うまいことイモが焼けていました。その焼きイモを戦災孤児とおぼしき子供が拾って食べます。「うん、よく焼けてる」。
「…そいつら、『うまいうまい』と言いながら、オイラの焼いたものを食っていたんだ。そのとき、オイラの体に衝撃が走った」
それ以来、自分が焼いたものを人に食べさせることが生きがいになり、炭火焼オルグは人間の料理人のフリをして屋台をやっていました。
しかし、しょせんは怪人。自分の料理をバカにされたり残されたりすると、ついカーッとなって暴れてしまうのです。
~回想・おわり~
それを聞いて感動したガオブラック。「二度と人間を襲わない」と炭火焼オルグに誓わせ、トドメを刺さずに立ち去ります。
そうして屋台を続ける炭火焼オルグ。ハラペコの少年を見つけて、串焼きを振る舞います。
ところが、そこに女幹部・ツエツエ様が登場。炭火焼オルグを大幹部様の専属コックにスカウトします。
「俺はオルグから足を洗ったんだ」とツッパねるオヤジですが、ツエツエ様に串焼きの皿をひっくり返され、カーッとなります。
「あーはっはっは、燃えろ、燃えろーっ」と叫びながら、街を破壊し始めました。
そこにガオレンジャーが到着。串焼きをタダ食いした少年が、すばやくアドバイスします。「おっちゃんは、あのおばちゃんに操られている!」
ビシッと指をさされた女幹部・ツエツエ35歳。おばちゃんです。
ともあれ、「たどんミサイル」や「うなぎ炎上かば焼き攻撃」で攻めてくる炭火焼オルグを、ブラックが必死に説得。どうにか正気に戻しました。
「あれほどもう暴れねぇって誓ったのに、このザマだ。オイラ、ダメな奴だ…」。しょげる炭火焼オルグを、ブラックが慰めます。
速攻で立ち直る炭火焼オルグ。「いよぉし、頑張るぞ。へへへへ…」。しかし、突然現れた大幹部に、背後から撃ち抜かれてしまいます。
「おめぇら、ありがとうよ。今度生まれてくるときは、人間の…料理人に…」。オヤジは死んでしまいました。
オヤジの死に落ち込むブラックを、仲間が励まします。
白「きっと天国でも、みんなにおいしい炭火焼をごちそうしてるわ」
赤「いや。ひょっとしたら、もう人間に生まれ変わって、どっかで屋台ひいてるかも」
黄「ああ。神様も特別サービスしてくれるさ…」
そんなガオレンジャーのすぐ近くに、何食わぬ顔でおでんの屋台をやっているオヤジがいました。
子ども「おっちゃん、大根ちょうだい」
オヤジ「おぅ、ちょっと待ってな。今日の大根は味がしみててうめェぞー」
おしまい。
全身タイツの5人組、使い捨ての哀愁が漂う戦闘員、露出度の高い女幹部、顔は恐いが頭は悪い親玉…。
たまにまったく露出のない女幹部が出てきてひんしゅくを買ったりもしますが、これらの役どころは、多くの戦隊に共通して登場します。
そんな定番の1つに、戦隊のまわりをウロチョロする少年があります。
戦隊シリーズ最新作「百獣戦隊ガオレンジャー」にも、そんな少年が登場します。
その少年、先週は空腹状態でフラフラ歩いていたところを、親切なオヤジに串焼きをタダ食いさせてもらっていました。
今週も、少年は相変わらず空腹。今度は食べ物を盗んで逃げていました。もう立派な犯罪者です。
そうして食べ物屋のオヤジから逃走中の少年、たまたま近くを歩いていたレッドとホワイトにバッタリ出くわします。正義のヒーローとして、少年を叱るレッドですが…。
少年「ガオレッドだからって、偉そうに」
窃盗犯のくせに偉そうです。
しかし、そこは世渡りが上手い少年。すかさず頭が悪いホワイトを懐柔することにします。「それよりさ。ホワイトって、ガオレンジャーの中で一番格好いいよね!」。
…これにコロッとだまされて、無邪気に喜ぶガオホワイト。
「いちおう俺がリーダーなのに…」。不満そうなレッドに向かって、少年は「バンドでも、リーダーよりボーカルの方が格好いいんだよ!」と微妙に問題発言。
こうして、見事に話をそらし切った少年。盗みの件はウヤムヤになってしまいました。
そこに、妙に大きな乳をブルンブルン揺らしながら逃げ惑う一般市民が。今週の怪人・鍛冶屋オルグが暴れているのです。
「ホワイトなら、あんなの簡単にやっつけちゃうんだよね」などと少年に持ち上げられて、すっかりその気になるホワイト。「もちろんよ!」と1人で戦いを挑みます。
しかし、トンカチでドタマを三連打されてホワイトはダウンします。地面に転がったまま、電池の切れかかったフラワーロックのようにビクビク痙攣。そのスキに、持っていた剣を鍛冶屋オルグに奪い去られてしまいました。
…その一部始終を、ボーッと眺めていただけのガオレッド。さすが「いちおうリーダー」です。
ともあれ、みじめな敗北を喫したホワイトを慰めるでもなく、少年は「かっこわるいなぁ」と突き放します。
秘密基地に帰っても、ホワイトは仲間たちに失敗を笑われます。「まだまだ修行が足りないんじゃないですかァ?」「そんなことじゃ、白馬の王子様は一生迎えに来ないよ」。
さらに頭をベシベシ叩かれたり、ほっぺたを指でつつかれたりと、徹底的におちょくられます。
そして、ブルーのトドメの一言。「お嬢様は、おままごとしてていいでちゅよぉ~」。
さすがに傷ついて、ジャイアンに泣かされたのび太くんのように全身をジタバタさせるホワイト。「くやしぃぃぃ~~~! 何なのよソレ! なんでそこまで言われなきゃならないのよ、ガオレンジャーなんか、やめてやるぅ~! やめるやめるやめるぅ~!」。
すっかり駄々っ子と化したホワイトを、レッドがなだめることに。イチゴショートでご機嫌をとったり、「クマちゃんだぞ~、ほ~ら、かわいいだろ~」とぬいぐるみであやしたり…。
最後はガラガラを取り出して、「ホワイトちゃ~ん、コンニチワ~♪」と赤ちゃん言葉でなだめます。
結局、ホワイトが根負け。「やりゃいいんでしょ! やりゃ!」と、投げやり気味にガオレンジャーを続けることになりました。
その頃、鍛冶屋オルグは、ホワイトから奪った剣を材料に食器を作ろうとしていました。しかし、まだ材料が足りないので、ホワイト以外の剣も奪うことに決定。
そこでとりあえず、街で暴れてガオレンジャーを呼び出します。
「おっ腰につけた獣皇剣♪ ひっとつ私にくださいな♪」。そう歌いながらビルを壊す鍛冶屋オルグに、まんまとおびき出された黄・青・黒。秘技・鮎の友釣りなる技で、3人仲良く剣を奪われてしまいました。
そうして奪われた4本の剣は、それぞれナイフやスプーンやフォークやバターナイフに改造されてしまいます。
ところで、ひとりだけ剣を奪われなかったレッドの武器はファルコンサモナー。銃に変形したり、弓に変形したり、玩具を売るためのギミック満載のアイテムです。
レッドはそのガンモードを使って、鍛冶屋オルグに遠距離攻撃を仕掛けます。
鍛冶屋「飛び道具とは、卑怯なり」
レッド「ならば、アローモードだ!」
鍛冶屋「…それも飛び道具だろう」
レッド「違う!」
そう言って、ファルコンサモナーで直接ブン殴るガオレッド。そんな紳士的な戦いで、見事に鍛冶屋オルグを撃破。食器にされた剣を取り返しました。
しかし、戦隊シリーズのお約束で鍛冶屋オルグは巨大化して復活。ガオレンジャーも巨大ロボを呼び出して対抗することにします。
ところで、ガオレンジャーの剣には小さな穴が開いています。その穴に「ガオの宝珠」をハメ込むことで、ロボを呼ぶ仕組みなのですが…。
青「…スプーンだよ」
黒「フォークだ、これ」
剣を食器に改造されたため、ロボを呼べません。やむなく、ひとりだけ巨大ロボを呼べるシルバーが戦いますが、大苦戦。
黒「このままじゃ、シルバーが危ない!」
黄「俺たちは、何もできずに見ているしかないのか」
その時、ふとレッドが手持ちのファルコンサモナーを見ると、都合よく穴が4つ開いているではありませんか。ここで新事実が判明。実はファルコンサモナーでもロボを呼べたのです。
そんなご都合主義の力を借りて鍛冶屋オルグを秒殺すると、食器も元の剣に戻りました。
黒「…けど、さっきのフォークでチャンコを腹いっぱい食ってみたかったなぁ」
黄「このォ、食いしん坊♪」
全員「アハハハハハ」
平和な笑い声がこだまして、次回に続くガオレンジャーでした。
近ごろ更新頻度が下がっており、申し訳ありません。
当「ちゆニュース」では、毎週「百獣戦隊ガオレンジャー」をレビューさせて頂いておりますが、更新頻度が下がれば下がるほど全体に占めるガオレンジャーの割合が増大してしまいます。
このままでは「ちゆニュース」は「ガオニュース」になってしまうと恐れつつ、今週の「ガオレンジャー」は第36話「戦士踊る」でした。
さて。「ガオイーグル」や「ガオタイガー」など、ガオレンジャーの仲間には巨大な動物が何匹かいます。
敵に巨大バナナを投げつけて戦ったり、巨大ロボに変形合体したり…。それぞれが地球のために戦い、ガオレンジャーがピンチになれば助けに来てくれる便利な連中愛すべき仲間たちです。
ところが、そんな連中の一体「ガオディアス(鹿)」は違います。彼だけは、地球(東京)がピンチになっているのに、ずっと知らんぷりでした。
最近、ようやく戦いに参加してくれるようになったのも、「代わりに俺の好きな歌を毎朝聞かせろ」という条件付きです。
そんな糞ワガママな奴ですから、たぶんガオレンジャーも鹿鍋にして食ってやりたいと思っていることでしょう。しかし困ったことに、この鹿仕事だけはできるのです。
何しろ、戦士・武闘家中心の打撃系パーティーの中で唯一、ホイミやマホトーンが使える僧侶。こいつ抜きではエンディングにたどり着けません。
そんなわけで、百獣戦隊の指導者である巫女と最強の戦士であるガオシルバーは、生意気な鹿のために毎朝歌わされています。
ある日の朝。いつものように、シルバーと巫女は鹿のご機嫌をとっていました。
ところが、シルバーの笛がちょっと音程を外れたかと思うと、巫女は瞬間湯沸し機のごとく怒り出します。
巫女「ちょっと!? なに今の! 音外れてたわよ!? まさか毎朝付き合うのがイヤになって、手を抜いてるんじゃない!?」
鹿に酷使されるストレスがよほど溜まっていたのでしょう。
しかし、そこまで言いがかりをつけられて、同じくストレス充電120%・いつでも波動砲を発射できる状態のシルバーが黙っているハズはありません。
シルバー「見た目はそっくりだが、この性格はムラサキ殿とは似ても似つかぬ。少しはムラサキ殿みたいにしとやかになって欲しい」
要約すると、貴様の死んだおばあちゃんが俺の理想のタイプだから、お前もその真似をしろという意味になります。
ババコン野郎の世迷い言を聞かされて、そこでまた巫女はブチ切れです。
巫女「もうシルバーとはユニット組まない!」
あえなくユニット解散です。原因は鹿。
しかし、そこはよい子の番組・ガオレンジャー。ドロドロした大人の痴情のもつれ(というか幼稚な小学生のケンカ)だけでは終わらせず、ナレーションがフォローを入れてくれます。
ナレーション「おやおや、とんだ仲間割れです。ガオディアスだけに、しかたがないと困っています」
…ナイス・フォローです。
ともあれ、そこで登場するのは今週の怪人・魔笛オルグ。ガオブラックに「脳みそ腐っちまうぜ」と評価された彼の笛の音ですが、聞いた人間は体が勝手に踊り出してしまうのです。
「助けてくれー」と情けない声を出しながら、恥ずかしいダンスを踊らされるガオレンジャー。
ひとり残されたガオシルバーは、巫女に謝ります。
「怒った顔は、似合わないぞ。…昨日はすまなかった。(中略)君の歌声なら、あの笛の音も打ち消せるはずだ」
シルバーの役者さんは、Vシネマで元・高級ホストを演じた経験者。反省したと言うより敵を倒す目的の謝罪ですが、頭脳が幼稚園児並みの巫女は、あっさり口説かれてしまいます。
そうして、ユニットで魔笛オルグに対抗。「課長王子」ばりの音楽対決で、魔笛オルグの演奏に歌い勝ちました。ゾクゾク美。
その後、少しピンチになりますが、普段は自分からはテコでも動かないワガママな鹿が、どういう風の吹き回しか助けに来てくれました。
巫女「どうしてガオディアスが来てくれたの?」
シルバー「きっと君の歌が、素晴らし過ぎたのさ」
そんなこんなで、シルバーが巫女に建物から突き落とされたり、敵に金的攻撃を炸裂させたりしつつ、街に平和が戻りました。
最後は、よりを戻した2人のラブラブショット。とても平安時代生まれのカップルだとは思えません。
シルバーにとって巫女がおばあちゃんの代わりに過ぎない以上、長続きしそうにないカップルですが、ネットアイドルちゆは応援しています。
ちゆニュースで「百獣戦隊ガオレンジャー」について書かせて頂く際、「ラセツ」→「敵の大幹部」、「ガオズロック」→「秘密基地」、「ガオキング」→「巨大ロボ」などなど、固有名詞を使わずに表記することが多いです。
そのため、第1話からレギュラー出演しているにも関わらず、「敵の幹部」「男幹部」「雑魚怪人」としか紹介されず、一度も名前が出てこなかったかわいそうな人が出てしまいました。
彼の名は、ヤバイバ。
女幹部のツエツエさんとのコンビで主にギャグを担当する、悪の組織の中間管理職です。
そこで、今週のガオレンジャーは第37話「ヤバイバ燃える」。そのヤバイバが主役のエピソードです。
さて。ヤバイバの上司にあたる大幹部様は、大変なグルメです。人間を滅ぼすのは二の次で、いつもビルの破片を食べるためにビルを爆破しています。
すると当然、その下で働く幹部たちも、人間を襲うより美味しい料理を作ることが優先されます。
そこで活躍するのは、女幹部のツエツエさん。大幹部様の大好きな28気筒エンジンなどを作って、ご機嫌をとります。
一方のヤバイバは、料理を作っても「これは腐っとるぞ」と叱られるだけ。
ヤバイバ「やってらんねぇよな。ツエツエの奴、うまくやってやがる。料理の腕じゃ、アイツにはかなわねぇしさ」
過酷な出世競争にリストラ。現代日本では、悪の幹部も大変です。そこで彼は、料理以外のことで認めてもらえる方法を考えます。
ヤバイバ「弟に声をかけて、ユニットでも組むか。チーム・ヤバイバで一旗あげるぞぉっ」
そこで登場するのがヤバイバの弟分、ジャグリングオルグです。
ヤバイバ「今日こそチーム旗あげの日だぜ」
ジャグリング「兄貴…。ついに立つんか」
ヤバイバ「おうよ! 俺とお前。二人でオルグ界を席巻するのよ」
ジャグリング「任せとくんなはれ。ピエロの兄貴と、ジャグラーの俺。2人合わせてチーム・サーカスや!」
一方、その頃。ガオブルーは、記憶喪失で家も分からず無銭飲食を繰り返しながら乞食生活を続けている少年を保護。帰る家が見つかるまで、少年を秘密基地で養いたいと主張します。
ブルー「ベッドだったら、俺のを使えばいいし」
これまで何度もホモ疑惑をささやかれてきたブルー。元力士の筋肉男だけでは飽き足らず、ちょっと生意気なところが愛らしい少年まで手を出そうというのでしょうか。恐るべしショタホモ。
ブルー「俺は”怒涛の鮫”。鮫ちゃんって呼んでくれ」
自己紹介も終えて、少年を秘密基地に囲う許可を得たガオブルー(鮫ちゃん)。夢の同棲生活の実現です。
さっそく2人は遊園地でデート。それに、なぜかイエローもついていくことになります。
たまの休日にイヤイヤ遊園地に連れ出されたお父さん(リストラ3秒前)のような表情のイエロー。
ジェットコースターで「操縦桿はどこにあるんだ?」と聞いてみたり(元航空自衛官)、ワニワニパニックに興じているうちにガキンチョ2人に置いて行かれたりします。
そんな彼らを、後ろから追いかけるチーム・サーカス。それぞれウザギさんとパンダさんの着ぐるみを着こみ、怪人だとは分かりません。
この愛らしい動物さんの格好のままで忍び寄り、遊んでいるところを背後から投げナイフでザックリという寸法です。
番組史上もっとも凶悪なガオレンジャー暗殺作戦。正面から戦うよりも遥かに確実性が高そうです。恐るべし、チーム・サーカス。
しかし、せっかくの作戦も、ナイフをいくら投げても相手がタイミングよく転んだり振り返ったりして絶対に命中しないという定番のギャグに使われただけでした。
こうして、いくら策を巡らせてもギャグで片付けられるだけと悟ったチーム・サーカス。結局、いつも通りの真正面からの力押しに移行します。
まずは、2人で敵をはさみ、両側からナイフを投げつけまくるというコンビネーション攻撃が炸裂。ブルーとイエローを苦しめます。
さらに、から傘の上で鞠を回し始めるジャグリングオルグ。今度はどんな攻撃かと思ったら、そちらはただ回しただけでした。
ヤバイバ「兄貴分の俺が頭脳労働。弟分のジャグリングオルグが肉体労働」
ジャグリング「それでギャラはおんなじ」
「染之助・染太郎かい」とツッコミを入れるのも恥ずかしいネタですが、チーム・サーカスはノリノリ。「おめでと~ございます!」と叫びながら攻撃を続けます。
ブルー「イエロー! 俺たちコンビも、息の合ったトコ見せようぜ!」
イエロー「お前とコンビ? しょうがねぇな」
そして、イエローを足場にしてブルーがジャンプしたり、ブルーを踏み台にしてイエローが飛び上がったり…。
ロビンマスクとウォーズマンのタッグ・フォーメーションAなみに意味不明の自称「コンビネーション」を披露。見事に形成逆転しました。
ところが、そこでチーム・サーカスは少年を人質にとります。
イエローだけなら「地球の平和のため、少年を犠牲に」とか考えかねませんが、ショタホモのブルーには効果絶大。
これでチーム・サーカスの勝利かと思いきや、ようやく現場に到着したレッド・ホワイト・ブラックが不意打ちをかまし、人質を助けてジャグリングオルグを瞬殺します。
ジャグリングオルグは戦隊シリーズのお約束で巨大化しますが、ガオレンジャーの巨大ロボには歯が立ちません。その劣勢を見て、ヤバイバは決意します。
ヤバイバ「生まれて今まで、俺に太陽のあたる日はなかった。…だが! 今日こそガオレンジャーを倒してみせる!」
幹部みずから、巨大化して戦おうと言うのです。同僚の女幹部は、「危険だわ、命の保証はないのよ!」と止めますが…。
ヤバイバ「覚悟の上だぜ! うぉぉぉぉぉおおお!!」
巨大化したヤバイバ。今、リストラ寸前の男が、意地と雇用をかけて最後の決戦に挑みます。
ヤバイバ「今日のヤバイバは、ちょっとヤバイバ~」
ジャグリング「兄貴…。来てくれたんか」
ヤバイバ「おうよ! チーム・サーカス、一世一代の興行よ」
そして、再びチーム・サーカスのコンビネーションが炸裂。ガオレンジャーを追いつめます。
ところが、そこにまたしても遅れて登場したガオシルバーの卑怯な不意打ち攻撃が直撃。ジャグリングオルグが爆死します。
ジャグリング「俺たち…、輝いてたよな。兄貴…」
ヤバイバ「ジャグリングオルグゥゥゥーーッ!!」
相棒を失ったヤバイバ、もう後には退けません。亡き友の無念を晴らすため、憎いガオレンジャーに、せめて一矢報いねば…!
絶望的な戦力差を知りながら、それでも決死の覚悟でガオレンジャーに立ち向かうヤバイバ!
ところが、いきなり「ぷぅ~~~」と屁をこいたかと思うと、そのガスが抜ける勢いで、ヤバイバの体がみるみるしぼんでいきます。巨大化の効果が切れ、元の大きさに戻ってしまったのです。
そして、戦闘後。巨大ロボを前に逃げ帰って来た自分を責めるヤバイバを、女幹部が慰めます。
ヤバイバ「俺は、俺なりに頑張ったんだがな…。また駄目だったか」
ツエツエ「そんなことないわ。命がけの戦い、見事だったわ。頑張ったわよ、ヤバイバ」
情にほだされて要領が悪いヤバイバと、口先だけで同僚を丸め込む上司お気に入りのツエツエさん。果たしてどちらが出世するタイプか、ヤバイバの将来は暗そうです。
ネットアイドルちゆはヤバイバを応援しています。
毎年、数多くのテレビ番組が作られては打ち切られていきます。
そんな中、生半可な人気では10年20年と続く長寿番組になれません。「渡る世間は鬼ばかり」「サザエさん」など、今でも20%以上の視聴率を保っています。
ところが、今年で25作目になる東映スーパー戦隊は、シリーズ最高の視聴率をほこる「電子戦隊デンジマン」さえ13.5%。
「ターボレンジャー」で放送時間を変えられてからの平均視聴率は、常にひとケタです。
劇中で半年間も地球を悪の征服下に置いてしまった駄目戦隊「超力戦隊オーレンジャー」に至っては、平均視聴率4.6%。
いま放送中の最新作「百獣戦隊ガオレンジャー」にしても、最高視聴率11.5%でスタッフ一同大喜びという感じです。
では、視聴率的には普通の戦隊シリーズが、どうして長いこと続いているのでしょうか。
もちろん、おもちゃが売れるからです。今年の「ガオレンジャー」も売れ行きは好調で、先日の中間決算でもバンダイの売上高は昨年の7.2%増でした。
そんなわけで、戦隊シリーズは毎年バンダイが企画を立てて、主人公のスーツやロボのデザインを決定。その後で東映が話を作る形になります。
決まってゴールデンウィークや夏休み前に新武器・新ロボが登場するのも、おもちゃ優先でスケジュールが決まっているからです。
さて。早いもので、今年もクリスマスが近づいてきました。一年で最も玩具が売れるこの時期、頑張って在庫を一掃しなければなりません。
そこで、今週の「ガオレンジャー」は第38話「精霊王頂上決戦」。全編巨大ロボのプロモーション映像でした。
具体的には、主要ロボット2体による同士討ちガチンコバトル。いかにもチビッコが喜びそうなシチュエーションで、「売り尽くしてやるぞ」というバンダイの意気込みが感じられます。
仲間同士で戦う理由には、ガオレンジャーのロボットは”意思をもつ巨大な動物”だという設定を利用することに。
そんなわけで、今週の怪人・猛獣使いオルグが登場。
戦闘前の余興として、「ミーの言うことを聞くザンス!」とその辺のノラ猫を操ろうとしますが、まったく見向きもされません。
「猫が猛獣じゃないから失敗したザンス!」と、あやしいフランス語で言い訳する怪人。
しかし、ガオレンジャーは猛獣に分類されるらしく、猛獣使いオルグのムチで操られてしまいます。
ガオホワイト(16歳少女)に火の輪くぐりをさせたり、4つんばいで座らせて頭をなでたり、ちょっとマニアックな怪人です。
そんなホワイトの姿に、仲間が声援をおくります。
イエロー「ホワイト、実に見事な火の輪くぐりだったぜ」
ブラック「本物のサーカスの動物みたいだったぜ」
ホワイト「…本当? ありがとう!」
さらに、猛獣使いオルグが「おすわりザンス!」と叫んでムチをふるうと、ガオレンジャーは全員おすわりしてしまいます。
”孤高の荒鷲”イエローのやる気なさげな体育座りも謎ですが、”怒涛の鮫”ブルーの不自然に背中を反らせて寝そべった姿勢は、どの辺が「おすわり」なのでしょうか。
ともあれ、この無敵の能力を持っていながらもロボ玩具の販売促進員に過ぎない猛獣使いオルグ。
このままガオレンジャーを一方的にボコって勝つこともできたハズなのに、物語的には何の脈絡もなく「今度はロボを操ってやる」と言い出して巨大化します。
その誘いに乗って、巨大ロボ・ガオキング(6000円)を呼び出すガオレンジャー。もっと強い新ロボがいるのに、わざわざ型落ち品の旧ロボを呼び出すあたりが苦しい展開です。
ともあれ、敵の能力を知りながらまったくの無策で突撃したガオレンジャー。当然のようにガオキングを操られてしまいます。
「やめろ、止まってくれ、ガオキング。お前と俺たちは、心と心でつながった仲間同士じゃないか!」
必死で説得するレッドですが、無視して攻撃してくるガオキング。涙ぐましい友情です。
そのピンチに、6人目の戦士・シルバーの巨大ロボ・ガオハンター(5000円)が駆けつけました。
「貴様もおすわりザンス!」と術をかける猛獣使いオルグですが、なぜかガオハンターは操れません。
シルバー「しょせん俺たちは一匹狼の集まりだ。猛獣使いのムチなどは効かんッ!」
言葉の意味は分かりませんが、とにかくすごい自信です。心と心でつながった仲間は裏切らせられても、元から協調性のない奴にはどうしようもない模様。
ともあれ、「ガオキング、ちょっと我慢してくれよ!」と言いつつ、容赦なく必殺の攻撃をブチ込んでいくシルバー。しかし、ガオハンターは売り上げが順調なのか、あっさり返り討ちにあってしまいます。
心の友のガオキングは言うことを聞きませんし、一匹狼は口先だけの役立たず。
やむなくガオレンジャーは、もう1体のロボ・ガオマッスル(7500円)を呼び出します。またしても、最新最強ロボを差し置いて型落ち品の登場です。
その後は、ガオゴリラ(2000円)、ガオエレファント(1500円)、ガオジュラフ(1500円)、ガオディアス(1500円)、ガオベアー(3000円)と、最近目立たなかった玩具たちの見せ場のオンパレード。
特に、敵の強さを強調するための引き立て役になり下がっていた連中(通称ヤムチャ組)は大活躍です。
天津飯レベルを飛び越えて、いきなりピッコロ並みの実力者になっていました(たぶん今回限り)。
そして、一通り全ての超合金の紹介が終わったところで、ようやく最新ロボ・ガオイカロス(10000円)を召喚。
全プロモーションが終了して用済みになった猛獣使いオルグを瞬殺しました。
ともあれ、ここで売れ残ると、来年の戦隊が登場してからおもちゃ屋さんのワゴンで5割引~8割引でバナナのように叩き売られる運命。
ちゆが10年後、20年後も戦隊を見続けられるよう、がんばって稼いで欲しいところです。
ネットアイドルちゆはバンダイを応援しています。
今日の「百獣戦隊ガオレンジャー」は第41話「サンタが来た」でした。
物語は、サンタの格好をした怪人が街で子供たちにプレゼントを配っている場面から始まります。
怪人の名前はクリスマスオルグ。陰謀の匂いを感じ取ったガオレンジャーは、さっそく出動しますが…。
子供1「おじちゃん、邪魔。プレゼントがなくなっちゃう」
子供2「ちゃんと並んでるんだからね。割り込みはよして」
子供たちのバッシングに少々傷つきながら、めげずにガオレンジャーは配布物の検閲を開始します。
すると、包みの中から「チッチッチッ」という機械音が。とっさに「時限爆弾だ、みんな伏せろ!」と叫び、包みを放り投げます。しかし、中身は単なる目覚し時計でした。
子供3「なんだよ、何でもないじゃないか」
子供4「うそつきー」
子供たちのブーイングはさらに加熱。どんどんガオレンジャーの立場がなくなっていきます。
それでもどうにか自分たちこそが正義であり、コイツは悪い怪人であると証明すべく、検閲を続けるガオレンジャー。
黒「…何も細工してないみたいだ」
赤「だけど、こいつはオルグだ。みんな、騙されるんじゃない!」
白「そうよ、この人は鬼なの。知らない鬼からモノをもらっちゃいけないって言われてるでしょ!」
ついに証拠を発見できず、ガオレンジャーは逆ギレ状態で子供たちに訴え続けます。
子供5「アタマかたいね。おばさんの発想だね」
子供6「帰れ!」
子供7「帰れ!!」
子供8「帰れ!!!」
とうとう子供たちの帰れコールが始まり、正義の味方としてのアイデンティティーを失ったガオレンジャー。
結局、「何も悪いことをしてない奴を倒すわけにはいかない」ということで、怪人を放置して引き上げてしまいます。
しかし、ひとりムキになったのはガオレッド。「尻尾をつかんでやるぞ」と、クリスマスオルグの尾行を開始します。
ところが、この怪人は行く先々で子供たちにプレゼントを配るだけ。
その行動が「オルグの風上にも置けない」と悪の幹部にリンチされたり、大幹部のラセツ様に「オルグと人間は共存すべきだ」と直訴したり…。そんな彼の姿に、ガオレッドは感動します。
ガオレッド「俺もアンタと同感だ。人間とオルグの和平の道、俺にも手伝わせてくれ!」
しかし、クリスマスオルグはその申し出を断ります。レッドが変身アイテムを持ち、いつでも戦えるように構えているからです。
クリスマス「私は武器と言えるものは、何一つ持っていないのです。あるのは、これだけ」
そう言って彼は、汚らしい靴下を取り出します。もしもの時に、匂いで相手を卒倒させるための自衛アイテムなのだそうです。
ためしにその辺の野良犬に使ってみると、効果てきめん。あまりの悪臭に、野良犬はぶっ倒れてけいれんしてしまいました。
しかし、和平のためには、そんな自衛アイテムさえ不要だと言うクリスマスオルグ。その靴下をレッドに手渡します。
レッドもお返しに、自分の変身アイテムを「友情の証だ」と預けてしまいました。
クリスマス「いっしょにラセツ様のところへ行って、和平の話し合い、して頂けますか?」
ガオレッド「もちろんだぜ、親友」
一方その頃、街では子供たちが次々と行方不明になっていました。レッド以外のガオレンジャー4人は、秘密基地のテレビでそのニュースを知ります。
青「あっ、さっきの生意気なお子様たちだ」
白「私のコトおばさん呼ばわりした子もいる!」
失踪したのは、クリスマスオルグのプレゼントを受け取った子供ばかり。やっぱりアイツは、悪い怪人だったのです。
…しかし、そんなことは全く知らないガオレッド。悪の大幹部・ラセツ様の元に和平の使者として赴きます。
ガオレッド「人類を代表して、ここに宣言する。もう戦いはよそう」
そして、自分たちが互いの武器を預け合ったことを話し、オルグと人間は分かり合えると強調。そんなレッドを前に、ラセツ様は感動したフリをします。
ラセツ様「お、お前たち…!」
ガオレッド「分かって…くれるのか」
ラセツ様「うんうん、感動した!」
そして、泣きながらガオレッドに抱きつくラセツ様(演技)。クリスマスオルグ・ガオレッド・ラセツ様は3人で肩を組み、友情と感動の涙を流し合います。
平和が訪れたと信じ切って、すっごいイイ笑顔で喜ぶガオレッド。そのスキに手足を拘束されてしまいました。
クリスマス「クックック…。こうもうまく騙されるとはな」
ラセツ様「クリスマスオルグよ、よくやった。さすがはオルグ界一の演技派」
クリスマス「いえいえ。ガオレンジャーのリーダーがここまで単細胞だったからこそでございます」
しばらく間抜けヅラで呆けていたレッドも、ようやく状況を理解します。
ガオレッド「……おのれ、だましたな!」
クリスマス「へっ、悪いな親友」
ラセツ様「だまされるお前が悪いのだ」
逆上してラセツ様に挑みかかるレッドですが、変身アイテムもなく、手足も不自由では勝てません。
そこに、テレビで事情を知った青・黒・白・黄が到着。レッドを救出するのかと思ったら、これもあっさり罠にハマり、4人そろって身動きがとれなくなってしまいました。
そこでついに、クリスマスオルグが正体を現します。
クリスマス「俺はクリスマスオルグではない。クルシメマスオルグだったのだ!」
そして、スノー手裏剣、クルシメ銃、ツリー剣などで攻撃。動けない4人を一気に追い詰めます。
ガオレッド「あの野郎…。武器いっぱい持ってるじゃねぇかよ!」
ブチ切れたレッドは、反撃の策を思いつきます。そう、先ほど友情の証に受け取った異常に臭い靴下です。その匂いで敵を卒倒させ、見事、変身アイテムを奪還します。
赤「俺の友情を踏みにじった貴様だけは、絶対に許すわけにはいかない!」
怒りの必殺技で、一度は親友と呼んだ男をブチ殺すガオレッド。行方不明の子供たちも無事に帰ってきて、めでたしめでたしで次回に続くのでした。
当サイトは、東映スーパー戦隊シリーズ最新作「百獣戦隊ガオレンジャー」を応援しています。
放送開始から11ヶ月。そろそろ次の戦隊に興味が移りそうな時期ですが、ガオレンジャーもまだ最終決戦が控えています。
矢吹ジョーが真っ白に燃え尽きたり、シンジくんが世界の中心でアイを叫んだり。それまで続けてきた物語にどうオトシマエをつけるのかという意味で、最終回は大事です。
戦隊シリーズで印象に残る最終回と言えば…。
「五星戦隊ダイレンジャー」。1度は倒した悪の組織が50年後に復活。すでに老人になった戦隊メンバーに代わってその孫たちが新しいダイレンジャーになり、再び戦いが始まるという幕切れ。
「激走戦隊カーレンジャー」。悪の組織・宇宙の暴走族ボーゾックの構成員たちは無事に更生。焼肉屋になったり、アイドルを目指したり、小学校に入って義務教育をやり直したり…。幹部や怪人たちが新しい道を歩き始めて終わるハッピーエンド。
「太陽戦隊サンバルカン」……については、うどんアタック!(仮称)さんの昨年5月11日に先を越されておりましたので、そちらをご覧ください。
ともあれ、「ガオレンジャー」も間もなく最終決戦。ラスボスとの対決、憎めない悪の幹部の運命、戦隊解散後のメンバーの再就職等々、気になるところです。
しかし、「戦隊基地壊滅」や「メンバー戦死」をすでにやってしまった上に、壊れた基地は1週間で復旧させ、死人はその週の内に生き返らせているガオレンジャー。
最後を締められず、動物型ロボに引っ張られてオモチャが売れただけの戦隊として歴史に名を残さないか心配です。
ともあれ、ここ1ヶ月ほどの放送をざっと振り返り、ラスト5話の放送に備えたいと思います。
第42話「鬼忍者侵略!」
戦隊の魅力の1つに、女幹部のこっ恥ずかしい衣装があります。ところが、「ガオレンジャー」の女幹部・ツエツエさんは非常に露出度が低く、全国のお父さんをガッカリさせ続けていました。
しかし今回、ついに彼女が網タイツの「くの一姿」を披露。聖なる泉に触れて悩ましく悶える姿(?)のオマケ付きで、お色気満載でした。
ところで、ガオレンジャーの隊員には、メインの戦闘員6名以外に、彼らを後方支援する「巫女」がいます。具体的には、彼女はとても料理が上手で、ガオレンジャーの食事を作ってくれたりします。
そこに目をつけた悪の大幹部・ラセツ様。「ぜひ一度、巫女が作ったお弁当を食べてみたい」と思います。そして、女幹部・ツエツエさんに命がけの作戦を実行させます。
まさかお弁当のためだとは知らないツエツエさん。人類滅亡のための一大プロジェクトを任されたと信じて、半死半生になりながら巫女の誘拐に成功します。
それを追いかけてきたガオレンジャーは、ラセツ様を追い詰めます。しかし、ラセツ様は瀕死のツエツエさんの体を盾にして必殺技を防御、巫女を連れて逃げ去ってしまいます。
そして、お弁当のために使い捨てにされたツエツエさんはあえなく死んでしまいました。
第43話「獅子、灼熱する」
前回、巫女を連れ去られてから何も食べていないガオレンジャー。基地で「ひもじいよー」「ひもじいよー」と嘆いています。…どうやら、巫女に作ってもらう以外にご飯の調達方法を知らない模様です。
そんなこんなで、ガオレンジャーは(主に食欲のため)巫女の奪還に乗り出します。しかし、罠にかかって絶対脱出不可能の異世界に閉じ込められてしまいました。絶体絶命のピンチです。
そうして邪魔者のいなくなった現実世界で、「私に毎日お弁当を作れ」と、ラセツ様は巫女に迫っていました。
ところで、ガオレンジャーが操る巨大ロボは、意思を持った巨大な動物たちが合体した姿です。その動物たちは、ガオレンジャーがいなくても活動できます。
そんなわけで、巫女を助けにさっそうと駆けつける動物たち。巨大ロボのサイズからは豆粒ほどに見えるラセツ様に容赦なく巨大攻撃を仕掛けて追っ払いました。
しかし、巫女は助かってもガオレンジャーは異世界に。途方に暮れる巫女ですが、そこで突然、彼女が作った卵焼きが光り出します。
その卵焼きを食べた巨大動物はパワーアップ。異世界にワープして、ガオレンジャーを救出してくれました(なぜ卵焼きが光ったのか、どうして「脱出不可能」の異世界に行って帰れたのか、一切説明はありません)。
ともあれ、巨大動物と卵焼きがあればガオレンジャーいらない気がしました。
第44話「亀岩、落ちる」
ラセツ様の策略にハマって、今度は変身アイテムを壊されたガオレンジャーの5人。生身で戦わなければならず、大ピンチに陥りました。
その危機に、6人目の戦士・ガオシルバーが駆けつけました。唯一変身できる最後の希望の戦士です。
「ここはひとまず、俺に任せておけ!」。格好よく言い放ち、ラセツ様に斬りかかるガオシルバー。かっこいいです!
そして、あっさりひっくり返されて、変身を解かれて、ついでに変身アイテムを落としてしまい、それをラセツ様に踏み壊されて、再変身できなくなってしまいます。
…かっこわる!
そうして、生身で戦うハメになったへっぽこ6人組。「心を1つにすれば勝てる」と終戦間際の大日本帝国のような精神論を支えに戦いますが、もちろん勝てるハズがありません。
おまけに、そのままで十分勝てるのに、ラセツ様は巨大化。絶体絶命です。
その危機にガオレッドは、「腹の中に入ったって大暴れしてやる! 食ってみやがれえぇぇぇ!!」と叫びながら特攻します。
最後まで諦めない戦士の描写なのか恐怖で気が狂った男の描写なのか分かりませんが、とにかく全長60m前後の化け物に丸腰で突貫では犬死にあるのみです。
案の定、レッドはラセツ様にパクリと食べられてしまいました。
しかし幸運にも、まだ口の中にあるうちに、駆けつけた巨大動物たちがラセツ様を攻撃。レッドを吐き出させてくれました。
壊された変身アイテムも巨大動物が超能力で直してくれて元通り。ついでに巨大動物が合体したロボで、めでたくラセツ様を瞬殺しました。
やっぱり、巨大動物がいればガオレンジャーいりません。
第45話「闘い終わらず」
年末の大掃除ということで、ガオレンジャーは秘密基地の復旧作業に追われています。
一方、それに参加せず、緑に包まれて1人お昼寝中のガオシルバー。そういう時だけ一匹狼なのもどうかと思います。
その頃、悪の本拠地では、男幹部・ヤバイバさんがたそがれていました。
元々、指導者が「大幹部1名、幹部2名(男女1人ずつ)」の零細組織。女幹部と大幹部を続けて失い、ヤバイバはひとりぼっちになっていたのです。
仲間を失った怒りをガオレンジャーにぶつけようと、ヤバイバの復讐戦が始まります。首尾よく巫女を人質にとり、「俺の言うことを聞け」とガオレンジャーを脅すのです。
ところが、この圧倒的優位な状況から何をするのかと思いきや、ヤバイバさんは巨大ロボを踊らせるように命令します。
ヤバイバ「情熱的に踊れッ!」
困惑しながら、とにかく巨大ロボを踊らせるガオレンジャー。確かに醜態ですが、もっと他の復讐方法がある気がします。
青「うまく踊れてるのかな?」
赤「大丈夫だ! …と思う」
白「そうよ。十分情熱的だわ」
ともあれ、そんなヤバイバさんはガオシルバーに洗面器で殴られて敗北。サービスの入浴シーンを挟んで、次回に続くのでした。
第46話「正月が襲う!」
以前、巫女がさらわれて敵の本拠地に連れて行かれたことがありました。そこで、その時の記憶をたどって、敵本拠地を一気に奇襲・せん滅という作戦を立てるガオレンジャー。
それなら大掃除の前に行っておけという気もしますが、とにかく「つり橋」「硫黄のにおい」といった手がかりをたどりながら、確実に敵本拠地に迫って行きます。
慌てたのは、敵の方です。何人かの幹部を失い、残存戦力は男幹部1名と怪人1名、戦闘員若干名。いま殴り込まれては、手も足も出ません。
そこで、男幹部・ヤバイバは作戦を立てます。怪人がお正月にちなんだお正月対決を挑んでガオレンジャーを足止め、その間に戦闘員が本拠地の周辺一帯を土木工事で荒野に変えて手がかりをなくすのです。
そんな策略があるとも知らず、怪人にお正月勝負を挑まれたガオレンジャー。無視すればいいのに、しっかり挑戦を受けてしまいます。
ところが、羽つき・カルタ・コマ回しと3連敗すると、ガオレッドは「もう我慢ならん!」と逆ギレ。肉弾戦に切り替えて、怪人をブチ殺しました。
ともあれ、そんなお正月勝負の間に、ヤバイバは作業を完遂。本拠地の周囲は地平線まで見渡す限り何にもない荒野になってしまい、ガオレンジャーは手がかりを失って途方に暮れるだけ。
奇襲作戦は失敗。つくづく使えない連中だという感じが強調されたところで、次回に続くのでした。
さて。
第51話で最後なので、残る放送は5回。第47話で最後の怪人と対決し、48~51話まで4週にわたって最終決戦が繰り広げられると思います。
ちなみに、これまで倒された歴代の幹部は目の化け物と耳の化け物と口の化け物。この3名が復活・合体して巨大な顔の化け物になる展開が予想されますが、まさかそれがラスボスという安直な方法は採らないと信じたいところです。
ネットアイドルちゆはガオレンジャーを応援しています。
昨年の戦隊「未来戦隊タイムレンジャー」は、敵役を“金と情で結ばれたファミリー”として描き、世界征服命の秘密結社とは一味違った雰囲気で面白かったです。
今年の戦隊「百獣戦隊ガオレンジャー」の敵は、“心を持たず、本能のままに人間を襲う化け物”という設定でした。しかし、そんな怪人たちも回を追うごとに俗物化していきます。
特に、女幹部・ツエツエ&男幹部・ヤバイバは、一途に上司のために働きながら報われない中間管理職の悲哀をかもし出しつつ、中間管理職同士で絆を深めていきました。
しかし、そんなツエツエも第42話で死亡。悪の幹部はヤバイバ1人だけになってしまいました。
そんな状況で、今週のガオレンジャーは第47話「蒸気機関、爆走!」です。
前回の戦い以来、街に怪人が現われなくなりました。「きっと、ほとんどの怪人を倒してしまったに違いない」。能天気なガオレンジャーは、そう考えます。
黒「ネバギバの精神で戦ってきた成果が、ようやく現われてきたってコトだよな」
黄「後は残ったヤバイバさえ倒せば、パーフェクト勝利だ」
そうして独特の言語感覚で会話をしているところに、突如ガオゴッド様が登場します。
コイツは1000年も前に、強くもない敵に負けて死んだ役立たず。そのくせ、頭悪いのに現代の戦いに口を出して来る困った「神様」です。
テレビの環境問題特集に影響されて「人間は地球の害だ」と思い込み、巨大ロボを使用禁止にした上、後で間違えに気がつくと「成長したな。実はお前たちに試練を与えていたのだ」とゴマかした前科もあります。
そんなガオゴッド様、最近は絶体絶命のピンチにも助けに来ない分際で、平和な時だけノコノコと出てきたかと思ったら、「次に現われるのは最強最後の怪人だ」とだけ伝えて帰ってしまいました。
黒「そいつを倒せば」
青「俺たちの勝利」
白「ヤバイバは問題外だもんね」
一方、問題外あつかいのヤバイバさん。死んだツエツエさんから霊界通信を受けていました。
なんでも、彼女は現在鬼地獄に堕ちていますが、霊界に釣り糸を垂らせば、蜘蛛の糸の要領で地獄から這い上がって来られるそうです。
それを聞いて、喜んで釣り道具一式を買いに行くヤバイバ。
着ぐるみスタイルのまま品定めを済ませると、怪人らしく盗むわけでもなく、律儀にレジに持って行って清算します。
ヤバイバ「えっと、28013円ですね。消費税込みで計算しましたから」
…しかも、電卓持参で値段を自分で計算します。
ヤバイバ「30000円ね。あ、あと13円あるから、ちょっと待っててね」
…おまけに、お釣りが少なくなるように小銭を取り出します。その上、お財布はサザエさんが使っていそうな赤いガマ口です。
そうして道具を揃えましたが、それだけではツエツエを釣り上げるのは不可能。ガオレンジャーの必殺技のエネルギーが必要なのだそうです。
そのエネルギー採取のため、ガオレンジャーのところに向かうヤバイバ。すると、彼らは今週の怪人・蒸気機関オルグと交戦中でした。
さすがに「最強最後の怪人」だけあって、その戦闘力はガオレンジャーを圧倒しています。見る見る押されていき、ガオレンジャーは必殺技を出すヒマもなく敗れ去りそうな雰囲気に。
ヤバイバ「もしかして、勝てるかも。しかし、蒸気機関オルグに勝たれちゃうと、ツエツエの復活が。…ボクちん、どうしたらいいんだ?」
葛藤するヤバイバ。
ヤバイバ「このままガオレンジャーが倒れてくれたら、それはそれでいいんだが。…しかし、今の俺には、やらねばならん事があるッ!」
この瞬間、今週の主役はヤバイバに決定しました。雄たけびをあげながら、戦闘に割って入ります。
白「まずいぞ、奴1人すら苦戦しているのに」
青「いくら弱いとはいえ、今ヤバイバに参戦されたら…」
ところが、ヤバイバは不意をついて蒸気機関オルグに斬りつけます。そして、ガッチリと押さえつけて…。
ヤバイバ「今だ、ガオレンジャー! トドメを!!」
戦隊を倒すよりも、たった1人の仲間のことを優先させるヤバイバ。今週どころか、ガオレンジャー全体を通しても真の主役みたいです。
赤「何だって?」
白「血迷ったの、ヤバイバ!?」
黄「アンビリーバブルだぜ!」
困惑するガオレンジャー陣営ですが、「せっかくだから」と必殺技を発動。あわれ犠牲にされた蒸気機関オルグは瞬殺されてしまいました。
その余波を受けてボロボロになりながら、ヤバイバは必殺技のエネルギーをゲットします。
ヤバイバ「へへ…。やったぜ」
死んだ蒸気機関オルグは、お約束で巨大化・復活。さっそく巨大ロボの出撃です。
しかし、この強敵に対しても最新・最強のロボではなく、わざわざ型落ちの貧弱ロボを出すガオレンジャー。そこまでしてオモチャを売りたいのでしょうか。
そうして無意味に弱い形態で戦った結果、余計なダメージを受けてしまい、最強形態への移行も不可能に。完全な作戦ミスです。
まあ、脳みそが足りない分は力技で無理矢理フォローして、どうにか逆転勝利しましたけれど。
…脇役のことはさて置いて、主役のヤバイバに話を戻します。こちらは、必殺技のエネルギーと28013円で買った釣り道具を使い、見事にツエツエさんを地獄から釣り上げていました。
ヤバイバ「ツエツエっ」
ツエツエ「ヤバイバっ」
ヤバイバ「会いたかったぜぇ~」
ツエツエ「やっぱり、2人一緒がいいわね」
ヤバイバ「ヤバツエコンビの復活だ~っ!」
抱き合って再会を喜び合う2人。以前、青・黒・黄・白が死んだ時のあまりにも適当な殺し方と投げやりな生き返らせ方に比べて、実に感動的な場面です。
ネットアイドルちゆはヤバツエコンビを応援しています。
今回の「百獣戦隊ガオレンジャー」は第48話「奴らが蘇る」でした。
先週、ガオレンジャーは最後の怪人を倒してしまいました。残る敵は、弱っちい悪の幹部・ヤバイバだけです。
黄「あとは、ヤバイバひとり倒せば終わりってことか」
白「楽勝っ♪」
ヤバイバを完全にナメ切ったガオレンジャーは、すでに勝った気マンマン。秘密基地で、盛大な勝利の前祝いパーティーを始めます。
その大人気ないハシャギぶりは、普通ではありません。基地中にパーティー用の飾り付けをして、シルバーは鼻とヒゲがついたメガネを装着。ブルーも変な尻尾をつけていますし、ブラックに至ってはチョンマゲのヅラです。
そして、メンバーたちは指ずもうで盛り上がります。しかも、人差し指を使うズルで勝って大喜びのブラック。
さらにカラオケを歌い狂い、全員そろって記念撮影。疲れたら、みんなで一列に並んで座り込んで、しゃぼん玉を飛ばします。
…祝うならヤバイバを殺してからにして欲しいと思いますが、彼らのバカ騒ぎにも、それなりの理由がありました。
敵を全滅させれば、ガオレンジャーは解散です。刻々と迫る別れの悲しさを忘れるため、そして最後の思い出作りのために、彼らは羞恥心も捨てて遊び狂っていたのです。
そんなわけで、たまに出現する敵を倒す以外は3食昼寝付きの優雅なガオライフも、間もなく終わり。
特に、ガオレンジャーになる前はフリーターだったブルーは自動的に無職が決定していますので、今後を心配して、公園で就職情報誌を読みふけっています。
青「やっぱりないよな~。週休5日で年収4500万円なんて仕事」
黒「ま・か・せ・な・さ・い! 今の仕事が終わったら、自分はチャンコ屋を開く。君はその店の店長だ」
青「店長? …じゃあ、社長ー!」
そして熱い抱擁を交わし、ジャングルジムのてっぺんから絶叫する2人。
黒「店長、天下とるぞ! 天下~~~!!」
青「天下~~~! 天下~~~!」
2人「アハハハハハハ!!」
しばらくすると、我に返ってブランコをこぎながら落ち込む2人。
青「……店を開くって、大変だよね……」
黒「……そうかも知れないな……」
一方、ガオシルバーが大自然の中でボーッとしていると、突然ホワイトがじゃれついてきました。
白「シールバ♪ ねぇ、戦いが終わったらどうするの?」
銀「…とりあえず1人身で気楽だし、パーッと旅にでも出るか。日本全国温泉めぐり。おいしいもの食べ歩きってのも悪くないな」
…さすが平安時代から現代に蘇った男だけあって、ジジくささ全開です。放浪と言えば聞こえはいいですが、むしろ単なる浮浪者になりそうな気がします。
白「1人で旅行なんて、つまんないよ。私も一緒に行っちゃおうかな~?」
銀「えええっ?」
白「あっ♪ ねぇ、何赤くなってるの?」
銀「あ、赤くなどなっていない!」
…何をイチャついてますかコイツらは。
ひたすら八方美人を続けてきたホワイトですが、ここにきてターゲットをシルバーに定めたらしく、口説きにかかっています。
しかし、ルックスは良くても、彼は世間知らずの平安人。ガオレンジャーで最も甲斐性という言葉から遠い男です。
収入や将来性を考えると、元力士の花屋(黒)や19歳フリーター(青)に輪をかけてデンジャラスな存在だと言えるでしょう。…ちゆだったらイヤです。
そんなこんなで、すっかり戦いを終えた気になって現実社会での身の降り方に頭を悩ませるガオレンジャー。ヤバイバのことなどアウトオブ眼中です。
そこに、怪人出現の情報が入りました。
赤「よし、行こうぜ」
黄「ああ、ラストバトル…だな」
黒「これに勝って社長だぜ!」
ところが、駆けつけたガオレンジャーを待ち構えていたのは、ヤバイバと女幹部、そして敵の大幹部3人組でした。
ガオレンジャーが能天気している間に、これまで1年間かけて倒してきたハズの敵が復活していたのです。
そして、3人の大幹部の攻撃。ガオレンジャーの必殺技「破邪百獣剣」を真似た、悪の必殺技「修羅百鬼剣」が飛び出します。
その圧倒的な破壊力に、ガオレンジャーは一撃でボロボロに。命からがら逃げ出したものの、ほぼ全員が瀕死の重傷を負っていました。
段違いの戦闘能力を持つ3人の大幹部に、ガオレンジャーはどう立ち向かえばいいのでしょうか…。次回に続きます。
先週の放送で、倒したハズの敵の大幹部3人が復活。ガオレンジャーはコテンパンに叩きのめされしまいました。
それを受けて、今回の「百獣戦隊ガオレンジャー」は第49話「鬼洞窟、閉じる」でした。
全員ボロボロになって、半裸に包帯グルグルで「あぁ~」「うぅ~」と悶えているガオレンジャー。ここでの見所は、レッドのわき毛やブルーの乳首、イエローのわき毛でしょうか。
ただし、紅一点のホワイトだけはしっかりパジャマを着込んで寝ています。
そんな中、比較的軽症だったレッド。「リーダーとして責任を感じる」とか言って1人で出撃しますが、案の定6人がかかりでも完敗した大幹部3人にボコられます。
傷を治してから全員で行けばいいのに、どうしてわざわざ各個撃破の対象になりに行くのか、さっぱり分かりません。
そんなレッドを追って、仲間たちも出撃。
足を引きずっていたり、腕が垂れたままだったり、杖をついて歩くのがやっとだったりですが、とにかく崖から突き落とされて瀕死のレッドと合流。再び友情を誓い合うのでした。
そこに現われるガオゴッド様。元はと言えば、この自称・神様が「もう新しい敵は出ない」とウソこいたため、油断していたガオレンジャーが大幹部3人にボロ負けたのですが…。
「ごめんね、ボクの読みが甘かった」
サラリと「ごめんね」の一言で流します。
ともあれ、メンバーが手分けして3つの結界を破り、そのスキにガオゴッド様が敵の本拠地に直接乗り込む作戦に。
…そこで急に元気になるガオレンジャー。先ほどまでの満身創痍ぶりが仮病だったかのように、快調な動きで結界に走ります。
さて、先週何の脈絡もなく突然デキてしまった急造カップル・ホワイト&シルバーは、1つ目の結界に。
しかし、そこには大幹部の1人・巨大な鼻の怪人が待ち受けていました。2対1でも歯が立ちません。
銀「やはり…俺たちでは、かなわないのか」
白「なに言ってるのよ! 戦いが終わったら、いっしょに旅行するって約束でしょ?」
銀「ああ。行き先はどこにするか、決めておけッ!」
そう言って突然強くなったシルバーが敵を押さえている間に、ホワイトが1つ目の結界を破壊しました。
一方、戦いが終わったら2人でチャンコ屋を開くと誓ったブラック&ブルーコンビ。
彼らの前には、大幹部の巨大な口の怪人が。これまでネバーギブアップの精神で戦ってきたブラックも、その強さの前に屈します。
黒「ギブアッ…プ」
青「…社長! 起きろ、社長!」
黒「社長?」
青「ああ! こんなところで倒れてるようじゃ、不況の波は乗り切れないぜ」
黒「やぁっぱり、ネバギバだ!」
そうして突然強くなったブラックが敵を押さえている間に、ブルーが2つ目の結界を破壊しました。
最後に、あぶれた者どうしが適当に組まされたレッド&イエローペア。大幹部の巨大な目の怪人と戦います。
特にこれといったエピソードもなく、イエローが敵を押さえている間に、レッドが3つ目の結界を破壊しました。
そのスキに、ガオゴッド様が敵の本拠地に突入。「怪人のパワーの源」をふさいでしまいます。
そして、残った大幹部3人と、ガオレンジャー6人の最後の対決。必殺技の撃ち合いの末、大幹部3人はドロドロに溶けてしまいました。
今度こそ完全勝利のハズ…。喜ぶガオレンジャーですが、そこに現われた女幹部が呪文を唱えると、死んだ大幹部3人は合体して復活。
…それぞれ目・鼻・口をモチーフにした3人の合体ですから、てっきり巨大な顔の怪人になるのかと思いきや、完成した怪人は全く関係ないデザインでした。
ともあれ、コイツが「ドラクエ2」のシドーにあたる真のラスボスだというところで、次回に続きます。
先日、ガオレンジャーのお面を450円から350円にした駄菓子屋さんが、昨日、さらに50円値下げしていました。
そんなこんなで、最終回が近いと感じさせられる「百獣戦隊ガオレンジャー」。今週は第50話「百獣、死す」でした。
さて、ガオレンジャーの味方には、ガオゴッド様がいます。しかし、この自称神様の言うことは、あまり信用できません。
たとえば3週間前、ガオゴッド様が「最後の怪人だ」と言った敵を倒しましたが、すぐに新しい怪人が出現しました。
先週も、敵の本拠地の破壊に成功。ガオゴッド様は「もう新しい怪人は生まれない」と言い切りましたが、その直後、やっぱり新たなる敵が誕生しました。
「千年前…。あの時も、ハイネスたちの衝動が1つになり、百鬼丸を作り上げた…」。そ知らぬ顔で、出てきた敵の解説をはじめるガオゴッド様。
――平安時代。先代のガオレンジャーが全ての怪人を倒した時も、最後に百鬼丸が誕生しました。その圧倒的な力の前に、ガオゴッド様も完敗。
結局、呪いの面の力を借りたシルバーが百鬼丸を倒しましたが、その代償に彼も怪人になってしまい、千年間封印されることになりました。
その千年前とまったく同じパターンで現われた敵の名前は、センキ。
そんなことも予想できなかった学習能力の低いガオゴッド様は、さすがに後ろめたくなったのか、みずから巨大ロボに変形して戦います。
しかし、先ほどのエピソードから実力順を考えると、「ガオレンジャーの巨大ロボ > シルバーの巨大ロボ > 百鬼丸 > ガオゴッド様」。実は、ガオゴッド様は最弱です。
そもそも、百鬼丸に勝てなかった者がセンキ(千鬼)に勝てるとは思えません。
案の定、あっという間にセンキに殺されそうになります。そのピンチを間一髪助けたのは、巨大ロボに乗り込んだガオシルバーでした。
シルバー「千年前は、お前と百鬼丸の戦いに間に合わなかった…。千年の間の無念の思い、今こそ晴らしたい。お前と共に、戦わせてくれ!」
ガオゴッド様「うむ。わが友よ!」
そして、友情の合体技・ダブルゴッドインパクトを放ちますが、センキは余裕で受け止めて反撃してきます。
ガオシルバー「うわーっ」
ガオゴッド様「ウォォーッ!」
仲良く倒される2人。この間、わずか十数秒。
「ヤツは、千年前の百鬼丸より強いかも…」。視聴者がみんな分かっていたことを今さら言って認識の甘さを見せつけながら、ガオゴッド様は死んでしまいました。
ブラック「神様が…死ぬなんて」
シルバー「千年の間、俺は何をやってたんだ!」
結局千年の無念を晴らせなかったシルバーは号泣。しかし、百獣戦隊の隊員はポジティブ・シンキングです。
レッド「ガオゴッドは、死んだんじゃない!」
巫女「そうよ、天から…私たちの戦いを見続けてくれてるのだわ」
…それを「死んだ」と言うのでは。
とにかく勝ち目がないと判断して、ガオレンジャーはホームベースの天空の島に逃げ帰ります。
しかし、「ここならセンキも追って来れまい」と思っていたら、センキは全身を回転させてタケコプターの原理で空を飛びます。結局、天空の島でセンキとの戦闘になりました。
さて、ガオレンジャーが保有する「最強の巨大ロボ」は、“ガオファルコン”を中心に5体の巨大動物が合体した姿です。
ところが、その最強形態になる前に、なぜか“ガオファルコン”が単独でセンキと戦い始め、あっさり秒殺されてしまいます。
…どうしてわざわざ各個撃破されるのか、ガオレンジャーは戦わずして最後の切り札を失ってしまいました。
ちなみに、ちゆの近所のダイエーで売れ残っている超合金は、ガオライノスが4体、ソウルバードが4体、そしてガオファルコンが約30体。
明らかに入荷し過ぎですが、最終決戦でもこんなに情けない扱いだと、いよいよ全部さばくのは難しそうです。
邪魔そうに陳列される売れ残りたち
ともあれ、残った古いロボットで戦うガオレンジャーですが、センキが放ったRVソード激走斬りの前に敗北。
仲間の巨大動物たちはみんな殺され、変身アイテムを失ったガオレンジャーは変身できなくなってしまいました。
邪魔者がいなくなったところで、いよいよ下界に降り立つセンキ。突如街中に現われて、地上の支配を宣言します。
そんなセンキの姿を見て、驚く人間たち。通行人の1人が、思わず叫びました。
「でかすぎるッ!」
このまま、世界はセンキに支配されてしまうのでしょうか。
次週、最終回に続きます。
東映スーパー戦隊シリーズの第25作「百獣戦隊ガオレンジャー」。
特徴は、パワーアニマルと呼ばれる巨大な動物たち。合体して巨大ロボになるのですが、別にガオレンジャーが操縦しなくても自分で考えて戦えます。
そのため、全身タイツ5人組の存在意義が見当たらず、パワーアニマルが主役という印象がありました。
また、メンバーが本名を使わず変身前も色で呼び合うのも独特でした。
――「戦士になるつもりなら、これまでの名前は捨てろ。俺はガオイエロー。お前はガオレッド」。
そんなガオレンジャーも、ついに終幕。最終話「百獣、吼える!!」が放送されました。
前回、最強最後の怪人・センキと戦ったガオレンジャー。
しかし、巨大ロボの必殺技・天地轟鳴アニマルハートも通用せず、仲間のパワーアニマルは皆殺しに。隊員は変身能力を失ってしまいました。
そして、好き勝手に街を暴れ回る怪人たち。ガオレンジャーに残された武器は、たった1本の刀だけです。
黄「このままじゃ、死ねねえぜ」
黒「どんな小さな、傷だって…」
青「爪の一筋の傷だって、つけてやる!」
銀「千年の無念、晴らす時!」
レッドが刀を持つ以外は全員丸腰で人間体のまま、巨大ロボでも倒せなかったセンキに立ち向かいます。
一矢報いて死ねれば大満足という、大日本帝国の本土決戦なみにテンパった玉砕覚悟の突貫です。
それでも根性でビルの屋上からジャンプして、センキの胸に刀を突き立てるレッド。しかし、そんなことでダメージがあるハズもなく、あっさり刀を折られてそれまででした。
すべての武器を失い、勝ち目ゼロのガオレンジャーですが…。
赤「こんなことじゃ負けねえ。獅子走、俺は獣医だ! 地球の命を守るんだ!」
白「たとえ、ガオレンジャーの姿になれなくても…。あたしはガオの戦士、大河冴よ!」
ここにきて、唐突に本名を名乗り出すガオレンジャー。
青「僕は、鮫津海19歳!」
黒「自分は…、自分は、牛込草太郎です!」
銀「我が名は月麿。…大神月麿だ」
黄「もう、色で呼び合うこともないか…。俺は鷲尾岳。よろしくな」
この最終回での名乗り合いをやりたいがためだけに、1年間、色で呼び合い続けたのでしょうか。
とにかく、この期に及んで自殺同然の特攻を決意するガオレンジャー。
赤「みんな、俺に力を貸してくれ!」
黄「俺たちは負けないッ」
全員「やる気マンマンだぜぇ!!」
どちらかと言うと「死ぬ気マンマンだぜぇ!!」という感じですが、そこで突然、空が明るくなり、無数の光り輝く玉が降ってきました。
マスオさん声のナレーションが、冷静に解説します。
ナレーション「おやおや? どうしたことでしょう。この光の玉は、何なのでしょう」
ガオの巫女「…聞いたことがあるわ。この世には、天空島に戻ってきていない者たちを合わせて、100匹のパワーアニマルがいるって」
ナレーション「そうなのです! ガオレンジャーの心が、世界に散らばっていた、この世の中のパワーアニマルすべてに通じたのです!」
そして、いっせいにセンキに襲いかかる100体のパワーアニマル大軍団。その中には、初めて見るパワーアニマルたちの姿もありました。
白「ガオマウス!」
青「ガオスティングレイ!(エイ)」
黒「ガオホース!」
黄「ガオピーコック!(くじゃく)」
はじめて会うパワーアニマルの名前でもスラスラ言えるガオレンジャー。そして、そんな中に、なぜか先週殺されたパワーアニマルも混じっていました。
赤「…お前は、ガオライオン! 蘇ったのか!!」
たぶん新しいパワーアニマルの中にザオリクを使えるヤツでもいたのでしょうが、ずいぶんと安い命です。
また、失われたガオレンジャーの変身能力も…。
ナレーション「百獣と、6人の心が完全に1つになったとき、戦士の力も蘇るのです!!」
理屈はよく分かりませんが、そう断言されては仕方ありません。ついに、最後の変身です。
赤「灼熱の獅子! ガオレッド!!」
黄「孤高の荒鷲! ガオイエロー!!」
青「怒涛の鮫! ガオブルー!!」
黒「鋼の猛牛! ガオブラック!!」
白「麗しの白虎! ガオホワイト!!」
銀「閃烈の銀狼! ガオシルバー!!」
赤「命あるところ、正義の雄たけびあり!」
全員「百獣戦隊ガオレンジャー!!」
ちなみに、この最終回だけはスーツアクターさんではなく、素面を演じる役者さん本人がスーツの中に入っています。
そのため、ホワイトの身長がいつもより激しく低かったり、決めポーズがいまいち決まり切らなかったりします。
とにかく、形勢逆転どころか100対1のいじめモードに突入して、得意絶頂のガオレンジャー。
赤「センキ、見たか! 百獣たちは死んじゃいないぜ!」
青「みんなの力を、今こそ見せてやる!」
黒「ネバギバの力をな!」
白「そうよ! この星の命の力は、オルグの衝動なんかに負けやしない!」
銀「それこそ千年の真理だ!!」
全員「森羅万象! 天地轟鳴! 百獣アニマルハート!!」
そのかけ声と同時に、100体のパワーアニマル全員がセンキ1人に向けて怪光線を放ちます。
さらに、むきだしになった弱点の心臓に、トドメの必殺技・破邪百獣剣が炸裂。
赤「センキ、そして、すべてのオルグよ。邪気…退散!!」
そうして、いじめられっ子のセンキくんは爆死。ガオレンジャーの完全勝利です。
その頃、不利を悟り、センキを見捨てて一足先に本拠地に逃げ帰っていた悪の幹部2人組。しかし、センキの死の影響を受けて、そこも崩壊を始めます。
ヤバイバ「ツエツエ~」
ツエツエ「ヤバイバ~」
お互いの名前を呼び合いながら、崩れた瓦礫の下敷きになる2人。あっけない最期ですが、Vシネマでの再登場に期待したいところです。
一方、すべての敵を倒したガオレンジャーたちには、別れの時が近づいていました。
赤「…それぞれの夢を叶える時が来たんだ」
黒「うしッ! チャンコ屋の社長目指して、ネバギバで天下とるぞ~」
青「おう。頼りにしてるぜ、社長~!」
白「そうそう。旅、行こう、旅!」
それぞれの社会復帰を計画するメンバー。
しかし、これまでガオレンジャーの戦いをサポートしてきた“巫女”だけは、数百年か数千年後の戦いに備えて、再び長い眠りにつかなければなりません。
赤「俺は獣医だ! でも、1000歳まで生きるなんて無理だ」
ことさらに己が獣医であることを強調するレッド。それしか個性がないので仕方ありませんけれど。
また、数週間前、突然ホワイトとラブラブになって2人きりの温泉旅行まで約束していたシルバーは…。
銀「同じ平安時代の人間として、お供しよう」
いきなり別の女に乗り換えです。しかし、「あなたは普通の人間」と体よくフラれてしまいました。
そして巫女は、隊員支給のジャケットと変身アイテムを回収。どうやら1000年後に再利用するようです。
巫女「私はあの月で眠ってます。たまには夜空の月を見て、私のことを思い出してください」
赤「さようなら」
青「バイバイ!」
ナレーション「…長かった戦いの物語は、こうして終わりました。そして、みんなは夢を叶えるため、それぞれの世界へ別れていったのです」
~ エピローグ ~
孤高の荒鷲・ガオイエロー(鷲尾 岳)
元航空自衛官のイエローは、テスト生として復帰。1年以上の失踪歴というハンデにもめげず、厳しい訓練を受けています。
…序盤ではニヒルなサブリーダー、中盤では奇妙なイングリッシュを使う三枚目を目指してどちらも中途半端に終わり、終盤では個性を見失っていたガオイエロー。そんな彼らしい見所のない最後でした。
麗しの白虎・ガオホワイト(大河 冴)
休学していた武術専門学校に戻ったホワイトは、組み手の最中。相手はホワイトのスーツの中に入っていた人で、なにげにホワイト対ホワイトという貴重なシーンです。
その様子を見守るのは、第11話に登場したホワイトの父親。虎と格闘して勝ったことがあるという豪傑です。
父「1年間よう気張りやした、麗しの白虎殿」
白「父さん、その名前はこの前までやったがな。あたしの名前は大河冴。大河虎之助の、娘でごわん」
……何語ですか?
閃烈の銀狼・ガオシルバー(大神月麿)
現代に蘇った平安時代の人間という、最も将来性のない男・ガオシルバー。大きな荷物を抱えて困っているお婆さんを見かけて、助けようとしますが…。
銀「荷物を持って、お連れしましょう」
婆「都会は恐いわ」
ひったくりと勘違いしたお婆さんに逃げられてしまいます。
「21世紀、か……」。そうつぶやいて、シルバーは都会の雑踏の中に消えていくのでした。
しかし、その浮浪者に近い服装と他人の荷物を強引にグイグイ引っ張る態度では、犯罪者と思われても仕方ありません。
鋼の猛牛・ガオブラック(牛込草太郎)
牧場で、牛の世話をしているブラック。
親父「いつもの相棒はどうした?」
黒「すいません。別の用事で遅れるって…」
親父「いいさ、ちょっとくらい。お前たち、真面目に働くからなぁ」
黒「自分たち、夢、ありますから。いっしょに店やるって」
親父「そうか。……おお、噂をすればだ」
そこに「草太郎くぅ~ん」と言いながら現われたのは、「チャンコ屋の店長にしてやる」と約束したホモだちのブルーではなく、こともあろうに女でした。
そう、ブラックは、第19話に登場したしーちゃんと2人で、花屋を開くために働いていたのです。
1年かけて育まれてきたブラック(男)とブルー(男)の愛は、ここに破局を迎えたのでした。
怒涛の鮫・ガオブルー(鮫津 海)
ブラックに捨てられたブルーはフリーターに戻り、孤独にワックスを塗っていました。
灼熱の獅子・ガオレッド(獅子 走)
レッドは、ガオレンジャー入隊以前に勤めていた動物病院に。若い子好きのオバチャンに囲まれながら、幸せに暮らしていました。
そこに、イエローがひょっこり現われます。
ナレーション「おやおや? 戦いの物語は終わっても、別の物語が始まっているようです」
そして、青・黒・白・銀が次々に集まってきて、みんなでピクニックに。
なぜか、月で眠っているハズの巫女と、天から見守ってくれているハズのガオゴッド様も、いっしょにお弁当を食べています。
……そういえば、「緑に包まれる中、死人も含めて仲良くピクニック」という光景は、「家なき子2」で安達祐実の親父が死ぬ間際に見た幻覚によく似ています。
眠っている巫女が見ている夢か、ブラックとしーちゃんの結婚式に向かう途中にチンピラに刺されたブルーが死ぬ前に見た幻か…。
何とでも言い繕える感じのシチュエーションで、とにかく幸せそうなピクニックです
そして、レッドが放り投げた卵焼きが手前に飛んできたかと思うと、ぺっちょりとカメラに貼り付きます。その卵焼きに「おわり」の文字が浮かび上がって、おしまい。
最後まで脱力もののアホ演出でした。
ともあれ、1年間楽しませて頂きました。
ネットアイドルちゆは、百獣戦隊ガオレンジャーを応援しています。