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ちゆニュースで「百獣戦隊ガオレンジャー」について書かせて頂く際、「ラセツ」→「敵の大幹部」、「ガオズロック」→「秘密基地」、「ガオキング」→「巨大ロボ」などなど、固有名詞を使わずに表記することが多いです。
そのため、第1話からレギュラー出演しているにも関わらず、「敵の幹部」「男幹部」「雑魚怪人」としか紹介されず、一度も名前が出てこなかったかわいそうな人が出てしまいました。
彼の名は、ヤバイバ。
女幹部のツエツエさんとのコンビで主にギャグを担当する、悪の組織の中間管理職です。
そこで、今週のガオレンジャーは第37話「ヤバイバ燃える」。そのヤバイバが主役のエピソードです。
さて。ヤバイバの上司にあたる大幹部様は、大変なグルメです。人間を滅ぼすのは二の次で、いつもビルの破片を食べるためにビルを爆破しています。
すると当然、その下で働く幹部たちも、人間を襲うより美味しい料理を作ることが優先されます。
そこで活躍するのは、女幹部のツエツエさん。大幹部様の大好きな28気筒エンジンなどを作って、ご機嫌をとります。
一方のヤバイバは、料理を作っても「これは腐っとるぞ」と叱られるだけ。
ヤバイバ「やってらんねぇよな。ツエツエの奴、うまくやってやがる。料理の腕じゃ、アイツにはかなわねぇしさ」
過酷な出世競争にリストラ。現代日本では、悪の幹部も大変です。そこで彼は、料理以外のことで認めてもらえる方法を考えます。
ヤバイバ「弟に声をかけて、ユニットでも組むか。チーム・ヤバイバで一旗あげるぞぉっ」
そこで登場するのがヤバイバの弟分、ジャグリングオルグです。
ヤバイバ「今日こそチーム旗あげの日だぜ」
ジャグリング「兄貴…。ついに立つんか」
ヤバイバ「おうよ! 俺とお前。二人でオルグ界を席巻するのよ」
ジャグリング「任せとくんなはれ。ピエロの兄貴と、ジャグラーの俺。2人合わせてチーム・サーカスや!」
一方、その頃。ガオブルーは、記憶喪失で家も分からず無銭飲食を繰り返しながら乞食生活を続けている少年を保護。帰る家が見つかるまで、少年を秘密基地で養いたいと主張します。
ブルー「ベッドだったら、俺のを使えばいいし」
これまで何度もホモ疑惑をささやかれてきたブルー。元力士の筋肉男だけでは飽き足らず、ちょっと生意気なところが愛らしい少年まで手を出そうというのでしょうか。恐るべしショタホモ。
ブルー「俺は”怒涛の鮫”。鮫ちゃんって呼んでくれ」
自己紹介も終えて、少年を秘密基地に囲う許可を得たガオブルー(鮫ちゃん)。夢の同棲生活の実現です。
さっそく2人は遊園地でデート。それに、なぜかイエローもついていくことになります。
たまの休日にイヤイヤ遊園地に連れ出されたお父さん(リストラ3秒前)のような表情のイエロー。
ジェットコースターで「操縦桿はどこにあるんだ?」と聞いてみたり(元航空自衛官)、ワニワニパニックに興じているうちにガキンチョ2人に置いて行かれたりします。
そんな彼らを、後ろから追いかけるチーム・サーカス。それぞれウザギさんとパンダさんの着ぐるみを着こみ、怪人だとは分かりません。
この愛らしい動物さんの格好のままで忍び寄り、遊んでいるところを背後から投げナイフでザックリという寸法です。
番組史上もっとも凶悪なガオレンジャー暗殺作戦。正面から戦うよりも遥かに確実性が高そうです。恐るべし、チーム・サーカス。
しかし、せっかくの作戦も、ナイフをいくら投げても相手がタイミングよく転んだり振り返ったりして絶対に命中しないという定番のギャグに使われただけでした。
こうして、いくら策を巡らせてもギャグで片付けられるだけと悟ったチーム・サーカス。結局、いつも通りの真正面からの力押しに移行します。
まずは、2人で敵をはさみ、両側からナイフを投げつけまくるというコンビネーション攻撃が炸裂。ブルーとイエローを苦しめます。
さらに、から傘の上で鞠を回し始めるジャグリングオルグ。今度はどんな攻撃かと思ったら、そちらはただ回しただけでした。
ヤバイバ「兄貴分の俺が頭脳労働。弟分のジャグリングオルグが肉体労働」
ジャグリング「それでギャラはおんなじ」
「染之助・染太郎かい」とツッコミを入れるのも恥ずかしいネタですが、チーム・サーカスはノリノリ。「おめでと~ございます!」と叫びながら攻撃を続けます。
ブルー「イエロー! 俺たちコンビも、息の合ったトコ見せようぜ!」
イエロー「お前とコンビ? しょうがねぇな」
そして、イエローを足場にしてブルーがジャンプしたり、ブルーを踏み台にしてイエローが飛び上がったり…。
ロビンマスクとウォーズマンのタッグ・フォーメーションAなみに意味不明の自称「コンビネーション」を披露。見事に形成逆転しました。
ところが、そこでチーム・サーカスは少年を人質にとります。
イエローだけなら「地球の平和のため、少年を犠牲に」とか考えかねませんが、ショタホモのブルーには効果絶大。
これでチーム・サーカスの勝利かと思いきや、ようやく現場に到着したレッド・ホワイト・ブラックが不意打ちをかまし、人質を助けてジャグリングオルグを瞬殺します。
ジャグリングオルグは戦隊シリーズのお約束で巨大化しますが、ガオレンジャーの巨大ロボには歯が立ちません。その劣勢を見て、ヤバイバは決意します。
ヤバイバ「生まれて今まで、俺に太陽のあたる日はなかった。…だが! 今日こそガオレンジャーを倒してみせる!」
幹部みずから、巨大化して戦おうと言うのです。同僚の女幹部は、「危険だわ、命の保証はないのよ!」と止めますが…。
ヤバイバ「覚悟の上だぜ! うぉぉぉぉぉおおお!!」
巨大化したヤバイバ。今、リストラ寸前の男が、意地と雇用をかけて最後の決戦に挑みます。
ヤバイバ「今日のヤバイバは、ちょっとヤバイバ~」
ジャグリング「兄貴…。来てくれたんか」
ヤバイバ「おうよ! チーム・サーカス、一世一代の興行よ」
そして、再びチーム・サーカスのコンビネーションが炸裂。ガオレンジャーを追いつめます。
ところが、そこにまたしても遅れて登場したガオシルバーの卑怯な不意打ち攻撃が直撃。ジャグリングオルグが爆死します。
ジャグリング「俺たち…、輝いてたよな。兄貴…」
ヤバイバ「ジャグリングオルグゥゥゥーーッ!!」
相棒を失ったヤバイバ、もう後には退けません。亡き友の無念を晴らすため、憎いガオレンジャーに、せめて一矢報いねば…!
絶望的な戦力差を知りながら、それでも決死の覚悟でガオレンジャーに立ち向かうヤバイバ!
ところが、いきなり「ぷぅ~~~」と屁をこいたかと思うと、そのガスが抜ける勢いで、ヤバイバの体がみるみるしぼんでいきます。巨大化の効果が切れ、元の大きさに戻ってしまったのです。
そして、戦闘後。巨大ロボを前に逃げ帰って来た自分を責めるヤバイバを、女幹部が慰めます。
ヤバイバ「俺は、俺なりに頑張ったんだがな…。また駄目だったか」
ツエツエ「そんなことないわ。命がけの戦い、見事だったわ。頑張ったわよ、ヤバイバ」
情にほだされて要領が悪いヤバイバと、口先だけで同僚を丸め込む上司お気に入りのツエツエさん。果たしてどちらが出世するタイプか、ヤバイバの将来は暗そうです。
ネットアイドルちゆはヤバイバを応援しています。