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全身タイツの5人組、使い捨ての哀愁が漂う戦闘員、露出度の高い女幹部、顔は恐いが頭は悪い親玉…。
たまにまったく露出のない女幹部が出てきてひんしゅくを買ったりもしますが、これらの役どころは、多くの戦隊に共通して登場します。
そんな定番の1つに、戦隊のまわりをウロチョロする少年があります。
戦隊シリーズ最新作「百獣戦隊ガオレンジャー」にも、そんな少年が登場します。
その少年、先週は空腹状態でフラフラ歩いていたところを、親切なオヤジに串焼きをタダ食いさせてもらっていました。
今週も、少年は相変わらず空腹。今度は食べ物を盗んで逃げていました。もう立派な犯罪者です。
そうして食べ物屋のオヤジから逃走中の少年、たまたま近くを歩いていたレッドとホワイトにバッタリ出くわします。正義のヒーローとして、少年を叱るレッドですが…。
少年「ガオレッドだからって、偉そうに」
窃盗犯のくせに偉そうです。
しかし、そこは世渡りが上手い少年。すかさず頭が悪いホワイトを懐柔することにします。「それよりさ。ホワイトって、ガオレンジャーの中で一番格好いいよね!」。
…これにコロッとだまされて、無邪気に喜ぶガオホワイト。
「いちおう俺がリーダーなのに…」。不満そうなレッドに向かって、少年は「バンドでも、リーダーよりボーカルの方が格好いいんだよ!」と微妙に問題発言。
こうして、見事に話をそらし切った少年。盗みの件はウヤムヤになってしまいました。
そこに、妙に大きな乳をブルンブルン揺らしながら逃げ惑う一般市民が。今週の怪人・鍛冶屋オルグが暴れているのです。
「ホワイトなら、あんなの簡単にやっつけちゃうんだよね」などと少年に持ち上げられて、すっかりその気になるホワイト。「もちろんよ!」と1人で戦いを挑みます。
しかし、トンカチでドタマを三連打されてホワイトはダウンします。地面に転がったまま、電池の切れかかったフラワーロックのようにビクビク痙攣。そのスキに、持っていた剣を鍛冶屋オルグに奪い去られてしまいました。
…その一部始終を、ボーッと眺めていただけのガオレッド。さすが「いちおうリーダー」です。
ともあれ、みじめな敗北を喫したホワイトを慰めるでもなく、少年は「かっこわるいなぁ」と突き放します。
秘密基地に帰っても、ホワイトは仲間たちに失敗を笑われます。「まだまだ修行が足りないんじゃないですかァ?」「そんなことじゃ、白馬の王子様は一生迎えに来ないよ」。
さらに頭をベシベシ叩かれたり、ほっぺたを指でつつかれたりと、徹底的におちょくられます。
そして、ブルーのトドメの一言。「お嬢様は、おままごとしてていいでちゅよぉ~」。
さすがに傷ついて、ジャイアンに泣かされたのび太くんのように全身をジタバタさせるホワイト。「くやしぃぃぃ~~~! 何なのよソレ! なんでそこまで言われなきゃならないのよ、ガオレンジャーなんか、やめてやるぅ~! やめるやめるやめるぅ~!」。
すっかり駄々っ子と化したホワイトを、レッドがなだめることに。イチゴショートでご機嫌をとったり、「クマちゃんだぞ~、ほ~ら、かわいいだろ~」とぬいぐるみであやしたり…。
最後はガラガラを取り出して、「ホワイトちゃ~ん、コンニチワ~♪」と赤ちゃん言葉でなだめます。
結局、ホワイトが根負け。「やりゃいいんでしょ! やりゃ!」と、投げやり気味にガオレンジャーを続けることになりました。
その頃、鍛冶屋オルグは、ホワイトから奪った剣を材料に食器を作ろうとしていました。しかし、まだ材料が足りないので、ホワイト以外の剣も奪うことに決定。
そこでとりあえず、街で暴れてガオレンジャーを呼び出します。
「おっ腰につけた獣皇剣♪ ひっとつ私にくださいな♪」。そう歌いながらビルを壊す鍛冶屋オルグに、まんまとおびき出された黄・青・黒。秘技・鮎の友釣りなる技で、3人仲良く剣を奪われてしまいました。
そうして奪われた4本の剣は、それぞれナイフやスプーンやフォークやバターナイフに改造されてしまいます。
ところで、ひとりだけ剣を奪われなかったレッドの武器はファルコンサモナー。銃に変形したり、弓に変形したり、玩具を売るためのギミック満載のアイテムです。
レッドはそのガンモードを使って、鍛冶屋オルグに遠距離攻撃を仕掛けます。
鍛冶屋「飛び道具とは、卑怯なり」
レッド「ならば、アローモードだ!」
鍛冶屋「…それも飛び道具だろう」
レッド「違う!」
そう言って、ファルコンサモナーで直接ブン殴るガオレッド。そんな紳士的な戦いで、見事に鍛冶屋オルグを撃破。食器にされた剣を取り返しました。
しかし、戦隊シリーズのお約束で鍛冶屋オルグは巨大化して復活。ガオレンジャーも巨大ロボを呼び出して対抗することにします。
ところで、ガオレンジャーの剣には小さな穴が開いています。その穴に「ガオの宝珠」をハメ込むことで、ロボを呼ぶ仕組みなのですが…。
青「…スプーンだよ」
黒「フォークだ、これ」
剣を食器に改造されたため、ロボを呼べません。やむなく、ひとりだけ巨大ロボを呼べるシルバーが戦いますが、大苦戦。
黒「このままじゃ、シルバーが危ない!」
黄「俺たちは、何もできずに見ているしかないのか」
その時、ふとレッドが手持ちのファルコンサモナーを見ると、都合よく穴が4つ開いているではありませんか。ここで新事実が判明。実はファルコンサモナーでもロボを呼べたのです。
そんなご都合主義の力を借りて鍛冶屋オルグを秒殺すると、食器も元の剣に戻りました。
黒「…けど、さっきのフォークでチャンコを腹いっぱい食ってみたかったなぁ」
黄「このォ、食いしん坊♪」
全員「アハハハハハ」
平和な笑い声がこだまして、次回に続くガオレンジャーでした。