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今週の「百獣戦隊ガオレンジャー」は第32話「三匹が喰う!!」でした。
ガオレンジャーが戦う敵は、大幹部1人と幹部2人の零細組織です。大幹部が死ぬと、それに代わる新しい大幹部が登場します。
先週の放送で、「~でおじゃる」が口癖だった2人目の大幹部・ウラ様が死亡。そこで今回は、3人目が登場する話です。
3人目が現れる前に、「次はどんな大幹部が来るのか」と話し合う2人の幹部。
男幹部「シュテン様は、アバウトだったしなぁ…」
女幹部「そう、そう。何でも力ずくでね」
男幹部「ウラ様なんか、あの言葉遣い気持ち悪くてなァ」
女幹部「そうでおじゃったわねェ…」
男幹部「ああ、おじゃったおじゃった」
悪の組織でも中間管理職は大変です。ともあれ、そこに新しい大幹部・ラセツ様が登場。しかし、彼は従来の幹部とは別に強そうな部下を2人ほど連れてきていました。
それを見て、「私たちの立場はどうなるのよ」とアセる旧幹部2人。
女幹部「ラセツ様ぁ、私どもに仕事を、ご命令を…」
男幹部「そうそう。こちらのイカつい方々より、細かい仕事に向いております」
女幹部「手先は器用ですのよ」
ラセツ様「…なら、ちょうどいい。俺たちは外で人間世界を味わってくる。その手先を生かして、夜食を作って待っておきなさい」
そう言い残して、2人の腹心の部下を引き連れてお出かけするラセツ様。呆然と取り残される旧幹部2名。
男幹部「…このままじゃ構造改革されちまう」
女幹部「痛みに耐えて、がんばりましょう」
その頃、ガオレンジャーは、2人目の大幹部を倒した余韻に浸っていました。
本当に日本かと疑いたくなるような大自然の緑の中、木の幹に寄りかかって優雅に笛を吹くガオシルバー。
「やっと俺は生きている実感を得た…」と1人でブツブツつぶやいている姿は、なんだか危ない人みたいです。
一方、シルバー以外の5人は、秘密基地で盛り上がっています。
青「すごいよ俺たちって、復活の奇跡さえ起こしちまったんだから」
赤「ついにウラも倒したしな!」
青&赤「だははははは!」
そう言いながら、恋人のように抱き合うブルー(男)とレッド(男)。ブルー(男)の本命はブラック(男)だったハズですが、さては浮気でしょうか。そういえば先週もレッドが、意味もなくブルーの太ももを揉みしだいていました。
白「3人目は、一発でブッ倒しちゃいましょうっ」
赤「俺達は無敵だぜ!」
全員「やる気まんまんだぜ~、いえ~い!」
みんなで手を叩き合い、男たちはなぜか服を脱ぎ始めます。
さて。場面は変わって、街に繰り出した三人目の幹部・ラセツ様。彼には口が2つあり、上の口は女声で、下の口は男声でしゃべります。…「下の口」と言うとなんだか卑猥ですね。
男声・女声の2種類でしゃべると言えば、右半身が男で左半身が女だった「マジンガーZ」のあしゅら男爵が有名ですが、ラセツ様の男声の声優はあしゅら男爵の男声と同じ柴田秀勝さん。
この辺りは、「超力戦隊オーレンジャー」で怪人バラグースカの声優が快獣ブースカの高橋和枝さんだったのと同種のオマージュなのでしょう。
ラセツ様(女)「まずは朝食の時間ね」
ラセツ様(男)「このうまそうな街を料理するがよい」
部下1「はっ! 破壊された街こそ、最高のご馳走プラ」
部下2「人間の悲鳴が、いいソースになるキュラ」
「街を料理する」と言うとアレですが、実際にやることはビルを爆破したり、ビルを爆破したり、ドーム球場を爆破したり…。
その知らせを受けたガオレンジャーは、得意の四つんばい走行で現場に駆けつけます。
すると、彼らの目の前に、おしゃれなレストランのように花が飾られたテーブルについて、ワインを飲みながら、ナイフとフォークを使って美味しそうに爆破されたビルの破片を食べているラセツ様が。
ラセツ様(女)「う~ん、美味。バブルの頃の建物は、建材が贅沢よねェ」
ラセツ様(男)「しかも、これは正面のエントランス。マグロで言えばトロの部分だ」
ガオレッド「貴様、何者だ!」
ラセツ様(女)「五色団子が 何か聞いているわ」
ラセツ様(男)「ハイネスデューク・ラセツ。人は絶望の王子と呼ぶ」
ガオイエロー「…おお、ポエムだ」
そして戦闘。しかし、ガオレンジャーは一撃で吹き飛ばされ、ラセツ様は「これはまだ前菜。次の皿が楽しみだぜ」と逃げてしまいます。
その後もラセツ様はビルを破壊し続け、テレビでも連続爆破事件と報道される始末。ガオレンジャーは、ラセツ様が好きそうな活きのいい建材が多い建設中の新都心で待ち伏せることにします。
白「私は西エリアを」
青「よし、俺たちは東エリアだ」
レッドは北、イエローは南に。そして、さも当然そうに2人仲良く東に駆けて行くブルー(男)とブラック(男)。レッド(男)との浮気も疑いましたが、やはり2人の絆は確かでした。
そうして待ち伏せているうちに、ラセツ様が出現。例によって、テーブルについて優雅にビルの破片を食しています。
ラセツ様(女)「うぅ~ん、この芳醇な香り」
ラセツ様(男)「さすがニュー都心。材料が新鮮だ」
ガオイエロー「お前、何してんだ!」
ラセツ様(女)「見れば分かるでしょう。食事中はお静かに」
ラセツ様(男)「エチケットを知らん奴らだ」
ところでその頃、ガオシルバーは新しい敵が出現していたことにようやく気が付きました。大自然に包まれた中、「しまった、気を緩め過ぎていた!」とカメラ目線で叫んでから現場に向かいます。
一方、五色団子呼ばわりされて「団子じゃ・ね・え・よっ!」とブチ切れたガオイエローは、ラセツ様のテーブルを破壊。
せっかくの食事(ビルの破片)を台無しにされたラセツ様は、「食べ物の恨みは恐ろしいぞ」とガオレンジャーを攻撃してきます。
その圧倒的な恨みのパワーの前に、ガオレンジャーはまた敗北。ラセツ様は「ガオレンジャーなど、刺身のツマにもならないわ」と言い残し、あきれて去っていってしまいます。
そこに到着するガオシルバー。瓦礫の下敷きになっていた5人を救出します。
二度も負けましたが、ガオレンジャーはまったく懲りません。「奴らの勝ちがビギナーズラックだってことを教えてやる!」「やる気、マンマンだぜぇ!」と叫んで、再びラセツ様に挑みかかります。
ガオシルバーも含めて6人になった百獣戦隊を見て、「なに、六色団子か!?」と驚くラセツ様。
「まずは白団子を食べようか」と、長く伸ばしたベロで紅一点のホワイトをからめとり、下の口で食べようとします。「私のファースト・チュウがコイツじゃ、やだぁ」。抵抗するホワイト。
ホワイト(女)が、下の口が、ファースト・チュウが、食われてしまいます!
…ともあれ、三度目の正直でどうにかラセツ様に一矢報いたガオレンジャー。
初登場の大幹部といきなり決着をつけるわけにはいきませんので、適当なところで悪役が捨て台詞を残して去っていくのは基本です。
ラセツ様(男)「こやつら、料理次第では珍味かも知れん」
ラセツ様(女)「食べ残しなど、このラセツの主義に反する」
ラセツ様(男)「必ず平らげに来る。塩とコショウで、下ごしらえして待ってろ。ウワハハハハハハハ…」
最後に一所懸命夜食を作っている旧幹部2人の姿が映り、次回に続きます。