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いまから22年前、『な・い・しょ』というエロゲが発売されました。
ご覧の通り、ジャンルは「ろりろり美少女のぞきアドベンチャー」です。
パッケージのキャラは、主人公の妹。
発売前の雑誌情報によると、14歳という設定でした。
『BUGBUG』97年8月号では、14歳と明記
しかし、ゲーム本編や説明書では、妹の年齢には触れていませんでした。
(1997年当時、16歳とか17歳のエロゲキャラも倫理規定的にセーフだったのですが、ロリ系はある程度自重されていました)
(この『な・い・しょ』でも、小学生はいませんし、中学生とも明示しない形になったようです)
さて、このゲームの主人公は、「すべての出来事を掌握したい」という盗撮マニア。
妹の部屋や自宅の風呂に、隠しカメラを設置しています。
その道のエキスパートであるブルセラショップの店長に、「アンタにや、かなわねぇ。実の妹まで覗くか‥」と一目置かれるほどの変態です。
そうして、妹が9歳のときからトイレを盗撮しては、「あんまり拭き取らないから、いつも気になっていた」というほど妹のことを気にかけている主人公。
(エロゲ広しといえど、妹のトイレの作法を心配する奴は珍しいです)
そんな彼による、妹の攻略手順は……。
- 最近色気づいてきた妹が、エロ情報に興味を示していることを察知する。
- エロ本を20冊ほど積んだタワーを作ってから外出する。
- 妹の性格なら「1冊くらい持っていってもバレない」と考えるはず……という読み通り、帰宅するとエロ本が19冊に減っている。
- いつものカメラで妹の部屋を確認すると、妹はエロ本を読みながら興奮してきて、オナニーを始める。
- そこでわざとノックせず妹の部屋に突入。
- 自慰の現場を偶然見られたと思って固まる妹に、驚いたフリをしながら、やさしく声をかける。
- 「エッチなことが知りたいなら、教えてあげよう」「ら‥らめぇぇ‥‥おっ‥お兄ちゃぁぁん‥」
と、まるで詰め将棋のように、先を読んで筋道を立てた完璧な攻略です。
そして、「‥き‥兄妹であんな‥あんなコト‥してもいいの‥?」と聞かれた兄は、力強く「いいんだよ」と返答。
「‥よかったぁ‥‥してもいいんだったら‥‥わたし‥わたしね‥‥お兄ちゃんと‥だったら‥」と、相思相愛エンドを迎えるのでした。
補足
なお、このエロゲ、妹とのエッチシーンは、愛撫だけで妹が失禁してしまって途中終了。
本番の描写はありませんでした。
そんな感じで、当時の実妹エロゲでは、「本番エッチ」と「恋愛関係ハッピーエンド」が両立しないことがありました。
たとえば、97年の『STARS』は「実妹との本番シーンはあるけど夢オチ」、99年の『ねこぱら』は「実妹が攻略可能だが本番はナシ」という感じで、実妹と相思相愛になれるけど、本番確定描写はないという形になっていました。
また、97年の『エクドラード』『ハートワーク』『メロディ』『リバーシブルカルテ』などは、実妹との本番セックスはあるけど、それを見た時点でバッドエンド確定という構成でした。
いちおう、倫理的なアレで、そういう風に線を引いていたのかなあと思います。
(なお、当時のソフ倫の倫理規程は、「近親相姦、死姦または出産状況をいたずらに表現した作品は制作しない」でした)
ただし、95年の『魅惑の調書』、96年の『えんじぇる☆ないと』、98年の『永遠の都』『えっちのススメ』、99年の『幻魔戦記レクシオン』など、近親相姦して結ばれることのできるエロゲも、それなりにありました。
でもって、『コ・コ・ロ…』の回収騒動から倫理規程が改訂されて、04年まで近親相姦が全面禁止になるのですが、その話はまた今度。
という感じで、この『な・い・しょ』、現在とは全然状況が変わっているのですが、当時の基準で、それなりに自重されていました。