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2001年2月14日に「ちゆ12歳」を開設してから、20年が経ちました。
20年後の現在、ちゆの活動のメインは「note」になってしまっていて、ちょっと申し訳ないです。
noteでは「令和版ちゆニュース」みたいな感じで、最近の話題とか1970年代の話題とかを月10回ほど更新しています。
2003年以降だと、いまが一番更新頻度が高いと思います。
ただ、その「note」というプラットフォーム、エロ関係にはちょっと厳し目です。
なので今日は、いつかこの話をしたいと思いつつ20年経ってしまったけど、「note」には書きづらい……という話を書かせていただきたく存じます。
てことで、
峰岸とおる先生が『男のコミック』という雑誌に連載した奇作『迷宮のドラゴン』の話です。
峰岸とおる先生について
峰岸とおる先生の代表作は、梶原一騎原作の『悪役ブルース』。
当初は『マガジン』でアンケ7~8位くらいの微妙な連載だったのですが、テコ入れでタイガーマスクが登場します。
当時の子供たちが狂喜したタイガー登場シーン
そして、このタイガーマスクが主人公をボコボコにしただけで、アンケ2~3位の人気漫画になってしまったのでした。
(タイガーマスクの前では主人公はクソ雑魚です)
それからは、ひたすらタイガーマスクTueeeeな展開を重ねたのち、最後は梶原一騎先生が『月刊少年マガジン』の副編集長に裏拳を叩き込んで全治1ヶ月の怪我を負わせた事件で打ち切りという、ある意味すごい作品でした。
あと、「ちゆ12歳」の16年前の更新で、峰岸とおる先生の『激闘!!一番』について書いたことがありました。
『激闘!!一番』のラスボス
……と、峰岸とおる先生は多作で、ざっと紹介するだけでも大変なことになるので、今日のところは『迷宮のドラゴン』の話に絞らせてください。
数ある峰岸とおる先生の駄作の中で、たぶんこれが一番すごい駄作です。
衝撃のオープニング
さて、『迷宮のドラゴン』の主人公は、大学1年生の竜二くん。
ベニハナ建設という会社に務めていた兄が不審な死を遂げたことに、疑問を持ちます。
すると、老婆が猛蛇に襲われている場面に出くわしました。
「なんだあれは──っ!?」
老婆を助けようとした竜二ですが、そのまま猛蛇に食べられそうになったと思ったら、猛蛇が美女に変わってセックスしていました。
そして、美女に射精したと思ったら、美女は老婆に変わっていました。
そのまま、老婆の股間から大量に流れ出す液体を浴びた竜二は、老婆に「ナスカに行け」と言われて、ナスカへと旅立つことを決めたのでした。
そこまでが新連載の第1話。以後もだいたいそんな感じで、
「なんだこいつは──っ!?」
風邪をひいて悪夢にうなされながらシンナーを点滴されているような気分になれる漫画です。
奥義 螺旋輪廻!!
それから、伝説の超人エル・ドラードとして目覚めた竜二は、ベニハナ建設の刺客・弁女に襲われます。
弁女は、「女陰の核の一部」をムチのように伸ばして攻撃してきます。
エロ漫画ではなく、一般向けとして流通している漫画ですが、この「女陰の核の一部」はDMMの審査で許されるのか怪しい気がします。
「うわ──っ」
ともあれ、弁女は、こうやって男を射精させまくることで倒す能力者なのでした。
そうして30発ほど射精させられてゲッソリしていく竜二に対して、弁女は奥義を繰り出します。
と、「奥義 螺旋輪廻」の脅威に、絶体絶命の竜二ですが……。
勃起ちんちんを締められた状態から、さらに勃起することで脱出!
天才的な発想と超人的な勃起で、見事に弁女を打ち破ったのでした。
(上のコマを最後に弁女は場面から消失。どういうダメージでリタイヤしたのかよく分からないのですが、たぶんすっごい吹き飛ばされたのだと思います)
見当違い
そんな感じで、漫画の内容が壊れていたせいか、編集も壊れ気味でした。
あまり見ないタイプの誤植
ちなみに、こちらは特に誤植ではない正しい台詞です。
それから竜二は、ベニハナ建設の幻女という敵と対決。
幻女は、手のひらからエネルギーを吸収するタイプの能力者。
人造人間19号の手のひらを女性器にしたような感じでしょうか。
ちんちんが貫通することを生かして、エロ漫画でもあまり見ない「挿れたまま本気フェラ」というプレイ。
このあたりは、ほんと悪い夢です。
その後も色々あるのですが、
- 竜二がノンキにセックスしている間に仲間たちが皆殺しにされていたので「おまえたちの死を無駄にはしない」と男泣き
- 竜二の兄を殺したという因縁のライバル(ベニハナ建設の部長)が雷に打たれて雑に死亡
- セックスのパワーでバリアを張る
といった感じで……。
ラスボス戦
最後は、爆発するベニハナ建設の研究所から気球で脱出して、「奴らとの闘いは始まったばかりなんじゃ」と第1部完でした。
色々とすごいので読んでいて錯乱しますが、この漫画、土台部分は凡庸な凡作なのですよね。
使いまわし
あと、最後のほうは峰岸とおる先生が万策尽きたらしく、同じ絵が何度も使い回されます。
126~127ページ。
172~173ページ。
178~179ページ。
174ページのラスボス登場シーンでも、上と同じ絵の一部をコマの背景として再利用。
「ゴオオオオオ」の擬音が付いたまま、ムリヤリ背景化したのが明らかにおかしいのですが、完全に開き直っています。
(このコマで初登場したラスボス、宙に浮いているのですが、初見ではなんかもうよく分かりません)
おしまい
そんなこんなで、『迷宮のドラゴン』のお話でした。
いちおう、普通に生きてたら読むことのない漫画だと思うのですが、水声社の『マンガ地獄変』で紹介されたこともあったりで、すでにご存知でしたら申し訳ありません。
あと、1巻の表紙はちゃんと塗っていたのに、2巻の表紙は塗りつぶしなのも味わい深いです。
ネットアイドルちゆは、峰岸とおる先生を応援しています。