本文
今日の「百獣戦隊ガオレンジャー」は、第13話「産声が凍る!!」でした。
1年を52週と考えると13話でちょうど4分の1になり、これを「1クール」と呼びます。たとえば10~13話で終わる普通のドラマは1クールの番組。なぜか半年続く「3年B組金八先生」は2クールです。
テレビのスケジュールはこれを基本に決められます。たとえば「機動新世紀ガンダムX」は、4クール(1年)の予定で始められ、3クール(39話)で打ち切られました。
「新世紀エヴァンゲリオン」の第14話「ゼーレ、魂の座」などの製作スタッフの心のオアシス・総集編は、クールの変わり目に配置されることが多いです。
そして、敵の幹部がクール交代制で登場しては殺られるのも基本です。「美少女戦士セーラームーン」のジェダイトが第13話で死んだのは、その典型的な例と言えます。
そんなわけで、ガオレンジャーも1クール目の終わり。敵の第一の幹部・シュテン様も死期が近づいて参りました。
さて。
ガオライオンの病気を治すために手に入れたガオの卵が、ついにふ化しました。出てきたのはペンギンのヒヨコみたいな青っぽいぬいぐるみ。
なぜか、強く幽遊白書を想起させます。
「これがガオの心臓か。こいつをガオライオンに喰わせるのか?」
ガオレッドは期待通りの問題発言ですが、いくらなんでも無茶です。「これはガオの幼態。まだ心臓になっていません」と突っ込まれてしまいます。
この青いぬいぐるみ、大人になると心臓になるらしいです。
ともあれ、将来心臓になるヌイグルミの登場に、可愛いもの好きのガオの戦士たちは大はしゃぎ。
黄「鳥は、一番はじめに見たものを母親だって思うんだよな」
青「てことは、レッドが母親かぁ」
黒「じゃあ、自分が父親だな」
白「じゃあ、あたしはお姉さん」
ブラック(男)にはブルー(男)がいますのに、唐突にレッド(男)との夫婦宣言です。しかも二人の愛の結晶はホワイトとヌイグルミ。
ともあれ、ピヨピヨ鳴くからピヨちゃんと命名。レッドはミルクを飲ませたり、寝かしつけたり、かいがいしく世話を焼きます。
さっきまでガオライオンに喰わせようとしていたくせに。
その時、すでに死兆星が見えている敵の幹部・シュテン様が街で暴れ出します。さっそく現場に向かう、百獣戦隊。
シュテン様、五人が変身する前に容赦なく不意打ちの一撃を食らわします。ある意味まっとうな作戦ですが、百獣戦隊はこれに激怒。
黒「いきなりひどいぜ!」
黄「まだゴングは鳴っちゃいないぜ!」
ブーイングの嵐を浴びせてから、おもむろに変身を開始。ゆっくり一人一人名乗りをあげて、しっかりポーズを決めます。
今度はちゃんと待ってあげるシュテン様、意外と律儀です。しかし、今度はいつも同じポーズと台詞にご立腹。
シュテン(以下、「シ」)「そんな御託は聞き飽きた。今日こそお前ら、退治してくれるわ」
赤「それって逆だろ。退治するのはこっちだ」
シ「我々オルグは、この世に混乱と破壊を起こすのを楽しみとしている。我が趣味を邪魔するとは酷い奴らめ」
白「他人の不幸を楽しむなんて、人間として一番許せないわ」
シ「我々は人間ではない。オルグだ!」
赤「…うるさい、行くぞぉ!」
完全に言い負かされているガオレンジャー。問答無用で攻撃に移るガオレッドの姿は、まるで逆切れして実力行使に出た小学生のようです。
ともあれ、5人がかりでシュテン1人をタコ殴り。
赤の攻撃! シュテン「げふっ」
黄の攻撃! シュテン「うぅっ」
青の攻撃! シュテン「うわぁっ」
黒の攻撃! シュテン「うぐっ」
白の攻撃! シュテン「おおおァァァッッ、うわアアァァッ」
そして、シュテン爆発。
ほとんどいじめですが、爆発の煙の中から、ゆっくりと姿を現わすシュテン様。
「うわははははははははは。お前たちの攻撃がどれほどか、受けてみたまで。これぐらいの攻撃では傷もつかんわ」。
身体から煙だしながら言っても、説得力がありません。
ともあれ、ガオレンジャー最大の必殺技まで跳ね返してしまうシュテン様。この時点で、百獣戦隊の現状の火力ではシュテン様を倒せないことが判明。
さらに、ここで今週の怪人・フリーザーオルグが登場。敵の女幹部・ツエツエさんも応援に駆けつけました。
ツエツエ対ホワイト、再び。
ツエツエ(以下、「ツ」)「いつかオバサンなんて言ってくれたわねぇ。許さん、小娘!」
白「やるわね、オバサン」
ツ「当たり前よ。アンタたちを倒して、シュテン様に認めてもらうのよ」
白「そんなことに夢中になるより、恋の一つでもしたら!?」
ツ「お黙り! 白馬の騎士にあこがれる小娘のクセに」
白「はっ、なぜそれを!?」
ツ「へぇ…当たったの? だっさぁ」
ホワイトの論理の飛躍もさることながら、第4話でオバサンと言われたことをしっかり根に持っているツエツエもなかなかです。
一方、赤・青・黒の三角関係ズはフリーザーオルグと対峙。冷凍攻撃の前に、あっさり凍らされてしまいます。
「へぇっへっへっへ。雪だるま3個できあがりだ」。
勝利を確信して、ピクリとも動かない3人に近づくフリーザーオルグ。しかし、実は凍ったフリでした。油断したスキをついて、いきなり不意打ちをかますガオの戦士たち。
フリーザーオルグ「騙したな!」
赤「冷たい攻撃にゃ、熱い心で対抗してやるぜ!」
…ここで言う「熱い心」とは、死んだふりして奇襲のことです。
この「熱い心」に敗れ去ったフリーザーオルグ。「シュテンさまぁ~」と、手を伸ばして救いを求めながら爆死。
とにかく、地上戦で死んだ怪人は巨大化して復活するのがお約束です。さっそく巨大ロボ・ガオマッスルを出して対抗するガオレンジャー。
ですが、必殺のマッスルラリアットを破られてしまいます。やむなくマッスルベアハッグに移行。
しかし、それは罠でした。フリーザーオルグの目的は、密着状態からガオマッスルを自分もろとも凍らせることだったのです。
フリーザーオルグ「うぬあああ~~ずぇったいれいどぉ~~!」
シュテン様「見事に散ってみせろ、フリーザーオルグ!」
フリーザーオルグ「シュテンさまぁ~~(爆死)」
これはまさしく、「覚悟のススメ」で戦鬼ライが見せた超凍結冷却液射による肉弾幸! まさに不退転の証明(あかし)。
技の名称を考えるとむしろ「ミュウの伝説」のレニィに近いかも知れませんが、とにかく覚悟の完了した怪人です。
この必勝策の前に、すべてのガオソウルが封印されてしまいます。巨大ロボは全機能停止。ガオレンジャーの変身も不可能。通信(?)も遮断され、援軍も呼べません。
さらに、ピヨちゃんの体温がぐんぐん下がっていきます。
青「Gフォンが凍ったままじゃガオレンジャーになれない」
黄「いったん退くか!?」
赤「待て! このまま引き下がれるか!」
白「そうよ、ガオソウルの封印を解くしかないわ!」
黄「よぉ~し、みんな、行くぞォォ!」
全員「オッシャアァァァァァァァ!!!」
変身が解けた生身で、シュテン様に神風アタックを敢行。戦術的撤退って単語もあるんですよ。
シュテン「ガオレンジャー。パワーアニマル。お前達の希望であるガオの卵。全てが力を失い、死に絶えていくのだ!」
赤「ピヨちゃんは俺たちの希望だ! 俺たちも死なない! ピヨちゃんも死なせないぜッ!!」
…さっきまでガオライオンに喰わせようとしていたことは忘れてしまったようです。
ともあれ、結局ボロボロにのされる5人。
赤「もう、方法はないのか!? ガオライオン!! 答えてくれえっ! お前の声が聞こえない!! ガオライオォォォン!!?」
ここでナレーションが入ります。
「すべてのガオソウルを封印され、ガオの戦士達は素顔のまま戦わなければなりません。果たして、シュテンたちの猛攻の前に、ガオレンジャー最後の時が来てしまうのでしょうか」
次回、第14話「魂の鳥が叫ぶ」に続きます。