本文

侍魂に変身するスタイルの変更を解除する

東映スーパー戦隊シリーズ25作目、発動

「東映戦隊シリーズ25周年」を大々的に謳った新ヒーローの誕生です。

秘密戦隊ゴレンジャーの放送開始日が昭和50年(1975年)の4月5日ですから、普通に数えるとまもなく26周年なのですが、みんなあまり気にしていないみたいです。

ちなみに、なぜ26年目なのに25作目なのかという問題については、初期三作の放送スケジュールに秘密があります。

秘密戦隊ゴレンジャー 75年4月5日~77年3月26日(全84話)
ジャッカー電撃隊 77年4月2日~77年12月24日(全35話)
バトルフィーバーJ 79年2月3日~80年1月26日(全52話)

つまり、最初の二作の後、一年空いているわけですね。なお、『テレビマガジン』的には戦隊ヒーローはバトルフィーバーJかららしいです。

余談ですが、バトルフィーバーJの後は「ピッタリ一年間放送で、1月終わりから2月はじめにかけて世代交代」のパターンが定着し、電子戦隊デンジマン、太陽戦隊サンバルカン、大戦隊ゴーグルV、科学戦隊ダイナマン、超電子バイオマン、電撃戦隊チェンジマン、超新星フラッシュマン、光戦隊マスクマン、超獣戦隊ライブマン、高速戦隊ターボレンジャー、地球戦隊ファイブマン、鳥人戦隊ジェットマン、恐竜戦隊ジュウレンジャー、五星戦隊ダイレンジャー、忍者戦隊カクレンジャー、超力戦隊オーレンジャー、激走戦隊カーレンジャー、電磁戦隊メガレンジャー、星獣戦隊ギンガマン、救急戦隊ゴーゴーファイブ、未来戦隊タイムレンジャーと続きます。

さて。前置きが長くなりましたが、そのシリーズ最新作『百獣戦隊ガオレンジャー』がいよいよ始まりました。

まだ一話目なので評価も何もありませんが、以下はとりあえず感想です。


まず、オープニングです。

前作はシリーズ初の女性ボーカルで出鼻をくじかれましたが、今回は曲名からして『ガオレンジャー吼えろ!!』ですから安心です。

歌うは山形ユキオさん。『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の一番最初のオープニング(ウィニング・ラン)の人で、最近は戦隊の挿入歌も数多く歌っておられます。

番組が始まると、「スーパー戦隊25th」というちょっと嘘つきなロゴが出ます。その後、いきなり牙吠(たぶん「がお」と読む)という筆字が画面奥から飛び出してきます! そして、絶唱! 「ガオ!飛びかかれ!ガアァァオッ!喰らいつけ!ガオ!叫べ!ガオ!倒せ!ガオッ!ガオッ!ガアァァァァァオッッ!!!!(以下略)」 ……素晴らしいです。


肝心の物語はどうでしょうか。導入はナレーションです。「皆さんは、この平和な世界が永遠に続くかのように錯覚していませんか?」。 …いきなり飛ばしてくれます。

その後、場面は唐突に暴れゾウから人々が逃げ惑っているところに。ゾウを止めようと警官が発砲しようとしますが、一人の若者がそれを制し、暴れゾウに一人で向かっていきます。「無茶をするな!」止める警官に、若者は笑顔で答えます。「俺は獣医だ」

暴れゾウを止めるのは獣医の仕事というより、仏陀の説話だったように記憶しているのですが…。

とにかく暴れゾウを説得して静めた獣医の姿を、遠くから見つめる一人の神秘的な女性がいます。実は強力な怪人を倒すために、新たな戦士を探しているのです。

さっそく、すでに入隊済みの四人の戦士が獣医のもとに送り込まれます。無邪気に野良猫とたわむれている獣医に、紅一点のホワイトが話しかけます。「私たちと、いっしょに来てください」

同時に、いきなり獣医の背後から現れる屈強な二人の男(ブラックとブルー)。がっちりと獣医を押さえこむと、すかさず正面からイエローがボディーに拳。有無を言わさず昏倒させます。

世間ではこれを拉致といいます。

正義の味方がやることとは思えませんが、そこは東映。すかさずナレーションがフォローします。「人生の転機というものは、本人も思いもしない形で突然訪れます」…それフォロー違うです。

しかし、そこは持ち前の単純さであっさり戦士になることを了承する獣医。めでたく怪人を倒し、「ウオォォォォーッ!! やる気マンマンだぜェッッ!!!」と叫んで第一話は終了です。


その他の見どころですが、戦隊のまとめ役(バイオマンのピーポやチェンジマンの伊吹長官)にあたるテトムさん(岳美)の演技は要チェックです。まるで幼稚園のお遊戯会にイヤイヤ出演させられた保母さん(39)の演技みたいです。

戦闘シーンでも意欲的な試みが行なわれています。ガオレンジャーの攻撃がヒットすると、漫画の書き文字のように破鬼(たぶん「バキ」と読む)、炸削(読み方不明、「ザクザク」?)などの筆字が現れます。格好いいです。

それと、戦隊シリーズでは「走り方」で特徴を出すことがあり、たとえばギンガマンはやたらと走りにくそうな不自然な前傾姿勢でダッシュしていました。ガオレンジャーも同様で、四つん這いで走ります。このシュールさは是非、実際の映像でお確かめください。


総括ですが、全体的にトンデモとかバカゲーの雰囲気が漂っているのがちょっといい感じです。真面目なところでは、今回最大のウリと思われる3DCGと特撮の融合はなかなか悪くありません。

何はともあれ、第一話。面白くなるかどうかは、まだまだこれからです。

ネットアイドルちゆは、ガオレンジャーを応援しています。