昔のちゆニュース
平成13年02月19日:ボボボーボ・ボーボボ 平成13年03月14日:「ジョジョ」第5部、PS2でゲーム化 平成13年03月21日:超人オリンピック、再び! 平成13年03月23日:魁!!web塾試験問題募集中 平成13年04月04日:純情パイィィィィィン 平成13年04月17日:ジャンプ読者ページもリニューアル 平成13年04月27日:宮下あきら新連載は「暁!!男塾」 平成13年05月08日:「暁!!男塾」主人公は桃の○○ 平成13年05月14日:ジョジョ第五部、今度は小説に 平成13年06月05日:キユ先生、再びジャンプに登場!! 平成13年06月21日:「キャプテン翼」最新シリーズ、単行本発売 平成13年07月23日:久保帯人先生、ジャンプに復活 平成13年08月30日:「るろうに剣心」の和月先生、打ち切り 平成13年08月02日:岡野剛先生、新連載 平成13年09月18日:「ブレーメン」打ち切り 平成13年11月14日:タカラがベイブレードで大儲け 平成13年12月26日:キン肉マンII世、アニメ化 平成14年02月19日:「ライパク」2度目の打ち切り 平成14年06月14日:叶恭弘先生が連載 平成15年10月12日:カレー将軍・鼻田香作 平成16年12月16日:テニスの王子様、中国に輸出 平成17年02月11日:雑誌と単行本の違い 平成17年03月12日:COOLドライブ 平成18年05月04日:「テニスの王子様」のヒロインの顔が変わった? |
平成13年2月19日 | ボボボーボ・ボーボボ |
最近落ち目ですが、まだまだ小・中学生の間では一番読まれているらしい(毎日新聞調べ)人気漫画雑誌、『週刊少年ジャンプ』の話題です。 今週号から、新連載『ボボボーボ・ボーボボ』がスタートしました。増刊読み切り・本誌読み切りと順当に勝ち進んでついに連載です。 主人公は、世界中の人をボーズにしようと企むマルハーゲ帝国に立ち向かう鼻毛真拳の使い手ボボボーボ・ボーボボ。要するに、ヘタウマ絵のナンセンスギャグ漫画で、雰囲気的には『大相撲刑事』に近いと思ってください。 ジャンプにおけるこの類の漫画の運命はだいたい決まっていまして、ほとんどは「読み切りでは人気が出たわりに連載はサッパリで10週打ち切り」です。もちろん、絶妙のセンスで不条理ワールドを描き切った『すごいよ!マサルさん』のような例もありますけれど。 そうした打ち切りで最も被害を被るのは言うまでもなく漫画家先生で、連載終了と同時に無職、専属契約料をもらっているため集英社以外で仕事もできない飼い殺し状態になります。 編集部としても試しに連載して受ければ良し、ダメなら捨てればいいという程度の意識で、澤井先生(ボーボボの作者)の人生は読者アンケートの結果で激変することになります。 さて。そこで注目すべきはアンケートハガキです。巻頭カラーの後にひょっこりはさまっているやつです。 ジャンプ編集部はハガキ表の人気投票しか集計していない可能性が高いですが、裏面に詳細な質問がありますのでそれを見てみましょう(ちなみに、こうしたアンケートの活用は『マガジン』編集部のお家芸です)。 質問:今後の展開でキミが望むのはどのような展開ですか? (1)カッコいい仲間が増える (2)ヘンな仲間が増える (3)ギャグ要素満載のバトル (4)真剣なバトル (5)鼻毛真拳以外のライバルが登場する (6)ギャグだけの展開 (7)ボーボボとビュティのラブコメ この選択肢から、ジャンプ編集部のバトルしてほしいという願いが読み取れます。確かに、カッコいい仲間やスネ毛真拳を使うライバルが登場して、○○武闘会や○○試験でバトルする漫画になれば、ジャンプでは人気でますからね。 以上、『純情パイン』打ち切りで悲嘆の涙にくれるちゆでした。 |
平成13年3月14日 | 「ジョジョ」第5部、PS2でゲーム化 |
昨日、ダイエーの高木社長が記者会見を行ない、「ホークスと球場は今後も手放さない」と明言してくれました。 ホークス関係は黒字になる見通しだし、グループ全体の営業にプラスだということです。ドコモホークスやソニーホークスはとうぶん誕生せず、あぶさんも転勤しないでよさそうです。 余談ですが、これを報じた朝日新聞の見出しは「ホークス・球場、窮状でも離さない」。記者の方は良かれと思ってこの苦しい親父ギャグをカマしておられるのでしょうか。かなり謎です。 …ここから「経営破綻といえば」と強引にもうすぐ関西さわやか銀行になる幸福銀行に話題をシフトしようと思っていたのですが、だいぶ昔に「これはご紹介しなければ」と思いつつキレイさっぱり忘れていたニュースをたったいま思い出してしまいました。 そこで本日は予定を変更しまして、通常より2週間遅れの「ジョジョの奇妙な冒険 第5部」ゲーム化決定の話題です。 いまさら「ジョジョの奇妙な冒険」について解説する必要もないかも知れませんが、「無駄無駄無駄無駄ッ!」「貧弱貧弱ゥ!」「ふるえるぞハート!燃えつきるほどヒート!」などの独特過ぎる言語感覚が国宝級の荒木飛呂彦先生が描く、超ド級の少年漫画です。 擬音のセンスも凄まじく、人が登場する場面では「ドッギャァーン!」、緊迫した場面では「ゴゴゴゴゴ」、スパゲッティーを食べる時は「ズビズバ」、キスシーンは「ズキュゥゥゥン」と、異常な描き文字が乱れ飛びます。 また、ビジュアル面でも、その卓越した構図・コマ割り・フキダシ・異形感は芸術を通り越して神の領域にあると言っても過言ではありません。 連載期間は10年以上に及び、単行本は69巻が来月発売されます。 「こち亀」は50巻の頃から「超長寿連載」と言われていたものですが、「ジョジョ」に関してはあまりそういうことがないのが不思議です。 さて。「ジョジョの奇妙な冒険」は1部、2部、という章に分かれていまして、各章ごとに主人公が変わります。 具体的には、第一部の主人公はジョナサン、第二部の主人公はその孫のジョセフ、第三部はさらに孫の承太郎、第四部はジョセフの隠し子の仗助…というように血が受け継がれていき、宿命のライバル・ディオとジョジョ一族との一世紀以上に渡る因縁の物語が紡がれています。 ここで便利なのは、各章で一つの物語が完結しているため、「第三部だけを抜き出してアニメ化」といったことが容易な点です。 そうして、ジョジョは多くのメディアに展開されています。小説(舞台は第三部)・CDドラマ(舞台は第三部)・オリジナルビデオアニメ(舞台は第三部)・アーケード及びPSのゲーム(舞台は第三部)……どうして全部第三部なんですか。 「確かに第三部は面白い。しかし一部だって二部だって四部だって五部だって六部だってどれもこれもみんな最高じゃないかッ!三部以外も作れよォォ」とお嘆きだった、そんなあなたに朗報です(でも二週間遅れ)。 なんと、「第五部」がPS2の3Dアクションゲームになることが決定しました。 第五部といえば、歴代シリーズの中でも特に描かれる「敵の強さ」と「恐怖感」が圧倒的で、戦闘シーンは常に全員重傷の限界まで追いつめられてギリギリで勝利を拾う展開になり、異様な緊迫感をひしひしと与えられて読みながら発狂しそうになる極上のシリーズです。 敵にトドメを刺す時にはいちいち「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ アリーヴェデルチ!(さよならだ)」「ボラボラボラボラボラボラボラボラ ボラーレ・ヴィーア!(飛んで行きな)」などとイタリア語で叫びます。 原作を読むときに感じるあのドス黒い感覚が3Dアクションで表現できるかは不安もありますが、とにかく期待は高まります。 現在、カプコンの公式サイトで開発中の画面イメージ数点と登場キャラクターの一部が公開されています。 出演が決まっているキャラクターはジョルノ、フーゴ、ミスタ、ナランチャ、アバッキオ、ブチャラティ、トリッシュの7人だけですが、名前を並べただけで濃いのはさすが第五部です。 指を舐めた味で他人の血液型が分かるメローネさん、寝たきりの老人に対して「誰も見舞いに来ない」などの絶望的な言葉を耳元で毎日毎日言いつづけ自殺にまで追い込んで、ついでにその時の老人の表情をビデオテープで記録していたチョコラータ先生などの壊れた敵キャラクターの皆さんが一人でも多くゲームに出演することを切に願います。 そんなこんなで、本当に出来がいいならPS2本体ごと購入しても悔いはありません。出来のいいキャラゲーなんて10に1つもありませんけど。 ネットアイドルちゆは荒木飛呂彦先生を応援しています! |
平成13年3月21日 | 超人オリンピック、再び! |
昨日のゴルゴに引き続きまして、今日はキン肉マンの話題です。 キン肉マンは20年ほど前にチビッコに大流行した人気漫画で、アニメになったりキン肉マン消しゴム人形(消しゴムとしての実用性は皆無)などのグッズがバカ売れしたりしたのですが、チビッコたちの夢と希望がいっぱい詰まったなけなしのおこづかいから得られた印税収入のほとんどが池田大作先生の活動資金になっていたという事実も今や有名な話です。 さて。その作者のゆでたまご先生は「キン肉マン」以降はさっぱり当たりがなく、ガンガンとかエースとかRINTAMA(リンたま)で細々と活動しておられたのですが、最近、久しぶりのヒット作を産み出しました。 その名も、「キン肉マンII世」 …って、単なる過去の財産の食いつぶしですけど。 純粋に単体の漫画として考えた時の完成度は度外視するとして、キン肉マンファンの立場から読むと、「II世」もまた大変面白い漫画です。 カナディアンマンとスペツァルマンの息子はやっぱり雑魚ですし、アパッチとリキシマンが伝説超人とか言って威張ってますし(リキシマンなんてキューブマンにしか勝ったことがないのに)、キン肉マンはカメハメから習ったはずの48の殺人技を「キン肉族に代々伝わる技だ」とか息子に吹き込んでますし、スニゲーターの息子は親父と似ても似つかないのにミートくんが「佇まいがそっくりだ」って言い張ってますし、サンシャインは悪魔超人全員集合の写真に泣きながら話しかけてますし、ザ・ニンジャが登場したと思ったら懐かしがってる暇もないうちに殺されましたし、ミートくんの親父が登場したと思ったら驚いている暇もないうちに殺されましたし、キン骨マンの息子はニヒルで格好いいダンディな超人ですし、…ツッコミを羅列するだけでちゆニュースが当社比2.5倍になってしまうくらい見どころ多すぎです。 そんな「II世」の単行本最新刊、第13巻が発売されました。 なんと、今度の舞台は超人オリンピックです! 超人オリンピックといえば、ラーメンマンが残虐ファイトでブロッケンマンを真っ二つにしたり、ロビンマスクが頭のツノを凶器にしてキン肉マンにズボズボ攻撃したり、リキシマンがバナナの皮ですべって転んだりした、あの夢の祭典です。 それが21世紀に蘇るのです。それも、委員長の陰謀で。 委員長といえば旧シリーズから出番はそこそこあった割に、エピソードと言えばオメガマンの死体を片付け忘れたことくらいしか思い出せない影の薄いキャラクターですが、実はキン肉一族に怨みを抱いていたのです。 曰く、「な…なぜ…キン肉王家ばかりが、こんなにモテてどんどん繁栄する〜〜っ!! ワシは超人界で一番地位と権力があるんじゃ! キン肉族の大王や王子なんてものは、ワシの地位に比べればズ〜〜ッと下の方じゃッ!」 さすがは、ゆでたまご先生。長年の準レギュラーが何の伏線もなく唐突に悪役に早変わりする展開が素敵です。というか、委員長に名前があったこと自体が驚きです。てっきり本名が委員長だと思っていました。 ちなみに委員長の本名はハラボテ・マッスル、その息子の名前はイケメン・マッスル。ゆでたまごイズム炸裂です。 そして、今回もう一つの目玉がカニベースの復活です。 第20回超人オリンピック、第一競技のジャンケン一本勝負。カニの超人なので手がハサミだったためにキン肉マンのグーの前に敗退。 第21回超人オリンピック、第一競技のジャンケン一本勝負。前回の反省から手をグローブ型に改造する大手術を施して雪辱戦を挑むも、グローブ型なのでパーしか出せずキン肉マンのチョキの前に敗退。 そんな彼が、復讐の誓いを胸に69歳の高齢にして超人オリンピックに再び参加したのです。今度はグー・チョキ・パーにそれぞれ対応した手を左右に生やし、アシュラマンのような6本腕になってカムバックです。 このカニベース対キン肉マンII世の因縁の「あっち向いてホイ」対決の結果は、ぜひ単行本をお買い上げになってお確かめください。読み終わったとき、後から後から涙がこぼれおちてくることでしょう。 ところで、そんなキン肉マンII世の劇場版が夏の「東映アニメフェア」で上映されます。 同時上映は「デジモン」と「おジャ魔女どれみ」。東映がどんな人間を客として想定しているのかかなり謎ですが、いま前売り券を購入すると「アニメフェア特製カードダスセット」か「魔女バッグ」がもらえるそうです。 そういえば先代「キン肉マン」の劇場版の頃は「東映まんが祭り」だったと思うのですが、何でもかんでも横文字にすればいいってものなのでしょうか。 そうそう。映画の情報を求めて東映のホームページを見てきたのですが、トップページは意味もなく動画でした。 ActiveXをオフにしている人には雪のように真っ白な中にポツンと「SKIP」とだけ書かれている寂しいトップページに見えます。ついでに機種異存文字も使いまくりです。 そんなお茶目な東映ホームページで知ったのですが、「宇宙刑事大全」「仮面ライダー大全」の続編が6月に発売されるそうです。 その名も「快傑ズバット大全」。 収録内容は快傑ズバット用語集、全放映データ、宮内洋インタビューなど。発売が今から楽しみです。 |
平成13年3月23日 | 魁!!web塾試験問題募集中 |
宮下あきら先生をご存知でしょうか。「魁!!男塾」の作者様です。 「男塾」について簡単にご説明させて頂きますと、現実世界には絶対に存在しないであろう改造学生服を着込んだ異様に胸板の厚い男たちが、学園生活とは名ばかりの軍事教練を受け、時代錯誤の精神主義を武器に変態的な奥義を駆使する強敵たちと人間の限界を無視した超人的死闘を繰り広げる、熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い男の物語です。 これも「キン肉マン」と並んでツッコミどころが多い漫画です。 ざっと思いつく限りでも、切断されたはずの羅刹の左腕がいつの間にか生えている、食いちぎったはずの影慶の右の小指が自然に復元している、塾長がサマン島で受けたはずの銃痕が知らない内に消えている、その他腕に刻んだ死んだ友の名前や胸に刻んだ「闘」の文字や雪辱を誓った達磨の刺青など一生消えないことがウリのものが次々と自然消滅する、盲目のはずの月光の目が大威振八連制覇の時点では見えている、虎丸の放屁で浮かび上がった月光の怒粧墨がその後の敵の卑劣な行いに対しては浮かび上がらない、初期の大豪院邪鬼の異様な巨体が「畏怖」の一言で片付けられている、影慶の流派が知らない間に愾塵流から愾慄流に変わっている、影慶が死の奥義のはずの毒手をいつの間にか普通に使っている、伊達が起こした男塾2・15事件と赤石が起こした男塾2・26事件が実は同じ年の出来事、富樫死に過ぎ、棒をどれだけ頭上で回転させても人間は空を飛べない、人体は宇宙空間を泳げるような構造にはなっていない…などなど。 それらのトンデモ・ネタも男塾の魅力の一つではありますが、しかし、それ以上に描かれる男たちの熱い生き様が尋常ではありません。 あがらずの大塾旗をあげた秀麻呂、万人橋を架けて自分たちの命を笑って散らせた松尾と田沢、別れの言葉を残して酔傑を道連れに滝壷に飛び込んだ男爵ディーノ、死闘の末に富樫の男を認めてその命を救った黒薔薇のミッシェル、富樫の仇討ちに自ら覬相鋼怨面をかぶって勝利した虎丸、己の屍をさらすことを恥として肉片ひとつ残さず死んでいった大豪院邪鬼…。偏ったセレクトで申し訳ありません。 それと先日、死んだはずの大豪院邪鬼先輩が防衛庁長官の椅子に座っている幻覚を見ましたがきっと気のせいでしょう。 そういえば、ちゆはかなり長い間民明書房が実在すると信じていたのですが、そういったことまで全てひっくるめて、男塾は極上の漫画だと断言できます。 また、宮下先生は「男塾」以外にも「私立極道高校」「激!!極虎一家」「嗚呼!!毘沙門高校」「ボギーTHE GREAT」「瑪羅門の家族」「BAKUDAN」「世紀末博狼伝 サガ」「天(そら)より高く」などの作品を描いておられますが、どれもこれも傑作揃いです。 前置きに思わず力が入ってしまいましたが、その宮下あきら先生公認のホームページ・魁!!web塾でただ今「web塾模擬試験」試験問題が募集されています。 宮下作品全般を対象にした5択問題ならば何でもよく、応募作は全て採用される予定。また、応募者は別枠でHNと一言コメント(任意)を公開して頂けるそうです。 そこでさっそく、ちゆも考えてみることにしました。宮下先生関連というからには、男らしい問題(例:「男とは何ぞや?」by独眼鉄)にしたいところです。 問題:「男塾名物”ラグビー”の正しい漢字は?」。正解は「羅惧美偉」。他の選択肢は「螺虞毘異」「裸愚媚慰」「等具琵居」「羅倶備意」。 問題:「マッハパンチのJの本名は?」。正解は「キング=バトラーJr」。他の選択肢は「Jが本名」「ジョセフ・ジョースター」「マイケル・ジャクソン」「ジャイアン」。 問題:「次のうち、Jの必殺パンチではないものはどれか?」。正解は「スーパー・ウルトラ・グレート・デリシャス・ワンダフル・ボンバー(SUGDWB)」。他の選択肢は「フラッシュ・ピストン・マッハ・パンチ(FPMP)」「フライング・クラッシュ・メガトン・パンチ(FCMP)」「スパイラル・ハリケーン・パンチ(SHP)」「トリプル・ブレード・ジャブ・スペシャル(TBJS)」。 問題:「『瑪羅門の家族』最終話のサブタイトルは?」。正解は「朝日の向こうに俺達の未来を!!」。他の選択肢は「邪なる心に怒りの最終章を!!」「古の伝説に明日への光を!!」「星の輝きに俺達の未来を!!」「今生の別れに熱き涙の餞(はなむけ)を!!」。 問題:「『BAKUDAN』でバクダンのプロ第一戦の対戦相手は?」。正解は「アニメ漫太郎」。他の選択肢は「鷹条ユウキ」「エセロック・野郎」「ボッタクリズシ・親父」「バブル・銀行」(この人たちは全て実際に劇中に登場します)。 とりあえず、以上を応募させて頂きました。 「数に限りなくいくつでも」ということですので、皆さんも是非、応募させて頂いてはいかがでしょうか。 ネットアイドルちゆは宮下あきら先生を応援しています。 |
平成13年4月4日 | 純情パイィィィィィン |
砥石を使って南海電車のドアガラスに英文字や絵を描いた18歳の男子大学生三人組が、器物破損容疑で逮捕されました。 曰く、「自分の絵を人にほめてもらいたかった」。 単に絵を見て欲しいのでしたら、せっかくインターネットという素晴らしい落書きフリーの便所がありますのに。それとも、電車にでかでかとイラストを描いてあずまんが電車やシスプリ電車に仕立てようという魂胆だったのでしょうか。だとしたら漢です。 南海電鉄さんはこれを「悪質」だとして数百万円の賠償を求めるそうですが、自己責任能力もない餓鬼相手にムキになるのもどうかなという気がします。 また、たまらないのは実際に支払わされる親ですが、貴重な子宝を授かりながら馬鹿に育ててしまった罰金だとでも思うことにしましょう。 それにしても、自分の絵を褒めてほしいから電車に落書きするなんて、純情な若者たちです。 …と、かなり強引な展開で引きずり出した今日の話題は、祝!「純情パイン」単行本発売です。 純情パイン。 週刊少年ジャンプ誌上に鮮烈にデビュー、一部で絶大な支持を受けるも、あえなく13週で打ち切られた伝説の怪作。それが満を持しての単行本化です。 さっそく購入。まずは表紙をめくると、慣例通りに作者様の写真とコメントが載っています。 作者様の写真が薄笑いを浮かべたおさげの女なのはマジで恐いですが、それ以上に作者様のコメントの第一行・第一声に注目です。 この漫画は打ち切り漫画です この本を買って、一番最初に目にする文章がこれです。作者様の怨念の強さが伺えます。 しかし、「純情パイン」をこのままよくある10週打ち切り漫画の一つで終わらせない可能性は、まだあります。 そう。古くは「アウターゾーン」、最近では「ライジングインパクト」のように、連載終了後でも圧倒的なラブコールが届けば連載再開が有り得るのです。 さあ、今すぐ書店に走って「純情パイン」を10冊買いましょう。たぶん10冊も入荷している本屋さんは近所にないでしょうけど。というか、まっとうな商売をしている本屋さんでしたら1冊も入荷していなくても何の不思議もありません。 そして、集英社に呪いのようにひたすら「純情パイン、純情パイン、純情パイン」と書いた手紙を送り続けましょう。自分で文章を考えるのが面倒な方は、最後に例文を挙げておきますので参考にしてください。 〜〜〜〜〜以下、例文〜〜〜〜〜 拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 先日は「ヒカルの碁」のキャラクター人気投票、明らかに一人で何百票も投じている奴がいましたね。一時の勢いも何処へやら、他誌との競争に神経をかきむしりたくなるような毎日だとは思いますが、いかがお過ごしでしょうか。 さて、貴社の単行本「純情パイン」を拝見させて頂きました。幽玄で既知街な神秘の物語、恥ずかしながら我を忘れて感動にむせび泣いてしまいました。この漫画は人類が滅亡する2015年ギリギリまで語り継がれるべき、日本国の至宝だと思います。是非、どうか、再び連載させてください。あなたもご家族が大事でしたら、何が賢い選択かお分かりでしょう。 よろしくご検討くださいますようお願い申し上げます。これから暑くなって参りますが、くれぐれもご自愛ください。 敬具 追伸 夜道を歩くときはお気をつけになるよう、娘さんにもお伝えください。 |
平成13年4月17日 | ジャンプ読者ページもリニューアル |
少年チャンピオンの読者ページが「チャンピオンカップ」から「でじこのチャンピオンカップ」に生まれ変わったことは、以前にもお伝えしました。 今週号では早くも「みんなからのハガキが日増しに増えてきて、でじこはすっかりごきげんにょ」などと書かれていましたが、”でじこ効果”がどれほどの影響力を持つのか、興味深いところではあります。 そんなチャンピオンに触発されたわけでもないのでしょうが、少年ジャンプの読者ページもリニューアルされます。 ジャンプといえば、かつて横山智佐・榎本一夫・さくまあきら・土居孝幸の最強メンバーで作りあげた伝説の読者ページ「ジャンプ放送局」を発信した雑誌です。 ジャンプ一人勝ち時代の時勢に乗り、今でも「”竜王は生きていた”さんは今ごろ何をしているのだろう」などと話題に上るほどの異常な人気を獲得した、稀有な読者ページでした。 しかし、それ以降の読者ページはあまりパッとしませんでした。特に「ジャンポスト」に関しては、存在を記憶している人間さえほとんどいないと思われます。 さて。 そんな少年ジャンプの新読者ページの名称は。 じゃんぷる。 ジャンプだからじゃんぷる。「る」が何処から来たのかは謎です。かっこよくアルファベットで書くとJUMPURU。 イラストレーターは前回「ジャンプ団」から据え置き、メインスタッフも数名入れ替わっただけで基本は同じです。特にイラストが変わらないことが原因ですが、リニューアル前とまったく雰囲気が変わっていません。 人気がなくて打ち切られた漫画でしたらよほどのことがない限り連載再開はあり得ませんが、今回は何のためのリニューアルなのか分かりません。 いっそのこと、でじこに対抗してでんこを起用するなどの大胆なリストラを敢行して欲しかったところです。でんきを大切にね! ここで、両者のプレゼントを比較してみましょう。 でじこのチャンピオンカップ 1位:PS2 2位:ゲームボーイアドバンス+ソフト1本 3〜5位:ゲームソフト1本 1〜10位:コゲどんぼ先生の描いた、複製サイン入りカラーイラスト原画 じゃんぷる 1位:VAIO-NOTE 2〜5位:PS2+メモリーカード+ソフト1本 VAIOです。 しかも、PS2の台数も4倍。 読者ページのプレゼントにかけられる予算限度額において、集英社と秋田書店の差が如実に表れてしまいました。 さすが集英社。かつて「ジャンプ放送局」時代に、読者参加企画で各都道府県ごと1名様にPCエンジン・シャトルをプレゼントという恐るべき暴挙を完遂した実績は伊達ではありません。 残念ながら、賞品で選ぶなら「じゃんぷる」に投稿するべきでしょう。 しかし、賞品の金銭的価値だけが選択基準だという高度経済成長期の亡霊のような考え方がすべてではありません。 もしもチャンピオンに掲載されれば、もれなくでじこ・うさだ・ぷちこが一言コメントしてくれます。 また、毎週最も面白い投稿には「でじこ賞」が授与され、デ・ジ・キャラット特製テレカが贈られます。 さあ、チャンピオンにハガキを出しましょう。 そして特製テレカを手にして、ヤフーオークションに出品するのです。もしかしたら、VAIO以上の高値がつくかも。 …いや、どんなに高くてもゲームボーイアドバンスどまりだと思いますけど。 でもパソコンはナマモノですので、5年も待たずに特製テレカの方が貴重になるでしょう。 |
平成13年4月27日 | 宮下あきら新連載は「暁!!男塾」 | |||||||||||||||||||||
すでにsawadaspecial.comさんなどで紹介されているので控えようかとも思ったのですが、やはり一大事ですので、こちらでも取り扱わせて頂きます。 5月9日発売の「スーパージャンプ」No.11より、宮下あきら塾長が新連載を開始します。 その名も、「暁!!男塾」。 広告のレイアウト上サブタイトルなのかアオリ文句なのか判別できませんが、タイトル傍に「青年よ、大死を抱け」とあります。たぶん正式名称は「暁!!男塾 青年よ、大死を抱け」だと思われます。 以下、「スーパージャンプ」の広告文から。 「わしが男塾塾長江田島平八である!!」 「巷の話題を独り占め! 現代日本に喝を入れる衝撃の話題作、巻頭カラーで堂々登場!」 「日本男児とは何ぞやっ!」 「もはや説明不要! 日本男児の崇高なる魂を描いた大ヒット作が新世紀に還って来るッッッッ!!」 「時は平成。この日の本に真の日本男児を養成する私塾ありき! …あの伝説の男塾が塾長・江田島平八とともにSJに降臨! そしてまたひとり型破りな男がやって来る!!」 さらに、塾長と並んで日本刀もってハチマキしめた虎丸みたいな男のドアップが。こいつが新一号生筆頭か!? …あ、伝達性を考えて「虎丸」と申しましたが、ヒゲは生えてません。厳密に表現すると「瑪羅門の家族」の瑪羅門王に近いルックスですが、髪型は「サラリーマン金太郎」みたいです。 …こいつの名前が剣金太郎だったらどうしよう。 ところで「スーパージャンプ」といえば、男塾の外伝的ストーリーを載せた前科があります。 平成10年のNo.22に創刊10周年記念スペシャル巨篇として掲載された、「EDAJIMA―わしが江田島平八である!!―」がそれです。 夕焼けに飛び行く零戦をバックにした江田島平八のドアップに、「日本男児とは…!? 大和魂とは…!? 今だからこそ問う炎熱の45P!!」というアオリ文句が踊る扉ページ。 それをワクワクしながらめくると、
第1ページ目からこれです。 かつて藤堂兵衛が言いました(単行本28巻)。 「こんな噂がある。終戦後、時の合衆国大統領が『EDAJIMAがあと10人いたら、アメリカは日本に負けていただろう』といったとな」 10人から2人に、江田島の実力がグレードアップしています。実際に戦場に立ったマッカーサーの方が、大統領よりもEDAJIMAの恐ろしさが骨身にしみたということでしょうか。 それにしても、「二人」とは…。それが本当なら塾長と王大人だけで大東亜戦争に勝てます。 マッカーサー曰く、「シンガポール・インドネシア・南部太平洋…それら日本軍の勝ち戦は全て奴の力によるものと言っていいだろう。奴にとって兵力・兵器の差など問題ではなかった。奴はおよそ従来の戦法では考えられぬ発想と行動で我が軍を手玉にとったのだ」。 ついでに、「瀬戸内海という西の海に浮かぶ江田島という小島」にある「海軍士官養成学校」を「開校以来最高の成績で卒業した」という塾長のプロフィールもマッカーサーの口から明らかになります。 そこで突然、連合軍総司令部GHQに現れた塾長が吠えます。 「わしが江田島平八であるーーーーっ!! 聞けやマッカーサー。確かに日本はこの戦争に負けた。だが、わしと貴様の勝負はまだ終わってはおらん! レイテとルソンで一勝一敗、五分の星だ」 「決闘だーーーっ!! わしと貴様だけで最後の決着(ケリ)をつけるのだーーーーっ!!」 これを受けるマッカーサー。 「俺は軍人だ……!! 肉体を武器にして戦う用意はいつでも出来ている…!!」 「奴の言う様に、ここまでの勝敗はイーブンだ。俺は決着をつける…!!」 そして神宮球場。塾長が集めた大観衆の面前で、素手で対峙する二人の漢。 上半身裸になって闘志むきだしのマッカーサー。塾長に劣らぬ分厚い胸板、ぶっとい首のゴツい肉体をしています。 いよいよ決闘が始まりますが、このマッカーサーは格闘能力も並みではありません。北斗百烈拳級の連打で、塾長を一方的に殴り続けます。 「あーあ、駄目だなこりゃ」「やっぱり外人サンは何をやっても強えんだよ」。観客の日本人たちも、あきらめムードです。 しかし、殴られても殴られても倒れない塾長。血みどろになっても、一歩も退きません。その気迫に、観衆も徐々に呑まれていきます。 ついに、両親を焼夷弾で殺された孤児の少女が声援を送ります。 「頑張っておじちゃーーん!! 絶対勝ってーーっ!! お父ちゃんとお母ちゃんの仇を取ってーーっ!!」。 それをきっかけに、大声援が起こります。 「江田島ーっ!! 根性入れやがれーーっ!! 大和魂を見せてみんかーっ!!」「江田島!!」「江田島!!」「江田島!!」「江田島!!」「江田島!!」「江田島!!」「江田島!!」。 湧き上がる江田島コールに、神宮の杜が揺れた……………!! 不敵に笑う塾長。「フフフ。そうだこれでいい…。わしはこれを待っていたのだ…………!! 『野火焼ケド 尽キズ 春風吹ケバ 又 生ズ』。この元気が有れば、日本は必ず復活する…!!」。 「何を言っている…………!? まさか貴様、それを確かめるためにワザとやられていたとでも言うのか…!?」。驚愕するマッカーサー。 「フフフ……その身で確かめるがいい……。マッカーサーッ!!」 塾長の本気の拳が唸る! その迫力に圧倒されるマッカーサー! かくて、たった一発の寸止めの拳で、勝負は決まったのでした。 そして、塾長はマッカーサーに頼みます。 「今この国は、親や家を失った子供達であふれている…。その子供達だけには、メシをタラフク喰わせてくれ。ならば子供達が大きくなった時、必ず貴様の国の良きライバルとなり、強力なパートナーとなるはずだ」。 最後に「わしが江田島平八であるーっ!!」と吠え、マッカーサーと敬礼を交わして神宮を後にする塾長。
…気がつけば、無意味に延々と2年前の読切の話をしていました。 それにしても、マッカーサーとタイマンという壮大なデタラメ感が最高です。かつて、筋肉隆々のマッカーサーが日本人とガチンコ勝負する様を描いたメディアがあったでしょうか。 ともあれ、そんな感じの「スーパージャンプ」で「暁!!男塾」が新連載です。 さて。 「魁!!男塾」は、少年ジャンプ昭和60年22号の第1話「地獄への直進行」から、平成3年35号の最終回「涙の別れ・卒業式!!」まで、単行本34巻にわたる長期連載を流星のように駆け抜けた不条理格闘漢漫画です。 ところで、プレイボーイ連載の漫画「天より高く」に、塾生たちの「その後」が描かれています。単行本にすると、6〜8巻・13〜15巻あたりがチェックポイントです。 以下の表はネタバレになりますので、お気をつけください。
お墓を作って手厚く埋葬されたゴバルスキー。塾生全員を救い、桃に斬岩剣を託して逝った赤石先輩。己の屍をさらすことを恥とし、肉片ひとつ残さず死んでいった大豪院邪鬼先輩。 …なぜか平気な顔で全員生きていましたが、気にしてはいけません。 「暁!!男塾」は「魁!!男塾」の桃たちより後に入学した塾生たちの物語になると思われますが、「天より高く」との前後関係は不明です。 また、何らかのつながりがあるのか、完全なパラレルワールドとして進行するのかも分かりません。 「魁!!」と近い時間の出来事でしたら桃たち3号生と新1号生が八連制覇で激突といった戦いも有り得ます(み、見たい…)。「天より高く」に近ければ、富樫が塾長の秘書をしていることでしょう。 もちろん、バトル抜きで初期のギャグ中心の展開でもOKですけど。 何はともあれ、期待は大きいです。 ネットアイドルちゆは、宮下あきら塾長を応援しています。 |
平成13年5月8日 | 「暁!!男塾」主人公は桃の○○ |
4月27日のニュースでお伝えしました通り、宮下あきら先生の「暁!!男塾」の連載が始まりました。 「スーパージャンプ」最新号の表紙には「車田正美!宮下あきら!平松伸二!徳弘正也!闘う連載陣!」とのアオリ文句がババーンと掲載され、1週間後に発売される「コミックバンチ」への宣戦布告のようで格好いいです。 それでは、ネタバレぎみに「暁!!男塾」第一話をご紹介します。 まずは改造ガクランの異様な男たちが、街中を軍隊のように隊列を組んで行進してくる場面から始まります。 曰く、「我々は男塾一号生風紀粛清委員会の者である!! 我々は本日これより貴様等に猛省を促す為の実力行動に出る!!」 そしておもむろにバリカンを取り出す男たち。「かかれえっ チャパツの男は残らず丸刈りにしてくれるのだ――――っ!!」 …ああ、なつかしい男塾です。 しかも、バトルよりもギャグ中心だった初期のティスト。 そんな男塾に新たに入学する男の名は、剣 獅子丸。 「魁!!男塾」の主人公、剣桃太郎の一人息子です。 時代的には「天より高く」とほぼ同時期みたいですから、総理の隠し子ということになります。剣総理は独身を理由にホモ疑惑を立てられたりしていましたが、ちゃんとやるコトやってたのですね。なんかすごい体位とか知ってそうです。 江田島平八も「ワッハハハ 初耳じゃ貴様に息子がおったとはーーっ!!」と大笑いです。 桃の話によると母親は外人(獅子丸の瞳が青いことから白人だと思われます)。「遠い異国の地」で育ち、日本に来るのは初めてだそうです。 桃は男塾入学前から英語ペラペラで海外のあちこちで秘奥義を会得しまくっていましたが、いつ作った子供なのか気になります。ハーバード時代か、どこかの秘境か。 そうそう。ファンサービスなのか、桃はもちろんのこと、伊達・富樫・虎丸・雷電・飛燕・月光・赤石・卍丸・松尾・田沢・秀麻呂までたいした意味もなく見開きで出演していました。 月光のグラサンがよく似合っています。 ついでに伊達の甥も男塾に入学。こちらは伊達とは似ても似つかない、初登場時の秀麻呂を彷彿とさせるキャラクターです。 そんなこんなの第一話「剣 獅子丸である!!」でした。今後の展開が楽しみです。 ネットアイドルちゆは男塾を応援しています。 |
平成13年5月14日 | ジョジョ第五部、今度は小説に |
荒木飛呂彦先生が描く異常傑作漫画、「ジョジョの奇妙な冒険」。その中でも最も鬼気迫ると言われる第五部が、ゲーム化に続いて小説化されます。 漫画のストーリーを忠実に文章に直すのではなく、原作にないオリジナルストーリーが描かれる模様。完全書き下ろしの単行本が、5月28日に発売です。 ところで「ジョジョ」の小説は、すでに2作品存在します。どちらも舞台は第三部。やはりオリジナル・ストーリーです。 1つは機関車のスタンド「凶悪連結器(サタニック・カプラー)」が登場する「砂漠発地獄(ヘルシティ)行」。もう1つは「熱き砂の墓標」というエピソードです。 前者は単行本での書き下ろし。後者も同じ単行本に収録されていますが、初出は「jump novel」でした。 「jump novel」はジャンプ読者層をターゲットにした小説誌のくせにハードボイルドの巨匠・北方謙三をゲストに呼んだりと、よく分からない方針の雑誌でした。平成11年夏のVol.16を最後に死にましたけど。 「熱き砂の墓標」が掲載されたのは、そのVol.4。 この号には同時に、「ジョースター家四代の歴史」「空条承太郎大激闘MAP」「ジョジョ世界大百科辞典」など、大量のジョジョ関連記事が掲載。しかし、これらは全て何も分かっていない編集者のせいで台無しでした。 ところがそんな中、ただ一つだけ異様に「分かっている」記事がありました。それは、荒木飛呂彦と大槻ケンヂの対談です。 まずは、大槻ケンヂがジョジョを読んだ感想から入ります。 大槻「実は僕は『ジョジョ』を読んで一番思った事はあれなんですよ。何かウオ〜ッとやる気になるなという」 そして、得意のUFOネタや火星表面のピラミッド写真などの話題でラッシュをかける大槻ケンヂ。パラノイア的なUFOビリーバーの話題から、こうカマしてくれます。 大槻「実は僕はお会いするまでは荒木さんもそういう方だったらどうしようかと、ちょっと怖かったんですけれども。いきなり、『けさもディオが来てね』とか言い出されたりしたらどうしようかと」 そして、話題は「幻魔大戦」の平井正和先生に移行。「平井先生の小説の主人公は、実は俺だ」と思い込んでいるキチガイさんを、平井先生自らが”本物”だと信じてしまったネタで盛り上がります。 荒木「私の所にも、どうして波紋って知ってるんですかと言う人が来ますよ。私がやっているんだって」 大槻「ほ〜ら、あと数年後、ジョジョが訪ねてきますよ」 このように濃密なトークが繰り広げられ、数多くの名台詞が生まれました。 荒木「何か自分が変態みたいに思われると困るんですけれども、異常性とかを追求したりするんですよ、殺人鬼とか」 大槻「乗ってきたら、あの『無駄無駄無駄』とか喋りながら書いてません?」 …気がつくと話題が大幅に逸れてしまっていますが、ネットアイドルちゆは荒木飛呂彦先生&大槻ケンヂを応援しています。 |
平成13年6月5日 | キユ先生、再びジャンプに登場!! | ||||||||||||||||
打ち切り漫画界に燦然と輝く明星、「ロケットでつきぬけろ!」をご存知でしょうか。 作者はキユ先生。「週刊少年ジャンプ」平成12年34号に始まって、わずか10週の連載を文字通りロケットのようにつきぬけていった作品です。 特異なコマ枠の描き方。サブリミナル映像の「コカ・コーラを飲もう!」のように、物語の合い間に必然性もなく挿入される謎のフレーズ「Live Like Rocket!」。打ち切り決定の関係でロケットのようにつきぬけていくストーリー。
そして、それまで影も形もなかったはずなのに、まったく何の説明もなくある回から唐突に存在していた主人公の恋人。彼女はさも昔からいたレギュラー・キャラのように自然に振舞い、多くの読者を「先週、読み飛ばしたっけ?」という不安に陥らせました。 しかし、この作品を打ち切り漫画界のスーパースターたらしめている理由は、雑誌の最後に掲載される作者のコメントにあります。
普通このスペースには、作者の近況などが書かれます(半分以上は担当が適当に作っているという噂ですが)。 しかし、キユ先生に限っては毎週、なぜか次回予告でした。
ところが途中で飽きてしまったのか、突然、キユ先生は方向転換。今度は他の漫画家の先生たちに話しかけ始めます。
いきなり話をふられて先生方もさぞ困られたことだと思いますが、結局、ほとんどの先生は無視しておられました。
ところが、そこで事態は急展開。衝撃の告白が読者に襲いかかります。
これまでのはボツられなかった穏便なコメントに過ぎなかったというのです。お倉入りになったコメント、お願いですから誰か読ませてください。
そして、ついに最終回。 最後のコメントと言えば「短い間でしたが、ご愛読ありがとうございました」「次回作でお会いしましょう」などと適当なことを書くのが普通ですが、もちろんキユ先生は普通ではありません。
今や伝説となったこのフレーズを残して、キユ先生はジャンプ誌上から姿を消しました。
この「バイバイ」から9ヶ月。永遠に帰って来る事はないだろうと思われたキユ先生の読み切りが、6月12日発売の「少年ジャンプ」28号に掲載されます。 次号予告によると、タイトルは「STRIPE(ストライプ)」。 >メジャー級、久々の登板 >久々登場のキユ先生が描くクールな行商稼業とは…!? 果たして来週、キユ先生はどんな巻末コメントをつけてくださるのでしょうか。今から楽しみです。
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平成13年6月21日 | 「キャプテン翼」最新シリーズ、単行本発売 | |
ボールはトモダチ。 日本サッカーの歴史を語る上でも、やおいの歴史を語る上でも外せない大人気漫画。それが「キャプテン翼」です。 昭和56年、少年ジャンプで連載開始。以後、アニメ化されるわゲーム化されるわで、サッカーが大好きな少年は大喜び。男の子どうしでキスしたりペッティングしたりアナルファックしたりが大好きなお姉さんも大喜びでした。 また、この漫画は「魁!!男塾」や「キン肉マン」と並んでツッコミどころが多いことでも知られています。 秘技三角飛びは反則だろうとか、心臓病で試合に出るなとか、巨岩を拳で破壊できることがキーパーにとって何の役に立つのかとか、2人いっしょに蹴ってもボールは分身しないだろうとか、ドリブルで人間を吹き飛ばすなよとか。 「空想科学読本」で有名な柳田理科雄先生も、翼くんが空中で軌道を変えている、若林くんは時速180キロメートルで跳躍している、アナウンサーの解説は早口すぎて超音波になる等の指摘をされています。 もはやすべてにツッコミ切ることは不可能です。 そんな「キャプテン翼」も、約7年(355週)で連載終了。 しかし、一躍人気作家となった高橋陽一先生の次回作は非常に期待され、連載終了からわずか17週後には次の連載が始まりました。 その名も、「翔の伝説」。 サッカーではなく、テニス漫画です。連載予告の段階で「半生を描く物語」と謳われたことからも、陽一先生の壮大な構想と意気込みが伝わってきます。序盤からビシバシ伏線張りまくりでしたし。 しかし、この漫画は幼年時代を終えて少し成長した辺りでアッサリ打ち切り(25週)。「これが半生だとしたら、翔は20代で若死にする」とツッコまれる悲惨な結果に終わりました。 次の作品は、「エース!」。 「実はサッカーより野球が好き」と公言した陽一先生が描く野球漫画。さすがに前作で懲りたのか無茶な伏線はやめました。これは陽一先生打ち切り3部作の中では頑張った方ですが、73週で切られました。 そして、「CHIBI−チビ−」。 今度の題材はボクシングです。いつもの最初から超人的スペックを備えた天才主人公ではなく、いじめられっこの成長物語に挑んだ点が特徴。健闘むなしく53週で打ち切られました。 そんなわけで、黒岩よしひろ先生のように10週打ち切り連発というわけではありませんが、なまじ大ヒットを飛ばしてしまったがために一発屋一発屋とそしられてしまう陽一先生。 このままではイカンと自分で気がついたのか編集部が言ったのか分かりませんが、往年のヒット作「キャプテン翼」に泣きつくことになります。 そうして全5週の「特別編」「太陽王子編」を経て、「キャプテン翼 ワールドユース編」が連載。 これは以前よりもアクロバティック指数が上昇しており、色々なシュートを無理矢理合成したトルネードアロースカイウイングシュートをはじめ、変態技が数多く登場して楽しめました。 特に注目すべきは、日向くんのタイガーショット・ネオタイガーに続く新必殺技、雷獣シュート。 ボールを蹴る際、わざと足を地面をこすらせると反動がついてシュートの威力が増大するという原理なのですが、足が地面に当たれば摩擦力で威力が落ちる気がしてなりません。 なにより致命的に名前がダサいです。陽一先生が何を考えて雷獣シュートなどと命名されたのかはキャプテン翼史上最大の謎の一つですが、ゲーム版の「ライトニングタイガー」の方がよほど格好いいと思います。 そんな読者の思いとは裏腹に、当然のように降臨雷獣シュート、空中雷獣シュート、閃光雷獣シュートと発展進化していく雷獣シュート。これが高橋イズムなのでしょうか。 ともあれ、終盤の打ち切り決定急展開はさて置いて、「ワールドユース編」はめでたく157週も続きました。 それに味をしめ、陽一先生は「サッカー漫画ならまだイケる」と勘違いしてしまいます。 そうして始まった次の連載は、「蹴球伝 フィールドの狼 FW陣」。 陽一先生の手による、キャプテン翼ではない完全新作サッカー漫画となりました。しかしちょっと感覚が古かったせいか人気を得られず、陽一漫画史上最短の17週で打ち切り。 そんなわけで、「他のスポーツは論外、といってサッカーならいいわけでもなく、つまりキャプテン翼でなければならない」という真理にたどり着いた陽一先生。 こうして、「キャプテン翼」シリーズ3度目の長期連載シリーズとなる「キャプテン翼 ROAD TO 2002」が開始されました。 2002年の日韓共催ワールドカップにおける日本の躍進を目指し、単身ヨーロッパに乗り込んだ翼くん。しかし、サッカーへの愛は昔のまま。 一人でリフティングしながら、サッカーボールに話しかけます。 「ボールくん。今日からバルセロナのキャンプが始まるんだ。9月から始まるリーガエスパニョーラに向けてのチーム練習がいよいよ始まるんだよ」 少年時代は愛らしかったその行動も、20歳前後のいい大人に成長した今ではただの変態です。 一方、日向くんは。 年甲斐もなく荒波にシュートを打つ秘密特訓などやってますが、こちらは日向小次郎写真集や日向小次郎自伝「猛虎」で荒稼ぎ。家族みんなで安心して住める、念願のマイホームを建てていました。オトナです。 そして、やはりヨーロッパに向かう日向くんに、ファンの声援が。 こわいよう。 「女だけじゃない」って、もしかしておホモさんなのでしょうか。日向の追っかけの。 そんなわけで、「週刊ヤングジャンプ」誌上でしか読めなかった「キャプテン翼」最新シリーズ。その単行本第1巻が、先ごろ発売されました。 まだ序盤ですが見どころも多く、これからも期待できます。この機会にチェックしておいて損はないと思います。 ネットアイドルちゆはキャプテン翼を応援しています。 |
平成13年7月23日 | 久保帯人先生、ジャンプに復活 | |||||
以前、少年ジャンプに「ゾンビパウダー」という漫画が連載していました。 ちょっぴりトライガンを連想させる設定で、和月先生&そのアシスタント出身者(通称・和月組)が作った現在のジャンプ王道路線を踏襲。 巨乳で眉毛が太い男顔のヒロインが一部でマニア受けしたものの、27週で打ち切られました。 その連載終了後、久保先生の公式ホームページが誕生。 管理人は先生の古くからの友人。先生ご自身の日記、イラストギャラリーなどのコンテンツがありました。
日記は上記のようなもので、ファッションや恋人の話題を中心とした若者の不満という感じ。 ところが昨年の夏、ちょっとした事件が起こりました。当時はフラットクラックスさんやJ-oの日記さんでも取り上げられた、そこそこ有名な出来事です。 問題になったのは、このサイトに置いてある画像をダウンロードして保存したり、プリントアウトする行為が禁止されていたことでした。
なんでも、ギャラリーに飾ってある画像には、家族や友人に贈った絵をファンのため特別に公開しているものがあるため、見るだけは良くても保存は駄目なのだそうです。
ここに、噂を聞きつけた2ちゃんねるの方々が参入。そのローカルルールの正当性をめぐる議論に「普段の日記に見られる暴言も気に食わない」という指摘が加わって、掲示板が荒れます。 ついには、管理人さんのこんな発言も飛び出しました。
結局、1ヶ月ほどでサイトは閉鎖。その後しばらくは先生の謝罪文が掲載されていましたが、それも今では消滅。 なお、謝罪文では次のように述べられていました。
この種の問題はケースバイケースで一概には言えませんが、サイト管理人が訪問者にそうした「お願い」をするのは、別に構わないと思います。 ただ、法律的な後ろ盾があるわけではありませんし、あくまで「お願い」であって「命令」はできません。 パスワードなどを付けずに一般に公開する以上は、「お願い」を聞いてくれない人は必ず出てくると覚悟しなければならないでしょう。 さて。 そこで今日のニュースですが、「少年ジャンプ」再来週号から、その久保先生の新連載が始まります。 「ゾンビパウダー」の続編「ゾンビパウダー・マキシマム」の噂も流れていましたが、実際は、少し前に増刊号に載った読み切りの連載化のようです。 とりあえず、期待して見守りたいと思います。 |
平成13年7月30日 | 「るろうに剣心」の和月先生、打ち切り | ||
「少年ジャンプ」に連載されていた漫画「GUN BLAZE WEST」が打ち切られました。享年28週。 …この話題に関しましては、すでにFrom dusk till dawnさんが面白ツッコミを入れまくっておられます。ネタがかぶってしまい、申し訳ありません。 さて。 結果だけを見ると「GUN BLAZE WEST」はどこにでもある平凡な打ち切り漫画ですが、連載当初の編集部と読者の期待は凄かったです。 といいますのも、これが「るろうに剣心」で大ヒットを飛ばした和月伸宏先生の新連載だったからです。 「るろうに剣心」も連載開始当初は人気が出ずに打ち切り寸前まで追い込まれましたが、少年ジャンプらしい天才美形剣士のバトル漫画として蘇生。 アニメやゲームになって、男同士で絡み絡まれのお耽美妄想が大好きなお姉さんにも大人気。一時は剣心や左之助のあられもない半裸でコミケ会場が埋めつくされたほどでした。 ところで、漫画家さんのアシスタントに対する接し方にも色々あります。 完全にバイトの手伝いと割り切っておられる方、教祖と信者の関係を築いてしまわれる方(少女漫画家にありがち)、デビューまでの指導を懇切丁寧に行って新人賞応募用のストーリーまで作ってあげる方、などなど。 和月先生は、アシスタントさんの育成に熱心なタイプのようです。 先生の元アシスタントで「少年ジャンプ」連載経験者を並べただけで、次のようなメンツになります。 ●「ワンピース」の尾田栄一郎先生 ●「シャーマンキング」「仏ゾーン」の武井宏之先生 ●「Mr.FULLSWING」の鈴木信也先生 ●「ノルマンディーひみつ倶楽部」のいとうみきお先生 ●「鬼が来たりて」「少年探偵Q」のしんがきん先生 もう少し頑張れば、「週刊少年ワツキ」が創刊できそうです。 ご自身でヒット作を生み出し、さらに若手の育成もしておられるのですから、和月先生は漫画業界そのものに大きく貢献しておられると言えます。 しかし、その大先生の新作「GUN BLAZE WEST」は惨敗。 ジャンプで人気があるバトル漫画の多くは、はじめから天才で無敵超人の主人公が強力なライバルたちと超人バトルを繰り広げる物語か、最初は弱い主人公が実は天才で特訓して無敵超人になって強力なライバルたちと超人バトルを繰り広げる物語です。 特に、主人公やライバルの超人ぶりを見せるには、スタンド能力を身に付けさせることが有効な手段のようです。 その点、「GUN BLAZE WEST」に人気が出なかった最大の原因は主人公の天才性のアピールが弱かったことかなと、勝手に思っています。 あと、基本プロットが「ワンピース」とそっくりなことも、チビッコにひかれる要因だったかも知れません。 しかし、巻末に掲載された作者コメントは謙虚です。
ちゆも数多くの打ち切り巻末コメントを見てきましたが、一度はヒットを飛ばした大物の先生がここまで言われるのは珍しいと思います。素直に感動しました。 同じように、前作「聖闘士聖矢」が大ヒットしながら次回作「サイレントナイト翔」がわずか13週で打ち切られた車田正美先生は、
とだけ巻末コメントに書き残して、二度と「週刊少年ジャンプ」に戻ってくることはありませんでした。 和月先生がこの二の舞になられないか、非常に心配です。 ネットアイドルちゆは和月先生を応援しています。 |
平成13年8月2日 | 岡野剛先生、新連載 |
岡野剛先生。 昔のペンネームはのむら剛。第28回赤塚賞に入選。 平成元年から、週刊少年ジャンプで「AT Lady!(オートマティックレディ)」の連載をスタート。7万馬力で童顔微乳のロボット婦警さんが活躍するお色気ギャグ漫画でした。 可愛い絵柄と萌えるキャラクターが一部のオタクさんに愛されたものの、健闘むなしく10週で打ち切られました。 真倉翔先生。 昔のペンネームは真倉まいなで、当時はエロ漫画家(未確認情報)。 平成3年から、週刊少年ジャンプで「天外君の華麗なる悩み」の連載をスタート。内容は、フェロモンをバリバリ放出しまくる特異体質の持ち主が活躍するお色気ギャグ漫画でした。 少女が吊るされて硫酸で制服をじわじわ溶かされる場面が一部読者に喜ばれたものの、絵柄がアレだったせいか16週で打ち切られました。 その後、個人的に接点があったのか編集部の陰謀か分かりませんが、この2人がコンビを結成。 平成5年、ストーリー:真倉先生、作画:岡野先生の読み切り「地獄先生ぬ〜ぼ〜」が、少年ジャンプに掲載されました。 その読み切りはアンケート結果が良かったらしく、3ヵ月後には「地獄先生ぬ〜べ〜」の連載が開始。 読み切りの「ぬ〜ぼ〜」が連載では「ぬ〜べ〜」に変更された理由は謎ですが、「ぬ〜ぼ〜」が黄色く太った間抜けヅラの生き物を連想させるためだったのかも知れません。 ともあれ、「ぬ〜べ〜」は大人気。アニメ化もされて、276週の長期連載となりました。 また、登場するやたらと巨乳な小学生たちのお色気シーンは一部のロリオタさんにも愛されました。 まるで怪しい粉と水を混ぜたら「ねるねるねるね」ができたように、打ち切り漫画家を2人混ぜたらヒット漫画家が誕生したわけです。 当然、編集部は両先生の次回作にも期待します。「ぬ〜べ〜」最終話から1年と空けず、2匹目のドジョウをねらった岡野&真倉コンビの新連載「ツリッキーズ・ピン太郎」が始まりました。 しかし、19週で打ち切り。 「ぬ〜べ〜」は、一度きりの偶然が起こした奇跡の化学反応だったのでしょうか。連載第1話から死兆星が見えていた「ツリッキーズ」は下馬評通りにズルズルと後退していき、はじけて消えてしまいました。 それから1年。 岡野先生だけが、少年ジャンプ誌上に帰ってきました。 新連載のタイトルは「魔術師2(マジシャン・スクウェア)」。 まだ第1話だけですが、どうやら男どうしで愛し合っている手品師コンビが、毎週華麗なやおいマジックを演じて男どうしの愛を深めていく漫画の模様(一部誇張)。 コンビを解消して作った新作が主人公がコンビで活躍する漫画なのは、なんともイヤな皮肉です。 それにしても、真倉先生は何処へ行ってしまわれたのでしょうか。 別の作画パートナーを探しておられるのか、またご自分で筆をとられるのか、あるいは漫画界から消えていなくなってしまわれるのか…。 もしもひっそりと「ジャンボ」あたりでエロ漫画を描いておられる真倉先生を見かけたら、ちゆに教えて頂けると嬉しいです。 ネットアイドルちゆは真倉先生を応援しています。 |
平成13年9月18日 | 「ブレーメン」打ち切り | |
「コミックバンチ」創刊3号に、漫画家の梅澤春人先生のインタビューが掲載されていました。 それによると、梅澤先生はデザイン専門学校を卒業した後、まっとうに就職。しかし、仕事は面白くないわ、遅刻はするわで行き詰まってしまったそうです。 ご本人曰く、「その時ですよ。俺を救ってくれるのは漫画しかないって、思いついたのは」。 そして脱サラして漫画を描き、出版社に持ち込み。新人賞に入選して、読み切りを経てついに連載が決定します。 ところが、初連載「酒天☆ドージ」は17週で打ち切り。その後、2本目の連載「ハレルヤ」を始めますが、わずか数週で打ち切りが決定して10週で終了しました。 しかし、三度目の正直で「BOY」は単行本全33巻のヒットに。そうして人気作家の仲間入りを果たした先生が、満を持して送り出した4度目の連載が「無頼男(ブレーメン)」という漫画です。 デストロ――――――イ!!! 梅澤先生も「ブーメラン」と間違えられると嘆いておられましたが、「ブレーメン」のモチーフは「ブレーメンの音楽隊」。と言っても、「ドラゴンボール」に対する「西遊記」程度の元ネタ度ですが。 主人公は、「ロックの神」を目指す4人の若者。彼らが不良と硫酸デスマッチをしたり、アナコンダと戦ったりしながら、スターへの階段を駆け上っていく物語です。 第1話を読んだだけで、主役4人の中に「魁!!男塾」の卍丸を貧弱にしたようなモヒカン君がいる事実にクラクラッときます。 そういえば、超絶打ち切り漫画「ロケットでつきぬけろ!」の単行本にも、「この本はロックだ。そしてこの本を手にした君たちもロックだ」という作者コメントが掲載されていました。 これが少年ジャンプ的に正しい「ロック」という語の使用法らしく、「ブレーメン」でも厚底ブーツはロックだということになっています。 特筆すべきは、作中に登場したスタンガンダンス。女性に四方八方からスタンガンをバチバチ近づけて強制的に踊らせるという、少年誌らしからぬロックなレイプ描写です。 少女が9年間監禁されていた新潟の事件の「スタンガンの刑」も連想させ、なにげにやばいと思います。 また、主人公バンドのマネージャーは元アイドルの巨乳姉ちゃん。 何かあるたびに拉致られたり乳もまれたりレイプされそうになったりしており、特にパンツずり下げられて宙吊りにされたのはロックでした。 そうして、たとえ偏差値75のお坊ちゃん学校が舞台になろうと、不良学生が女教師を襲っているこの漫画。 ロックとケンカとレイプが延々とループする基本フォーマットは前作「BOY」とほとんど変わらず、水戸黄門のように安心して読めました。 デストロ――――――イ!!! そして、連載の終盤。主人公バンドに対抗する、最強のライバルバンドが登場しました。名前はサイクロプス。 観客を含めて全員片目をふさいでいるというロックなこだわりを持ったバンドですが、とりわけそのロックな歌詞は、日本中のファンを違う意味で熱狂させました。
ちなみに、主人公バンドのボーカルはすべてバーコードで表現され、歌詞は分かりません。 作中の台詞では「家出した不良(クソガキ)が本当の”自由”をつかむまでの闘争(たたかい)の楽曲(うた)」と解説されていましたが、曲名は「KILL YOU」だったりします。 ともあれ、そんな「ブレーメン」は82週で打ち切り。 クライマックスは人類の命運がかかった悪の組織とのバトルになる方向で話が進んでいたのですが、打ち切りの都合で悪の組織は勝手に壊滅していたことにされてしまいます。 1人だけ残った組織の残党との対決シーンでは、主人公は撃たれた銃弾を10円玉で弾き返して勝利しました。 そうして最後は宇宙に飛び立ち、スペースシャトルの中でロックしている場面で連載は終了。 そのラストページには「EDITOR」「Special Thanks」といったクレジットが入っているのですが、そこに「STUFF」という文字があります。 どうやら「STAFF」のスペルミスのようです。 しかし、「STUFF」を辞書で調べると「駄作」という意味があります。なるほど、こんなところでさりげなく自己批判を行なうとは、さすが梅澤先生はロックです。 ネットアイドルちゆは梅澤春人先生を応援しています。 |
平成13年11月14日 | タカラがベイブレードで大儲け |
ちゆの近所のマクドナルドに、ハキハキ元気でいつも笑顔の明るい店員のお姉さんがいます。ところが最近、そのお姉さんが急に鬱になってしまい、全身から自殺しますオーラを発しながら顔面神経痛みたいな営業スマイルをしてくれます。 いったい何が起こったら人間はあれほど変わってしまえるのでしょうか。本気で恐いので早くクビにしてください店長さん。 それはともかく、今日のニュースです。 先ごろ発表された中間決算によると、おもちゃ会社タカラの売上高が昨年の1.6倍になったそうです。その原動力はベイブレード。昔なつかしいベーゴマが今風に進化したという触れ込みの玩具です。 ヨーヨーに対するハイパーヨーヨー、ファーストガンダムに対するGガンダムのような位置付けでしょうか。 そういえば、昨年は「遊戯王」一色だった夜店のくじ引きや碁石投げの景品も、今年の夏祭りからは見事にベイブレードに入れ替わっていました。 ヤクザ屋さんも子どもたちの流行に敏感です。 ただ、ベイブレードの人気は大きなお友達にはピンと来ないらしく、先日もネット上で、「ベイブレード・アニメ打ち切り」のデマが流れました。 この時期にベイブレードが終わるなんて、マジュニアを倒したところで「ドラゴンボール」が終わるのと同じくらい有り得ない話なのですが…。 そうそう。sawadaspecial.comさんも紹介しておられましたが、「小学三年生」「小学四年生」で連載されているベイブレードの販促漫画を、なぜか黒岩よしひろ先生が描いておられます。 黒岩先生は、「週刊少年ジャンプ」で「サスケ忍伝」「魔神竜バリオン」「変幻戦忍アスカ」「不思議ハンター」という4本の漫画を連載。 その全てを速攻で打ち切られて、作者自身は「月刊少年ジャンプ」に左遷されるという伝説を作った漫画家さんです。 ちなみに各連載の期間は10週・11週・17週・17週。4作品合わせてようやく連載1周年という芸術的な短さです。 打ち切られた本数では次原取締役に及びませんが、いかにも話の途中だぜ!という中途半端この上ない最終回、消化し切れなかった伏線の異常な分量、打ち切られた後の未練がましい作者コメントなど、「打ち切り王」と呼ばれるに相応しい御仁だと思います。 なお、「月刊少年ジャンプ」に左遷された後、何かの間違いで「鬼神童子ZENKI」がヒット。このまま人気作家になってしまうのかとファンを心配させましたが、その後は無事に打ち切り作家に逆戻りしました。 そうして「月刊」でも2本ほど快調に打ち切られたところで、突然「小学四年生」に「メイクミラクル 松井秀喜物語」を掲載。 読者が困惑しているところに、続けてオタク化が進む秋田書店の「月刊少年チャンピオン」に読み切りを描いたかと思ったら、今回のベイブレードの連載です。 先生はとうとう集英社に見限られてしまったのでしょうか。 なお、「小学三年生」と「小学四年生」では登場人物や展開が微妙に違う黒岩ベイブレード漫画が掲載されています。パンチラが出てくるのは「小学三年生」の方ですので、間違って購入されないようご注意ください。 ネットアイドルちゆは黒岩よしひろ先生を応援しています。 |
平成13年12月26日 | キン肉マンII世、アニメ化 | ||||||||||||
「キン肉マン」という漫画をご存知でしょうか。 昭和54年、週刊少年ジャンプに「キン肉マン」連載開始。 昭和58年、アニメ化(昭和61年まで)。 昭和62年、連載終了。 平成 3年、再びアニメ化(旧アニメの続編。平成4年まで)。 平成10年、「キン肉マンII世」連載開始。 特に2度目のアニメは、ブームも忘れ去られたものすごく中途半端な時期にスタート。エンディング曲にケント・デリカットを起用するなど、どの層をターゲットにしたのか謎でした。 ともあれ、そんな流れを経て、平成14年、今度は「キン肉マンII世」がテレビアニメ化されるそうです。 あわよくば初代のような大ブームを巻き起こし、お菓子やら玩具やらまったく消しゴムの用途を果たさない消しゴム人形やらを売りさばこうという魂胆の模様。 もっとも、「タッチ」の2匹目のドジョウを期待されながら特に何事もなく気が付けば放送終了していた「H2」アニメ版のように、この「II世」もたいして流行るとは思えませんけれど。 とにかく、旧作「キン肉マン」をご存知ない方にとっては、「II世」は単なる駄作にしか見えません。しかし、前作のファンだった方には、極上のオモシロ漫画になります。 そこで、前作は知ってるけれど「II世」は読んだことがないという狭い層の方を対象に、「II世」の見所をご紹介して行こうと思います。 まずは、「キン肉マンII世」の第1巻をチェックしてみましょう。表紙をめくると、作者のコメントや目次があり、続いて本編が始まります。 その、第1コマ目。 残虐超人や悪魔超人が人類征服をもくろんでいたなんて、初めて聞きました。王位継承権やバラバラにされたミートくんの体をめぐって、レスリングの試合をしていただけだと思っていましたが。 少なくとも、カレクックは人間を襲っていなかった気がします。 いち読者に過ぎない自分が作者よりもハッキリと設定を覚えている事実に衝撃を受けながら、気を取り直して次のページに進みます。 すると、第1話のトビラ絵が出てきました。 旧作最終回の10数年後に撮影した集合写真でしょうか。いるハズのないミートくんが写っていたりしますが、なかなかいい雰囲気です。 しかし、よく見ると…。 ラーメンマンは元々ツッコミどころ満載の顔ですが、どうしてドジョウヒゲが太くなったのか、さっぱり分かりません。…位置的には鼻毛に見えないこともないですが。 覆面超人であるところのロビンマスクは何年経っても変化がないかと思いきや、わざわざ覆面にヒゲを生やしています。…これが英国紳士の身だしなみなのでしょうか。ジェントルメン。 ……このバッファローマンとは似ても似つかない太ったオジサンはどなたですか? そんなこんなで、最初の2ページだけで見どころ満載の「キン肉マンII世」。すべてチェックしていると、ちゆニュースが半年くらいキン肉マンニュースになってしまいそうです。 ともあれ、続いて注目したいのはII世超人です。 キン肉マンの息子はもちろん、スニゲーターの孫やキン骨マンの息子まで登場する中、旧作「キン肉マン」でダントツの弱さを誇ったあの最弱超人2人組の息子の姿が…。 よりにもよって、親父2人が仲良く倒されている場面を回想されています。鬼ですか。 案の定、この息子2人は数コマほど出演しただけで、その後どうなったのか何の説明もなく姿を消しました。 ところで、旧作で活躍したキャラクターが老成した姿で登場するのも「II世」ならではの魅力です。 ブロッケンやザ・ニンジャなどの人気超人が続々と再登場する中、悪魔超人のサンシャインも復活しました。
かつては悪魔超人として大暴れしたサンシャインですが、II世では大阪の串カツ屋に出現。キン肉マンの息子に串カツの食べ方をレクチャーします。
「間…間にキャベツを食べるんだ。そうすると、キャベツの成分が胸やけを防いでくれる」。 このサンシャインの姿を描くためだけに「キン肉マンII世」は存在する。そう言い切りたいほど、素晴らしい場面です。 そんなこんなで、アニメ「キン肉マンII世」の放送は1月9日から。結局儲かるのは池田大作先生ですが、期待したいところです。 でも、スウェーデンの超人・バリアフリーマンなどは、本当に地上波で放送できるのか心配です。
ネットアイドルちゆは「キン肉マンII世」を応援しています。 |
平成14年2月19日 | 「ライパク」2度目の打ち切り |
人気がなければ10週で切られ、人気があれば宇宙に行ったり超サイヤ人になったりして延々と続く…。 映画や小説と違って、連載漫画の多くは作者自身が終了時期を決められません。 とんでもない長期連載を想定して伏線をビシバシ張りまくりながら、「さあ行こう!」で終わったり、長期連載に嫌気がさした漫画家が夜逃げしたり、秋田書店の安い原稿料にキレた作家が小学館に引き抜かれたり…。 そうしたハラハラドキドキなスリリングさも、漫画を読む醍醐味の1つです。 さて、アンケート至上主義で、人気がなければ情け容赦なく打ち切る「週刊少年ジャンプ」。 ところが、ごく稀に、一度打ち切られてもゾンビのように蘇る漫画があります。 たとえば、梅澤春人先生の「HARELUYA」。 わずか数週間で打ち切りが決定したのに、連載末期に人気が上昇。キャラクター設定の一部など引き継いだ新作「HARELUYA II BOY」として復活し、読者がうんざりするほど延々と続きました。 似たような例では、いったん10週で終了した後で「第2部」として再開した「アウターゾーン」も有名です。 こちらは、タモリが色っぽいお姉さんになった「世にも奇妙な物語」のような漫画で、透明人間になって女子更衣室を覗いたり、超能力で服を脱がせたり、 ただし、「アウターゾーン」の場合は最初から10週だけの短期集中連載の予定だったそうで、“打ち切りからの復活”とは少し違うみたいです。 さて、今日の話題は鈴木央先生の「ライジングインパクト」。開始数週で打ち切りが決定してから人気が急上昇し、数ヵ月後に連載が再開された漫画です。 「HARELUYA」は設定を焼き直した“似ているけど別の漫画”として復活しましたが、「ライジングインパクト」は打ち切られた話の完全な続編。 「アウターゾーン」のような短期連載からの昇格とも違って、「ジャンプ」30年の歴史で唯一の打ち切りからの完全復活です。 しかし、そんな奇跡の復活劇を遂げた「ライジングインパクト」も、結局、今週号で2回目の打ち切り。 しかも、ものすごく中途半端なところで唐突にエンディングを迎え、改めてジャンプ編集部の鬼っぷりを見せつけられた気分です。 1回目の打ち切りは物語の序盤で、「面白そうになってきたところで終わった」という印象でしたが、今度は2年以上連載が続いてから。後味の悪さは前回の比ではありません。 そういえば、「電撃大王」の人気4コマ漫画「あずまんが大王」は、当初の予定通りに高校3年間を描いて、卒業と同時に最終回を迎えるそうです。 4月からテレビアニメも始まり、人気絶頂のところでの終了。出版社としても入るハズのお金が入らなくなりそうで、よく認められたものだと思います。 ともあれ、「ライジングインパクト」にはそんな幸せは訪れなかったようです。打ち切りの女神様にでも好かれているのでしょうか。1度目の時とは編集長も違いますし、2回目の復活はないと思います。 でも、天才主人公のインフレ成長ぶりに置いていかれる凡人ヤムチャの心境にスポットを当てるなど、ジャンプ作家陣では希少な「感情を描写できる」漫画家さん。次回作が楽しみです。 ネットアイドルちゆは鈴木央先生を応援しています。 |
平成14年6月14日 | 叶恭弘先生が連載 |
株式会社クラレのアンケート「新1年生と親の就きたい職業、就かせたい職業」2002年版によると、「息子に就かせたい職業」の第1位は公務員だそうです。 何だか夢も希望もない親ですが、そもそも、現在の新1年生が就職して働いて死ぬまで今の安定職ブームが続くとでも思っているのでしょうか。 さて、そんなアンケートを見ると、20位以内に「漫画家」の文字がありません。 漫画家のような安定性も退職金もなくて締め切りに追われて身体を壊して描いた作品もあっさり打ち切られてインターネットでボロクソに叩かれる職業は、もう人気がないのでしょうか。 とは言え、「なかよし」の読者アンケートならばまだまだ上位。明日の人気作家を夢見て頑張る方は大勢おられます。 しかし、たとえ新人賞を受賞しても、60歳の定年退職までの雇用が保証されるわけではありません。 ある人は、「週刊少年ジャンプ」の新人賞を受賞したものの、増刊号に読み切りが一度掲載されただけでそれっきり。 またある人は、ダメ元の穴埋めとして連載の機会を与えられたけど、案の定10週で打ち切られてそれっきり。 そんな中、本誌や増刊に年に1回くらい読切が掲載されて、微妙に人気はあるはずなのに連載はしない、ファンの間で読切作家と呼ばれる方がいます。 たとえば、岩泉舞先生。ジャンプの新人賞「ホップステップ賞」を受賞し、平成元年秋の増刊号に受賞作が掲載。冬の増刊に読切が載った後は、平成2年に1回、平成3年に2回、平成4年に2回、平成5年に2回、本誌に読切が掲載されます。 平成6年、増刊に読切が載ったのを最後に見かけなくなり、漫画をやめて北海道の印刷所で働いているという噂も流れましたが、最近は「Vジャンプ」で活動。 平成4年に「岩泉舞短編集1『七つの海』」という単行本が発売されており、「短編集2」や全集の発売を望む声もあります。 さて、叶恭弘先生も、そんな感じの読切作家として有名だった方です。 岩泉先生と同じく、ホップステップ賞を受賞。平成4年に受賞作が増刊号に掲載された後は、平成5年(本誌)、平成6年(増刊&本誌)、平成7年(増刊)、平成8年(増刊)、平成9年(増刊)、平成11年(増刊)、平成12年(本誌)、平成13年(増刊)と、忘れた頃に読切が載ります。 「ジャンプノベル」連載の小説「ミッドナイト・マジック」の挿し絵で記憶されている方も多いと思います。 受賞作として本誌に2ページほど紹介されただけでファンレターが届いたほどで、デビュー当時から絵で人気があります。 ちなみに、単行本のコメントによると、増刊号に掲載された受賞作のアンケート結果が出ると、「編集部の叶に対する態度がガラッと変わった」そうです。 そんな感じで、集英社では一度も連載していないけど有名な叶先生。増刊号に読切が載る際は、連載経験者並みの待遇を受けています。 ファンの間では遅筆で週刊連載には耐えられないのだろうと思われていたのですが、先日、そんな先生の新連載「プリティ・フェイス」が何の前触れもなくスタートしました。 「不治の病にかかって死ぬ前に最期の連載?」などの憶測が飛び交い不気味がられつつも、とりあえずファンの間では期待されたのですが……。 第5話まで読んだ感想として、叶先生はやっぱり読切作家として頑張って欲しいなと。 ネットアイドルちゆは叶恭弘先生を応援しています。 |
平成15年10月12日 | カレー将軍・鼻田香作 | |||||||||||||||||
今さらですが、今年になってから「究極のラーメン」や「究極のカレー」といった「ぴあ」の特集本がなぜか「包丁人味平」を表紙に起用しています。 でも、「包丁人味平」については、「名前は知ってるけど読んだことはない」という方も多いようなので、少し説明させて頂きたいと思います。 料理で勝負する漫画は、たくさん作られました。 少年チャンピオンなら、サメ肉の料理を作る際に材料の生きたサメを素手で倒すところから始める「鉄鍋のジャン!」。コミックボンボンなら、女の子が納豆のネバネバで動けなくなる「ビストロレシピ」……。
そんな料理勝負漫画の草分け的存在が「包丁人味平」です。地雷包丁と称してマグロを火薬で爆破して刺身を作ったり、火炎放射器で魚を焼いたり、料理と言うよりは曲芸に近い技の連発。 さらに、味平が魚料理で勝負する時になって突然「実は味平は魚アレルギーだった!」と明かされるなど、「実は月光は盲目だった!」に匹敵する後付け設定もステキです。
ちなみに、無事に魚アレルギーを克服した味平は、お刺身をたいらげて「おれは今なにか自分自身がひとまわり大きくなったような気がする!」と大イバリでした。 なお、この漫画の原作者・牛次郎先生は、後に出家して住職になり(主な著書は「霊魂の書」「生と死の般若心経」)、奈良県厚生年金受給者のつどいで講演する(演題は「知らない世界」)などの活動をしておられます。 一方、作画のビッグ錠先生は、この後もラブホテル経営漫画「ごくらく王」などの素晴らしい漫画を描き続け、ミュージカル出演などで活躍しています。 さて、その味平の敵には、調理場にハエが1匹いただけで150人の料理人をクビにした包丁貴族をはじめ、変態料理人が多いです。 しかし、そんな中、ブッチ切りで人間を超越しているのは味平の父ちゃん。その絶妙の包丁さばきにかかれば、鯛の生け作りも次のように……。
この父ちゃん、わりと親バカなので、味平のピンチには助けにきてくれます。しかし、そのお説教はもはや日本語として成立していません。 例:「ムリなことだとは、わかりきっている!! しかし…しかしっ!! ムリなこととは不可能ということではないっ」 ところが、そんな父ちゃんをも凌駕する究極のバカ料理家が、「包丁人味平」に登場していました。それがカレー将軍・鼻田香作です。 残念ながら知名度は低く、Google検索のヒット数は「味皇様」が1万6000件、「海原雄山」が8000件、「鼻田香作」が100件でした。しかし、海原雄山が出現する10年も前にこんなにも料理に情熱を燃やしたアホがいたということを、この場で布教させて頂きたいと思います。 さて、鼻田香作が登場するのは、味平の全エピソードの中でも最も面白いカレー戦争編です。 ふたつのデパートが駅をはさんだ北と南に同時開店し、どちら側に多くの客が来るかがすべてデパート内のカレー屋で決まるという戦い。単に美味しいものを作るのではなく、お子さまカレーで子供のハートをつかんで親を引っ張ってこさせるなどの駆け引きが熱いです。 味平と反対側のデパートのカレー屋を経営するのは、単身アメリカに渡ってスキヤキと天プラで大もうけして帰ってきた若き実業家・マイク赤木。 「六年ぶりに母国へ帰ってきたおれには目的があった!! カレーライスでの日本征服だ!! 必ずやってみせる! いや、やらなければならないのだ!! なぜならわたしはマイク・赤木だ!!」 そして、そんなマイク・赤木をして、「この男をインドのレストランでみつけた時、わたしはこれで日本を征服できると確信したのだ!!」と言わしめる料理人がカレー将軍・鼻田香作です。 10歳の時からカレーのキッチンで働き、世界各国のカレーで有名な料理店を転々。カレーの味を30年間追い求め、鍛え上げた鼻で6000種類のスパイスをかぎわける男。
モヒカンに鼻マスク……。19XX年に世界が核の炎に包まれていれば時代の最先端だったかも知れないファッションセンスです。 カレー戦争の中、味平のカレーに少しだけ客を奪われた鼻田香作は、こう言いました。 「クックッククク… カレー将軍とよばれ、カレーにかんしては世界中にも右にでる者はいないといわれる この鼻田香作のカレーの味にこれだけ接近したのは今までおまえひとりだ」 さすがカレー将軍、相手を褒めるためのセリフの半分以上が自分を褒める言葉に占められています。 そして、味平が苦労して作ったカレーを、ちょっと食べただけで完璧に再現。その実力を見せつけられ、味平もビックリです。 しかし、そんなカレー将軍に対抗して、味平は「味平カレー」を完成させました。その素晴らしい出来には、鼻田香作も絶賛します。 「カレー将軍といわれるこのおれでさえ、ほろぼれとするようなみごとな味だった…」「世界中のありとあらゆるカレーを口にしてきたこのおれがはじめてであった味だ!!」「カレー将軍といわれるこのおれでさえウットリしたあの味…すばらしいカレーだ」 もうカレーを褒めてるのか自分を褒めてるのかよく分かりません。 ともあれ、「あの味平カレーに! 味平カレーに勝ちてえんだ!」と、闘志を燃やす鼻田香作。実業家のマイク・赤木は、資本力を武器に値下げ攻勢で味平カレーを潰そうとしますが……。 鼻田「料理の勝負は味でつける!! 値下げ作戦など一流の料理人のすることではない!!」 赤木「し、しかし鼻田くん…それではキミが必ず味平カレーに勝つという確証はあるのかね!!」 鼻田「わたしはカレー将軍 鼻田香作だ」 そして、彼はついに究極のカレー・ブラックカレーを完成させます。 それは、まるでライスの上にコールタールでも流したような真っ黒のカレー。見た目は「こんなのが くえるのだろうか」、味は「おいしいといえばおいしいのかな」という感じですが、なぜか一度食べると病みつきになってしまい、つい毎日食べに行ってしまうという魔術のようなカレーです。
このブラックカレーがとんでもない数の客を集め、さすがの「味平カレー」も完敗。ついに味平も敗北を認めます。
そして、ここからが「カレー戦争編」のクライマックス、鼻田香作ワンマンショーです。 「思い上がるんじゃねえぜ味平。いったいこの俺を誰だと思ってるんだね。いいか 俺はカレー将軍 鼻田香作だぜ」 「みろ この客たちを。みんな俺の作ったブラックカレーに酔いしれているじゃねえか。こいつらはもう俺のブラックカレーなしでは生きられなくなるんだぜ」 「その気になりゃあ俺は日本中の人間を俺のカレーのとりこにしてみせることだって出来るんだぜ クアーッカッカッカカカ」
「さあ みなの者 このカレーの神様の足元にひざまづくのだ!」 「俺は神様だ クァーッカッカカカカカ 神だ――っ」 ……実は、鼻田香作はすでにカレースパイス中毒で発狂していました。そう、ブラックカレーは麻薬入りのカレーだったのです。
ちゆは、これほど衝撃的な結末を迎えた料理漫画を他に知りません。 料理漫画には奇作・怪作が多いですが、出発点がコレなら当然でしょう。 そして、鼻田香作の社会的最期を見届けた後、味平は次のようにつぶやくのでした。「料理の道とはおそろしいものだ……一歩まちがえば優秀な料理人を廃人に化してしまう……」 もう絶対に料理がどうとか言うレベルではないのに、たった一言で料理の話として無理矢理まとめてしまった伝説の名言です。 ネットアイドルちゆはカレー将軍・鼻田香作を応援しています。 |
平成16年12月16日 | テニスの王子様、中国に輸出 |
「アストロ球団」をご存知でしょうか。 一球入魂しすぎて一瞬で老化したり、試合中に負傷したときの解決法が「そうだ バカになりゃいいんだ!! 腕のいたみを まるっきり感じねえほど鈍感なバカに!!」だったりする変態野球漫画。 「も…もういやじゃ〜っ こんなきちがいじみた野球地獄は〜っ!!」「汗は男の香水だ」「足なんざ一本もありゃじゅうぶんよ」という感じで死闘を繰り広げ、最終回ではマサイ族の野球チームと戦うためにアフリカに旅立ちました。 そんなアストロ球団が誇る「最大にして最強の守備陣形」がアストロシフト。内野手が何十人にも分身することで、一二塁間・二三塁間をビッシリ隙間なく埋めてしまうという恐るべき守備です。 これくらい物理法則を突き抜けた技になると、「アストロ球団」以外の野球漫画では、なかなかお目にかかれません。 ところが最近、ある漫画に、これとよく似た陣形が登場しました。 それは、「テニスの王子様」の大石先輩&菊丸先輩が見せた大石の領域(テリトリー)。大石先輩がネット際に立ち、分身した菊丸先輩が後ろ全部をカバーするフォーメーションです。 アニメ版では、ジャンプ中に空中で方向転換することにより、1回のジャンプで2度ボールを打つという絶技まで披露した菊丸先輩。その超人的な身体能力があって、はじめて可能な技だと言えます。 ところが、そんな菊丸先輩の分身をはじめて見た後輩の感想は、「ほーんと 猫(みたい)っスね」の一言だけでした。 そう、菊丸先輩ほどの身体能力を持ってしても、王子様ワールドではただの負け役。人間を超越した技の数々も、単に「アクロバティック」の一言で片付けられてしまうのです。 このように、アストロテニスで読者を笑わせてくれるのが「テニスの王子様」です。 たとえば、「アストロ球団」のビクトリーナインは6キロの腕輪を付けて野球をしていましたが、「テニスの王子様」の乾先輩も、試合後にジャージをたくし上げたら12キロのジャケットを着込んでいました。 また、アストロ球団の一人はメクラなのに心眼でボールを打ったり投げたりしていましたが、「テニスの王子様」の不二先輩も、試合中に視力を失ったのに「…感じる。自分が思ってた限界なんて無いんだね」の一言で済ませて、普通に勝っていました。 さらに、アストロ球団にはない要素として、「こんなくだらないことで特大の大ゴマを使っている!」とか、「せっかくの見開きページなのに何が起こっているのか読者にはまったく伝わらない!」とか、「1話分19ページ使って何ひとつ内容がない!」とか、従来の漫画の常識を逆手に取った高度なギャグが盛り込まれています。 しかし、「アストロ球団」が一目でスパークした漫画だと分かるのに対し、「テニスの王子様」は絵柄も演出も微妙で、少し読んだだけでは普通のスポーツ漫画だと誤解してしまいそうです。 実際、ちゆもこれがギャグ漫画だと気が付くまでは、この漫画でどうして作者が年に4億円も稼げるのか理解できませんでした。 そんなわけで、「テニスの王子様」を読み解くのは少し難しいです。 たとえば、見開きで新必殺技を披露する主人公の指が6本だったのも、普通の漫画なら100%単なる描き間違いですが、この漫画に限ってはひょっとしてワザとやってるのかと悩まされます。 さて。そんな「テニスの王子様」が今度、中国に輸出されるそうです。 このハイセンスな漫画が外人に理解できるとは思えませんが、集英社の鳥嶋編集は「面白いものに国境はない」と自信マンマンです。 ちゆには想像もつきませんが、おそらく、時代の先端を走る方々には地球人全員が「テニスの王子様」で笑い転げている未来が見えるのでしょう。 ネットアイドルちゆは「テニスの王子様」を応援しています。 |
平成17年2月11日 | 雑誌と単行本の違い | |||||||||||||||||||
この世で最も休載が多い漫画は、たぶん「ハンター×ハンター」です。 昨年はついに休載率が50%を超えたそうで、「載ってなくてガッカリすることが多い漫画」から「たまに載ってると得した気分になれる漫画」へと進化。 掲載される時も未完成原稿のまま載ることがほとんどで、The 男爵ディーノさんは、一般人の妹から「なんでハンターハンターあんなことになっとん。友達は最近精神がおかしくなっとるからだってよーた」というメールをもらったそうです(今年1号の感想より)。 先日、そんな「ハンター×ハンター」の第21巻が発売されました。 さすがに精神の異常を心配されるほどの絵をそのまま載せられないのか、単行本では色々と直されます。 たとえば、ジャンプでは背中から生えた白いモワモワだったものが、単行本を読むと蝶みたいなデザインの羽だったと分かります。また、心電図みたいな折れ線が1本かいてあるだけだったコマも、ちゃんと街並みの描写に修正されています。ついでに、頭を半分ほどかじられた人間が白目をむく場面には、目玉が回転する擬音「ぐるん」が描き足されていました。 その他、「やはり白痴だぞ」という台詞が「やはり阿呆だぞ」になったり、ジャンプでは戦後の教科書のような黒塗りが入っていた首チョンパシーンが単行本では無修正になったり……。単なる手直しとは別次元の修正も多数でした。 ところで、ゴルゴ31さんの1月31日に、次の記述がありました。
今日は少し、この件について述べさせて頂きたいと思います。 結論から言うと、ジャンプでも単行本と雑誌の細かい違いは多いです。 たとえば「デスノート」の作画は、雑誌に載った時点で十分完成されていますが、それでも単行本で微妙な変化があります。
作画以外にも、台詞の改行位置が変わったり、「5日」が「五日」になったり……。 そのレベルの変化ならほとんどの漫画で見つけることができます。たとえば、いま適当に開いたジャンプの「ジョジョの奇妙な冒険」を単行本と見比べてみても、
……変更の意図は不明ですが、単行本の方がよりジャパニーズな発音になっていました。 もう少し大きな変化としては、「テニスの王子様」では、初登場の時点では名もない真空系の魔術だった技が、単行本では最初から「かまいたち」と呼ばれています。
一方、「BASTARD!!」では、雑誌掲載時に「ビホルダー」という名前だった怪物が、単行本では「鈴木土下座ェ門」という名前になりました。 これは、ビホルダーが「D&D」のオリジナルモンスターだと知らずに出してしまったのでクレームが付き、担当編集者の鈴木さんが土下座してあやまったからだと言われています。 しかし、土下座と修正だけで許してもらえればラッキーです。「燃える!お兄さん」の用務員さんを「ただの働くおっさん」呼ばわりした回のように、雑誌に載ったエピソードが1話まるごと単行本に収録されないこともあります。 少年マガジンの「MMR」でも、松本サリン事件を超国家組織「300人委員会」の陰謀だと推理した話がありましたが、のちに犯人はオウムだと判明したため、なかったことになりました。 さらに竹書房あたりになると、そもそも単行本化される漫画の方が珍しく、最終回を収録する前に単行本が途中で打ち切られるのもしょっちゅうです。 たとえば、「『ブラックジャックによろしく』の佐藤秀峰先生大絶賛!!」という鳴り物入りで登場した「おうどうもん」の単行本は2巻で打ち切り。雑誌ではもっと続くのですが、単行本派の読者には「主人公の父親がロシアン・ルーレット麻雀に負けて脳ミソをぶちまけて死に、主人公が『おやじーっ』と絶叫したところで突然終わる変な漫画」となってしまいました。 ……えっと、もう少し書きたい話があったのですが、画像の量などの都合で別ページにしました。興味のある方はお読み頂けますと嬉しいです。 続き1→「スパイラル〜推理の絆〜」のネコ耳の修正(単行本10巻のネタバレあり) 続き2→「BASTARD!!」の単行本の版による、乳首などの違い ネットアイドルちゆは、仕事よりも家族を優先する漫画家・冨樫義博先生を応援しています。 |
平成17年3月12日 | COOLドライブ | |||||||||||||
昔、少年ジャンプに「COOL」という漫画が連載していました。そのウリは、とにかく主人公がCOOLなことです。 まず、主人公の名前が「クールさん」なのがCOOL。それから、主人公のうずまき状のアホ毛が付いた髪型もCOOL。あと、主人公が肉声で喋らずにラジカセを使って会話するのもCOOLです。 ついでに、主人公のお友だちも、暴走するトラックをパンチ一発で止めてしまうCOOLな奴でした。 そして、最大の見せ場は、COOLな主人公が「COOL」「COOL」「COOL」「COOL」と叫びながらバイクをカッ飛ばす場面。
……この漫画は18週で打ち切られました。 さて、その作者・許斐剛先生の次回作が「テニスの王子様」。 COOLな中学生たちがCOOLなテニスを繰り広げる超COOLな漫画で、何の因果か大ヒットしました。 特に、最近登場した沖縄の中学生たちのCOOLさは只事ではありません。 倒した相手チームの選手に応援団が「負け犬」コールの大合唱を浴びせたり、相手チームの監督にアドバイスさせないためにスマッシュで監督を狙い撃ちにして病院送りにしたり、「かってんぐゎー」「んかいんじらりーん」などの方言が多すぎて何を喋っているのか理解不能だったり、「沖縄は日本じゃねえ」と言わんばかりの危険表現の連発です。 そんな「テニスの王子様」では、テニスを超越した変態的にCOOLな必殺技の数々が登場。表向きはスポーツでもハートは格闘技です。
……別にパクリとかそういう話ではなくて、技のネーミングその他がバトル漫画と平気でカブるのがCOOLだなと。 あと、桃城先輩は「修羅の門」で言うと飛田さんのポジションということで、主人公が世界に進出した時には解説席に座っているに違いありません。
……こちらは刀をラケットにかえただけでまんま牙突に見えますが、たぶん何らかのCOOLなギャグなのだと思います。 そんな感じで、ボールが消えたり増えたり光ったりは当たり前の世界観。 主人公の特技はスーパーサイヤ人化で、「土煙を巻きあげながら全身を発光させてパワーアップする」という謎の現象ですが、作中人物たちは「試合中に無我の境地に至った」という説明だけで納得していました。かってんぐゎー。 そして、主人公はこう言います。「このままではアイツには勝てない」「なら――COOLドライブ…アレを完成させてやる!」 ……COOLドライブて! やっぱり「COOL」「COOL」「COOL」「COOL」絶叫しながらテニスボールをカッ飛ばすのでしょうか。 しかし、大ゴマや見開きが異様に多い「テニスの王子様」は、ジャンプで最も そのため、非常に そして1年後。ようやく登場した「COOLドライブ」は、ボールがバウンドせずに地面を転がっていくだけというものでした。 ……この漫画に単行本4巻から登場している技と大して変わらない動きで、「テニス」ワールドでは平凡な部類。正直ガッカリしました。 ところが、数週間前のジャンプで、そんなCOOLドライブの新たな効果が発現しました。 今回の敵は、連載6年目にして初めて登場したデブキャラ(通称「テニスのハート様」)。前の相手がカスることもできなかったCOOLドライブを、見事ラケットに当ててみせます。 すると、ボールがラケットから腕へと転がっていってそのまま顔面を直撃! COOLドライブの正体は、「アストロ球団」の殺人L字投法と同じ原理で、対戦相手の殺害を目的とした技だったのです。
まあ、殺人L字投法のテニスへの応用は20年前の10週打ち切り漫画「ジャストACE」でもやっていたことですけど。 ところで、「テニスの王子様」の劇場版では、テニスをしながら宇宙に行ったり恐竜が出てきたり空を飛んだりといった怪現象を、高いクオリティでド派手に描写してくれました。 しかし、そのバカ演出の方向性自体はむしろ伝統的なもので、たとえば「爆転シュート ベイブレード」だって、ベイブレードをしながら宇宙に行ったり恐竜が出てきたり空を飛んだりします。 そういう意味で、劇場版は「他のスタッフでも作れるもの」です。しかし、原作漫画は、もっとあらぬ方向にトンがった感性が爆裂しており、作者本人以外には絶対に真似できないシロモノです。 以前のちゆニュースで、「テニスの王子様」をギャグ漫画と括りましたが、より厳密に言えば、ギャグ漫画のような楽しみ方もできるCOOL漫画という新ジャンルなのだと思います。 ですから本当は、「アストロ球団」などの過去の文脈と結びつけて考えるのも無理があって、私たちにできるのは、いったい次にどんなCOOLが提供されるのか呆然と見守ることだけだと思います。 ただ、個人的には、連載終了までに1度くらいテニスコートで人が死ぬところが見たいです。 ネットアイドルちゆは「テニスの王子様」を応援しています。 ※オマケ→ベイブレードで宇宙に行ったり恐竜が出てきたり空を飛んだりについて |
平成18年5月4日 | 「テニスの王子様」のヒロインの顔が変わった? | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
昨年3月12日のニュースでも触れましたが、週刊少年ジャンプに連載中の「テニスの王子様」は、とてもCOOLな漫画です。 たとえば、「皇帝」と呼ばれる中学生が、相手選手に向かって「絶望と共に散るがいい!」と凄みながら「究極奥義『風林火山』」なるテニス技を放ったり、「殺し屋」と呼ばれる中学生が、怒りと共に全身から凄まじいオーラを放出させた相手選手に「そのチンケなオーラで何を見せてくれるのかな?」と言い放ったり、試合中に突然日本刀を持ったサムライの幻覚が見えたり……。 そんな「テニスの王子様」の作者・許斐剛先生が、昨年末に全治6か月のケガをされてしまったそうです。 それでも「気力で描きました」と、ページ数を減らしたりしながらも連載を続けてくれていた許斐先生ですが、やっぱり無理があったのか、先日から1か月の休載となりました。 そうして、1か月ぶりに再開した「テニスの王子様」を読んだところ、物語のヒロインである桜乃ちゃん(12歳)の顔に、なんとなく違和感を覚えました。
7年ほどの連載で作中では5か月しか進んでいないのですが、こうして変化を見ると、最新号ではずいぶん 一方、主人公・越前くん(名前の由来は大岡越前)の最大のライバルである遠山金太郎くんも久しぶりに登場しましたが、こちらはあまりにも変わらなさ過ぎるのが気になります。
一瞬コピーかと思ったのですが、2枚を重ねてみたところ、目・鼻・口・輪郭のカーブは大体一致しますが、線の強弱には差があり、髪の毛も違いました。 正直、それが何を意味するのかはよく分かりませんが、ケガでペンを握れる時間に限界のある先生の代わりに このコマの作画を任されたアシスタントの方が、先生の描くキャラクターの美しい目鼻立ちを崩すわけにはいかず、苦悩の末に過去の絵を忠実になぞった……という妄想ができなくもありません。 あと今回、ドロボーにテニスボールを叩き込んで倒す場面がありましたが、そのドロボーが6年前に登場したドロボーと同じ奴です。
しかし、前にドロボーが現れたのは春でしたが、今回は夏ということで、長袖を半袖にする配慮を忘れないのは流石です。 以前と同じドロボーが同じオバサンから同じカバンを奪っているのはOKだけど、夏に長袖を着ているのは不自然だから直すという判断基準が素晴らしくCOOLです。 また、6年前は「どけどけー!!」「うわっ」「ギャ!!」という普通の日本語を使っていたドロボーが、今回は「どけどけー!!」「ひゃっひゃっひゃ!」「げひぃぃ!!」など、COOLなボキャブラリーの持ち主に成長。 これだけで、この漫画が6年間でどのような進化を果たしたのかを知ることができます。 さて、金太郎くんの顔が同じなのは諸々の事情、ドロボーが同じ人なのはCOOLなギャグだとして、気になるのは、桜乃ちゃんの顔の変化です。 そういえば、桜野みねね先生の「まもって守護月天!再逢」でも、キャラの顔が急に別人になったことがありました。
これについては、ひねくれ市民球場さんの情報を読む限りでは、途中から桜野みねね先生ご本人ではない、別の方が作画をされていたようです。 理由は、みねね先生が「不安定」で漫画を描けなくなっていたということのようですが、そんな風に漫画家が漫画を描けなくなるのは、わりとよくあることです。 たとえば「消えたマンガ家」によると、鴨川つばめ先生は「マカロニほうれん荘」の連載後、机の1メートル以内に近づくことすらできない状態が何年も続いたそうですし、冨樫義博先生は「幽遊白書」の連載中、「原稿に向かうと、ハキ気がする位 漫画を描きたくなくなった」そうです。 もちろん、ジャンプで長期連載中の許斐先生にも、肉体的・精神的に相当な負荷がかかっているのは確実で、たとえ「テニスの王子様」が突然「青学はウソのようにボロ負けした」と最終回を迎えたとしても、不思議には思いません。 ただ、許斐先生は、新人漫画賞の審査員になった際、「煮詰まった時の気分転換の方法は?」という問いに、「煮詰まっているようではプロになれません。煮詰まるな!」と答えたほどの猛者。 近況欄を見ても、冨樫先生が「頭痛がします」「特記すべきことはないです」などのダウナー発言を連発するのに対して、許斐先生は、「凍えるような夜に玄関先で蚊を発見! 無茶だなぁ。また暖かくなってから戦おうぜ」と、さわやかに昆虫に語りかけます。 少なくとも読者に見える範囲では創作意欲の衰えを感じさせず、ケガをされる直前にも、「イラスト集『30.5』の描き下ろしを描きまくってます! 1点でも多く描くからね」と宣言。 週刊連載の合間に40点の描きおろしイラストを執筆というファンサービスっぷりでした。(それだけ頑張ってもアマゾンのレビューには「新しいイラストがもっと欲しかったです」といった声が寄せられてしまうあたり、漫画家というのは本当に大変な職業です) そんな感じで、漫画が描けない状態よりは、ケガの激痛に耐えながら「COOL! COOL! COOL! COOL!」と絶叫してペンを走らせる姿の方が容易に想像できる許斐先生。 そこで、改めて冷静に桜乃ちゃんの変化を追ってみますと……。
……すみません、もっと唐突に老けた印象だったのですが、最近の絵を加えて並べてみると、思ったより自然な変化でした。 実は、桜乃ちゃんがヒロインらしく扱われていたのは連載2年目までで、連載3年目は本編に一度も登場していません。 さすがにマズイと思ったのか、4年目には3話に分散して合計12コマほど出演しますが、5年目はまた出番が減って顔が米粒くらいの大きさの1コマだけの登場でした。
しかし、6年目には、1話だけの出演ですがなんと21コマも登場し、彼女の平常時4年分に匹敵する圧倒的な存在感を見せつけます。 ただ、その反動は大きかったらしく、それから1年半に渡って出番がなくなり、今回の登場は、平成16年10月6日以来の生存確認となりました。 そんなわけで、ちゆが感じた違和感は、桜乃ちゃんが急に変わったというよりは、許斐先生の絵柄の変化に桜乃ちゃんの出番が追いついていないだけのようです。なんだか余計な心配だったようで、失礼いたしました。 ネットアイドルちゆは許斐剛先生を応援しています。 |