昔のちゆニュース


雑誌と単行本の違い

 「スパイラル〜推理の絆〜」編

 少年ガンガンに、「スパイラル〜推理の絆〜」という漫画があります。

 いちおう推理漫画ですが、「名探偵コナン」や「金田一少年の事件簿」とは毛色が異なり、「ハートはミステリ」がモットーの推理で戦う漫画です。
 その中に、「銃器で武装した異様に戦闘能力の高い敵を論理で倒す」というエピソードがあり、連載期間にして1年と3か月くらいかけて延々と描かれました。

 そして、その「最後の一撃」は、背後から予想外の人間が攻撃するというものでした。

『月刊少年ガンガン』 2003年07号 326〜327頁

 なぜネコ耳が必要なのか。主人公は、真顔でこう説明しました。「背後を衝くとわずかに想像するかもしれない だがネコ耳までは読めない
 ……長かった戦いの最後の決め手がネコ耳ということで、「少年ガンガン」の歴史の中でも屈指のビミョーな場面です。

 ところが、この場面が、単行本では次のように直されました。

『スパイラル〜推理の絆〜』 第10巻 148〜149頁

 台詞が「ね…ネコ耳!? ――いや」から「ま まさか――」に変更。

 これでもクライマックスの一番盛り上がるところなので、たぶん、雑誌に載った時点でも熟考の末に決めた台詞だったとは思うのですが……。やはり緊迫した場面で「ネコ耳」と言わせるのは恥ずかしいと作者が思い直したのか、あるいはよほど不評だったのか
 まあ、台詞だけ変えてもネコ耳を付けているのは同じなので、印象はたいして変わらないのですけど。

 ともあれ、重要な台詞の変更で、なおかつバカらしいという稀有な例なので、紹介させて頂きたいと思いました。



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