平成17年1月21日 | 松山せいじ先生の「ブラック・ジャック」 | ||||||||||||||
最近、秋田書店が色々な漫画家に「ブラック・ジャック」を描かせています。 BLACKJACK.JPのインフォメーションを眺めるだけで、マッシブなブラック・ジャック先生、ちょっとお耽美なブラック・ジャック先生、「エロイカより愛をこめて」の世界に混ざってしまったブラック・ジャック先生などの姿が楽しめます。 先日の「ヤングチャンピオン」には、ついに立原あゆみ先生(「本気!」などの作者)の描くブラック・ジャック先生が登場しました。
いつもの立原あゆみ先生の漫画と同じく、いい年こいてるわりに青臭い男性が、ポエムのような説教のような台詞を連発。 どこからどう読んでも「立原あゆみ漫画」以外の何でもなく、「ブラック・ジャック」である意味が1ミリもないのが、もはや清清しいと思いました。 また、「少年チャンピオン」には、山本賢治先生(「カオシックルーン」などの作者)の描く「ブラック・ジャック」が月イチ連載中。 山本賢治先生については平成15年9月15日のニュースでもご紹介しましたが、エロ漫画を描いても少年漫画を描いても変態がワラワラ登場して女の子のお腹から内臓が飛び出すのは変わらないというフリークスな漫画家です。 「ブラック・ジャック」の作画でも、先生はその才能をバリバリ発揮。たとえば、原作ではシルエットだった死体が、山本賢治版では臓物はみ出してます。
脳の異常でノラ猫が死んだ女房に見える男の話でも、山本賢治版では、奥さんがなぜか全裸で、乳首まで描かれています。
ドクター・キリコに安楽死させられている途中のお母さんすら、山本賢治版ではなんだかエロいです。
この他、「ドクター・キリコが美少女を連れ歩いている」とか「原作ではすぐに自殺した魔王大尉が死ぬ前にモンスター化して大暴れ」とか、好き勝手やっているように見えますが、実は、基本的なストーリーは意外なほど原作に忠実です。 ただし、ブラック・ジャック先生の人格描写はけっこう独特。
原作の(悪く言えば)偽善者っぽいところが薄くなり、露骨に嘲笑するような場面が多いです。 ちゆとしては、山本賢治先生が原作通りの「ブラック・ジャック」を描くというのは、なんだかアイスにタコ焼きをのせるような違和感があります。 もしも「内容はそのままで絵柄だけ今風に差し替えた『ブラック・ジャック』を作ろう」という企画なら人選で踏み外していると思いますし、せっかく山本賢治先生を選んだのなら、原作通りのストーリーをベースにするのではなく、山本賢治先生が「ブラック・ジャック」をダシにするくらいの形のリメイクが読みたかったです。 さて。 そんな「少年チャンピオン」の今週号に、今度は松山せいじ先生(「エイケン」などの作者)の描く「ブラック・ジャック」が載りました。 松山せいじ先生については平成13年5月12日のニュースなどでご紹介しましたが、代表作の「エイケン」は、サイコなおっぱいを持った女の子たちが発情期のゴリラばりの勢いで主人公に迫って来るという少年向けエロコメの最先端をブッちぎった怪作。 「グパパ」「ジョベベ」と少年誌の限界に挑戦する描写は、同時期に連載していた漫画版「スクライド」の「ビクン…ビクン」なエロ描写と競い合っているかのようでした。 そんな松山せいじ先生の「ブラック・ジャック」は、原作の持つ数多のテーマから、ピノコ可愛ぇえ!という一点に絞って抽出。基本はロリですが、欲望のおもむくままに巨乳ピノコも描かれます。 人間の愚かさとか命の尊さとかはピノコが可愛けりゃどうでもいいやと割り切っており、もちろん「ブラック・ジャック」でも何でもなくなっていますが、松山せいじ先生ですから全然オッケー。 むしろ、もっと物理やバランスを超越した奇乳が良かったとか、お風呂で石けんなら擬似顔射が欲しいとか、いつもの「ヌヂョンヌヂョン」「アワッび〜ん」みたいなイカした擬音がある方が……などと思ってしまいますが、先生にしてみれば、その辺はもはや極め尽くしたということなのかも知れません。今後は、それらを超越した先生の新境地にも期待です。 ネットアイドルちゆは松山せいじ先生を応援しています。 |