平成17年1月7日 | もうオタクとつき合うしかない? | ||
今月号の「ダ・ヴィンチ」に、「オタク人口280万人突破! もうオタクと付き合うしかない?」という特集が載っていました。 大昔の怪文書「おたく男は乙女におすすめ」を一瞬連想しましたが、よく考えると「おすすめ」と「もう〜しかない」では全然意味が違いますね。 もちろん、「もうオタクと付き合うしかない」なんて現実はどこにもありませんが、たぶん最近のニュースと絡めて扇情的なタイトルを考えたらそうなったのでしょう。 記事の中では、健康オタクまで含む広い範囲を指して「オタク」と呼んでいる様子。 「あなたの彼氏のオタク度チェック」というバイトが10分で作ったような表では、オタク度の上がる条件が「村上龍より村上春樹が好き」や「上戸彩より小倉優子が好き」になっていました。 「秋葉原のイケメンを探せ!」という無謀なコーナー(イケメンさんの写真は顔がよく見えないほど小さいのですが、拡大できなかった理由は明らか)を見ても、「趣味:ビリヤード、好きなタイプ:中島美嘉」とか、「趣味:サッカー、好きなタイプ:矢田亜希子」とか……。 その人たちは単に秋葉原でダサい格好をしてただけで、別にオタクではないと思います。 ともあれ、最大の目玉はひきこもり小説家の滝本竜彦先生(「NHKにようこそ!」とかの作者)のコメント。 何でも最近初めての彼女ができたそうで、「オタクは恋愛したほうがいいですよ」とか「ジョギングを始めた」とか「服」とか……。せ、先生、目を覚ましてください。 さて。 「オタクの恋愛」についてですが、少なくともオタク同士のカップルは成立可能だと思います。 実際、一緒に同人誌を作ったり、一緒にげっちゅ屋でエロゲーを物色したりしているつがいのオタクはたくさんいます。縁さえあれば、オタクでもベストパートナーは見つかります。 でも、オタクが「ダ・ヴィンチ」を愛読しているような女性と付き合っても、うまくいくとは思えません。 たとえば、たぶんダ・ヴィンチ読者は一緒に「仮面ライダーワールド」に行くのはイヤがるでしょうし、かといって一緒に「パール・ハーバー」を見たりして「感動しちゃった」なんて言われたらオタクの方がブチ切れてしまいます。 もちろん、どんな夫婦でも、最初から何もかもピッタリだったわけではないでしょう。恋は探すものではなく育てるものだと「ふたりエッチ」にも書いてあります。 しかし、オタクとダ・ヴィンチ読者の間に広がる溝は地底世界ペルシダーよりも深く、オタクが飛び越えようとしてもたぶん落ちて死にます。 たまに「オタクがオタクをやめる」という話も聞きますが、ちゆには「犬が犬をやめる」と同じくらい無理のある響きに聞こえます。 「ダ・ヴィンチ」の記事の中でも、大槻ケンヂさんがこう述べておられました。
そして、大槻ケンヂさんは、オタクと付き合っている非オタクの女性について、次のように分析します。
……「もうオタクと付き合うしかない?」を読んでいる「ダ・ヴィンチ」読者向けには、たぶん最高のアドバイスだと思います。 結局、オタクと付き合えるような女性は、非オタクだとしてもある種のサイコさんには違いないということですね。 それでも非オタクの女の子と付き合いたいという人には、そんな自己陶酔系の女神さまを探すよりは、自分のキモさを上回る金や地位を手に入れるのをオススメします。金が切れない限りは縁も切れませんよ。 |