平成15年10月19日 | エッグマンの挑戦 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
昨年10月21日のニュースで、「ホーリーランド」という漫画についてご紹介させて頂きました。 引きこもりのユウ君が、自室で1日5000回の素振りを2年間続けてみたら本当に強くなって、夜の街でヤンキーを狩るお話です。 作者は、森恒二先生。 「ベルセルク」の作者・三浦先生によると、森先生は「学生時代だけでも倒した相手の数は数百人」「極真黒帯・木刀持った右翼・ナイフ持った黒人・ミス湘南などを倒した」という豪傑で、バイクで事故って死にかけた際にマンガの神の啓示を受けたのだそうです。 そのためか、「ホーリーランド」の中には作者の実体験からくる格闘うんちくが頻出します。 「護身術の本などで、時々刃物の奪い方を目にするが、あれはどうだろうか? 僕(作者)自身が不器用なのもあると思うが、刃物を奪おうとして手にケガを負った事がある」などなど。 素人の読者としては、そういった「ホーリーランド」の記述は正しいのかハッタリなのか気になります。 ちゆも以前、ホーリーランドに書いてある「1対多のケンカの時は、弱い敵から倒すべき」という説は本当なのか?というアンケートをさせて頂きましたが、思ったより意見が分かれてよく分かりませんでした。 そんな感じで、2chの武道板に「ホーリーランドってあってるの?」スレッドが立ちました。内容は、だいたい次のような感じです。 「あれとかどうですか? レスリングのタックルに対して手刀で迎撃」 「ブッチャケ無理」 「手刀落とす前に組み付かれてアポーーん」 「その通りですね。本物のタックルは本当に早い」 「アスファルトに投げられて立ち上がり逆転KOするユウ君」 「一応リュックサックでダメージ軽減したってことになってますね」 「柔道家に投げられてリュックサック一つで大丈夫!ってのは」 「投げられたら死ぬ。普通」 「おそらく60kg台のユウでは即死でしょう」 「せめて肋骨は折れて背骨も歪んで欲しかった」 「ユウのバックには衝撃緩和できる宇宙素材が詰まってたとか」 「振り上げた角材もろともハイキックで相手をブッ倒すユウ君」 「あれってかなり無理ぽじゃないですか?」 「あれギャグ漫画だから何やっても良いんだよ」 「自室でシャドーやるだけであれだけ強くなるなんて」 「誤ったフォームを覚えるのがオチ」 「指導者が随時フォームの修正とアドバイスを加えていかないとダメ」 「ユウは一応天才ってことになってますから」 そんな穏やかなムードの中、エッグマンというハンドルネームの方が登場。武道板の有名人・胴締め剛術家さんに因縁を付け始めます。
さっそく、「オフで実際に会ってボコボコにすれば?」と煽られますが、
これに、「エッグマンって格闘技はやってるの?」「何時どこで勝負するのか発表してくれ」といった煽りが入り、
さらに、「半年は長いな。六週間後にしてくれ。だいじょうぶ!エッグマンはやればできる子だから」の一言で、対決の日は6週間後に決定。 格闘技の本やビデオを買ってきたというエッグマンさんに対して、「本当に強くなりたいのなら、ちゃんとした指導者についたほうがイイよ」という忠告が入りますが……。
「ユウ君は漫画のキャラだぞ」というツッコミが入りますが、もちろんエッグマンさんは気にしません。胴締め剛術家さんが使う柔道と柔術への対策を練り出します。
その後の情報で、エッグマンさんは19歳の無職と判明。 「そんな奴が夜中の公園でトレーニングか。まさにホーリーランドだな」「無職で公園で木刀振って枝折ってるのか?」といったツッコミが入ります。
……広い世の中、電波が実在するのも事実ですが、こういったエッグマンさんの発言はいかにも作っている感じに見えます。
ところが、ここで当の胴締め剛術家さんが、次のように発言します。 「卵君からメールが届いていましたが、どうやら彼は本気のようです。携帯の番号と画像を本当に送ってきました」 これを受けて、スレッドも盛り上がります。「実はエッグマンの今までのレスはネタではなく本気だったのかもしれない。つまり彼は真性の(ry」「あれ全部本気だったの? それって…(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」 ちなみに、送られてきた画像の特徴は、次のような感じだったそうです。 ●かなり痩せ型 ●サングラスで顔はよく分からない ●カワサキのバルカンらしきバイクにまたがっている 胴締め剛術家さん曰く、「おそらく エッグマンは『T2』を意識しているのではないか?と思われます。体型が全然違いますが、本人はノリノリなんでしょうね」「皮ジャン着てるんですが、死ぬほど似合ってません。髪型も服装も乗っている単車すらも浮いています」 もちろん、「実は全く関係ないヤシの画像だったりして…」という可能性も高いですが、スレッドでも、「何かちょっと違う意味でこわい相手のような気がしてきます」といった声が出るようになりました。 なお、この時点で、2人の戦力差は次のように絶望的。
しかし、エッグマンさんはすでに勝利を確信しています。
「それって単に乳酸がたまってるだけでは?」というツッコミも、もちろん無視。ついに新スレッド「【素振りと】卵男の挑戦【シャドウのみ】」が立てられました。 そこに、再び胴締め剛術家さんが登場。「卵に電話かけると本人らしき人物が電話に出てくれました」ということで、次のような会話をしたそうです。 胴「もしもし、お前、エッグマン?」 卵「……誰?」 胴「お前の大好きな胴締め剛術家ですけど」 卵「…………」(5秒ほど沈黙) 胴「もしもし? …おい! なんか言えって! コラ! 卵!」 卵「………………プッ」 そうして電話を切られた後、「用件はこちらから伝えるから、電話をかけてくるな」というメールが届いたそうです。 胴締め剛術家さん曰く、「どうやら彼が対人恐怖症なのは間違いないようです。電話ですら、他人とのコミュニケーションが出来ないようでした。案外、可哀想な子なのかもしれませんね」 それでも携帯の番号は本物らしいということで、「何のために電話番号を胴締め剛術家氏に教えたのかよく分からない」「せっせとネタ書き込んでて、ご苦労な人やなと思ってたんですが、マジモンやったんですか」「うーん、これってまじでやばいんじゃ?」という声が増えました。 ところで、実はここに至っても、エッグマンさんがそもそもなぜ胴締め剛術家さんを敵視しているのかよく分かりません。スレッド内では、次のように推測されました。 「胴締めはホリランスレで作者の森を妄想漫画家とコキ降ろしていた点に遠因があると思う。ホリランは脳内武道家にとってまさにホーリーランド、貧弱な自分をユウに置き換えて脳内妄想で武道歴を積んでいた。しかし、有名コテハンによって無残にもその幻想を打ち砕かれてしまった。その幻想を糧に生きていた卵マンは日に日に胴締めへの恨みを募らせていく」 しかし、エッグマンさんはこう反論。
これに対して、「君がホリランを”リアルだ”と認識するには、君自身がリアルなストリートファイトの経験がないとダメだと思うんだけど…」「童貞が一言。『わぁ、このダッチワイフ、すげぇリアルな挿入感だなぁ!!』」といったツッコミが入りますが、
さっそく、「先生、漫画返したくなくて休学したんですか?」とツッコまれますが、
この辺はもうどう見てもネタですが、とにかく自信たっぷりのエッグマンさん。 「本を読んでるだけでできるなら同締め氏も使えるっつーの」という意見に対しても、
そこで、またまた胴締め剛術家さんからの報告。「卵の野郎から嫌がらせとしか思えない程の大量のメールが届いてました。三行メールで157件も送ってくるなと言いたいです」 そんな感じで、エッグマンさんが指定してきた対決方法は次のようなもの。 1、彼の自宅のガレージで行う 2、京阪の駅まで一人で来い 3、立会人は彼の友人たちが引き受ける 4、勝負に負けた側は土下座の写真をネット上に晒す事 5、武板で謝罪文を掲載する事 「2chで立会いの相手を自宅に招くというのもある意味蛮勇としか言いようが無い」などの声が出ますが、もちろん彼は気にしません。 ちなみに、エッグマン家のガレージはコンビニほどの大きさで、今は使ってないとか。
などの発言からも、エッグマンさんの家はお金持ちみたいです。
これに対して、「しかし煉獄なんて言葉、どこで仕入れたんだ?」「たぶんるろうに剣心と言う漫画。小太刀二刀流という単語使ってたし」「おいおい、エッグマンが参考にしてる剣道の本やビデオってるろ剣のコミックスやDVDなんじゃないか? たぶんボクシングの本は満腹ボクサーとセスタスだろう」というツッコミも入ります。 ところが、ここで新展開。 「ちょっと待て、みんな。気のせいかと思っていたけれど、いくらなんでも共通点がありすぎる。“早撃ち”、“BWLのジャケット”、“バルカンのようなハーレータイプのバイク”、“ヘルズゲート”、“煉獄”、“親が金持ち”、そして何より“逝っちゃってる電波な内容”。卵、お前まさか…。おもちゃのさい○うという店に心当たりはないか?」 「ゲェッ!! ま、まさか…くっ、くっしー?」 そう、エッグマンさんの発言は、田丸浩史先生の漫画「最近のヒロシ。」の内容と妙に重なるのです。 「最近のヒロシ。」は、田丸先生が自分の漫画家生活を赤裸々に語った日記漫画。先生はモデルガンショップ「おもちゃのさいとう」の常連で、漫画でも、他の常連客とのやりとりが頻繁に出てきます。 その常連客の中に、すごい妄想癖のある兄ちゃんなどの電波さんが2人ほどいるのです。
くっしー君は、月に50万円稼げるチラシ配りという触れ込みのネズミ講に引っかかったり、親に事務所を借りて何の経験もないのにゲーム会社を始めたりする若者。 その言動から、エッグマンさんは実はコイツなのではないかという疑念が生まれたわけです。 たとえば、エッグマンさんには次のような発言がありました。
一方、「最近のヒロシ。」にも、仲間同士で早撃ちをしにチャーリーという店に行く話があります。 「偶然の一致にしては出来すぎ。これはやはりくっしーかジョニーのどちらかではないかと」「本当に細かい点が同じなんだってば。たとえばBWLのジャケット、早撃ちの練習会、ハーレータイプの大きなバイク。この条件を揃えるだけでもなかなか難しいと言うのに、彼が使った特徴的な単語『ヘルズゲート』『煉獄』。これも彼の知人が開いたHPの名前」 とは言え、漫画では「ジョニー」は25歳以上。胴締め剛術家さんが「最近のヒロシ。」を読んだところ、やはりエッグマンさんはジョニーではないそうです。 年齢や体格、“親が金持ち”などの条件が当てはまるのはくっしー君。しかし、“ハーレータイプのバイク”に乗っていたのはジョニーですし、“BWLのジャケット”を買ったのは田丸先生。条件が完全に一致するわけではありません。 「もしくは、くっしーやジョニーの新しい仲間だな。あいつらの影響をうけたら一発で変になりそうだもんなあ」「単に田丸の漫画読んだヲタが暴走しているだけ、という可能性の方が強い」などの推測が出ました。 果たしてエッグマンさんは、くっしー君なのでしょうか。エッグマンさんに質問が飛びます。
ウソをついていなければ、少なくとも田丸先生と同じ市内に住んでいて、「最近のヒロシ。」の登場人物たちと趣味や生活圏が近いのは確かなようです。しかし、
ということで、今のところ真相は分かりません。そのうち「最近のヒロシ。」にこの件が描かれれば面白いのですが。 ともあれ、エッグマンさんはいつもの調子。
さらに、彼は次のような練習メニューをこなしているそうです。 午前中=ウエイトトレーニング 正午=外食 昼過ぎ=サンドバッグとフットワーク 四時過ぎ=昼寝 夜=晩御飯 夜中=シャドーとロードワーク 深夜=ビデオでの技術研究 明け方=寝る 意外な努力に、「あれ。なんかちゃんとしたメニューですね」「まじめに考えて練習してるね」「てっきりユウよろしくワンツーを五千回ってのかと思いきや、一応メニュー組んでやってるのか…想像以上だ」という声があがります。 そして、エッグマンさんの態度も微妙に変化してきました。
とうとう、「正直、19でヒキの漏れはエッグの状態が羨ましい。金はあるし夜中とはいえ公園まで言って色々練習してるわけだし、ジムにも行ってるし。エッグがトレーニング続けてる点は素直に凄いと思うよ。ということでガンガレ」という人まで現れました。 もちろん、即座に「ヒッキーに言われてもなあ…」「エッグマンは全国の引きこもりの憧れです」といったツッコミが入りますが。 そんなこんなで、さすがに6週間では無理があると気付いたのか、エッグマンさんは薬物にも手を出します。
「プロテイン飲みすぎ。肝臓壊すなよ」などのツッコミが入る中、具体的な商品名を聞かれて、エッグマンさんが挙げたのは、
「お前ジャックハンマーにでもなる気か?」「ほとんど全部副作用バリバリのアナボリックステロイドとケアの時に使う薬だよ」「併用は副作用どころじゃねーぞ。特にHCG。人格崩壊起こしても知らんぞ。あ、もうしてるか」 さすがに心配する声が出ますが、エッグマンさんは超ストイックです。
「グラップラー刃牙」に登場したジャック・ハンマーは、明日を捨てた過剰ドーピングと日に30時間のハードトレーニングを自らに課し、薬物と滅びゆく肉体とのせめぎ合いの果てに、矛盾のみを条件に存在する肉体の境地に到達しました。 エッグマンさんも、まさにその世界を目指そうと言うのでしょうか。 さすがに、これには心配する声が続出。 「ビルダーが使うステロイドをオマエが使ってどうすんだ。ビルダーになりたいのか死にたいのかどっちだ?」「内蔵ボロボロになってまで勝ちたいか? まぁ勝てないけど。てことは勝てないのに内蔵ボロボロになってもいいのか?」「6週間あれば内蔵や女性化はともかく精神へのダメージは出てくるぞ」 ……「ホーリーランド」の世界から「最近のヒロシ。」の世界に移ったと思いきや、今度は「グラップラー刃牙」の世界へ。エッグマンさんの旅は終わりません。 約束の日まであと6週間。やっぱりネタだとは思いますが、ネタならネタでこれくらい仕込んでくれれば上等です。 ネットアイドルちゆはエッグマンさんを応援しています。 |