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平成15年9月22日 ファミコン20年

 今年でファミコン生誕20周年ということで、ファミコン通信が「最も心に残ったファミコンソフトは?」というアンケートをしていました。

 1位は「ドラクエIII」で、以降も「スパルタンX」「さんまの名探偵」「ゼビウス」「スペランカー」などなど、懐かしい名前が並びます。
 そこで個人的に気になるのは、漫画やアニメを原作にしたキャラゲーの順位。「キャラゲーが10本あれば、9本はクソで1本は超クソ」などと言われますが、結果からキャラゲーだけ抜き出してみると……。

27位
51位
53位
55位
57位
58位
58位
63位
64位
79位
86位
89位
91位
94位
96位
98位
 キャプテン翼
 キャプテン翼 II スーパーストライカー
 キン肉マン マッスルタッグマッチ
 ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人
 ドラゴンボールZ II 激神フリーザ!!
 ドラゴンボールZ 外伝 サイヤ人絶滅計画

 SDガンダム ガチャポン戦士2 カプセル戦記
 忍者ハットリくん
 聖闘士星矢 黄金伝説
 ドラゴンボールZ III 烈戦人造人間
 ドラゴンボール 神龍の謎
 SDガンダム外伝 騎士ガンダム物語
 ファミコンジャンプ 英雄列伝
 ドラゴンボール3 悟空伝
 北斗の拳
 機動戦士Zガンダム ホットスクランブル

 「キャプテン翼」や「カプセル戦記」など、数少ない良作は納得の順位。「ファミコンジャンプ」や「北斗の拳」も、確かに別の意味で心に残っています。
 シリーズものでは、「ドラゴンボール」関連が6本もベスト100内入り。原作の七光りのスゴさが感じられますが、「ロードランナー」や「ワギャンランド」や「魔界村」より「ドラゴンボールZ外伝 サイヤ人絶滅計画」の方が多くの人の心に残っているという結果はどうなのでしょうか。


 「ドラゴンボール 神龍の謎」

 ドラゴンボールのゲームと言えば、一番記憶に残っているのは「神龍の謎」。ギャルのパンティーをはくとスピードアップし、ダメージを受けなくても勝手にお腹が減っていって餓死する悟空の姿が、忘れたくても消えてくれません。

 これはヤムチャが最も輝いているゲームでもあり、原作ではほとんど活躍していない狼牙風風拳が、100ぐらいしかない悟空の体力を一度に30も削ります。
 しかも、その当たり判定はおおらかで、当たってないように見えて当たっていたりする凶悪な技です。まあ、結局慣れればザコなんですけど。

 また、このゲームには宇宙一の殺し屋・クリリアンなる敵が登場。
 見た目は単なる化け物なのに名前がクリリンに似ていて、宇宙一の殺し屋のくせにヤムチャよりはるかに弱い……。当時のちびっ子には意味不明の存在でしたが、攻略本によると、実は鳥山明先生がゲームのために直々に描き下ろしたキャラだそうです。

集英社『ファミコン神拳奥義大全書 巻の三』 90頁
衣装は、クリリンが最初に着ていた多林寺の道着

 イラストを見る限りでは、やはり4本腕で緑色の肌をした奇形クリリンのようです。鳥山明先生は何かクリリンに怨みでもあるのでしょうか。ちなみに、この攻略本でも「クリリアンは弱いぜっ!」「クリリアンはえらく弱いぜっ!」と何度も念を押されています
 問題は、人類の大半は6面より先に進めないだろう凶悪な難易度なのに、このせっかくのオリジナルキャラが11面に配置されている点。このゲームを遊んだ経験のある人でも、こんなヤツ見たことないという方がほとんどだと思います。

 そんなこんなで、純粋にゲーム単体として見るとアレですが、発売されたのはタイガースが前に優勝した次の年という大昔。ファミコン初〜中期の思い出として、とても懐かしいソフトです。


 「ドラゴンボールZ III 烈戦人造人間」


 一方、ファミコン終焉期に発売された「ZIII」は、もう少しファンキーなゲームとして記憶しています。

 フリーザとの戦いで死んだ(と思われていた)悟空を生き返らせるため、ドラゴンボール集めに出かけたピッコロたち。
 地球のボール集めなんて亀仙人レベルの実力があれば十分ですが、なにしろ前作(「Z II」)を出してからあまり原作が進んでいません。オリジナルエピソードで水増ししないと、ゲームが1時間ぐらいで終わってしまうのです。
 そんなわけで、ジェット機より早く空を飛び、核兵器以上の怪光線を放つ超戦士たちが、数々のおつかいミッションに挑まされます。

 ドラゴンボールを飲み込んでしまった恐竜がいる
  ↓
 薬草を手に入れる
  ↓
 薬草を下剤と交換
  ↓
 下剤を恐竜に飲ませる
  ↓
 ナレーション「たいりょうの・・・といっしょに ドラゴンボールが でてきた!」
 ヤムチャ「クリリン! ボールを とって きてくれ!」
 クリリン「なんで オレが?!……」
 ヤムチャ「おまえは ハナが ないから くさくないだろ?
 ナレーション「クリリンは しぶしぶボールを とりにいった… Zせんしは 5シンチュウを てにいれた! もちろん そのあと よくあらった!

 しかし、このゲームのキモは、何と言っても天津飯です。
 天津飯と言えば、新気功砲の連射でセルを足止めし、「おのれ……!! たかが天津飯ごときにジャマをされたか……!!」と悔しがらせたほどの中途半端な実力者
 ちなみに、ただの気功砲と新気功砲の違いは悟空にすら分からないらしく、「新気功砲!!」と技を放つ天津飯に対し、悟空は「やめろ天津飯ーっ!! もう気功砲は使うなーっ!!」と叫んでいました。

 原作では自分の実力を過大評価した言動が多い天津飯(例:「餃子はオレがおいてきた。ハッキリいってこの闘いにはついていけない」)ですが、このゲームでは、妙に身の程をわきまえています

 【天津飯語録1】岩山の入り口が塞がっていて入れない場合

 天津飯「む!? オレの3つのめには わかるぞ。このガケは いわがうすく すぐ こわれそうだ! しかし オレたちの ちからでは このやまごと こわしてしまいそうだ!…… なにか てきどな ばくはつぶつが あると いいんだが…… たとえば ダイナマイトとか

 手加減できないんですか? その気になれば素手で大陸を消し飛ばせる男が、ちょっと岩を崩すだけでダイナマイトに頼るのは情けないです。

 【天津飯語録2】行く手を一般人に邪魔された場合

 悟飯「このひと ちきゅうじんなのに どうして ヤツらの もんばんなんか しているんでしょう?」
 クリリン「なにか よわみでも にぎられているんだろう…… いずれにしても やっつけて ムリヤリ ここを とおるわけには いかないな」
 天津飯「なにかで ヤツのちゅういを そらして あのばしょから どかすことが できればなあ…… よし! ここに ダイナマイトを しかけて おおきなおとを たてて もんばんを ひきつけるんだ!」

 とにかくダイナマイトが大好きな天津飯。作戦も姑息です。一般人を傷つけずに進みたいなら、太陽拳でも使って超スピードで突破すれば十分なハズですが。

 【天津飯語録3】誘拐されたブルマが捕まっている基地を発見した場合

 天津飯「まて! さわぎをおこすのは まずい! ブルマが ころされるぞ! ほかのばしょから きづかれないように いこう

 そして天津飯たちが遠回りしてブルマを助けに行くと、一足早く正面から突っ込んでいたベジータがブルマを救出完了していました。これが縁でベジータとブルマの仲が進んだのだとすると、ヤムチャがフラれたのは天津飯のビビリが原因です。

 ともあれ、そんなおつかいを終えると、ようやく原作に沿ったエピソードが始まります。

 【原作の流れ】 悟空が心臓病で倒れる → ベジータたちが17号・18号に敗北 → ピッコロがセルと遭遇 → セルが17号・18号を吸収して完全体に → セルゲーム開始 → 16号死亡 → 悟飯がセルを倒す

 【ゲームの流れ】 悟空が心臓病で倒れる → ベジータたちが17号・18号に勝利ベジータたちが16号にも勝利 → ピッコロがセルと遭遇 → ナレーション「セルは人造人間たちを吸収して完全体になってしまうのだろうか? はたしてZ戦士たちは、それを阻止することができるであろうか? おわり

 ……あまり原作に沿っていませんでした
 そして、うざったいスタッフロールやエンディングは一切ナシ。心臓病で倒れたままの悟空のセリフとともに画面が停止して動かなくなります。


 これがキャラゲー黒歴史に燦然と輝く、伝説の「こんどは オラが やる!」です。もちろん、10年待った今でも「こんど」は訪れていません。


 「ドラゴンボールZ外伝 サイヤ人絶滅計画」


 「Z III」に続いて発売されたのは、人造人間編の続きでも何でもない「外伝」でした。
 ちゆはこのゲーム開始早々、次の場面に出くわして驚いた記憶があります。

ヤムチャにモノ扱いされるチャオズ

 さて、どうせ売れるんだから原作無視で作っちまえという前作の流れを律儀に受け継いだ「外伝」。
 開き直って完全オリジナルストーリーですが、ピラフ様がデンデのフリをして悟空たちをだますエピソードなど、原作へのリスペクトはあまり感じらません。

変装中のピラフ様。デンデに見えますか?

 頭のターバンで触角がないのを誤魔化しているピラフ様ですが、そもそも体色が違います。いつもテカテカの緑色の肌の人がある日突然青色になっていたら一瞬でバレそうです。
 それでも悟空たちを出し抜いて、ドラゴンボールを7つ集めたピラフ様。しかし、叶えた願いは世界征服ではなく、単なる壊れた別荘の修復でした。

 そんな感じで微妙なゲームですが、いちおう「原作が好きなら楽しめる」レベル。
 ファミコン版「タッチ」(タッちゃんとカッちゃんがボールを武器に戦う横スクロールアクションで、隠しパスワードは「みなみとHしてしまいました」)など、原作が好きなほどカセットを叩きつけたくなるクソゲーに比べれば全然OKです。

 ネットアイドルちゆとしては、スーパーファミコンの「超武闘伝2」あたりが無難にオススメですけど。

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