平成13年4月3日 | 八兵衛がいない水戸黄門第29部 |
「徳川光圀は、何をした人でしょうか?」 日本人的な解答は「諸国漫遊食べ歩き(ついでに勧善懲悪)」。 日本史的な解答は「大日本史の編纂」。 マニア的な解答は「日本人で初めてラーメンを食べた」。 さて。視聴率40%を超えたことが20回以上あるとか、いっこうに歳をとらない由美かおるが妖怪じみているとかでお化け番組と呼ばれる「水戸黄門」ですが、その第29部がスタートしました。 水戸黄門もまたツッコミどころが多い番組です。 昔の助さん・格さんは悪人をバサバサと斬り殺していたとか、最近の助さん・格さんは峰打ちというより悪人をかき混ぜているだけとか、既婚者のはずの助さんがいつの間にか独身になっているとか、妻帯者どころか子持ちの格さんが気がついたら「俺は生涯、独身で通す」と公言しているとか、そういえば風車の弥七にも娘がいたけど何処に消えたんだとか。 あえて野暮なツッコミまで羅列させて頂きますと、江戸時代の人間のくせに服装が清潔すぎだとか、彼らのチョンマゲは時代を100年ほど先取りしているとか、「こらしめておやりなさい」で懲らしめられてるのは罪もない役人たちだとか、そもそも黄門は諸国漫遊してないとか、お銀がフロ入る意味ねーよとか、いいから早く印籠だせよとか。 そういえば、うっかり八兵衛は元盗人で異常に足が速いとか、かげろうお銀は黄門さまの命を狙う刺客だったとかも、今となっては懐かしい思い出です。 そんな愉快な黄門さま一行でしたが、今シリーズからは由美かおる以外のメンバーを一新。パラレルワールドの如き別の物語としてスタートしました。 石坂浩二さん演じるヒゲがない黄門さま、山田純大さん演じる泣き虫の格さん、たくさんの女優さんたち演じるかげろう忍法帖を連想させるくの一軍団など、本当に一新です。 うっかり八兵衛、柘植の飛猿といったお馴染みのレギュラー陣は消滅しました。 なぜか唯一生き残った由美かおるが演じるのも「かげろうお銀」ではなく「疾風のお娟(えん)」。しかも、少なくとも第10話までの脚本には入浴シーンがないことが判明しております。 入浴させないなら、由美かおる残した意味ないです。 そこで第一話の感想です。 確かに、普通に新番組の時代劇として見るなら悪くないです。格さんは可愛いし、ちゆは涙腺もろいので最後で泣いてしまいました。 特に、オープニングでG3K(御三家:西郷輝彦さん、舟木一夫さん、橋幸夫さん)が声をそろえて歌う「ああ人生に涙あり」は感無量です。 しかし、終わりなきマンネリがウリの番組をリニューアルしてどうする気なのでしょうか。あくまで個人的な感想ですが、安心して見れない水戸黄門って、なんだかイヤです。 この辺りは、機動武闘伝Gガンダムに関して「一つのアニメとしては面白いけど、ガンダムとしては失格」と言うのに似ているかも知れません。そういえばヒゲで揉めるのもガンダムと同じですね。 とは言え、第一話だけで結論を急ぐこともありません。大好きな水戸黄門、暖かい目で見守っていきたいと思います。 話は変わって、ちゆが一番好きな黄門さまは2代目西村晃さんです。 「助さん、格さん、こらしめておやりなさい!」と言うときの語尾のヒステリックなイントネーションの上がり具合が最高です。杖でバトルする勇姿といい、普段の強情ジジイぶりといい、ちゆ的にはベスト・オブ・黄門さまです。 もちろん、あの方の天職は悪役でしたし、最も似合う役は吉良上野介義央だったとは思いますけれど。 さて。ついでに「雑学:知っておくと便利な水戸黄門」として、史実についても触れておきたいと思います。 「桃原遺事」によると、黄門さまは身の丈6尺(身長180cm)の怪力の持ち主で、顔は色白で面長の柔和な優男だったそうです。 黄門さまを一目みようと城下の民が大量に押し寄せ、人の重みで城の塀が崩れたことさえあるそうです。 …それは嘘だろ。 なお、助さん(佐々木助三郎)のモデルは佐々介三郎。格さん(渥美格之進)のモデルは安積覚兵衛。それぞれ実在の人物です。 二人とも大日本史の編纂を手伝った学者さんで、助さんの方は元僧侶の経歴まで持ちます。林政義によると助さんは本当に剣の達人だったそうですが、どちらかと言うと二人ともへっぽこだった説が有力なようです。 ところで、水戸黄門といえばマンネリな展開とお色気。お色気といえば由美かおるという印象があります。 確かに、全32話一度も欠かさずフロに入った第21部を始め、水戸黄門のお色気の95%は由美かおるの担当です。 しかし、水戸黄門のお色気シーンは、決して由美かおるだけではありません。 22部や23部で悪代官が拷問と称して女性の股間を刀でウリウリ責めていた事実を、ちゆは決して忘れることがないでしょう。 |