※前回の更新に用意したけど使わなかった広告画像が少しあったので、まとまってなくて恐縮ですけど紹介してみる企画
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1960年代の人気雑誌 | |
これは1969年の広告で、 一番上の写真のような、60年代女子があこがれる男女交際のイメージが好きです。 このバービー人形の彼氏みたいな男とは、どこで知り合うのでしょうか。 ついでに、この広告も『小学六年生』の1969年3月号に掲載されたもの。 今月で『小学六年生』を卒業する読者に、来月からは小学館のジュニア誌を買ってね、というわけです。 もちろん、「女子中学生の90%が『女学生の友』を読んでます」というのはウソです。 |
女子中学生の90%も『女学生の友』を読んでない件(いちおう補足。読み飛ばし可) | |
たとえば、1968年6月実施の学校読書調査によると、「ふだん読んでいる雑誌」を女子中学生2142人に記入させた結果は、 この結果から言うとすれば、『女学生の友』を読んでいるのは、女子中学3年生で約16%。 2〜3年生なら13%以下、全学年なら11%以下という感じになります。 『小学六年生』(小学館)の読者の多くは、『中学一年コース』(学研)か『中一時代』(旺文社)に流れていると思われます。 とはいえ、当時の『女学生の友』は、女子高生には本当に人気でした。 ただし、それでも「90%」というほどではなく、単純計算で、女子高生の約36%が『女学生の友』を読んでいます。 学校読書調査を目安にすると、「女子小学4〜6年生の70%が『マーガレット』を読んでます」ならウソではありませんでした。 90%超えは非現実的ですが、1989年の調査で「男子中学生の90.3%が『ジャンプ』を読んでます」の数字が叩き出されています。 なお、『女学生の友』が女子高生の人気トップだったのは、68年まで。 68年には『マーガレット』のお姉さんとして『セブンティーン』が創刊されており、69年の調査結果では…… この後、80年代半ばまで、女子高生の人気ナンバーワン雑誌は『セブンティーン』で安定するのですが、それはまた別のお話。(ジュニア小説とか週刊誌とかファッション誌とかの、それはそれは長い話になります) 『女学生の友』は苦しまぎれに『JOTOMO』と改称したりしつつ、1977年に休刊。 ライバルの『中一時代』は1991年に休刊、『中学一年コース』は1999年に休刊。 『小学六年生』は粘りに粘って戦い続け、2009年に休刊しました。 |
申し訳程度に | |
……と、ちょっと脱線してしまいました。 ひとつひとつ語ると長くなりそうなので、あとはサッと流す感じで失礼します。 まずは1970年代、『風俗奇譚』(『奇譚クラブ』と『薔薇族』のあいだをつなぐような雑誌)の末期ごろの広告から。 「すごいポルノ!!」 「奇抜なアイデアで待機しています」 「贈答品に好適!!」 「鼻血ドバー」 最後の広告の一番下は求人というか、経営者の中年男性が、自分の伴侶になってくれるフケ専の好青年を募集しているようです。 それから、今回、日武会とかに全然触れられなくて心残りなのですが、とりあえず定番の中国拳法講座だけ。 白鶴拳・聖天門猿拳・十八羅漢拳・達磨拳・太祖拳の5年分の教材が2万6000円。 これらの拳法を自在に使い分けて不良を翻弄する自分を想像するとワクワクします。 ついでに、このページの背景画像にも使っている広告ですが、 うまく説明できませんけど、こういう、科学館のつまんないビデオとかに出てきそうなモデルイラストの微妙にうれしそうな無表情が、なんか好きです。 こんなの オタク向けの広告については、機会があれば、もう少し色々と整理したいところです。 たぶんギャグとして描いたわけではない、天然のコレジャナイロボ お約束のガンダム要素に、色や図形の組み合わせ方も小学校低学年レベルで良い感じです。 あと、幸運を呼ぶアイテムの類については、広告の作り手が開き直りすぎで、こういう場で取り上げるには扱いに困る印象です。 祐一さんの華麗なる悩み と、石ころひとつでカネやオンナが望みのまま……という図々しい話が多い中で、「夢見工房」(見たい夢を見るサポートをするマシン。税込15540円)の体験談は、欲望丸出しなのにどこか謙虚な印象を受けます。 それから、出会い系サイトの広告も身も蓋もないものが多くて、私好みの物件はあまり見つかりませんでした。 ただ、女性向けの「お財布カレシ」だけ取り上げるのも不公平な気がするので、ひとつだけご紹介しておきます。 ほかの広告漫画も、コスプレ好きのセレブ人妻とすぐヤれる(漫画の画像)とか、ツインテおでこのロリ巨乳とすぐヤれる(漫画の画像)とか、だいたいそんな感じです。 その他、ダイエット・豊胸・増毛・パチスロ必勝法などなど、定番ジャンルはどれも膨大な量の広告が出ています。 厳選できていなくて恐縮ですが、たとえば、ペニス増強の広告だとこんな感じで……。 「ブラジル男根を手に入れる」だの「アマゾンの(以下略)」だの、「とにかく外国のスゴイヤツです」式のハッタリがガンガン出てくるのは昭和のプロレスのようです。 |
『うえの君物語』のこと | |
さて、そんな定番ジャンルのひとつが包茎関係の広告ですが、 こういう包茎広告漫画といえば、一番有名なのは、やっぱり『うえの君物語』でしょうか。 上野クリニックの公式サイトに「モテるぞ編」「モテモテ編」「かくれんぼ編」「脱皮編」「星に願いを編」「告白編」がありますが、それ以外のバージョンも各誌広告に掲載されています。 で、この漫画は1本ずつよりも複数まとめて見るほうがオススメなので、並べてみました。 うえの君はFacebookなどもやっているので多少キャラもわかってきたのですが、このピンクの服の女は謎だらけです。 |
最後に | ||||
そんなこんなで、今回、古めの雑誌を中心に広く浅く眺めていたのですが、途中から、何がヘンで何が普通なのかわからなくなってきて困りました。 なにかおかしい気もするけど、広告ならこれくらい普通かなぁ……みたいな。
ごめんなさい、らぶゆー言いたかっただけです(『アイカツ』のおとめ推し)。 あと、お約束なのでいちおうコレも。 45巻の表紙は、見ようによっては仲良し親子っぽくて大好きです。 |
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