昔のちゆニュース
◇「少女漫画」関係◇
平成13年05月19日:あのホモアニメがサウンドドラマで蘇る 平成13年07月25日:テレビアニメ版「X」はWOWOWで 平成13年08月10日:私たちの少女漫画アンケート 平成14年01月06日:「娘。物語」が人気 平成16年02月18日:「美メン」は普及できるのか 平成16年02月20日:「覇王」単行本第1巻が発売 平成17年01月24日:漫画雑誌の発行部数 平成18年02月14日:少女コミック、日本一売れてる少女漫画誌を名乗る |
平成13年5月19日 | あのホモアニメがサウンドドラマで蘇る | |
「グラビテーション」という漫画をご存知でしょうか。 連載は「きみとぼく」。作者の村上先生の代表作は「きみのうなじに乾杯!」。…そう、純正のホモ漫画です。 昨年の秋、これがWOWOWでテレビアニメ化され、男同士のキスシーンなど、幾多の問題映像が全国のお茶の間に流れました。 しかし、いったい何時の間にホモアニメが大手を振ってブラウン管に映れる時代になっていたのでしょうか。 はるか古代、子どもにマジカルステッキや超合金を売りつけることでのみ、テレビまんがはビジネスとして成立していました。魔女っ子の活躍や巨大ロボの戦闘はすべて玩具の宣伝。ソーセージの売れた本数こそ絶対。 しかし時は移り、そんな番組を見ながら培養されたオタクさんが大繁殖。中には、社会人でありながら収入のほとんどを魔女っ子に注ぎ込む者、バブルの余韻でまだ金がある親のスネをかじったバカ学生も多く含まれていました。 そこにLD・DVDといった複製技術の進歩が加わり、アニメそのものが商品として成立する時代が到来しました。 深夜枠など、テレビ局に払う金は抑えられる割に、オタク層は眠い目をこすって見てくれる時間帯があります。そこにLDやDVDの宣伝としてアニメを流すわけです。オタクは一度見た番組がそっくり収録されただけのDVDを購入してくれます。 WOWOWはこれに注目しました。 富野先生の久しぶりの新作・全裸美少女乱れ飛びアニメ「ブレンパワード」といったキラーコンテンツを用意して、オタク層の新規契約を目論んだのです。 さらに第1巻は1000円のOVAさながら、無料時間帯にもアニメを放送。「オタクアニメはWOWOW」というブランドイメージ作りに腐心しました。 ●全身ペイントの「南海奇皇(ネオランガ)」 ●ドリルでルンルンクルルンルンの「D4プリンセス」 ●傑作「OH!スーパーミルクチャン」 ●人気クリエーター新作路線その1:大地丙太郎「今僕」「月影蘭」 ●人気クリエーター新作路線その2:佐藤順一「ストレンジドーン」 ●人気クリエーター新作路線その3:米たにヨシトモ「まりんとメラン」 ●露骨なあざとさが逆にウケた「ハンドメイドメイ」 そうして大きなお友だちの支持を得たWOWOWは昨年の秋、今度はやおい層を顧客につけようと画策。ついに伝説の「闇の末裔」&「グラビテーション」コンボを世に送り出しました。 つまり、商売が成り立つほど美少年ホモアニメ好きのお姉さんが存在するから放送されるわけですね。資本主義・自由主義の社会として、極めてまっとうなお話しでした。 「最遊記」の峰倉かずや先生の納税額が赤松健を越えた現今、やおいビジネスの潜在需要は計り知れません。 さて。 何が言いたいのか自分でも分からなくなったところで今日のニュースです。 そのアニメ版「グラビテーション」の後日談が、「グラビテーション Sound Story」としてドラマCD化されます。グラビテーション公式ホームページに掲載された、出演声優陣へのインタビューによりますと…。
違う意味で期待大ですね。 |
平成13年7月25日 | テレビアニメ版「X」はWOWOWで |
「カードキャプターさくら」「魔法騎士レイアース」「聖伝」…。 そういった数々の人気作を生み出して、お子さま・やおいねーちゃん・ロリコンおたくから幅広く支持されている漫画家グループがCLAMP(クランプ)です。 元々は7人で始めた同人サークルですが、七穂せい・秋山たまよ・聖りいざが抜けて、現在は大川七瀬(シナリオ)・もこなあぱぱ(メイン作画)・猫井みっく(サブ作画)・五十嵐さつき(パシリ)の4人。 ちなみに、キャラを殺したり精神崩壊させたりは主に大川の仕業です。 最近では「ヤングマガジン」で青年誌にデビュー。 ゴミ捨て場から拾ってきた美少女型パソコンの女ドラえもんとイチャイチャする漫画「ちょびっツ」で人気を博しています。 そんなCLAMPのヒット作の1つが「X」です。「月刊ASUKA」で9年前から連載が続いている長編で、他の作品ともリンクしてCLAMPホモ系漫画の集大成と言われています。 やたら連載が長い点も含めて永井豪で言うところの「バイオレンスジャック」みたいですが、むしろ内容的には「デビルマン」です。 さて。 その「X」がテレビアニメ化されるという話は数年前から出たり消えたりでしたが、最近ようやく詳細が発表されました。時期は今年の秋で、放送局はWOWOWだそうです。 1999年が舞台の話が今ごろアニメ化されるのも何ですけれど。 ところで「X」は、5年前の夏に劇場版が上映されています。 監督が「銀河鉄道999」や「幻魔大戦」のりんたろう、主題歌がX-JAPANということで話題を呼びました。 作画のクオリティは高く、今でもセル画は1枚5万円くらいの値がつきます(最近は相場が少し下がったそうですけれど)。 また、原作が完結していないのでストーリーは劇場版完全オリジナル。 基本路線は主人公が親友とヒロインを守るために戦う物語ですが、ヒロインは途中であっさり死亡。 CLAMP入魂の人気キャラクターたちも5分に1人のペースで惜しげもなくバタバタと死んでいきます。 そして、主人公と親友は東京タワーで殺し合い。 親友の首を斬り飛ばした主人公がその生首を抱きかかえて「何でこんなことになったんだ」と泣き叫んだところでジ・エンド。 結局、登場人物は主人公以外全員死亡。ついでに東京は廃墟になりました。 同時上映が「スレイヤーズ」だったこともあって、あちこちの劇場で泣き出した子供を館外に連れ出す親御さんが続出。 一方で、首が飛んだ瞬間に子供が「首チョンパ!」と叫んで場内が笑いに包まれた映画館もあったそうですけれど。 ともあれ、そんな「X」のテレビシリーズ。 どんなトラウマアニメに仕上がるのか、そして譲刃ちゃんのパンチラはあるのか、今から楽しみです。 |
平成13年8月10日 | 私たちの少女漫画アンケート | ||||||||||
MANGAZOO.COMさんが行なった、「わたしたちの少女マンガアンケート」という調査の結果が出たそうです。 これは、ネット上で「好きな少女漫画家」「好きな少女漫画」などをアンケートしたもの。 統計資料としては色々と問題がありますが、「ネットで活動している少女漫画ファンの嗜好」の大雑把な傾向を考える参考になりそうです。 まず、「好きな少女漫画家」の1位は矢沢あい先生。 代表作の1つ「ご近所物語」はテレビアニメ化されましたが、男性アニメファンの中には「タラコくちびるでひいて観なかった」という方も多いと思われます。 2位は「神風怪盗ジャンヌ」の種村有菜先生。 テレビアニメ最終回のサブタイトルが「汝、神風となれ!」で、何か間違っていると感じさせてくれました。 神や悪魔のキリスト教的世界観と神国ニッポンの神風アタックをごっちゃにしたタイトル&コンセプトは、ヨーロッパ文化圏にバレたら靖国参拝くらい問題になる気もします。 一方、「好きな少女漫画」の1位は「ガラスの仮面」。 最近は毎月19日発売の「月刊ガラスの仮面」まで創刊されて、いよいよ訳が分からない漫画です。 単行本40巻の最後で紅天女を演じた月影先生がぶっ倒れてから、41巻が発売されるまでに約5年。 実は40巻の続きは平成2年から連載されていて、すでに2000ページ(単行本10冊分)以上描かれています。しかし、単行本では徹底的な改稿が行なわれて、連載時と同じ原稿は1枚も使われずに全編描き下ろし状態になるため、発売が遅れるそうです。 この辺りの事情は複雑ですので、興味のある方はガラカメモリーさんの4通り存在するコミックス40巻以降のストーリーなどをお読みください。 たぶんあと数年待てば42巻も出ると思いますが、このペースで進行すると、完結する前に確実に作者が死にます。 「好きな漫画」で1位に入りながら「好きな漫画家」ではベスト10にかすりもしないのは、その辺りで「作品は好きだけど、先生の人格はちょっと…」と思われているせいなのかも知れません。 さて。 ここで、「一般の少女漫画購読層全体」と「ネットで活動している少女漫画ファン」との傾向の違いを考えてみたいと思います。 日本雑誌協会のデータを信用するならば、少女漫画誌の発行部数は次のようになります。
しかし、今回のアンケートの「読んでる雑誌ランキング」では「花とゆめ」が1位。 2位「りぼん」、3位「別冊マーガレット」と続いて、「なかよし」は9位。「ちゃお」は18位でした。 「りぼん」に100万の部数差をつけられながら、ネットのアンケートでは勝ってしまう「花とゆめ」。 逆に、70万部を誇りながらも、ネットのアンケートでは6万部の「プチフラワー」にさえ負けてしまう「ちゃお」。 以上の結果から、少女漫画マニアなオタク女さんを口説くには「花とゆめ」をチェックするのが有効だと考えられます。 逆に、相手が少女漫画好きだからと言って「ちゃお」の話題をふるのは危険です。 恐るべし「花とゆめ」。 なお、「少女マンガ以外で好きな漫画」は、1位「ワンピース」、2位「スラムダンク」、3位「名探偵コナン」、4位「犬夜叉」、5位「MONSTER」。 どうやら「ネットでアクティブな少女漫画ファン」と言えども、1枚岩ではなさそうです。 ともあれ、ネットアイドルちゆは「ガラスの仮面」が無事に完結することを祈っています。 |
平成14年1月6日 | 「娘。物語」が人気 |
「漫画に関する言葉で、“スラム○○○”と言えば?」 これに「スラムダンク」と答えるか「スラムキング」と答えるかで、普通の人とオタク野郎を分別できるかな、と思った今日この頃です。 ※スラムキング…「デビルマン」の永井豪先生が掲載誌を転々としながら18年かけて完結させた長編「バイオレンスジャック」に登場。普段着の甲冑を外すと自分の筋肉で内臓を圧迫して死んでしまうほどのマッチョさんです。 さて。 たまに「○○物語」という漫画やアニメが作られます。古くは「ピンクレディー物語」から、変わったところでは「平成のシンデレラ・紀子さま物語」まで。その主役は、時代に合わせてさまざまです。 そして半年ほど前、少女漫画誌「なかよし」で「娘。物語」の連載が始まりました。 朝日新聞の記事によると、その人気で「なかよし」の発行部数は45万部から60万部に伸びたそうです。 編集長も「70万、80万部を目指したい」とゴキゲンのコメント。ライバルの「りぼん」はすでに130万部を超えていますが、頑張ってください。 ところで、12歳の猫耳メイド美少女が「お礼にたっぷりご奉仕するにゃんっ」の決めゼリフで活躍する でも、幼女にご奉仕されたくて「なかよし」を買い始めたお兄さんが日本に15万人もいるとは思いたくありませんね。 ともあれ、記事によると、「なかよし」の読者アンケートでは数年前から「なりたい職業」が漫画家・声優からアイドル・芸能人に変わってきているとのこと。 歌やダンスにメチャクチャ秀でたわけでもない「モーニング娘。」が、「自分でもなれそうなアイドル」として共感を得ているからだそうです。 …少し前までは、漫画家や声優が「簡単になれそうだ」とナメられていた模様。 そういえば、先日加入した新メンバーについて、「かわいくない」「歌も下手」「何で?」という声もありましたが、「あえて普通の子を選んだ」ということなのでしょうか。 その辺りは、つんくがかわいい子を食べ飽きてマニアックな趣味に走っただけという噂もありますけれど…。 ネットアイドルちゆは「なかよし」を応援しています。 |
平成16年2月18日 | 「美メン」は普及できるのか | ||
香代乃先生という漫画家さんがいます。 嫁姑バトル漫画「羅刹の家」で有名なレディコミ作家・井出智香恵先生の娘にして、数々のパクリ疑惑の持ち主という、話題の多い方です。 そんな香代乃先生、言語感覚やキャラクター造形のワンダーっぷりには定評があり、「美メン」と書いて「ビーメン」と読ませたりします。 そもそも「イケメン」という言葉からして、いかにも死語っぽいのにテレビや雑誌での使用頻度は高い流行語に見せかけたオバサン言葉みたいな単語。なにもそんなものをヒネらなくてもと思います。 ともあれ、先日スタートした先生の連載は、その「美メン」という造語をなぜか強烈にプッシュしている漫画「美メン華族」。 優秀な男性と子作りするために人間界にやってきた巨乳の魔女・めるもが、華族荘という建物で4人の美メンたちと同居する物語です。 要するにひなた荘に美形男がいっぱいの「ラブひな」みたいなものですが、その「美メンたち」の内訳は……。 (1)星くん 名前は「星」と書いて「キラリ」と読む。戦隊モノでデビューした役者で、「美しさは罪」が口癖のナルシスト(最近の少女漫画では、特撮俳優も憧れの男性の一種らしい)。 (2)ヤン先生 現代日本が舞台の物語なのに、この人だけ顔が平安貴族。もちろん、眉毛も全部剃り落としてからポツンと描き直す平安メイクです。 (3)ウエンツ丹波くん 米国人とのハーフ。スネ夫が武装錬金したような髪型が特徴。 (4)力丸くん 初対面の相手に向かって「天才なのでアインシュタインと呼んでください」と自己紹介するスゴイ奴。「天才なのでアインシュタイン〜」という理屈もよく分かりませんが、本名より遥かに長いアダ名は純粋に呼びにくそう。その後も「天才」とは設定だけのアホ言動を連発します。
さあ、この中から1人選んで子作りしろと言われても……。全員ツラは整っているのに常識がないのがキツイです。 ネットアイドルちゆは「美メン華族」を応援しています。 |
平成16年2月20日 | 「覇王」単行本第1巻が発売 |
「少女コミック」に、「覇王愛人」(ハオウアイレン)という少女漫画が連載しています。あらすじを簡単にご紹介しますと……。 ≪出会い≫ 主人公は、女子高生の来実ちゃん。バイトの帰り道、いきなり謎の男にキスされます。謎の男は来実ちゃんの服を破き、「騒いだらこの場でお前を犯る」と脅しますが、なんだかひどいケガを負っていました。やさしい来実ちゃんは、彼を家に連れて帰って手当てしてあげます。 ≪再会≫ 数日後、来実ちゃんは下校中いきなり黒塗りの外車に拉致されます。クロロホルムをかがされ、目が覚めるとそこは香港。実は、謎の男の正体は香港マフィアのボス・黒龍さん(18歳)でした。彼は、来実ちゃんが欲しくなって拉致ったのです。そして、来実ちゃんも黒龍さんのことを好きになってしまうのでした。 ≪初エッチ≫ 色々あって、やっぱり黒龍さんのことが信じられなくなる来実ちゃん。しかし、「二度と俺から離れられなくしてやる」と、黒龍さんは来実ちゃんをレイプ、監禁調教を始めます。どうにか逃げ出す来実ちゃんですが、すでに調教完了していたので、黒龍さんの体が欲しくて我慢できず帰るのでした。 ……と、毎回そんな感じ。 最近のエピソードでも、黒龍さんが来実ちゃんに銃口をくわえさせて「死にたくなければ誰よりも俺を愛すと今スグ誓え!!」と脅すなど、とにかく黒龍さんの逝っちゃった人っぷりが素敵です。 ちなみに、「少女コミック」の読者層は小〜中学生で、表紙には「読まなきゃヤバいっす!! おしゃれGirlsごよーたしっ!!」などと書いてあります。中身はエロゲーと紙一重なのに。 ところで、先日、「覇王」という漫画の単行本第1巻が発売されました。 これもイカれた漫画で、ちゆは「覇王愛人」と合わせて二大「覇王」バカ漫画と呼んでいます。 ただし、「覇王」は竹書房の「近代麻雀」に連載している麻雀漫画なので、「覇王愛人」のように誰にでも分かる明快なバカっぷりではありません。 とりあえず、「若い女性に人気のタッキー」と聞いて、タッキー&翼の滝沢秀明くんよりも先に“越後の奇跡”滝沢和典くん(麻雀プロ)を思い出すような人なら面白く読めます。 さて、「覇王」は、実在の有名麻雀プロを集めて武道館で麻雀大会をしたらどうなるか……というのを、特に取材もせずに想像でデッチ上げた漫画。 たとえば、一回戦Bグループのメンバーは、次の4人です。 (1)二階堂亜樹 “卓上の舞姫”というこっ恥ずかしいアダ名の人気女性プロ(姉の二階堂瑠美さんも麻雀プロで、麻雀界で二階堂姉妹と言えば、オタク界のはじるす姉妹のような存在です)。 本人は普通の人ですが、漫画ではムチムチ爆乳で目つきギンギンのヤクザの愛人みたいな女にアレンジされていました(本人に無断で)。 (2)井川洋平 他のプロは実名で登場しているのに、なぜか井出洋介さんだけファミスタの「くろまて」方式の変名で出演。竹書房との対立が原因なのでしょうか。 (3)安藤満 わざと無茶苦茶な牌を鳴くことで流れを変えるという技「亜空間殺法」の使い手。漫画では、「ならばもう一度……亜空間! 亜空間に総てを賭ける!!」などと叫んでは亜空間殺法を仕掛ける渋い中年オヤジに。 (4)哭きの竜 実在の麻雀プロに混じって、なぜか昔の漫画の主人公が出演。自分が遅刻しても「時の刻みは――俺にはない」とか言って謝らないくせに、他人の打牌が遅いと「早く打ちなよ。時の刻みは あんただけのものじゃない」と急がせる自分勝手な人。 客席ではなぜか死んだハズのヤクザたちが応援しており、竜がアガるたびに「竜ーッ!! うおおおおおおお」と熱い声援を送ります。 そして、試合開始。まず、なぜか漫画内での扱いが異常に悪い井川プロ(非実名)が哭きの竜に振り込み、「あんた 背中が煤けてるぜ」と言われて精神崩壊。……井出プロと竹書房の今後の関係が心配です。 その後、亜空間殺法VS哭きの竜という夢の鳴き対決が繰り広げられました。 また、「覇王」には“雀鬼”桜井章一さんも出演。 雀鬼様と言えば、20年間麻雀で負けていないという無茶なプロフィールで知られ、伏せてある牌が何かめくらなくても分かる超能力を持ち、一部で教祖様のように崇められている人物。 雀鬼様の偉業は何度も漫画化・映像化され、たとえばVシネマでは、麻雀を教義に使っているカルト宗教団体の教祖と5日間不眠不休で麻雀を打ったりしていました。 「覇王」に登場した雀鬼様は青スジ立てまくった痩せゴリラのようなデザインで、なぜか全身が発光しています。 そして、一回戦の最初からダブルリーチをかけ、あっさり倍満ツモ。さらに見ないで裏ドラを当てて、不思議がる対戦相手に「お前ら 裏すら…読めないのか」と言いがかりをつけるインチキな強さで楽勝でした。 今後、哭きの竜と雀鬼様という竹書房的に絶対負けさせられないキャラ同士の対決をどう決着させるのか、とても楽しみです。 哭きの竜が試合前に射殺されて会場に現れないとか、いよいよ決勝戦だ!というところで最終回とか……。 ネットアイドルちゆは「覇王」と「覇王愛人」を応援しています。 |
平成17年1月24日 | 漫画雑誌の発行部数 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出版業界には、発行部数は水増しして発表するという習慣があります。 「公称10万部で実際は5万部」などは当たり前で、日本雑誌協会の発行部数リストにも、そんな自己申告の部数がそのまま載っていました。 ところが、昨年11月、その日本雑誌協会が印刷所の協力を得て、多くの雑誌の印刷証明付の発行部数を発表。 あくまで「印刷された数」であって「実際に売れた数」とは違うのですが、とにかく、これまでよりは現実に近いデータが分かるようになりました。 そんなわけで、「マガジンデータ 2004」を購入。 「2003年9月〜2004年8月の1年間に発売された雑誌1号あたりの『平均印刷部数』」が載っているそうで、たとえば少年漫画誌なら、ジャンプが299万部、マガジンが272万部、サンデーが116万部でした。 ちなみに、載っていた中で一番部数が少なかったのは、「せりふの時代」の8475部。 「劇場では消えてしまう言葉を後世に残すという使命を帯びた戯曲雑誌」だそうで、s-book.comの雑誌紹介を見ると、「人間オルゴールがいると噂されるイタコ病院」とか「背中の肉を使って靴を作らせる」とか「酔いどれの小学生の見た酔夢」とか、なんとなく面白そうでした。 さて。 平成13年の夏、創刊されたばかりの「コミックバンチ」が表紙に「青年コミック週刊誌最高部数70万部突破」と書いて、多くの読者に100万部以上売れている「ヤンジャン」の存在はどうしたと不思議がられました(いちおう「ヤンジャン、ヤンマガを『ヤング誌』とカウントしているのではないか」説が有力)。 もちろん、70万部を超えたのは創刊直後だけで、平成14年の1月には40万部以下に落ち込んだわけですが、(自称)青年コミック週刊誌日本一だった雑誌の現在の部数はどうなのでしょうか。 週刊の「男性向けコミック誌」で、印刷部数の分かるものを比べると……。
……見事、ヤングサンデーに勝利! 「ヤングジャンプ」と「ヤングマガジン」は青年誌ではないと言い張れば、いまでも青年コミック週刊誌ナンバー3を名乗れそうです。 また、「少女コミック」は、平成15年10月に表紙で「月2回刊少女まんが誌No.1奪還」を宣言しました。 こちらは、「マガジンデータ2004」のデータ(平成15年9月〜平成16年8月)で確認してみたところ……。
……確かに、狙ったような微差で「No.1」でした。 ちなみに、以前「ショタ狩り」という本でコラムを書かせて頂いたとき、「女子高生が小学生の男の子と付き合う少女漫画」を思いつくだけ挙げてみたら、ほとんどが「花とゆめ」の作品でした(「ディア マイン」「オトナになる方法」「ぼくの地球を守って」など)。 たぶん、それが「花とゆめ」編集長の言うところの「半歩進んだ少女マンガ」なのだと思います。 一方、女児向けの少女漫画誌はこんな感じ。
80年代半ばから10年ほど公称200万部以上をマークし続けた「りぼん」ですが、とうとう「ちゃお」に抜かれたことになります。 まあ、毎日新聞の学校読書調査では、平成13年には小学校高学年女子の「よく読む雑誌」の1位は「りぼん」から「ちゃお」に入れ代わっており、今さらという気もしますけど。 また、男児向けのコミック&情報誌では……。
今まで当たり前のように「ボンボン最弱」を信じて生きてきたのですが、どうやら今の「Vジャンプ」は「ボンボン」より発行部数が少ないようです。 「Vジャンプ」が最近突然売れなくなったのか、単にギリギリまで水増しをやめられなかっただけなのかは、よく分かりません。 ところで、「マガジンデータ」には、発行部数の他に「編集長からのメッセージ」が載っています。 たとえば、小学館の少女漫画誌「Cheese!」(17万部)の場合は、「女子中学生、高校生に向けて作ったコミック誌。理想的な男の子とのおしゃれな恋愛を描いたまんがを満載!」でした。 ……えっと、小学館の考える「理想的な男の子」とは、寝ている女生徒の体を勝手にいじくりながら「いけ」「いけ」とつぶやく保健の先生とか、デート中に突然「アスパラガスってさぁ… 硬いし…長いし 少し苦くてくせがあるのに それでも何故かしゃぶらずにはいられない… なんだか○○○に似てないか?」と言い出す奴とかのことでしょうか。 あと、「おもしろい所に連れてってやっから」と言われてついて行ったらAVの撮影現場だったとか、女の子を「ヤリマン」呼ばわりしてレイプしちゃったけど「嬉しい… 大好きっ」と応えられてハッピーエンドとかは、女子中学生に読ませたい「おしゃれな恋愛」だったのですね。 そんなこんなで、興味深いデータが多い「マガジンデータ」。ネットアイドルちゆは日本雑誌協会を応援しています。 |
平成18年2月14日 | 「少女コミック」、日本一売れてる少女漫画誌を名乗る | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
昨年、「少女コミック」が表紙で「日本で一番売れてる少女まんが誌!」と宣言しました。 以前から「月2回刊少女まんが誌No.1」を名乗っていた「少女コミック」。 そこから、めでたく「月2回刊」がとれて「祝! 少女まんが誌No.1奪取」となったわけですが、もしも本当に「ちゃお」や「りぼん」よりも「少女コミック」の方が売れているのだとしたら、立派な超常現象です。 とりあえず、「月2回刊行少女まんが誌No.1」から「少女まんが誌No.1」に至るまでの、表紙のアオリ文句と中身の日本一らしからぬ部分を簡単に振り返ると……。 ≪平成15年≫
≪平成16年≫
≪平成17年≫
そんなこんなで、おしゃれなモテ系女子中高生から圧倒的な支持を受けているらしい「少女コミック」の世界では、修学旅行を抜け出したカップルがこっそり青姦駅弁ファックとかは当たり前。 授業中に隣の席の女子の股間に指を入れたり、学校の廊下で偶然ぶつかった見知らぬ女生徒を「可愛いじゃん」とレイプしたり、教師が生徒のマンコ写真を撮って脅迫したり、学校はセックスドリームランド状態。 かっこいい男子高校生の自己紹介は「趣味はSEX。好きな言葉はM字開脚です」で、かわいい女子高生は告白を断られても「待って! 私 セフレでもかまわない!!」と食い下がります。 学校の外はさらに危険で、仲良く貧乏人をレイプする金持ち親子や、結婚式を直前に控えたウェディングドレス姿の花嫁をレイプして「幸せになんか させない」と中出し妊娠させた医者など、変態レイパーが大集合。 エロ処世術で成り上がった若手イケメン国会議員は、「最近ババアばかり抱いていて胸やけがしてたんだ」と独り言をつぶやきます。 さて。 昨年の8月、そんな少女コミックが、「おかげさまで、少女コミックは、日本で一番売れている少女まんが誌になりました!」と宣言しました。 日本雑誌協会の「マガジンデータ」によると、昨年8月までの1年間の「少コミ」の印刷部数は平均30万部です。 しかし、同じ期間の「ちゃお」は103万部。他にも、「りぼん」(54万部)、「なかよし」(46万部)、「別冊マーガレット」(36万部)といった月刊誌が、「少コミ」よりもたくさん印刷されています。 好意的に解釈するなら、「少コミ」は30万部×月2回=月に60万部なので、月刊で54万部の「りぼん」より上だと言っても、ギリギリウソではないような気がしないこともありません。 問題は3倍しても届かない「ちゃお」の存在ですが、幸いなことに、「ちゃお」は「少コミ」と同じ小学館。とりあえず文句を言う奴はいません。 ……まあ、本当は、「日本で一番売れている(月2回刊)少女まんが誌」と省略されているだけだと思いますが、以前はちゃんと書いていたものをある時から急に伏せるようになった理由は謎です。 ちなみに、月2回刊の少女まんが誌に限っても「少コミ」のトップは安泰ではなく、ここ数年は「花とゆめ」と数千部差のデッドヒート。 「少女まんが誌No.1奪取」宣言も、「ちゃおを抜いて日本一の少女まんが誌になったよ!」という意味ではなく、「ちょっと前に『少コミは隔週少女まんが誌トップ独走中!』って宣言したけど、実はあの後、あっさり『花とゆめ』に抜かれちゃってたんだ。でも、なんとか再逆転できたよ!」という意味かと思われます。 ともあれ、本当に日本一を勝ち取った「ちゃお」と同じ小学館の「少コミ」が、その名誉を横取りするような表現を使うあたり、ひどい話だと思います。 まあ、「別冊マーガレット」の編集長だって「常に少女まんが界のトップにある本誌」とフカしておられますし、たいした問題ではないのかも知れませんけど。 ネットアイドルちゆは「少女コミック」を応援しています。 |