昔のちゆニュース
02月14日:少女コミック、日本一売れてる少女漫画誌を名乗る 03月29日:「MMR」の石垣ゆうき先生のマジック漫画が完結 04月01日:「薔薇族」が復刊してからまた廃刊になるまで 05月04日:「テニスの王子様」のヒロインの顔が変わった? |
平成18年2月14日 | 「少女コミック」、日本一売れてる少女漫画誌を名乗る | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
昨年、「少女コミック」が表紙で「日本で一番売れてる少女まんが誌!」と宣言しました。 以前から「月2回刊少女まんが誌No.1」を名乗っていた「少女コミック」。 そこから、めでたく「月2回刊」がとれて「祝! 少女まんが誌No.1奪取」となったわけですが、もしも本当に「ちゃお」や「りぼん」よりも「少女コミック」の方が売れているのだとしたら、立派な超常現象です。 とりあえず、「月2回刊行少女まんが誌No.1」から「少女まんが誌No.1」に至るまでの、表紙のアオリ文句と中身の日本一らしからぬ部分を簡単に振り返ると……。 ≪平成15年≫
≪平成16年≫
≪平成17年≫
そんなこんなで、おしゃれなモテ系女子中高生から圧倒的な支持を受けているらしい「少女コミック」の世界では、修学旅行を抜け出したカップルがこっそり青姦駅弁ファックとかは当たり前。 授業中に隣の席の女子の股間に指を入れたり、学校の廊下で偶然ぶつかった見知らぬ女生徒を「可愛いじゃん」とレイプしたり、教師が生徒のマンコ写真を撮って脅迫したり、学校はセックスドリームランド状態。 かっこいい男子高校生の自己紹介は「趣味はSEX。好きな言葉はM字開脚です」で、かわいい女子高生は告白を断られても「待って! 私 セフレでもかまわない!!」と食い下がります。 学校の外はさらに危険で、仲良く貧乏人をレイプする金持ち親子や、結婚式を直前に控えたウェディングドレス姿の花嫁をレイプして「幸せになんか させない」と中出し妊娠させた医者など、変態レイパーが大集合。 エロ処世術で成り上がった若手イケメン国会議員は、「最近ババアばかり抱いていて胸やけがしてたんだ」と独り言をつぶやきます。 さて。 昨年の8月、そんな少女コミックが、「おかげさまで、少女コミックは、日本で一番売れている少女まんが誌になりました!」と宣言しました。 日本雑誌協会の「マガジンデータ」によると、昨年8月までの1年間の「少コミ」の印刷部数は平均30万部です。 しかし、同じ期間の「ちゃお」は103万部。他にも、「りぼん」(54万部)、「なかよし」(46万部)、「別冊マーガレット」(36万部)といった月刊誌が、「少コミ」よりもたくさん印刷されています。 好意的に解釈するなら、「少コミ」は30万部×月2回=月に60万部なので、月刊で54万部の「りぼん」より上だと言っても、ギリギリウソではないような気がしないこともありません。 問題は3倍しても届かない「ちゃお」の存在ですが、幸いなことに、「ちゃお」は「少コミ」と同じ小学館。とりあえず文句を言う奴はいません。 ……まあ、本当は、「日本で一番売れている(月2回刊)少女まんが誌」と省略されているだけだと思いますが、以前はちゃんと書いていたものをある時から急に伏せるようになった理由は謎です。 ちなみに、月2回刊の少女まんが誌に限っても「少コミ」のトップは安泰ではなく、ここ数年は「花とゆめ」と数千部差のデッドヒート。 「少女まんが誌No.1奪取」宣言も、「ちゃおを抜いて日本一の少女まんが誌になったよ!」という意味ではなく、「ちょっと前に『少コミは隔週少女まんが誌トップ独走中!』って宣言したけど、実はあの後、あっさり『花とゆめ』に抜かれちゃってたんだ。でも、なんとか再逆転できたよ!」という意味かと思われます。 ともあれ、本当に日本一を勝ち取った「ちゃお」と同じ小学館の「少コミ」が、その名誉を横取りするような表現を使うあたり、ひどい話だと思います。 まあ、「別冊マーガレット」の編集長だって「常に少女まんが界のトップにある本誌」とフカしておられますし、たいした問題ではないのかも知れませんけど。 ネットアイドルちゆは「少女コミック」を応援しています。 |
平成18年3月29日 | 「MMR」の石垣ゆうき先生のマジック漫画が完結 | ||||||||||
漫画でマジックを扱うのは難しいです。 トランプで敵を切り刻んだり燃やしたりする『魁!!男塾』の男爵ディーノのように、手品というか殺人奥義を繰り出すだけなら大丈夫ですが、本格路線のマジック漫画を目指すと、いわゆる「タネあかし問題」に突き当たります。 たとえば、少年ガンガンの「マジック・マスター」は、啓蒙のためのタネ明かしは必要という立場のマジシャンを監修に据え、漫画の中で本格的な手品のタネを紹介しましたが、反対の立場の人たちがこれに反発。 大阪奇術愛好会の方は、「マジック・マスター」のトレーディングカードについて次のように述べました。
これに対して、カードを作った側のマジシャンは、「(ブースターパックは)友達と交換して集めるという『トレード』のために存在するのです」「ホームページの中には、間違った情報、浅い考察のみで根拠のない結論に帰着しているものが見受けられます」「間違っても単なる誹謗中傷記事だけを鵜呑みにすることなきようお気を付けください」と一言多い反論。 この辺の場外乱闘は、漫画の内容よりも面白かったです。 ……さて、そんな前置きとほとんど関係がなくて恐縮ですが、最近話題のマジック漫画といえば、ボンボンに連載された「マジシャン探偵A」です。 児童誌の制約の中で推理とマジックのドッキングという時点でダメそうな気がしますが、作者は「MMR」の石垣ゆうき先生。 「MMR」とは、キレる若者や不眠症について調べていくうちに、「市販のクッキーには目に見えない文字で『SEX』『SEX』と刻印されている」「平成の米騒動はヒトラーの末裔の仕業」といった衝撃の事実をデッチあげていき、最後は「1999年に人類は宇宙人に憑依されて異形の新人類と化すんだよ!」などと断言してしまう凄い漫画ですが、石垣ゆうき先生のナイスな画力のおかげで、当時の子供たちはけっこう本気で信じていました。 そんな石垣ゆうき先生が描いたマジック漫画はどうなったのか、「MMR」と比べてみると……。
なんだってー!! ……いえ、本当はたまに「なんだってー!!」と叫んだり、ちょっとヒトラーが出てきたりするだけで、それほど「MMR」に似た漫画ではないのですが、もはや石垣ゆうき先生の絵で「なんだってー!!」と叫ぶだけでギャグとして成立するということは、ご本人も自覚してやっておられるようです。 そして、最初の方は子供向け手品を絡めた「金田一少年の事件簿」みたいな話だったのが、気がつくと「くらえ!! 鳳凰の舞!!」「フン キサマの太刀すじは すでに見切っている!」というバトルを繰り広げているのもこの漫画の熱いところ。 マジシャンのハズなのに原理はまったく不明だけど電撃が出せる古代エジプトの杖を使って敵を攻撃したりする辺り、手品とか推理よりバトルの方が面白いという真理に辿り着いてしまったようです。 クライマックスでは、強敵の正体が実は親父だったとか、かするだけで絶命する猛毒を塗ったカードを投げつけて攻撃とか、「私にかまわず仕留めるんだ!!」とかで盛り上がった末に、主人公が空を飛び、仲間たちの生霊を背負いながら竜を出して攻撃していました。 さて、そんな「マジシャン探偵A」と「MMR」の最大の違いはエロです。 男5人がひたすら世紀末を語り合う男濃度全開の「MMR」と違って、「マジシャン探偵A」には、勝ち気でメガネの生徒会長っ娘や、自分の血を舐めながら「イイ‥‥たまらない‥‥ゾクゾクしちゃう‥‥」と笑うゴスロリ美少女14歳が登場。 ちなみに、ゴスロリキチガイ娘は2話ほどしか出演していないのに読者投票では大人気で、わざわざコロコロではなくボンボンを買うような子供はやっぱりどこかおかしいと思いました。 ともあれ、主人公がエロガキなので、女性キャラの多くがスカートめくり・女湯のぞき・おっぱいポヨポヨといったセクハラを受けているのですが、そんな中、やたらとガードが堅くて何のサービスもなかったのが、主人公の仲間の「キュラリーン」の効果音で変身する巫女さんでした。 第30話「巫女危機一髪!!」は、そんな巫女さんにエロいことをするためだけに描かれたと思われるエピソードです。 まずは冒頭、主人公が巫女さんにスカート(ハカマ)めくりを敢行しますが、巫女さんは古代エジプトの杖からバリアを放出してガード。その鉄壁ぷりを改めて見せつけて、読者をガッカリさせます。 そこで、今回の敵が登場。物語の本筋は、十二星座の名前を冠した番人の部屋を順番に突破していくというちょっぴり聖闘士星矢な展開の真っ最中ということで、今回の敵はカニ座の番人です。 目に見えない糸を使ったちょっぴり男塾な仕掛けで、巫女さんは捕まってしまいます。 すると、カニ座の番人、「少し楽しませてもらおうガニ!!」と言い出して、いきなり巫女さんのハカマをめくります。 「おお〜〜!! なんと美しいおみ足!! 赤いハカマからのぞく真っ白い足!!! 何とも言えずビューティフルだガニ!!」と、カニ大喜び。 かの「聖闘士星矢」では、美形の猛者が多い黄金聖闘士の中にあって、カニ座のデスマスクは「まきぞえになったガキが結構いたかもしれんが これも悪をこらしめるためのささいなことだ! 戦争でもいちいち女子供をよけて爆弾をおとしているわけでもあるまい。それとおなじだクククク」などの名言を残したクソ野郎でした。 この「マジシャン探偵A」でも、カニ座の番人はロリコンで足フェチの変態コスプレ親父ということで、カニ座は人間の最下層という少年漫画の伝統に忠実に従っています。 ちなみに「聖闘士星矢」で最悪の発言は、乙女座のシャカの「きみがたすかるすべが、ただひとつだけある。大地に頭をすりつけ、このわたしをおがめ! それによって万にひとつきみはすくわれるかもしれん!」だと思いますが、こちらは美形で強いので、単に人間が卑しいカニ座よりはマシです。 ともあれ、カニ座=変態の暴走は止まりません。「次は違うシチュエーションで楽しませてもらうガニ」と言いつつ、巫女さんのハカマを脱がせます。
脱がされる場面はけっこう危ない絵ヅラですが、小さいコマでサッと流すことで事なきを得ています。もちろんハカマを脱がす必然性など微塵もなく、とにかくどうしても着物姿にさせたかったんだという石垣ゆうき先生の強い意志が感じられます。 「ハカマ姿もよかったけど白衣だけというのもシンプルイズベスト!! コ──フンするガニ!! まさにジャパニーズ着物超セクシーガニ!!」とハッスルするカニ親父が、なんだか石垣ゆうき先生の分身のように見えてきました。 そして、ついに着物をめくりにかかる石垣ゆうき先生。 男の子のスカートめくりは単なるイタズラですが、真性変態のオッサンが小学6年生を拘束した上でめくるのは、シャレで済まない絵ヅラです。 さすがにこの辺が限界なのか、ここで主人公が助けに入り、わざと大量に出血して、見えない糸に血のりをこびりつけて見えるようにするという、マジシャンらしいんだか何だかよく分からない作戦でカニ親父を撃破。 ついに巫女さんの下着は見えませんでした。 ……と思ったら、最後の1ページで、主人公が大量出血で巫女さんを油断させた不意をついてスカートめくりを敢行。 見えそうで見えないの連続で引っ張りまくって実は見えない方がエロいということを強くアピールした上で、でもそれはそれとして見たいという要求にもしっかり応えてくれるさすが石垣ゆうき先生! 終わってみれば、このエピソード全体が最後のパンツを効果的に見せるためだけに練り上げられたようにも思える、見事な構成でした。 ちなみに、「マジシャン探偵A」は先月のボンボンで大団円を迎えましたが、その最終回記念企画で、この「巫女危機一髪!!」が石垣ゆうき先生ご自身が選ぶ「マジシャン探偵A」Best1エピソードを受賞。添えられたコメントは、「描いていて楽しかった回です」という男らしすぎる告白でした。 ネットアイドルちゆは石垣ゆうき先生を応援しています。 |
平成18年4月1日 | 「薔薇族」が復刊してからまた廃刊になるまで | |||||||||||||||||
平成16年の9月に、「薔薇族」が廃刊になりました。 編集長によると、インターネットの普及につれて、急降下で売れなくなっていったとのこと。 薔薇族の文通欄は、「893関係の親父さん、兄貴と交際したいです。僕を優しく抱いて下さい」「薄いビキニ1枚で激しいセックスをしませんか。スーパービキニ1枚でモッコリ部分をコスり合わせたり」といった出会いの場になっていましたが、その機能がネットに移ったのが大きいようです。 しかし、最初は薔薇族のパクリ雑誌みたいだった「バディ」は、若者をターゲットにした内容で独自性を見い出し、現在はホモ雑誌界の売り上げナンバー1となっています。 その辺に可能性を見い出したのか、メディアソフトという出版社が名乗りをあげ、平成17年4月から「薔薇族」の復刊が決定します。 メディアソフトの広報部によると、「現代のニーズに合わせてリニューアルすれば、ゲイ読者はもちろん一般読者も獲得できる」とのこと。編集長も「オタク世代も取り込んでいきたい」と発言しておられます。 どうやら、ちゆのようなオタク世代の一般読者も取り込みターゲット層に入っているらしいということで、以下、その目線から、復刊後の「薔薇族」を読んだ感想などを好き勝手に書かせていただきます。 表紙の変化 とりあえず目立つのは、表紙の変化です。
「薔薇族」の表紙といえば、長い間、木村べん先生や内藤ルネ先生のイラストでしたが、それも時代の流れで変化。廃刊前の1年ほどは、なぜかどこかで見たような男の子の似顔絵でした。 復刊後は、男の子の写真を中心に記事内容や執筆陣を紹介する形で、要するに「バディ」みたいな表紙になりました。 表紙のモデルさんは、最初はホストみたいなイケメンの兄ちゃんが多かったのですが、その後、短髪系に移行。 この辺の選択は難しいらしく、読者投稿欄を見ても、「復刊号の表紙は美しいです。男の性欲をかりたてるグラビアである」という声もあれば、「カラーグラビアがガキジャリ路線で、嫌悪感の何ものでもありません。自分の孫世代の裸体を見たくも興味もありません」という意見も寄せられています。 やおいへの興味 復刊2号には、「異性愛者の眼に、同性愛はどのように映っているのか」という主旨で、ノンケのエロライター・安田理央さんにインタビューする記事がありました。 インタビュアーの編集さんは、ボーイズラブ好きの女性層を「薔薇族」の読者にできないかということに興味津々で、その辺を質問します。
「やおいもホモも似たようなもの」という誤解は意外と多いのですが、安田さん、ちゃんと完全に関係のない世界と仰ってくれました。 それを受けて、編集さんは……。
なんだか微妙に理解されていないような気もします。 確かに、女性向け漫画誌を、もう少しホモの方でも読みやすい方向に直すことはできるかも知れませんが、「薔薇族」を延長してオタク女性層が買うものにするのは、ほとんど不可能でしょう。 でも、実体験がある人からすれば男同士の正常位はリアリティがないというのは一般読者には新鮮な情報で、またひとつ賢くなれました。 仮面ライダー響鬼 復刊3号の「子役の小箱」というコラムでは、編集さんが「仮面ライダー響鬼」の明日夢くん(栩原楽人)を見た感想が載っていました。
……ほっぺや瞳はさて置き、明日夢くんのヒビキさんラブラブっぷりが良いというのは、わりと共感できます。 そういえば、コミケで買ってきた女性向け同人誌の中にも、ヒビキさんに影響された明日夢くんが「鍛えてる男の人ってイイよね…」とホモ雑誌のグラビアを眺めてうっとりするというギャグがありましたし、この辺は接点になり得るのかも知れません。 とか思ってコラムを読み進めると、第15話を見た感想では……。
……すみません、やっぱり見てるとこ違いました。 ゲイも満足! 一般エロ漫画 復刊7号には、「ゲイも満足! ここまでキてるか! 男子エロ表現! ノンケエロ本屋でノンケのふりして見てみよう!」という特集がありました。 一見、「バディ」のボーイズラブ特集に似ているようですが、やおい系の話題は取り上げず、男性作家が描いた作品ばかり、それも、特にチンコの描写が良いものを中心に紹介しているのが特色です。 とりあえず、一般エロ漫画全般の感想は……。
作家別では、鬼窪浩久先生は「チンコの描写が凄い」「チンコはデカデカクッキリ」、ひんでんブルグ先生は「描写や展開のイヤらしさには定評があり最高にソソられる」という感じで紹介。 ちゆもコラムを書かせて頂いた「少年愛の美学」シリーズも「筆者お勧め」という評価を頂いており、ありがとうございます。 また、秋緒たかみ先生の作品は、射精時にチンコが締まる「キュウッ」という擬音を入れたりとか、一般エロ漫画の文脈から出てこないような表現が多くて凄いと思っていたのですが、この特集でも「チンコの柔らかみ暖かさが伝わってくる」などと特に高い評価で、やはりホモの方が見ても良いみたいです。 男の補習 復刊後の「薔薇族」で印象的だった漫画は、3号目に掲載された、千歳アキラ先生の読切「男の補習」です。 主人公は、ちょっとナヨナヨした学校の先生。教え子の男らしい不良・大岩くんに密かに惚れています。 授業中、大岩くんに教科書を読めと命じた先生。大岩くんが立ち上がって教科書を読んでいる間、密かに苦悩します。 「大岩…そんなに素直に立たないでくれ… どうしておまえのような男が… こんなせまい教室で そんな小さな椅子に座り… ボクのような男の言うことをきいて大人しくしていなければいけないのだろう? そんなおまえを見ているのがつらい…」 「大岩… こんな画一的な教育が おまえのような野獣に必要なのだろうか… そう おまえは野獣なんだ 何者にもひれ伏すことのない たくましき野獣なんだ サラリーマン教師のボクの言うことなど聞くな!!」 そして、先生の妄想がスタート。 妄想の中の大岩くんは、先生に教科書を読めと命令されると、「おまえのような教師野郎が… このオレに指図するんじゃねえよ おまえ『男』ってもんが分ってねえだろ?」と凄み、「見ろッ!! これが『男』だよ」と叫ぶと制服を脱いで全裸になり、勃起したチンチンを見せつけます。 先生の服をひんむいた大岩くんは、「かわいいケツしてるな おまえ こんなケツしながら このオレに命令など千年早ぇッ!!」とスパンキング。さらに、「おまえにもっとも不足しているのは『男』だ」「てっとり早いのは男のエキスの…直腸注入!!」と挿入します。 先生は、「ああ…大岩のエッチーッ!!」と大喜び。 大岩「オレはまわりくどいことはせん!! 直接核心に突くッ!!」 先生「すごいッ!! 大岩って男!! 大きすぎるッ!! たくましすぎるッ!!」 大岩「くらえッ!! 『男』をッ!!」 先生「ひゃぁあーッ!!」 ……という感じで、妄想シーンが終了。 その後、大岩くんと2人だけの放課後の補習授業の場面に移り、大岩くんが「かわいいケツしてるな」などと言ってきて、妄想が現実になりましたというハッピーエンドでした。 70年代の漫画みたいな表現と最近っぽい白目をむいたアヘ顔が混在する不思議な画風など、オタク読者にも興味深いところが多い作品です。 ちなみに、2号後の読者投稿欄には、「『男の補習』に興奮しました」という50歳の方からのお便りも届いていました。 再廃刊 そんな「薔薇族」も、結局復刊8号で再び廃刊。 編集長によると、「『薔薇族』もネットという、わけのわからないものに毒されてしまったということだろうか」「若者にターゲットをしぼったものの若者にそっぽをむかれてしまった」とのことでした。 でも、オタク読者の視点から見ても、唐沢俊一さんの対談や木村べん先生の特集など、読み物ページのほとんどは作り手の意図通りに面白かったです。 特に、復刊3号〜4号に掲載された、田亀源五郎先生や竹熊健太郎先生が石原豪人先生について語ったトークライブを文字に起こしたものは、後世に残すべき貴重な資料だと思います。 2人の男が絡んでいる上空に親父とペガサスが浮かんでいるイラストをホモの方はどのように見るのかを田亀源五郎先生が直々に解説してくれたり、読みごたえがあって勉強になります。 ※石原豪人先生……怪獣ものや大図解、「ファミ通」にやたら艶めかしいマリオを描いたりといった幅広い仕事で知られる、挿絵界の怪人。オタクは「坊ちゃん」を読んで女中の清に萌えたりしますが、石原豪人先生の「謎とき 坊っちゃん」によると「坊ちゃん」は実はホモ小説で、清も本当は「キヨシ」というオカマなのだそうです。 そんなこんなで、「薔薇族」ならではのテーマの読み物記事の数々は、もっとオタク層に受けても不思議はなかったと思いますが、やっぱりそもそも「薔薇族」の看板で一般読者を取り込もうとすること自体に無理があったみたいです。 |
平成18年5月4日 | 「テニスの王子様」のヒロインの顔が変わった? | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
昨年3月12日のニュースでも触れましたが、週刊少年ジャンプに連載中の「テニスの王子様」は、とてもCOOLな漫画です。 たとえば、「皇帝」と呼ばれる中学生が、相手選手に向かって「絶望と共に散るがいい!」と凄みながら「究極奥義『風林火山』」なるテニス技を放ったり、「殺し屋」と呼ばれる中学生が、怒りと共に全身から凄まじいオーラを放出させた相手選手に「そのチンケなオーラで何を見せてくれるのかな?」と言い放ったり、試合中に突然日本刀を持ったサムライの幻覚が見えたり……。 そんな「テニスの王子様」の作者・許斐剛先生が、昨年末に全治6か月のケガをされてしまったそうです。 それでも「気力で描きました」と、ページ数を減らしたりしながらも連載を続けてくれていた許斐先生ですが、やっぱり無理があったのか、先日から1か月の休載となりました。 そうして、1か月ぶりに再開した「テニスの王子様」を読んだところ、物語のヒロインである桜乃ちゃん(12歳)の顔に、なんとなく違和感を覚えました。
7年ほどの連載で作中では5か月しか進んでいないのですが、こうして変化を見ると、最新号ではずいぶん 一方、主人公・越前くん(名前の由来は大岡越前)の最大のライバルである遠山金太郎くんも久しぶりに登場しましたが、こちらはあまりにも変わらなさ過ぎるのが気になります。
一瞬コピーかと思ったのですが、2枚を重ねてみたところ、目・鼻・口・輪郭のカーブは大体一致しますが、線の強弱には差があり、髪の毛も違いました。 正直、それが何を意味するのかはよく分かりませんが、ケガでペンを握れる時間に限界のある先生の代わりに このコマの作画を任されたアシスタントの方が、先生の描くキャラクターの美しい目鼻立ちを崩すわけにはいかず、苦悩の末に過去の絵を忠実になぞった……という妄想ができなくもありません。 あと今回、ドロボーにテニスボールを叩き込んで倒す場面がありましたが、そのドロボーが6年前に登場したドロボーと同じ奴です。
しかし、前にドロボーが現れたのは春でしたが、今回は夏ということで、長袖を半袖にする配慮を忘れないのは流石です。 以前と同じドロボーが同じオバサンから同じカバンを奪っているのはOKだけど、夏に長袖を着ているのは不自然だから直すという判断基準が素晴らしくCOOLです。 また、6年前は「どけどけー!!」「うわっ」「ギャ!!」という普通の日本語を使っていたドロボーが、今回は「どけどけー!!」「ひゃっひゃっひゃ!」「げひぃぃ!!」など、COOLなボキャブラリーの持ち主に成長。 これだけで、この漫画が6年間でどのような進化を果たしたのかを知ることができます。 さて、金太郎くんの顔が同じなのは諸々の事情、ドロボーが同じ人なのはCOOLなギャグだとして、気になるのは、桜乃ちゃんの顔の変化です。 そういえば、桜野みねね先生の「まもって守護月天!再逢」でも、キャラの顔が急に別人になったことがありました。
これについては、ひねくれ市民球場さんの情報を読む限りでは、途中から桜野みねね先生ご本人ではない、別の方が作画をされていたようです。 理由は、みねね先生が「不安定」で漫画を描けなくなっていたということのようですが、そんな風に漫画家が漫画を描けなくなるのは、わりとよくあることです。 たとえば「消えたマンガ家」によると、鴨川つばめ先生は「マカロニほうれん荘」の連載後、机の1メートル以内に近づくことすらできない状態が何年も続いたそうですし、冨樫義博先生は「幽遊白書」の連載中、「原稿に向かうと、ハキ気がする位 漫画を描きたくなくなった」そうです。 もちろん、ジャンプで長期連載中の許斐先生にも、肉体的・精神的に相当な負荷がかかっているのは確実で、たとえ「テニスの王子様」が突然「青学はウソのようにボロ負けした」と最終回を迎えたとしても、不思議には思いません。 ただ、許斐先生は、新人漫画賞の審査員になった際、「煮詰まった時の気分転換の方法は?」という問いに、「煮詰まっているようではプロになれません。煮詰まるな!」と答えたほどの猛者。 近況欄を見ても、冨樫先生が「頭痛がします」「特記すべきことはないです」などのダウナー発言を連発するのに対して、許斐先生は、「凍えるような夜に玄関先で蚊を発見! 無茶だなぁ。また暖かくなってから戦おうぜ」と、さわやかに昆虫に語りかけます。 少なくとも読者に見える範囲では創作意欲の衰えを感じさせず、ケガをされる直前にも、「イラスト集『30.5』の描き下ろしを描きまくってます! 1点でも多く描くからね」と宣言。 週刊連載の合間に40点の描きおろしイラストを執筆というファンサービスっぷりでした。(それだけ頑張ってもアマゾンのレビューには「新しいイラストがもっと欲しかったです」といった声が寄せられてしまうあたり、漫画家というのは本当に大変な職業です) そんな感じで、漫画が描けない状態よりは、ケガの激痛に耐えながら「COOL! COOL! COOL! COOL!」と絶叫してペンを走らせる姿の方が容易に想像できる許斐先生。 そこで、改めて冷静に桜乃ちゃんの変化を追ってみますと……。
……すみません、もっと唐突に老けた印象だったのですが、最近の絵を加えて並べてみると、思ったより自然な変化でした。 実は、桜乃ちゃんがヒロインらしく扱われていたのは連載2年目までで、連載3年目は本編に一度も登場していません。 さすがにマズイと思ったのか、4年目には3話に分散して合計12コマほど出演しますが、5年目はまた出番が減って顔が米粒くらいの大きさの1コマだけの登場でした。
しかし、6年目には、1話だけの出演ですがなんと21コマも登場し、彼女の平常時4年分に匹敵する圧倒的な存在感を見せつけます。 ただ、その反動は大きかったらしく、それから1年半に渡って出番がなくなり、今回の登場は、平成16年10月6日以来の生存確認となりました。 そんなわけで、ちゆが感じた違和感は、桜乃ちゃんが急に変わったというよりは、許斐先生の絵柄の変化に桜乃ちゃんの出番が追いついていないだけのようです。なんだか余計な心配だったようで、失礼いたしました。 ネットアイドルちゆは許斐剛先生を応援しています。 |