昔のちゆニュース
◇平成17年3月〜◇
平成17年03月01日:お昼のドラマで交通事故が連発 平成17年03月05日:マジレンジャーのリーダー争い 平成17年03月12日:COOLドライブ 平成17年03月23日:ヤングガンガンの方向性 平成17年04月01日:お酒を浣腸する人 平成17年05月03日:「小学六年生」がリニューアル 平成17年06月20日:さよなら絶望先生と板垣恵介先生のルーツ 平成17年10月12日:「メイドさんロックンロール」がカラオケに配信されるかも? |
平成17年3月1日 | お昼のドラマで交通事故が連発 |
昨年9月から、日本テレビが「ドラマチック韓流」なる枠を作って、韓国のドラマを放送しています。 韓国ブームだから「悪くても7〜8%はいく」と思って始めたら、滑り出しから視聴率1〜2%台を連発して、別の意味でもドラマチック。 その今日の放送は、韓国で最高視聴率44%を記録したというドラマ「サンドゥ、学校へ行こう!」の最終回でした。 主人公のサンドゥは、娘の病気を治すために有閑マダムを誘惑して大金をだましとったことで、通報されました。 刑事から逃げたサンドゥは、捕まる前に好きな女に会いに行きます。彼女はサンドゥに「永遠に消えて」と言い放ちますが、彼が逮捕直前だと知ると、急に態度を変えて「別れたくない」と泣き出します。 そして、サンドゥは1年間のおつとめを終えて出所。それを待ち続けていた彼女と再会します。 ところが、そこに狙ったように現われるトラック。女をかばおうと駆け寄るサンドゥ。なぜか固く抱き合った姿勢で頭から血を流して倒れる2人。そして聞こえる「サンドゥ〜、学校へ行こう!」という幻聴。 他の登場人物の様子などを見ると、2人とも確かに死んだようです。しかし、そこから何の脈絡もなく幸せに暮らす2人の姿が映り、生きてると信じたい視聴者は生きてると思ってもいいですよみたく終わりました。 ……最後に「絶望のない世界より」というサンドゥからのメッセージが出たので、制作者的には霊界エンドなのだと思いますけど。 それが終わって2時間ぐらいすると、昼ドラ「冬の輪舞」が始まりました。 こちらは、人気韓国ドラマ「冬のソナタ」の便乗タイトルと見せかけて、中身は「冬ソナ」でも何でもない普段通りの昼ドラという、軟弱なのか硬派なのかよく分からない番組です。 今日は、不倫で妊娠させた女に「産まないでくれ」と土下座していた男が、半狂乱で道路に飛び出した女をかばって車にひかれて死んでました。 ……ちなみに、死んだ男の妻の元恋人のナイスガイを演じるのは、仮面ライダーナイトの中の人。今日は、男の死に動転する女に「お前が殺したんだ」と激しく詰め寄り、精神的に追い込んでいました。 ところで、仮面ライダーナイトの中の人といえば、「僕は妹に恋をする」のアニメ版の声優もしていますが、最近、その役こそ「今まで僕が演じてきた役の中でいちばんかっこいいです」と発言。 妹の入った風呂の湯をすくって匂いをかいだり、妹以外の女を抱きながら「聞きたいのはアンタの声じゃない」と女の口を塞いで妹を抱いてる気分に浸ったり、性欲まかせに妹とヤるだけヤっちゃってから「ごめん」と泣いたり……。あの変態無責任男よりもかっこ悪いと言うのですか、仮面ライダーナイトが。 そんなこんなで、同じ日の昼に2回も女をかばって交通事故で死ぬ男を見たなあというだけで、特に深い意味はないニュースでした。 |
平成17年3月5日 | マジレンジャーのリーダー争い |
先日の「笑っていいとも」で、戦隊ヒーローのリーダーはなぜ赤色と決まっているの?という話題がありました。 しかし、「忍者戦隊カクレンジャー」のリーダーはホワイトですし、「電磁戦隊メガレンジャー」のリーダーはブラックです。 近年では「レッド=主人公≠リーダー」という戦隊も多いわけですが、いちいち「笑っていいとも」に噛み付くのもどうかと思うので以下省略。 さて、現在放送中の「魔法戦隊マジレンジャー」は、メンバー5人が全員兄弟。 兄弟戦隊が長男のレッドを中心に団結する形は6年前に「救急戦隊ゴーゴーファイブ」でやったばかりだからか、今回はリーダー格の長男がグリーンで、やんちゃな末っ子がレッドという配置です。 その第3話「魔竜に乗れ」が放送されました。 先週、死んだ母の遺志を継いで、マジレンジャーとして戦う決心をした兄弟。とりあえず、母親がのこした魔法部屋の大掃除を始めます。 ところが、なにげなく鉢植えの植物を引っこ抜くと、それはマンドラゴラでした。その物凄い悲鳴を聞いて、ぶっ倒れる兄弟。 マンドラゴラ「ぼくちん引き抜かれると、悲しくて悲鳴をあげるでござりますです。それを聞いてしまった者は普通生きてはいられないのでござりますですが、さすがマジレンジャーの皆々様!」 ……お母さん、家族が入る部屋に死の罠を放置しないでください。 ともあれ、「マンドラ坊や」を名乗る植物は、もしもお母さんが死んだら兄弟を助けるように命じられていたそうです。 さっそく、マジレンジャーの役割分担について歌で教えてくれます。 マンドラ坊や「先陣切って突っ走〜る、勇猛果敢な赤い色♪ 青、黄、桃と続き出て〜、最後に控えし緑色♪」 ところが、これが気に入らなかったのは長男のグリーン。なぜかマジ切れして、弟に食ってかかります。 長男「ずるいぞ! なんで長男の兄ちゃんが最後で、末っ子のお前が先頭なんだよ!」 三男「知らね〜よ。オレが決めたんじゃねーもん」 どうやら、長男にはしんがりの重要性が分からないようです。 確かに「ドラクエ3」とかだと、メンバーが縦1列に並んで最後に控えるのはヨボヨボの爺さんですけど……。 長男「普通こういう時はまず兄ちゃんからだろ!」 三男「兄ちゃんはさ・い・ご! ビリ! ドンケツ!!」 長男「ど、ドンケツ!?」 それから、異様に興奮して自分こそがリーダーにふさわしいと力説する長男。……落ち着きのない24歳の醜態に、他の4兄弟も呆れ顔です。 そこに敵が出現したという情報が入って、マジレンジャーが出動します。 三男「みんな! 魔法変身だ!!」 みんな「おう!!」 長男「えっ?」 とにかく、変身&決めポーズ完了。 長男「あのゴッツイのが、ボスだッ!!」 次男「見りゃ分かるよ」 ……ああ、長男の大切なものが物凄い勢いで失われていきます。 長男「いいか、あのボスは兄ちゃんが倒す!! お前たちは……」 三男「マジスティック・ソード!(ボスに向かっていく)」 長男「んがっ!?」 愛する弟の勝手な行動に、兄ちゃんはブチ切れです。 長男「兄ちゃんの言うことを聞け! お前の敵はあっちだろ!」 三男「なんだよ、兄ちゃんこそ下がってろ! 最後に控えし緑色なんだろ!」 長男「ななっ、なにぃ!? おまっ、お前、弟のくせに、なまいきだーっ!!」 そんな恥ずかしい兄弟ゲンカのスキをついて、敵のボスは戦闘員を踏み台に空高く跳躍して攻撃。 それを見た長男は、「お前の肩を貸せ!」と弟を踏み台にしてジャンプしようとしますが、弟は断固拒否。肩に乗った兄をはたき落します。 その後、他の兄弟の活躍で何とか敵を撃退しましたが、あやうく仲間割れで死ぬところでした。 それから、長男は家庭菜園(「アニキ農場」という看板が立ってます)に引きこもり、怒りをクワに込めて、畑を耕します。……なんだかクワ使いが微妙ですが、きっと精神の乱れを表現しているのでしょう。 そして、とれたてのイチゴを食べる兄。 長男「畑の土がよくなきゃ、おいしいイチゴはできないんだ。なんたって、イチゴはわがままだからな。(中略) ……はっ! そうか。あいつはわがままなイチゴなんだ! そして真っ赤に育てるのが畑の役目。兄ちゃんとしての、オレの役目」 勝手に納得して「そうか、そういうことなんだよ! あはははは!」と笑いながらイチゴをむさぼり食う24歳。 そのころ、三男は再び敵と遭遇。巨大な怪物を前に、1人で苦戦していました。 そして、三男が殺られそうになったその時! 間一髪で助けに来た兄が、敵を斬りつけます。 長男「ンぉオ〜〜ォぉおおオぉ〜〜〜〜〜っっ!」 ……かっこいいシーンなのに、すごくマヌケなおたけびです! 長男「大丈夫か!」 三男「ほっとけよ、兄貴ヅラはもういいよ!」 長男「あっはっはっは! まあ、そう言うな!!」 さっそく、ふところの深さを弟にアピール。せっかく吹っ切れたのに、また違う方向にズレてます。 長男「いくぞ!」 三男「なんだよ、またオレに踏み台になれって言うのかよ」 長男「そうじゃない。お前は、真っ赤なイチゴだ! そして、兄ちゃんは……。畑だあぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」 怪訝そうな弟を置き去りにして、素っ頓狂な奇声をあげながら1人で走り出す兄。 「大地のようにゆるぎなく♪ みなを支える寛容の色♪ 緑の魔法使い〜♪」などと自分で歌いながら戦います。 次男「どしたのアレ?」 三男「……さあ」 表情はマスクで隠れているのに、ちゆには兄を珍獣のように見つめる弟の視線がハッキリと感じ取れました。 そこで、敵のボスが再び戦闘員を踏み台にジャンプ。それを見た兄は……。 長男「飛べ、兄ちゃんを踏み台にしろぉ!」 三男「お……おお!?」 異様なテンションに他の兄弟はまったくついていけませんが、とりあえず言われた通りにした弟が、空中で敵を撃破します。 長男「やったな!」 とにかく兄弟愛復活! その後は、魔法で空中に空中ブランコを出現させ、そのブランコを利用した「兄弟の すごい 連携プレイ」で、見事に敵を爆死させました。 それから、自宅の魔法部屋に帰ると……。 マンドラ坊や「結局、マジレンジャーの隊長は誰になったのでござりますですか?」 三男「そりゃあ、やっぱオレっしょ」 長男「ちょっと待て! 兄ちゃんは認めないぞ」 三男「えっ、だって、オレはイチゴだって言ったじゃんか」 長男「イチゴはイチゴであって、隊長ではない」 三男「いいじゃん、イチゴは食えるんだぜ。畑は食えないだろ?」 長男「畑だって食えるかも知れないだろ!」 三男「じゃあ食ってみろよ!」 ともあれ、弟も少しは兄を認めてくれたらしく、次回に続くマジレンジャーでした。 |
平成17年3月12日 | COOLドライブ | |||||||||||||
昔、少年ジャンプに「COOL」という漫画が連載していました。そのウリは、とにかく主人公がCOOLなことです。 まず、主人公の名前が「クールさん」なのがCOOL。それから、主人公のうずまき状のアホ毛が付いた髪型もCOOL。あと、主人公が肉声で喋らずにラジカセを使って会話するのもCOOLです。 ついでに、主人公のお友だちも、暴走するトラックをパンチ一発で止めてしまうCOOLな奴でした。 そして、最大の見せ場は、COOLな主人公が「COOL」「COOL」「COOL」「COOL」と叫びながらバイクをカッ飛ばす場面。
……この漫画は18週で打ち切られました。 さて、その作者・許斐剛先生の次回作が「テニスの王子様」。 COOLな中学生たちがCOOLなテニスを繰り広げる超COOLな漫画で、何の因果か大ヒットしました。 特に、最近登場した沖縄の中学生たちのCOOLさは只事ではありません。 倒した相手チームの選手に応援団が「負け犬」コールの大合唱を浴びせたり、相手チームの監督にアドバイスさせないためにスマッシュで監督を狙い撃ちにして病院送りにしたり、「かってんぐゎー」「んかいんじらりーん」などの方言が多すぎて何を喋っているのか理解不能だったり、「沖縄は日本じゃねえ」と言わんばかりの危険表現の連発です。 そんな「テニスの王子様」では、テニスを超越した変態的にCOOLな必殺技の数々が登場。表向きはスポーツでもハートは格闘技です。
……別にパクリとかそういう話ではなくて、技のネーミングその他がバトル漫画と平気でカブるのがCOOLだなと。 あと、桃城先輩は「修羅の門」で言うと飛田さんのポジションということで、主人公が世界に進出した時には解説席に座っているに違いありません。
……こちらは刀をラケットにかえただけでまんま牙突に見えますが、たぶん何らかのCOOLなギャグなのだと思います。 そんな感じで、ボールが消えたり増えたり光ったりは当たり前の世界観。 主人公の特技はスーパーサイヤ人化で、「土煙を巻きあげながら全身を発光させてパワーアップする」という謎の現象ですが、作中人物たちは「試合中に無我の境地に至った」という説明だけで納得していました。かってんぐゎー。 そして、主人公はこう言います。「このままではアイツには勝てない」「なら――COOLドライブ…アレを完成させてやる!」 ……COOLドライブて! やっぱり「COOL」「COOL」「COOL」「COOL」絶叫しながらテニスボールをカッ飛ばすのでしょうか。 しかし、大ゴマや見開きが異様に多い「テニスの王子様」は、ジャンプで最も そのため、非常に そして1年後。ようやく登場した「COOLドライブ」は、ボールがバウンドせずに地面を転がっていくだけというものでした。 ……この漫画に単行本4巻から登場している技と大して変わらない動きで、「テニス」ワールドでは平凡な部類。正直ガッカリしました。 ところが、数週間前のジャンプで、そんなCOOLドライブの新たな効果が発現しました。 今回の敵は、連載6年目にして初めて登場したデブキャラ(通称「テニスのハート様」)。前の相手がカスることもできなかったCOOLドライブを、見事ラケットに当ててみせます。 すると、ボールがラケットから腕へと転がっていってそのまま顔面を直撃! COOLドライブの正体は、「アストロ球団」の殺人L字投法と同じ原理で、対戦相手の殺害を目的とした技だったのです。
まあ、殺人L字投法のテニスへの応用は20年前の10週打ち切り漫画「ジャストACE」でもやっていたことですけど。 ところで、「テニスの王子様」の劇場版では、テニスをしながら宇宙に行ったり恐竜が出てきたり空を飛んだりといった怪現象を、高いクオリティでド派手に描写してくれました。 しかし、そのバカ演出の方向性自体はむしろ伝統的なもので、たとえば「爆転シュート ベイブレード」だって、ベイブレードをしながら宇宙に行ったり恐竜が出てきたり空を飛んだりします。 そういう意味で、劇場版は「他のスタッフでも作れるもの」です。しかし、原作漫画は、もっとあらぬ方向にトンがった感性が爆裂しており、作者本人以外には絶対に真似できないシロモノです。 以前のちゆニュースで、「テニスの王子様」をギャグ漫画と括りましたが、より厳密に言えば、ギャグ漫画のような楽しみ方もできるCOOL漫画という新ジャンルなのだと思います。 ですから本当は、「アストロ球団」などの過去の文脈と結びつけて考えるのも無理があって、私たちにできるのは、いったい次にどんなCOOLが提供されるのか呆然と見守ることだけだと思います。 ただ、個人的には、連載終了までに1度くらいテニスコートで人が死ぬところが見たいです。 ネットアイドルちゆは「テニスの王子様」を応援しています。 ※オマケ→ベイブレードで宇宙に行ったり恐竜が出てきたり空を飛んだりについて |
平成17年3月23日 | ヤングガンガンの方向性 | ||
雑誌の読者プレゼントには、購買層が反映されます。 オカルト雑誌なら、魔法の振り子やパワーストーン。 ホモ雑誌なら、「ゲイセレブからの超ド級豪華プレゼント」としてコンドーム1年分が当たったり、「マッチョリックス」とか「SG理髪師 ガン堀りバーバー」といったビデオがもらえたりします(「SG」は「スーパーガッチリ」の略)。 あと、育児雑誌では、「たまごクラブ」ならムーニー新生児用、「ひよこクラブ」ならムーニーマン、「こっこクラブ」ならトレパンマンと、お子様の成長に合わせて読者プレゼントも成長します。 そんな中、昨年12月25日のちゆニュースで紹介させて頂いたエニックスの新雑誌「ヤングガンガン」の読者プレゼントは……。 「まるで本当の女性にひざまくらをしてもらっているかのような心地よい肌触りを実感できちゃうぞ!」 ……編集部が想定している「ヤングガンガン」読者は、この下半身を欲しがるような人種みたいです。 ……こちらも、「ヤングガンガン」読者のソファに2人分のスペースはいらねえという意味ですね。 そんなこんなで、そーゆー方向けの雑誌として絶好調の「ヤングガンガン」。 しかし、創刊当初から大きなセールスポイントだったゲームコミック部門では、早くも呪われております。 たとえば、PS2のゲーム「DRAG−ON DRAGOON」の漫画は、弐号で「参号へつづく」と引いた後、参号で「休載します。ご了承下さい」になり、その次の号で消滅して、そのまま帰ってきておりません。 創刊号の表紙を飾った「ファイナルファンタジーXI」の漫画も、創刊3号で「作者取材の為、次号休載」になり、その次の号で「作者取材のため、今回からしばらくの間、休載とさせて頂きます」となりました。 再開時期は「今年春以降を予定しております」とのことで、作者はいつ終わるとも知れない取材に旅立ってしまったようです。 ちなみに、ちゆの経験では、「続きは(春夏秋冬)」という類のお知らせは、「続きは永遠にありません」という意味の暗号だったことが多いです。 韓国漫画「熱血江湖」なんて、「熱血!!のつづきは単行本で…!!!(初春ごろ発売予定)」から4度目の春ですけどコアミックス様? さて、「ヤングガンガン」の読者アンケートのハガキを見てみると……。 創刊準備号では、「掲載して欲しいジャンル」を聞く質問の選択肢は、「ラブコメ/バイオレンス/ファンタジー/車・メカ/ギャンブル/ゲームコミック/歴史/サイコホラー/エロ系/格闘モノ/ヤンキー/アクション/他誌の外伝/職業モノ/スポーツ/過去のガンガン作品のリバイバル」でした。 「ヤンキー漫画」はあるけど「ギャグ漫画」なんてジャンルは存在しない!という辺りが男らしさ爆発です。 その次の号では、選択肢が「スポーツ/ファンタジー/ラブコメ/ゲームコミック/ギャグ/職業モノ/エロ系/バイオレンス/車・メカ/格闘モノ/ヤンキー/アクション/体験モノ/歴史/ギャンブル」に。 どうやら前回の「ギャグ」は入れ忘れただけだったようです。あと、「過去のガンガン作品のリバイバル」などの選択肢が消えたのは、実は旧来の「ガンガン」読者からあまり期待されていないことが判明しちゃったとかでしょうか。 ちなみに、初期は営業マンがプロレスラーになる「コミックバンチ」みたいな漫画も載ってましたが、そっち路線は早々に見限った様子。 現在では、立派なエロ寄りのオタク向け青年誌に落ち着きました。 ところで、創刊準備号では、グラビアページまで全員二次元美少女でした。 これは、グラビアに力を入れていたエニックス初の青年誌「コミックバウンド」がわずか5号で休刊した経験から、編集部が三次元人の魅力に疑問を抱いているためだと思われます。 それでも、創刊号の読者アンケートで「アイドル・タレントのグラビアを掲載して欲しいと思いますか?」と意識調査。 「イエス」が多かったのか、創刊5号では、質問が「どのようなタイプのアイドル・タレントを掲載して欲しいですか?」に変化しました(選択肢は「妹系」「清純系」「セクシー系」「巨乳系」)。 その結果を受けて、創刊9号から始まることになったアイドルグラビアの予告の煽り文句は「10代!? コスプレ!? アイドルグラビア始めちゃいます」。 巨乳のキョの字も出てこないのは、たぶんアンケートで「妹系」にマルを付ける人が圧倒的多数だったのでしょう。さすがひざまくらと一人掛けソファを愛する読者たちです。 ネットアイドルちゆは「ヤングガンガン」を応援しています。 |
平成17年4月1日 | お酒を浣腸する人 |
18禁のゲームを遊ぶと、脳が溶けてるような痴女がバンバン登場します。 たとえば、主人公が超強力な媚薬を手に入れて悪さする強制和姦アドベンチャー「催淫常態」から、女の子の台詞を抜き出してみると……。 「おチンポ、ハメハメして下さい」 「妊娠は嫌ッ!! でも、精液は欲しいっ!!」 「……おまんこ……私はオマンコ……」 「アハッ……アハッ……ザーメン……ドピュッで……イクイクゥ……ドクドク……ビックンッ……アハハハハッ……」 「……私……ヘンタイだ……ヘンタイになっちゃったよ……でも、気持ちイイから良いや……」 「チンコ切って死ギャアッ!!」 言葉の意味はよく分かりませんが、とにかく気持ちよさそうです。……まさか21世紀にもなって「おチンポハメハメ」などという日本語を聞かされるとは思いませんでしたけど。 そんなエロゲーを作っているブランドの中で、ちゆが特に好きなのはたっちーです。 その魅力は、ただでさえニッチな業界でさらにあっち側に行ってしまった作風。先ほどと同じように、たっちーのゲームから女の子の台詞を抜き出してみると……。 「ぶべぇっ!!!?」 「うぶぅううううううううううっっっ!!!!?」 「ご・・ごれ以上なぐられたら、じんでじまいまずぅぅぅっ!!」 「うぼぼぼぉっ!! ご・・ごふっ!!」 「じぬ・・・じぬぅぅぅぅぅぅぅぅっっ!!!!!」 「お慈悲を・・っ!! お慈悲をををををっっ!!!」 「あっ、ぎっ、がっ、あっ、あっ、ひぎっ! ぎぼっ、ぎぼっ、ぎぼぢっ・・!」 「ぐぎぎぎぎぎ・・・!!」 字面だけ見ると、美少女ゲームというより「北斗の拳」とか「はだしのゲン」とかに近いですが、実際のゲーム内容も一言でいえば「新カラテ地獄変」です。 鉄のブーツで女の子の腹を蹴りまくったり、縄のかわりに有刺鉄線で緊縛したり、ブリッジさせた女の子の背中を七輪であぶったり……。 また、主人公は女の子のお尻を四次元ポケットか何かと勘違いしているらしく、卵とかコブシとか洗剤とかグレネード・ランチャーとか、見境なくお尻に突っ込みます。 そんなエロシーンの1つとして、お腹が風船のように膨らむまでお酒をお尻から注入して、「直腸は吸収率がいいからなぁ。さっさとぶちまけないと急性アルコール中毒でお陀仏だ」と脅す描写がありました。 同じような場面では、氏賀Y太先生のエロ漫画「3人の浮浪者」(「毒どく猟奇図鑑」収録)でも、「腸から直接アルコールを吸収するとなァ 通常の何倍も悪酔いするんだよ」と女の子をフラフラに酔わせて、その内臓を切り出して焼いて食べていました。 そんな感じで、「お酒を尻で飲むと死ぬらしい」という知識をエロゲーで学んだのですが、少し前に、それを現実世界で行なった米国の人のニュースが流れました。 何でも、58歳の男性がシェリー酒を3リットルほど浣腸したら死んでしまったそうで、やはりエロゲーの情報は正しかったようです。 浣腸で夫を殺した容疑のかかった妻の証言によると、彼は幼少期から母親に浣腸されまくって浣腸依存になっており、お酒を尻で味わうのが大好きで、自前の浣腸レシピがあるほどの浣腸エキスパートだったそうですが……。とにかく現実でエロゲーのマネをするのは危険みたいです。 浣腸は計画的に。 ネットアイドルちゆは、たっちーを応援しています。 |
平成17年5月3日 | 「小学六年生」がリニューアル | ||||||||||||||||||
30年くらい前は、「小学六年生」にも暑苦しい漫画が満載でした。 たとえば、当時の学園ドラマ「進め!青春」の漫画版。 主人公は、「青年の辞書に不可能という言葉はない」が口癖なので、あだ名が「ナポレオン先生」になった熱血教師です。 最終回では、有名校に推薦入試で合格した生徒が、ナポレオン先生に影響されて「戦わずして勝ったのでは男らしくありません」などと言い出し、推薦を断って一般入試に挑戦。 その受験に落ちてしまい、教頭先生(もちろん悪役)に罵倒されます。
彼が泣き崩れて置き去りにされたところで、熱血教師・ナポレオン先生の出番です。ナポレオン先生、とりあえず彼と海岸で取っ組み合いをしてから……。
この説教を受けて、彼も「ぼくはもうれつにハッスルしている」と言って立ち直るのでした。 ……平成生まれの人には信じてもらえないかも知れませんが、こういうのが人気だった時代があったんです。 そんな感じで、昔の「小学六年生」は、「巨人の星」の川崎のぼる先生や「ゴルゴ13」のさいとうたかを先生といった濃ゆい執筆人がズラリでした。 しかし、時代の流れとともに、そんな「小学六年生」も1冊230円から540円に値上がり。 連載漫画も、楠桂先生がカードキャプターさくら似の美少女を描く「幽子ちゃん100連発!!」や、小学生の男の子が女装した姿で美少女アイドルになって活躍する「少女少年」など、オタクの鑑賞にも堪えうる萌え漫画が増えました。 「性教育」という大義名分があるので、ナプキンやタンポンや生理痛の出現率が異様に高いのも特徴。 しかし、高田裕三先生の「ゴリ押し成就ドラマジ!?」では、たまたま胸のあたりに付着したカレー汁という言い訳のなんちゃって乳首が登場するなど、原則として乳首禁止ルールが存在するようです。
ただし、先日単行本が発売された「小学五年生」の萌え性教育漫画「ないしょのつぼみ」などを見ると、トーンなし乳首を小さく描くならOKみたいですが。 ともあれ、劇画が載っていた頃は30万部とか売れていた「小学六年生」も、最近は売り上げ不振。 日本雑誌協会のデータを見ると、「小学一年生」は今でも単体で28万部を誇っているのに、卒業までに23万人に逃げられています。
そんな「小学六年生」が、今年度から大幅リニューアルを敢行しました。 ZAKZAKの報道によると、「おませな現代の12歳に合わせ、『将来の職業は』『お金持ちになるには』など、超現実的な『ハウツーもの』を充実させる」そうです。 そのリニューアル第1号の目玉企画は、村上龍先生協力の「12歳のハローワーク」。 「一人前の大工さんは月収70万」「南極観測隊員は1日平均12時間以上働いて日給1万円」「スチュワーデスは3K職場」など、各職業の人たちの現実的なコメントが満載です。 編集部によると、「小学六年生は、親が子供に買い与える最後の本。最近はまた“教育ママ”が増加し、よりお勉強寄りの内容を、といった要請が増えてきています」という分析だそうです。 つまり、一発逆転を狙ったリニューアルというよりは、このままではママに「小学六年生」を買ってもらっているアホガキ層にすら逃げられてしまうという危機感から延命措置をしているようです。 それでも、いちおうオシャレ関連ページは存在しており、「男だって、眉毛を変えるとアカヌケる」などの情報が紹介されています。 ……「この企画は中学生気分を味わっていただくために、あえてフリガナをはずしています」といったノリは小学生をバカにしすぎだと思いますけど。 漫画は減らす方針で、今年から「あさりちゃん」すら消滅。「小五」から惰性だけで買い続けている層への影響が心配です。 その方向だとポケモンも削除対象だと思われますが、読者アンケートを見ると、今後取り上げて欲しいテーマの選択肢が「友情/勉強/健康/貯金/ポケモン/戦争/スポーツ/中学/受験/恋愛/クラブ活動/旅行/ファッション」だったりして、どうやらポケモンは勉強や恋愛に匹敵する重要コンテンツのようです。 そして、数少ない連載漫画の1つには西原理恵子先生を起用。 西原先生が以前「小学六年生」に連載した「はれた日は学校をやすんで」は、せつない系のポエミックな作風でしたが、今回は身も蓋もない系のファナティックな作風。 「おばさんは 何が言いたいかとゆうと きみたちの ひかりかがやく ひとみが とてもフユカイ」「知ってるか 360万円て人が買えるぜ」「でも おばちゃん 実はさくらももこより売れてるよ」といった話が延々と続きます。 西原先生が小六のテストに挑戦する回では、6年生1万人の中で7673位を記録した西原先生に対して、75位だった担当編集者が「7600番も下のおばさんが私より10倍稼いでるというのが腹立ちますね」と本音コメントを披露しますが、これは教育ママ的に好ましいネタなのでしょうか。 また、もう1人の目玉漫画家は安野モヨコ先生ですが、こちらは連載3回目で早くも予告なく休載しており、ちょっぴり先行き不安です。 あと、「めざせ連載!! ギャグ漫画バトラー」という企画では、週刊少年ジャンプの「純情パイン」(13週打ち切り)と「少年エスパーねじめ」(20週打ち切り)で知られる尾玉なみえ先生が登場。アンケート結果次第で尾玉先生の「小六」連載が実現するみたいです。 ともあれ、そもそも今のガキに「小学六年生」なんて名前の雑誌を売ろうというのが最初から無理難題ですから、迷走するのも当然かなと思います。 ネットアイドルちゆは「小学六年生」を応援しています。 |
平成17年6月20日 | さよなら絶望先生と板垣恵介先生のルーツ | ||||||||
先日、少年マガジンで、久米田康治先生の新連載「さよなら絶望先生」がスタートしました。 漫画で「さよなら○○先生」といえば、思い出されるのは、むかし少年チャンピオンで連載していた「さよなら!!岸壁先生」です。 原作は小池一夫先生で、少年誌なのに小池一夫テイストが全開で発揮された怪作でした。 主人公の岸壁先生は、とある財団に作られた教師用サイボーグ。彼の存在によって生じる混乱を恐れた文部省は、岸壁先生を抹殺するために総理大臣付きのSPを派遣します。 そのSPは、初登場シーンからベンチプレスの真っ最中という、腹筋の割れまくった女でした。
初対面の岸壁先生が思わず「キミはすごいガタイしてるねえ!」と言ってしまうくらい別の意味でナイスバディな彼女ですが、その次の日には岸壁先生の男らしさに惚れて、結婚の約束までしてしまいます。 ……そう、実は彼女が、この物語のヒロインだったのです。 さて、文部省の刺客に対して、岸壁先生は「満足のいく成果をおさめて学校を去るとき、ボクは生徒たちに自分の身体がロボットであると告白しよう」と宣言します。生徒たちとの信頼関係を築けば、文部省の恐れる混乱など起こらないことを、証明しようというのです。 そんなわけで、卒業までの間、正体を隠したロボット教師と生徒たちの青春ドラマが展開されるのかと思いきや、その次の話で、岸壁先生は新任の挨拶中に突っ込んできたクレーン車を素手でキャッチ。速攻で全校生徒に正体がバレてしまい、学校を去るとき云々の話は以降出てきません。 ……万事がその調子で展開するのが、この漫画というか小池一夫先生の恐ろしいところ。 ついでに岸壁先生の教育理念も小池流マッチョ思想に染まっており、たとえば、校長先生に向かって次のように説教します。 「なにかと言えば生徒たちのためによかれと思いすることだと!! そういうものの考え方がダメなんですよッ たとえばですね! 女生徒のスカートをパッとめくってみる!! ああ! キミのパンティは今日は真ッ白で眼にしみるようにあざやかですねえてなことをやるわけです その女生徒は怒るでしょ! 泣くかもしれません でも心の中ではぐッと親近感を持つはずです あの先生は私に気があるんだわと思うわけですハハハハハハ 大事なことは親近感なのです」
……そんなの単なる変態教師だと思いますけど、それが小池ワールドでは素晴らしい教師なのです。 また、文部省から派遣されたSP(正体は戦闘用サイボーグ)に襲われると、岸壁先生は「教育でお前と勝負がしたいッ おれの授業を受けておもしろくなかったら おれの負けだッ おとなしく殺されてやろう」と提案。 そして、水と空気でロケットを飛ばす授業を行なうと、戦闘用サイボーグは感動して泣き崩れ、SPを辞めて高校生に戻る決心をするのでした。……そんな感じで、岸壁先生はあらゆる問題を授業と説教で解決していきます。 さて、「さよなら絶望先生」のタイトルはこの漫画から来ていると思われますが、それ以外にも、小池一夫細胞は漫画界の様々なところに侵食しています。 たとえば、最近では、小池一夫公式サイトのインタビューによって、「グラップラー刃牙」の作者・板垣恵介先生のペンネームの由来が、小池一夫先生の漫画「傷追い人」の主人公・茨城圭介だったと判明しました。 茨城圭介といえば、白髪鬼(ホワイト・ヘアード・デビル)というあだ名の持ち主。 小池漫画の主人公らしく、知力・体力・気力を兼ね備えた完璧超人で、ことあるごとに「くわッ」と目を見開いたり、意味もなく服を脱いだりするのが得意。もちろん女にもモテまくりのヤリまくりです。
以下、白髪鬼がいかにスゴい男か、状況別に見ていくと……。 ■ケース(1)戦闘中、顔に血が付いて前が見えなくなった場合 仲間の女性に「血で眼が見えン!! 小便をひっかけてくれ!!」と要求。女性が躊躇していると、「早くしろ――ッ!! 小便だ――ッ!!」と怒鳴ります。 そして、放尿を顔面で受け止めると、なぜか妙にサッパリした表情を見せてから、巨大な倒木を抱えて敵にタックル。見事に敵をぶッ殺しました。 ■ケース(2)ナイフで刺された場合 白髪鬼が力を込めると、腹に刺さったナイフが筋肉に押し返されて「ポン!」と飛び出します。もちろんほぼ無傷でした。
腕を刺された時も、同じように「ポン!」を披露してから、「ガキの力じゃア、男は殺せねえのさ」と言って、「くわッ」をキメていました。 ■ケース(3)すでに恋人がいるのに、別の女に言い寄られた場合 おもむろにズボンを脱ぐと、言い寄ってきた女にフェラチオさせる白髪鬼。しかし、女がいくら頑張っても、まったく勃起(エレクチオン)しません。 「なぜエレクチオンしないのよ――ッ!! 私のような美い女がしてるっていうのに――ッ」 絶叫する女に、白髪鬼は斜め45度の角度で「愛してないからさ」と告げるのでした。 ちなみに、男がエレクチオンせずに女が怒るのは小池ワールドでは非常にありふれた光景で、小池一夫ファンサイト・道中陣さんでは「どうしてエレクチオンしないの〜ッ!一覧表」を作っておられます。 ……そんなこんなで、板垣恵介先生をして、「『傷追い人』という作品の中に“茨城圭介”という主人公が登場するんですが、カッコよかったんだ〜これが」と言わしめ、ペンネームの由来にまでさせてしまった白髪鬼。 もちろん、「スラムダンク」の安西先生の若い頃のあだ名が白髪鬼(ホワイト・ヘアード・デビル)だったのも、小池一夫リスペクトに違いありません。 絶望先生、板垣先生、安西先生……。その他、言い出したらキリがないほど漫画界のあちこちで尊敬されまくっている小池一夫先生。 70歳近い今なお現役で、齢を重ねてますますイカした小池漫画を作り続けている、偉大なお方です。 ネットアイドルちゆは小池一夫先生を応援しています。 |
平成17年10月12日 | 「メイドさんロックンロール」がカラオケに配信されるかも? | ||
平成13年4月14日のニュース「DAMでアニソンを歌おう!」で、カラオケについて色々と書きました。 今日は、それから4年半ほど経って、アニソンカラオケの世界はかなり変わりました……という話を、長々と書いてみたいと思います。 UGAのアニソン大量配信 まず、一番の変化は、UGA(B−kara)の躍進です。 特撮ファンに圧倒的なインパクトを与えたのは、昨年5月の宇宙刑事シリーズの全曲配信。 たとえば、歌い出しから「電送! 電送! 電送! 電送! 電送! 電送! 電送! 電送! コンバッスぅーツぅー!」と串田アキラがソウルフルに叫び、そこから、
……と、「ダイダガ」が72回、「ダガディッダディ」も18回出てくるダイダガ洗脳ソング「蒸着せよ!ギャバン」は、UGAでしか歌えません。 さらに、メロディに合わせて「パワフォル!」とか「すぅぱあダンシン!」とか串田アキラが時どき思い出したように叫ぶだけで、あとは「ギャバンギャバンギャバン♪ ニヒルな目がセ〜クシ〜ぃ〜♪」といった理解に苦しむ女性コーラスが入る「電光石火ギャバン」も漏らさず配信されています。 ちなみに、原曲を聞くと「ビッグなハートがセクシー」という部分が「ビッグなアゴがセクシー」にしか聞こえないので、カラオケで歌う時も「アゴ」って言っちゃっていいと思います。 その後、5ヶ月ほどかけて「スピルバン」やレスキュー三部作はもちろん、「テツワン探偵ロボタック」に至るまでメタルヒーロー挿入歌の徹底配信を断行したUGA。 ただ、中の人は「特撮といえばメタルヒーローじゃい!」という主義の持ち主だったらしく、その後期待された戦隊やライダーの全曲配信は、別にありませんでした。それでも、ゴリラ系ハスキーシャウトソング「HOT!HOT!ガオマッスル!!」(平成13年5月17日のちゆニュース参照)とか、1号からRXまでの11人のライダーを讃える歌詞を延々と歌い続ける「11(イレブン)ライダー大賛歌」(とにかくクソ長いのでカラオケで安易に選曲するのは危険)とか、UGAでしか歌えない特撮ソングは多いです。 もちろん特撮だけではなく、水木一郎の大量配信で「北の狼 南の虎」が歌えるようになったり、子門真人の大量配信で「魔獣戦士ルナ・ヴァルガー」が歌えるようになったり、「キン肉マン」が王位争奪編まで含めて全曲配信されたり、昨年のUGAは凄かったです。 また、アニソンに限らず曲数の多さがウリなので、3ヶ月で中島みゆきを200曲追加といったマネもやらかしております。 ただし、基本的な選曲方針は目をつぶってつかみ取りという感じで、たとえば、「怪盗セイントテール」のアスカJr.のイメージソング「一本気」は、
……という訳の分からないダジャレがベースの歌詞のうえ、声優の歌唱力をコーラスでゴマかそうとしたらかえってドツボにハマった感じのまさに褒めようのない一曲ですが、ドサクサに紛れて配信されていました。 UGAのアラ探し そんなUGAと言えば、曲数が多いせいか歌本の適当っぷりもスゴイです。 たとえば、さ行の「世界忍者戦ジライヤ」の欄を見てみると、アホみたいにマイナーな挿入歌は全部入っているのに、なぜかオープニング・エンディングだけが載っていません。何かおかしいと思ってよく探すと、か行に「界忍者戦ジライヤ」なる欄があって、主題歌だけそこに載っていました。 他にも、「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」の欄に「無敵王トライゼノン」の曲が紛れ込んでいるなど、あまりに堂々とした間違いがいっそ男らしいほどです。 あと、「光戦隊マスクマン」の曲のうち、なぜか「ショットボンバー全力集中」だけがアニメ欄に載っているなど、同じ番組の曲が特撮欄とアニメ欄に分散掲載されるのがやたら目立ちます。 ついでに、キン肉マンなどのシリーズ分けも基本的にあまり理解していない様子です。 個人的に謎なのは、「超力戦隊オーレンジャー」の欄に載っている「望郷三度笠」という演歌です。 オーレンジャーは劇中で流行歌を使用することが多く、安室奈美恵の「Body Feels Exit」(21話の巨大ロボのダンス)、サザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」(23話の水着ではしゃぐオーレンジャー)、trfの「Overnight Sensation」(45話の踊り狂う巨大ロボ)などが印象的でしたが、それらメジャー曲を無視して「望郷三度笠」だけにこだわる理由が謎です。 そもそも、本当に「望郷三度笠」がオーレンジャーで使われたのかちゆには思い出せないのですが、とりあえず「望郷三度笠」のCDの発売日は「オーレンジャー」の最終回の6年後でした。 あと、オーレンジャーといえば、悪の組織の名前は「バラノイア」といい、主題歌にも「勇気を燃やせば バラノイアなんて怖くない」という歌詞があります。 これをUGAで歌うと、歌詞が「パラノイアなんて怖くない」と表記されるのですが、いくらオーレンジャーでも妄想さんには勝てないと思います。 カラオケの映像 ところで、トランスフォーマーの「炎のオーバードライブ」を歌う場合……。 DAMでは、「走れ 走れ 走れ 闇を貫けスーパーソニック」という歌詞に合わせてくたびれたサラリーマンが歩道橋をトボトボ降りる映像が表示され、「ファイヤー! コンボイ! 赤い閃光ファイヤーフラッシュ!」のところはオープンカーでデートするカップルです。 JOYでは、最初から最後までストリートダンサーの皆さんがひたすら踊り狂うだけ。 UGAでは、「走れ 走れ 走れ 闇を貫けスーパーソニック」という歌詞に合わせて空飛ぶニンジンに乗ったウサギさんが飛び立っていました(その種のヤク中の幻覚みたいなサイケでファンタジーな映像が多いのがUGAの特長です)。 ……まあ、カラオケの映像なんかいちいち気にする方がアレですが、せっかくのアニソンなら、そのアニメの映像が流れると嬉しいです。 そんなわけで、カラオケでトランスフォーマーを歌うなら、コンボイが変形したり戦ったりする映像を見ながら歌ったり叫んだりできる、DAMの「太陽のtransform!!」がイチオシです。 ただし、せっかく映像が出るのにちょっと微妙……という場合もあります。 たとえば、ドラゴンボールの「めざせ天下一」をDAMで歌うと、1回目の天下一武道会がモチーフの曲なのに、なぜか2回目の天下一武道会の光景が流れます。しかも、映像ソースは第100話だけらしく、天津飯の四妖拳をメインに進行し、天津飯の気功砲で悟空が生死不明になったところで映像が終了します。 歌詞は「勝利は悟空なのかジャッキー・チュンなのか♪」なのに、映像はひたすら天津飯。映像制作者が全然分かっていないのか異常に天津飯を愛しているのかよく分かりません。 ちなみに、「CHA-LA HEAD-CHA-LA」もソースが第1話だけでイケてませんが、戦闘力5のゴミを瞬殺するラディッツ様の勇姿が見られるのが救いです。 ……ともあれ、この辺はとりあえずキリの良い話数をセレクトしているだけみたいです。 一方、DAMで仮面ライダー龍騎の「Revolution」を歌うと、第34話をソースにした映像が流れます。 第34話といえば、劇中で「Revolution」が使用された最初の回で、龍騎が初めて新形態に変身する場面で流れ出すこの曲が無茶苦茶カッコよかったところ。「Revolutionに第34話」というチョイスは非常に正しく、その変身シーンを映像の最初と最後に配置する構成も「分かっている」感じです。 JOYやUGAでは「Revolution」の映像は用意されていませんし、もし用意されてもオープニングと共通の映像を使い回すだけでしょう。 この辺に、必ず1曲ごとに専用の映像を用意するDAMの良さが発揮されています。 各機種の映像比較 「ラブひな」のオープニングは、DAM・JOY・UGAの3機種でアニメ映像が出ます。 事情は知りませんが、機種が違っても、同じ曲の映像ソースは共通の場合が多く、「ラブひな」の場合も、どの機種でも第1話の入浴シーンや第4話の東大に向かって手をのばす場面が流れます。 しかし、一番凝っているのはDAMで、その「東大に手をのばす場面」を歌詞の「手をのばして〜♪」に合わせたタイミングで配置したのは、たぶん意図的だと思います。 一方、UGAは、映像が曲よりも短くて途中で映像がループします。JOYの映像はループしませんが、DAMほどの編集意図は感じられません。 また、「キングゲイナー・オーバー!」の場合、DAMではアニメ映像が用意されていません。JOYでは映像が出ますが、途中でループする適当な映像で歌とアニメのタイミングが合っていません。 その点、UGAの映像なら、曲と同じタイミングで例の不思議な踊りが流れるので楽しいです。 「小公女セーラ」の場合、JOYはオープニング映像を中心にした無難な構成で、途中でループします。 DAMは、何を基準に選んだのか第42話のみをソースに構成。ミンチン先生の暴力で始まり、セーラがマッチ売りの少女になって終わります。 しかし、一番気合いが入っているのはUGAです。まず、誕生日のパーティー中、セーラが一瞬でプリンセスから一文無しに転落する場面がツカミ。続いて、ボロ着姿のセーラがコキ使われたりイジめられたりミンチン先生にビンタされてうつぶせにぶっ倒れたりと、ビシバシ悲惨な目にあっていきます。 最後はセーラが再び大金持ちになり、それを見たミンチン先生がドアップで驚愕して終了。小公女セーラの魅力(=他人の不幸)が凝縮された、傑作映像です。 そんなこんなで、どの機種の映像が良いかは、曲によりけりです。ただし、JOYは適当な映像が多いのが微妙。UGAはアニメ映像が出る曲の数が圧倒的に少ないのが致命的です。 その点、DAMは映像の出る曲数が多く、1曲ごとに専用映像を作っているので、一般に、アニメ映像に関してはDAMが一番だと言えます。 エロゲーの歌 昨年末、JOYとパセラが共同で、「カラオケ化されていない曲を歌えるようにする」企画を行いました。 投票で1位になった曲が配信されるという企画ですが、JOYの「リクエスト配信規定」や著作権の問題で入曲できない場合もあるとのことでした。 この時の説明によると、JOYの配信規定は、「不適切と判断される単語が入っている曲や音源が手に入らない曲」は配信できないという感じなのだそうです。 詳細は分かりませんが、いまだに「力石徹のテーマ」がJOYに配信されていない理由も、歌詞の「めくらの星」という単語が原因なのかも知れません(DAMは「×××の星」と伏せ字で対応、UGAは「盲目(めくら)の星」と表示)。 ともあれ、投票では、需要の割には配信されている曲が少ないエロゲー関係の歌に人気が集まり、「さくらんぼキッス」が1位になりました。 しかし、その後のパセラの発表によると、「ジョイサウンドさんもこちらを配信の方向で動いてくださっていたのですが、所属事務所からの使用許諾が現時点でいただけず、入曲を見送らざるを得なくなり」とのこと。結局「さくらんぼキッス」は配信されませんでした。 普通の曲なら、著作権の管理をJASRACに委託しているので、著作者に直接コンタクトをとらなくても、JASRAC経由で通信カラオケに配信できるそうです。 しかし、エロゲーの歌のほとんどはJASRACに管理を委託していないので、事務所などへの個別交渉が必要になり、「さくらんぼキッス」のような結果になることもあるようです。 委託していない理由はそれぞれだと思いますが、たとえば通信カラオケに関する権利だけをJASRACに委託したいと思っても、演奏権か録音権を委託しないといけないらしく、そうすると自分でライブをするにもJASRACの許諾が必要になったりするので、それがイヤなのかも知れません。 あと、JASRACが定めた「公表実績」(レコード会社の企画・製作で発売したCDを1000枚以上作ったなど)をクリアしていないと、JASRACが委託を受け付けてくれないらしいので、同人CDやネット配信の曲などは難しいようです。 もちろん、JASRACを経由しなければ、絶対に配信できないということではありません。 たとえば、去年の7月にJOYが「いちごGO!GO!」を配信しましたが、これはJASRACに管理を委託された曲ではないので、たぶん個別交渉の結果だと思われます。 あと有名な例は、JASRACに委託されていない「KANON」の主題歌がセガカラに配信されたケースです。これは雑誌「コンプティーク」の企画で、記事の内容を信じるなら、次のような経緯でした。 (1)コンプティークの編集者が、セガカラの担当者に会いに行って、オープニングの配信を頼む。 (2)「前向きに検討します。楽曲を聴いてカラオケになりそうな曲だったらその方向でいきましょう。審査にちょっとだけ時間を下さい」という返事をもらう。 (3)その2ヶ月後の号で、配信が決定したと報告される。 (4)半年後、オープニングが選曲される回数も多いということで、エンディングも配信される。 ただ、そうしてセガカラに配信されてから5年以上経ちますが、セガカラに続いてUGAやJOYが「KANON」の曲を配信する……ということはありませんでした。 何か他の理由があるのかも知れませんが、たぶん、JASRACを介さずに交渉するのは面倒だからメーカーの人があまりやりたがらないのではないかと思います。 ところが、先日、そんな「KANON」のオープニング・エンディングをDAMが配信しました。 DAMは、今年4月にも同じように「AIR」の主題歌などを配信するなどしており、今もっとも非JASRAC曲の配信に積極的なメーカーになっています。 ちなみに、5年前には戦隊のオープニングすら全部配信していなかったDAMも、今ではエンディングは当たり前に歌えて、「バイオロボの歌」や「輝け!フラッシュキング」といった挿入歌までフォローしている状況。UGAやJOYに続くナンバー3の地位を手にしており、「ジャスティパワー〜正義の剣〜」など、DAMでしか歌えない名曲もあります。 昨年6月のアニメ特集でも、一挙に80曲ほどアニソンを配信。「教えてせんせいさん」などの萌えソングや、JOYやUGAでは歌えない名曲「夢の狩人」を配信して話題になりました。 本題(今日のニュース) そんなDAMが先日、なぜか「ネットランナー」と共同企画を実施しました。 ネットランナーの先月号によると、「魂のこもった名曲、脳ミソのとろける迷曲がカラオケで歌えないなんて許せん!(中略)萌え燃えソングを救済する」とのことで、編集部と中川翔子さん・FICEさん・なるせひろのりさんなどの選者が選んだ100曲が、来年1月のDAMの「アキバ系萌えソング特集」で配信される予定なのだそうです。 例によって、「権利許諾の関係で全曲配信は難しい」という条件が付いていますが、いちおう「メイドさんロックロンロール」や「巫女みこナース・愛のテーマ」などが候補に上がっており、最近のDAMの奇行の数々(褒め言葉)を考えると、ちょっぴり期待できます。 ……でも、昨年のアニメ特集で配信済みの「教えてせんせいさん」をはじめ、現在すでにDAMで歌える歌を100曲中7曲も選んでいるのはどういう了見ですかネットランナー。 ついでに、すでにUGAやJOYやセガカラやLavcaに配信されている曲も多く、「カラオケで歌えないなんて許せん」と言うわりに今現在カラオケで歌える曲が4分の1ほどを占めているのもどうかと思います。 さて、実はその企画で、ちゆも「選者」の1人をさせて頂きました。 「さくらんぼキッス」の例もあり、実際にどれだけ配信されるかは分かりませんが、貴重な機会には間違いありません。 そこで、たとえば「奇跡の獣神」や「HONEY BEE」のような、未配信のオープニング・エンディングから優先して選んでいく方がオタク界の公共の福祉にかなうとは思ったのですが、結局、自分が歌いたい歌から選んでしまいました。私利私欲を優先してしまい、本当に申し訳ありません。 いちおうの説明責任として、ちゆが選んだ曲のリストと、どう思って選んだのかを書いておきます。 そんなこんなで、ネットアイドルちゆはDAMを応援しています。 |