平成17年1月6日 | 「機動新世紀ガンダムX」DVD化 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
今月の28日に「機動新世紀ガンダムX」のDVDボックスが発売されるそうです。 「ガンダムX」は、「Gガンダム」「ガンダムW」に続いて放送された、平成8年のアニメ。 「『ガンダム』史上、もっとも数奇な運命を辿る」「報われることなく散った作品」(「アニメ批評 #001」)などと言われています。 とりあえず印象的だったのは、自分用のモビルスーツを見て「色は白がいい。白がいいんだよっ!」とキレてスプレーで塗り直してた人(「完璧なる白だ……、んふふふふ」)。 あと、ずっとサングラスをかけていた さて、「ガンダムX」の話題になるとなぜか必ず登場する単語が「視聴率」と「打ち切り」です。 とりあえず、近い時期の人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」と最初10話の視聴率を比べてみると……。
どっちが「エヴァ」で、どっちが「ガンダムX」なのかはお察しください。 ともあれ、「ガンダムX」の視聴率はこの後、26話までの間に4.3%を2回ほど超えるレベルで安定します。……ちなみに、前番組「ガンダムW」の視聴率が平均4.3%でした。 そして、そこで事件が起こります。それまで夕方5時の放送だったのが、27話から朝の6時に左遷されてしまったのです。 当然、後はひたすらかわいそうな視聴率が続くことになりました。
そして、全46話の予定だったハズが、ここで打ち切り。おさらばで御座います。 結局、6.2%で始まって0.6%で終わるという美しい視聴率の流れができあがってしまいました。 しかし、もちろん、低視聴率=駄作ではありません。 ただ、「ガンダムX」の場合、打ち切りのせい(たぶん)で、物語終盤に悟った人が登場。金田一少年のように関係者を招集して長々と喋り、作品のテーマを全部クチで説明してくれる最終回になってしまいました。 ……まあ、監督には、1年間放送したアニメの最終回で「実は主人公たちは二次元人だった!」をやった前歴がありますから、別に打ち切られなくてもメメタァな終わり方をした可能性はありますけど。 ちなみに、その「悟った人」については、声優を古谷徹(アムロの人)にするという案もあったそうです。
監督によると、「作品中の『ニュータイプ』という言葉と自分にとっての『ガンダム』という言葉は限りなくイコール」(「アニメージュ」平成9年1月号)なので、上記の「ニュータイプ」は「ガンダム」と置き換え可能です。 つまり、「ガンダムX」の最終回は、私たちガンダムという幻想でつながった世代に、こう語りかけているわけです。 ガンダムはファーストだけで終わるべきだったが、「それに囚われてしまった人々」(ファン)と「過去にしがみつき、それを利用することしか考えなかった者」(バンダイ)は「その次」を求め、「Z」以降延々と続いてしまった。だけど、そろそろロボットのツラと名前だけ「ガンダム」のアニメを縮小再生産し続けるのはやめようよ、と。 ……言ってることは、それほど珍しい主張ではありませんね。「ガンダム」と名の付くアニメの登場人物の台詞でなければ。 とは言え、「Zガンダム」「Vガンダム」「ターンAガンダム」など、ガンダムにおいて「ガンダム潰し」はむしろポピュラーなテーマです。 ただ、「X」の世界では絶対者の一言でみんな納得したところ、現実世界では、主人公を廃人にしようが、過去のガンダムを全部黒歴史として地中に埋めようが、今でも平気で「ガンダムSEED DESTINY」が放送されています。 そうそう。「X」の話に戻りますが、脚本では、主人公たちが最後に月を去る時に「さよなら」と言う予定だったところ、監督が「あれはまだ、ぼくには言えないよ」と外したそうです。 ……ガンダムに囚われるなと言いながら、ガンダムに「さよなら」が言えない監督。このアニメのそういうところ、好きです。 そんなこんなで、ガンダムシリーズの中でも特に気まずい作品になった「X」。 アマゾンの「ガンダムX」DVDボックスの紹介を見ると、「人気シリーズ『ガンダム』に新しいコンセプトを取り入れて再ブームの火付け役としても話題となった」なんて書いてありますけど、すみません何か別のアニメと間違えているのでしょうか? ネットアイドルちゆは「機動新世紀ガンダムX」を応援しています。 |