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平成16年12月16日 テニスの王子様、中国に輸出

 「アストロ球団」をご存知でしょうか。

 一球入魂しすぎて一瞬で老化したり、試合中に負傷したときの解決法が「そうだ バカになりゃいいんだ!! 腕のいたみを まるっきり感じねえほど鈍感なバカに!!」だったりする変態野球漫画。
 「も…もういやじゃ〜っ こんなきちがいじみた野球地獄は〜っ!!」「汗は男の香水だ」「足なんざ一本もありゃじゅうぶんよ」という感じで死闘を繰り広げ、最終回ではマサイ族の野球チームと戦うためにアフリカに旅立ちました。

 そんなアストロ球団が誇る「最大にして最強の守備陣形」がアストロシフト。内野手が何十人にも分身することで、一二塁間・二三塁間をビッシリ隙間なく埋めてしまうという恐るべき守備です。
 これくらい物理法則を突き抜けた技になると、「アストロ球団」以外の野球漫画では、なかなかお目にかかれません。

 ところが最近、ある漫画に、これとよく似た陣形が登場しました。

 それは、「テニスの王子様」の大石先輩&菊丸先輩が見せた大石の領域(テリトリー)。大石先輩がネット際に立ち、分身した菊丸先輩が後ろ全部をカバーするフォーメーションです。
 アニメ版では、ジャンプ中に空中で方向転換することにより、1回のジャンプで2度ボールを打つという絶技まで披露した菊丸先輩。その超人的な身体能力があって、はじめて可能な技だと言えます。

 ところが、そんな菊丸先輩の分身をはじめて見た後輩の感想は、「ほーんと 猫(みたい)っスね」の一言だけでした。
 そう、菊丸先輩ほどの身体能力を持ってしても、王子様ワールドではただの負け役。人間を超越した技の数々も、単に「アクロバティック」の一言で片付けられてしまうのです。

 このように、アストロテニスで読者を笑わせてくれるのが「テニスの王子様」です。

 たとえば、「アストロ球団」のビクトリーナインは6キロの腕輪を付けて野球をしていましたが、「テニスの王子様」の乾先輩も、試合後にジャージをたくし上げたら12キロのジャケットを着込んでいました。
 また、アストロ球団の一人はメクラなのに心眼でボールを打ったり投げたりしていましたが、「テニスの王子様」の不二先輩も、試合中に視力を失ったのに「…感じる。自分が思ってた限界なんて無いんだね」の一言で済ませて、普通に勝っていました。

 さらに、アストロ球団にはない要素として、「こんなくだらないことで特大の大ゴマを使っている!」とか、「せっかくの見開きページなのに何が起こっているのか読者にはまったく伝わらない!」とか、「1話分19ページ使って何ひとつ内容がない!」とか、従来の漫画の常識を逆手に取った高度なギャグが盛り込まれています。

 しかし、「アストロ球団」が一目でスパークした漫画だと分かるのに対し、「テニスの王子様」は絵柄も演出も微妙で、少し読んだだけでは普通のスポーツ漫画だと誤解してしまいそうです。
 実際、ちゆもこれがギャグ漫画だと気が付くまでは、この漫画でどうして作者が年に4億円も稼げるのか理解できませんでした。

 そんなわけで、「テニスの王子様」を読み解くのは少し難しいです。
 たとえば、見開きで新必殺技を披露する主人公の指が6本だったのも、普通の漫画なら100%単なる描き間違いですが、この漫画に限ってはひょっとしてワザとやってるのかと悩まされます。

 さて。そんな「テニスの王子様」が今度、中国に輸出されるそうです。

 このハイセンスな漫画が外人に理解できるとは思えませんが、集英社の鳥嶋編集は「面白いものに国境はない」と自信マンマンです。
 ちゆには想像もつきませんが、おそらく、時代の先端を走る方々には地球人全員が「テニスの王子様」で笑い転げている未来が見えるのでしょう。

 ネットアイドルちゆは「テニスの王子様」を応援しています。


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