平成13年6月21日 | 「キャプテン翼」最新シリーズ、単行本発売 | |
ボールはトモダチ。 日本サッカーの歴史を語る上でも、やおいの歴史を語る上でも外せない大人気漫画。それが「キャプテン翼」です。 昭和56年、少年ジャンプで連載開始。以後、アニメ化されるわゲーム化されるわで、サッカーが大好きな少年は大喜び。男の子どうしでキスしたりペッティングしたりアナルファックしたりが大好きなお姉さんも大喜びでした。 また、この漫画は「魁!!男塾」や「キン肉マン」と並んでツッコミどころが多いことでも知られています。 秘技三角飛びは反則だろうとか、心臓病で試合に出るなとか、巨岩を拳で破壊できることがキーパーにとって何の役に立つのかとか、2人いっしょに蹴ってもボールは分身しないだろうとか、ドリブルで人間を吹き飛ばすなよとか。 「空想科学読本」で有名な柳田理科雄先生も、翼くんが空中で軌道を変えている、若林くんは時速180キロメートルで跳躍している、アナウンサーの解説は早口すぎて超音波になる等の指摘をされています。 もはやすべてにツッコミ切ることは不可能です。 そんな「キャプテン翼」も、約7年(355週)で連載終了。 しかし、一躍人気作家となった高橋陽一先生の次回作は非常に期待され、連載終了からわずか17週後には次の連載が始まりました。 その名も、「翔の伝説」。 サッカーではなく、テニス漫画です。連載予告の段階で「半生を描く物語」と謳われたことからも、陽一先生の壮大な構想と意気込みが伝わってきます。序盤からビシバシ伏線張りまくりでしたし。 しかし、この漫画は幼年時代を終えて少し成長した辺りでアッサリ打ち切り(25週)。「これが半生だとしたら、翔は20代で若死にする」とツッコまれる悲惨な結果に終わりました。 次の作品は、「エース!」。 「実はサッカーより野球が好き」と公言した陽一先生が描く野球漫画。さすがに前作で懲りたのか無茶な伏線はやめました。これは陽一先生打ち切り3部作の中では頑張った方ですが、73週で切られました。 そして、「CHIBI−チビ−」。 今度の題材はボクシングです。いつもの最初から超人的スペックを備えた天才主人公ではなく、いじめられっこの成長物語に挑んだ点が特徴。健闘むなしく53週で打ち切られました。 そんなわけで、黒岩よしひろ先生のように10週打ち切り連発というわけではありませんが、なまじ大ヒットを飛ばしてしまったがために一発屋一発屋とそしられてしまう陽一先生。 このままではイカンと自分で気がついたのか編集部が言ったのか分かりませんが、往年のヒット作「キャプテン翼」に泣きつくことになります。 そうして全5週の「特別編」「太陽王子編」を経て、「キャプテン翼 ワールドユース編」が連載。 これは以前よりもアクロバティック指数が上昇しており、色々なシュートを無理矢理合成したトルネードアロースカイウイングシュートをはじめ、変態技が数多く登場して楽しめました。 特に注目すべきは、日向くんのタイガーショット・ネオタイガーに続く新必殺技、雷獣シュート。 ボールを蹴る際、わざと足を地面をこすらせると反動がついてシュートの威力が増大するという原理なのですが、足が地面に当たれば摩擦力で威力が落ちる気がしてなりません。 なにより致命的に名前がダサいです。陽一先生が何を考えて雷獣シュートなどと命名されたのかはキャプテン翼史上最大の謎の一つですが、ゲーム版の「ライトニングタイガー」の方がよほど格好いいと思います。 そんな読者の思いとは裏腹に、当然のように降臨雷獣シュート、空中雷獣シュート、閃光雷獣シュートと発展進化していく雷獣シュート。これが高橋イズムなのでしょうか。 ともあれ、終盤の打ち切り決定急展開はさて置いて、「ワールドユース編」はめでたく157週も続きました。 それに味をしめ、陽一先生は「サッカー漫画ならまだイケる」と勘違いしてしまいます。 そうして始まった次の連載は、「蹴球伝 フィールドの狼 FW陣」。 陽一先生の手による、キャプテン翼ではない完全新作サッカー漫画となりました。しかしちょっと感覚が古かったせいか人気を得られず、陽一漫画史上最短の17週で打ち切り。 そんなわけで、「他のスポーツは論外、といってサッカーならいいわけでもなく、つまりキャプテン翼でなければならない」という真理にたどり着いた陽一先生。 こうして、「キャプテン翼」シリーズ3度目の長期連載シリーズとなる「キャプテン翼 ROAD TO 2002」が開始されました。 2002年の日韓共催ワールドカップにおける日本の躍進を目指し、単身ヨーロッパに乗り込んだ翼くん。しかし、サッカーへの愛は昔のまま。 一人でリフティングしながら、サッカーボールに話しかけます。 「ボールくん。今日からバルセロナのキャンプが始まるんだ。9月から始まるリーガエスパニョーラに向けてのチーム練習がいよいよ始まるんだよ」 少年時代は愛らしかったその行動も、20歳前後のいい大人に成長した今ではただの変態です。 一方、日向くんは。 年甲斐もなく荒波にシュートを打つ秘密特訓などやってますが、こちらは日向小次郎写真集や日向小次郎自伝「猛虎」で荒稼ぎ。家族みんなで安心して住める、念願のマイホームを建てていました。オトナです。 そして、やはりヨーロッパに向かう日向くんに、ファンの声援が。
こわいよう。 「女だけじゃない」って、もしかしておホモさんなのでしょうか。日向の追っかけの。 そんなわけで、「週刊ヤングジャンプ」誌上でしか読めなかった「キャプテン翼」最新シリーズ。その単行本第1巻が、先ごろ発売されました。 まだ序盤ですが見どころも多く、これからも期待できます。この機会にチェックしておいて損はないと思います。 ネットアイドルちゆはキャプテン翼を応援しています。 |