ビジネスジャンプ誌上で「幸福の科学」を布教した漫画 『天空の門』

総理がゆく!
大統領もゆく!
この漫画のストーリーはうまく解説できなくて申し訳ないです
素直な心に降臨するのだ!!


平成22年3月12日 総理がゆく!

 「幸福の科学」の会員である漫画家・菊池としを先生が、集英社の「ビジネスジャンプ」に連載した漫画が「天空の門」です。

 その連載当時、現実では橋本総理だったのですが、漫画の中には畠本総理という人が登場します。

『天空の門』 第3巻 185頁
畠本総理

 総理が言うには、「さまざまな事件・事故・凶悪犯罪…(中略)これらの混迷の共通点は ごく普通に日本の教育を受けたはずの人々に『善悪とは何かが分からない』という事実ではないかッ!! これは日本が正しき宗教教育をして来なかったことに起因する!!」とのことで、

『天空の門』 第3巻 188〜189頁
『天空の門』 第3巻 188〜189頁
『天空の門』 第3巻 188〜189頁

 つまり、
 「世相の乱れ → 道徳・倫理観の喪失が原因 → 学校で正しい宗教を教えれば解決 → まず政教分離やめる」
 という話です。

 まあ、「正しい宗教」が存在すると仮定すれば、総理の言うことにも一理ある気がしますが……。

『天空の門』 第4巻 40頁

 既存の宗教は古すぎるから、この現代に説かれた新しい教えが必要とのことです。

 さすがに「ビジネスジャンプ」誌上ではそれ以上言えなかったようですが、もちろん、作者の考える現代に適応した正しい宗教とは「幸福の科学」のことです。

 当時、「幸福の科学」の総裁・大川隆法さんが講演していたところによると……。

現代の日本には、教育においても多くの問題があります。
そうした問題の根源は日本国憲法の第二〇条です
(中略)
憲法二〇条三項を改正し、「国及びその機関は、宗教を奨励し、宗教教育、宗教活動の大切さを国民に教えなくてはならない」と宣言すべきです。
(中略)
すでに、仏教は二千五百年の風雪に耐えかね、キリスト教も二千年の風雪に耐えかねています
(中略)
学問の成果や科学技術の進歩と両立しうる、宗教にとっての「新しい中道」が求められているのです。
(中略)
「幸福の科学は、その重大な責務に耐えうる唯一の宗教である」と私は確信しています
幸福の科学こそが、二十一世紀において、世界の数十億の人びとを啓蒙していく未来宗教であり、もはやキリスト教や仏教では教えなくなった、現代および未来の人びとを救いうる宗教なのです。
大川隆法著 『繁栄の法』 221〜227頁)

 ちなみに、この講演が1997年7月1日で、「天空の門」の引用部分は1997年9月13日に発売された「ビジネスジャンプ」の掲載でした。

 この辺、「幸福の科学」の動向がリアルタイムで「ビジネスジャンプ」に反映されています。


平成22年3月12日 大統領もゆく!

 「幸福の科学」の教義によると、レプタリアンという悪い宇宙人が地球をねらっているそうです。

『映画ノストラダムス戦慄の啓示 全秘密』 113頁
「幸福の科学」の映画の解説書より

 「天空の門」の中でも、悪い宇宙人を地球に入れないために地球の波動を整えろと、アメリカ大統領が演説します。

『天空の門』 第6巻 84〜85頁

 ちなみに、この次のページでは、SPが「気ガふれたとシカ思えナイ」と言って大統領を射殺します。


平成22年3月12日 この漫画のストーリーはうまく解説できなくて申し訳ないです

 さて、「天空の門」は、しいて言うなら当時流行だった「Xファイル」の菊池としを版のような漫画です。

 主人公は日向調査官といって、5年前に宇宙人に誘拐された娘を探したり、「破邪──っ!!」と叫んだりします。

『天空の門』 第4巻 118頁

 そして、画像の右上でポーズを決めているのが、この漫画のもうひとりの主人公・万里谷(まりや)裁判長です。

 現実の最高裁は第三小法廷までしかありませんが、「天空の門」の世界では第四小法廷が存在しており、霊能力者である万里谷裁判長が、現行法では裁けない悪霊を裁いています

 つまり、「日向調査官の調査パート」→「万里谷裁判長の裁判パート」というのが基本パターンなのですが、連載のクライマックスでは、そこに「異議アリ…!!」と宇宙人が乱入します

『天空の門』 第5巻 72頁

 それから色々あるのですが、とにかく、この宇宙人が主張するには、

『天空の門』 第6巻 55頁

宇宙にも協定があって、「ある星のなかで、人びとが愛し合い、調和し合い、建設的に生きているあいだは、他の惑星の人間はその文明に介入してはならない」というルールがあります。
介入が許される唯一の例外は、その惑星に住む人たちが、みずからの手によって文明を破滅させようとしているときだけです。
大川隆法著 『ユートピア創造論』 129頁)

 総理大臣も大統領も宇宙人も、大川隆法と同じことを言うのがこの漫画の特徴です。

 そして、この宇宙人(レプタリアン)の出した判決は、

『天空の門』 第6巻 76〜77頁

 この文脈で「地球を統括する法身」といえば、エル・カンターレ=大川隆法先生のことです。
 つまり、エル・カンターレの存在に気付かず、大川先生の教えを無視して生きる地球人は、「宇宙の倫理から見れば、もはや人間ではなく動物と判定される」というわけです。

 そして、信仰心がない地球人が動物と同じなら、牛や豚のように食料にしても「合法」だということで、レプタリアンは地球人を家畜にして食べようと考えています。

 しかし、万里谷裁判長は「その判決に異議ありッ!!」と反論します。

『天空の門』 第6巻 150〜151頁

 この「反論パート」は意味不明なのですが、無理矢理まとめると……。

 (1)世界各地で「地球自身が悪想念を払拭しようとする自浄作用」による天変地異が起こり、大勢の人が死ぬ。
 (2)モンゴルの奥地で、キリストが死ぬように日向調査官が自殺すると、「天空の門」というものが開く。
 (3)「天空の門」に照らされた被災地の人びとが祈る姿を見て、万里谷裁判長がこう叫ぶ。

『天空の門』 第6巻 168〜169頁

 以上で、「地球人に信仰心はある」という証明は完了したらしく、

『天空の門』 第6巻 171頁

 と、判決返しでレプタリアンを追い出して、

『ビジネスジャンプ』 1998年21号 288〜289頁

 「地球は救われた。次号、新展開!!」

 ……ということで、その「次号」を見てみると、

『ビジネスジャンプ』 1998年22号 251頁
『ビジネスジャンプ』 1998年22号 252〜253頁

 ……ええと、「地球人にも少しは信仰心がある」と示してレプタリアンの家畜にされるのは回避したのですが、それはそれとして地球人の悪想念はまだまだ多かったので、地球の自浄作用で1999年に衝撃的な悪夢が起きたそうです。

 この辺は、大川隆法さんが80年代に予言した、90年代に起きる予定の出来事に準拠しており、

私は、現在(一九八六年十月)から今世紀末までのことを書くことは、意図的に避けることにしました。
というのは、ここ十数年の間に人類を待ち受けている未来は、相当に衝撃的な内容になることがわかるからです。
おそらく大地は揺れ、空は曇り、津波がいくつかの諸都市を襲い、陥没する大陸もあるでしょう。
空から降る火の雨に逃げまどう人びとの姿を、テレビで見たり、ラジオで聞くこととなるでしょう。
この世の終わりがくるという終末思想が人びとの口にのぼり、時代は次第に不安を帯びてゆくはずです。
(中略)
西暦二千年。世界の人びとは、前年の夏に起きた衝撃的な悪夢からまだ立ち直れないでおります
大川隆法著 『黄金の法』 214〜216頁)

 3月7日の更新で紹介した通り、大川隆法さんの予言では、「1999年に数億人が死ぬ → 宗教の需要が高まる → 幸福の科学が大ブレイク!」という流れで、世界がユートピアに向かうはずでした。

 そして、「天空の門」の上記シーンは1998年10月15日発売の「ビジネスジャンプ」の掲載だったので、1999年を目前にした時点で、菊池としを先生がまだこの予言を信じていたことが伺えます。

 なお、この漫画はこの後、「死んだと思われていた日向調査官が、実はクローンの肉体に霊魂を移して生きていた! と思ったらやっぱり死んだ」という意図の分からない後日談で終了します。


平成22年3月12日 素直な心に降臨するのだ!!

 ところで、「天空の門」のポエム部分は、雑誌掲載時と単行本で変更されることが多かったです。

『ビジネスジャンプ』 1998年21号 288〜289頁
『天空の門』 第6巻 172〜173頁

 それを踏まえて、「天空の門」の最終回の最終ページなのですが……。

『ビジネスジャンプ』 1999年1号 315頁 『天空の門』 第6巻 239頁
雑誌掲載時 単行本

 単行本では「素直な心に“繁栄”が降臨するのだ!!」ですが、雑誌掲載時には「“繁栄”が」の一行がなく、「素直な心に降臨するのだ!!」でした。

 普通に考えると意味が通らないので、「確かみてみろ!」のような最終回最終ページ誤植かとも思えるのですが、なにしろ元から意味不明な宗教ポエムなだけに、これが間違いなのか意図通りなのか判断できません。

このエントリーを含むはてなブックマーク RSS2.0


■菊池としを全連載解説
『蓮華伝説アスラ』 …大川隆法の本を資料に描かれた少年漫画
アスラの結末の意味を考える
『明王伝レイ』 …マガジン誌上で「幸福の科学」を布教!
レイ第1部と幸福の科学
『YOH〜光の抄〜』 …打ち切り

『天空の門』 …ビジネスジャンプ誌上でも「幸福の科学」を布教

菊池としを先生の近況


■当サイトの「幸福の科学」関連記事一覧
よくわかるエル・カンターレ
よくわかるエル・カンターレの嫁の前世
エル・カンターレの黒歴史
エル・カンターレの最大の黒歴史「エル・ランティ」について
幸福の科学とGLAの教義の共通点
幸福の科学の霊界ランキング
ノストラダムスの霊言
「アンゴルモアの大王=大川隆法」説
金正日守護霊の霊言&昭和天皇の霊言
オバマ守護霊の霊言
守護霊の使用言語に関する補足
幸福実現党 総裁インタビュー
幸福実現党 幹部発言 「天上界の計画によると自民党の与謝野馨は選挙後に死ぬ」
幸福の科学マンガ さとうふみや編 エル・カンターレ ファイト!
幸福の科学マンガ 菊池としを編 エル・カンターレの悪口は地獄行き!