平成22年2月14日 | 死んだはずの男 | ||||
80年代に「週刊少年マガジン」で連載していた漫画家が、菊池としを先生です。
漫画家のコピーといえば、「みる夢は、すべてオールカラーの鳥山明」「執筆中はいつも卍解!!久保帯人」などが有名ですが、この「死んだはずの菊池としを」には衝撃を受けました。 ……すみません。本当はこういう見開きだったのですが、 雑誌で見ると1ページずつ目に入りますし、「死んだはずの」と「菊池としを」の距離が近くて自然な並びなので、まるで菊池としを先生が死者蘇生したように見えました。 ちゆだけではなく、つれづれの館さんも、「本来なら覚えるべくもなかったこの漫画の作者名が、『死んだはずの』のフレーズとともに頭に焼き付いてしまった」と当時を振り返っておられます。 さて、そんな菊池としを先生は、大川隆法さんが率いる「幸福の科学」の会員としても有名です。 「フライデー」の記事によると、
今日は、この菊池としを先生が「幸福の科学」に染まる以前にスタートした初連載「蓮華伝説アスラ」を再確認してみたいと思います。 |
◇もくじ◇
▼誕生編 ▼激闘編 ▼暗黒編 ▼バイオレンスジャック編 ▼最終回 ▼完結編 ▼初美ちゃん、地獄に行く ▼結末ネタバレ注意 |
平成22年2月14日 | アスラ誕生編 | |||
「蓮華伝説アスラ」の第1話では、地獄の鬼たちが現世に現れて、人間を襲い出します。 主人公の飛鳥仁、初美ちゃん、シゲも、鬼に襲われて逃げようとしますが……。 シゲは顔面を道路ですりおろされて死亡。 生き残った初美ちゃんもショックで発狂して、「シートト…」と言いながら床にオシッコする人になってしまいました。 その後も、人間がゴキブリに食べられたり(グロ漫画画像注意)、幼女が生きたまま丸呑みにされたり(グロ漫画画像注意)と、「蓮華伝説アスラ」は、刺激的な描写がウリの漫画でした。 |
平成22年2月14日 | アスラ激闘編 | |||||
「蓮華伝説アスラ」の基本ストーリーは、飛鳥仁が「出神(しゅつじん)!」とアスラに変身して戦うというもの。 たとえば、第3話の敵は「デビルマン」のジンメンと似ていて、食べた人間の顔が体に浮かびます。 犠牲者が知り合いの幼女なのも「デビルマン」と同じで、「デビルマン」のサッちゃんに対して、「蓮華伝説アスラ」ではまいちゃんでした。
ただし、サッちゃんはデビルマンの攻撃で死にましたが、アスラはもっとヘタレなので……。 まいちゃんは自分で舌をかみきって死ぬのでした。 そんな感じにとしをナイズされているとは言え、「蓮華伝説アスラ」には何かの影響をモロに感じさせる部分が多かったです。 |
平成22年2月14日 | アスラ暗黒編 | |||
さて、「蓮華伝説アスラ」のラスボスはジーヴァ様です。 この説教は1986年6月の掲載なので、ジーヴァ様は前年11月発売の安岡正篤「運命を創る」に影響されていると思われます。 (※「運命を創る」……GHQがスクリーン・スポーツ・セックスの「3S政策」で日本人を堕落させたという陰謀論の根拠となる証言が載った素敵な本) ともあれ、ご覧の通りジーヴァ様は地球よりもデカイのですが、これに対して、アスラも「自分自身を宇宙レベルにまで拡大」します。 そして、「破邪──っ!!」と叫びながら、アスラは地球を投げつけて攻撃。 この戦いの結果、地上では文明が崩壊しました。 |
平成22年2月14日 | バイオレンスジャック編 | |||||||||||
さて、文明が崩壊した地球は、「北斗の拳」のような世界になりました(新展開)。
この当時、ちょうど「北斗の拳」のテレビアニメが大人気放送中だったのですが、「アスラ」には、なぜか肩パットを付けた鬼まで登場します。
そして、アスラもケンシロウみたいなキャラになりました。 こうしてデビルマンから世紀末救世主にジョブチェンジしたアスラですが、ケンシロウと違うのは、読者にクロレラを広めたことです。 ちなみに、クロレラというのは、 たとえ地球が肩パットに支配されても、クロレラさえあれば食料の心配はないのです! |
平成22年2月14日 | 最終回 | |||
こうして2年ほど続いた「アスラ」の連載も、ついに終了。 最終回では、初美ちゃん(第1話で発狂した娘)が真っ二つになって死にます。 絶望するアスラ。 さらに、人びとが悪い心を持ち過ぎたことで地球が狂い、大噴火や大洪水が起こって、人類は破局へと向かいます。 そして、次のページをめくると、 「アスラ」の連載していた雑誌が破局を迎えていました。 (※「マガジンSPECIAL」は1987年8月号で全連載を打ち切って休刊。1年8か月後に復活して現在まで続いています) この「終」の文字には一瞬絶望させられましたが、しかし、すぐ隣のページを見ると、 ……ということで、単行本で130ページほど書き足して、ちゃんと結末まで描かれることになりました。 いっとくが単行本は480円です。 |
平成22年2月14日 | アスラ完結編 | |||||||||||||||||||||||||||||||
さて、5か月後に発売された単行本を買うと、あの最終回のあと、アスラは初美ちゃんの腐乱死体を抱いたまま放浪していました。 しかし、鳥に襲われて、初美ちゃんの死体はグチャグチャに。 ところが、そこでアスラは気が付きます。 謎のポーズで魂の不滅を悟ったアスラは、さっそく布教活動を始めます。 こうして、世紀末救世主を通り越してリアル救世主にジョブチェンジしたアスラ。 ちなみに、「釈迦のごとく法と慈悲を説き」「イエスのごとく愛を説いて」「モーゼのごとく現象による奇跡をおこない」というのは、当時の大川隆法さんの本に書かれている正しい宗教の条件です。
また、アスラの布教の目的は、地上の悪想念を減らすことですが、 大川隆法さんが呼び出した高級霊によると、これと同じことを「幸福の科学」も目指しています。
そんなわけで、「たとえ殺されようとも愛と調和を祈るのだ!」「物理的な戦闘ほど無意味なことはない!」という教えを広めるアスラ。 それを信じた人びとは、無抵抗で殺されていきます。 ここは感動する場面らしいです。 |
平成22年2月14日 | 初美ちゃん、地獄に行く | ||||||||||||||||
一方、その頃、死んだ初美ちゃんの魂はあの世に来ていました。
この地獄の描写は、「幸福の科学」とつながりの深い高橋信次さんの話を下敷きにしたものと思われます。 (※高橋信次さんと「幸福の科学」の関係については12月29日の更新を参照)。
さて、初美ちゃんは、残酷な形相の連中に襲われますが、
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平成22年2月14日 | 結末ネタバレ注意 | |||||
そんなこんなで、あの世から帰ってきた初美ちゃんとアスラは、ジーヴァ様と対峙。 「蓮華伝説アスラ」の物語も、残すところあと6ページとなり、 グバアアアッと光って、 なんか六芒星で、 ラスト2ページは、 唐突にジーヴァ様と初美ちゃんとアスラが合体して、完。 最近でも、「保健室の死神」で登場人物が突然阿修羅になって次回に続くギャグがありましたが、それを22年前にギャグじゃなく真剣に最終回でやったのが「蓮華伝説アスラ」でした。 |
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→補足:『蓮華伝説アスラ』の意味不明な結末の意味を考えてみる |