昔のちゆニュース
◇「ガンガン」関係◇
平成13年03月09日:少年ガンガン創刊10周年 平成13年07月11日:「スサノオ」最終回 平成13年07月12日:ガンガン新連載、奇面組&岸本(弟) 平成13年09月01日:小島あきら先生、元気を出してください特集 平成13年09月29日:エニックスお家騒動 平成14年03月06日:エニックスお家騒動の顛末 平成14年03月22日:フランス書院、Zコミックスを創刊 平成14年08月14日:「スパイラル」がアニメ化 平成16年12月25日:ヤングガンガン創刊 平成17年03月23日:ヤングガンガンの方向性 |
平成13年3月9日 | 少年ガンガン創刊10周年 |
10年前、「ドラゴンクエスト4コママンガ劇場」の好調な売れ行きで調子に乗ったエニックスが創刊した月刊漫画雑誌が「少年ガンガン」です。以来、さらに調子に乗って「ガンガンファンタジー」を創刊したり、もっと調子に乗って「ギャグ王」を創刊したけど速攻で廃刊になったり、よく見ると全ての号に「特大号」「超特大号」と銘打たれていて「普通の号」が一冊もなかったり、ゆでたまご先生の新連載が始まったり、突然隔月刊になったかと思ったら瞬速で月刊に戻ったり…と、色々なことがありました。 何を隠そう、ちゆは創刊号からすべて保存しています。「創刊時、ちゆは2歳だろ」と思われる方もあるかも知れませんが、ちゆは二次元人なので10年前も12歳です。 そんなこんなで感慨深いのですが、「ハーメルンのバイオリン弾き」も先日終了してしまい、創刊号から残っている漫画は一つもなくなってしまいました。そうそう、「ハーメルン」といえば一ヶ月で100頁掲載されたことがあるのですが、エニックスは漫画家を人間扱いしていないのでしょうか。 その「ハーメルン」の渡辺先生は創刊前に開かれた「エニックスファンタジーコミック大賞」に受賞してガンガンに連載することになったのですが、当時審査員だった永井豪先生と武論尊先生が講評で特に褒めていた漫画家は10年後の現在まったく残っていないという事実はとても意味深です。 また、この賞では柴田亜美先生も奨励賞どまりだったのですが、現在「コミックジャンボ」等で活躍中の人気エロ漫画家・つくしの真琴先生のお名前も奨励賞受賞者の中に入っております。この応募作がどんな漫画だったのか、非常に気になるところです。 ところで、やはり思い出されますのは創刊間もない頃のことです。今でこそ雑誌の方向性というものもありますが、創刊当時は好き勝手な漫画が乱立していましたことをよく覚えております。 特に印象深いのは、創刊号(4月号)に始まって8月号に終了し、めでたくガンガン史上最初の打ち切り漫画になった作品、高橋わたる先生の「蜜竜の門」です。高橋わたる先生は「おとこ旅」「男でござんす」「劇画ジャンボ軍団」「支配人びんびん物語」などを描いた方で、創刊号から彼に連載させた編集部にどんな深遠な思惑があったのかは常人の想像が及ぶところではありません。ちなみに高橋先生の代表作「マウンドの狼」は古本屋でそこそこの値がつくのですが、「蜜竜の門」は連載終了時点で「ガンガンコミックス」そのものが存在しなかったため単行本化されず、幻の作品となってしまいました。 それ以上の問題昨が原案・監修:矢追純一の漫画「EBEイーバ」です。宇宙人が人間をさらって脳に変なものを埋め込んで「オゾン層が危ない」と警告してくる謎な展開を手始めに、ミステリーサークル、キャトル・ミューティレーション、MJ−12、第三の選択と矢追テイスト全開で突っ走り、読者は容赦なく取り残されます。それでも最初はドキュメンタリータッチでそこはかとなく事実っぽく作られていたのですが、途中から崩壊。気がつけば月の宇宙人の基地でドンパチしたり、愛の力で悪い宇宙人をやっつけたり、飼い猫が実は宇宙人だったり、ギャグでやっているとしか思えません。 ほかに歴代ガンガン作品でちゆが好きな漫画を列挙すると「輝竜戦記ナーガス」「ザ・ドリフトガール」「無敵冒険シャクマ」「はるまげドン」「GOGO!プリン帝国」「宇宙人パナパナ」「PON!とキマイラ」「清村くんと杉小路くんと」あたりになるのですが、これらマイナー作品について長々と語ってもひんしゅくを買うだけですので、この辺でやめておきます。 なにはともあれ、創刊10周年おめでとうございます。 |
平成13年7月11日 | 「スサノオ」最終回 | ||
商業漫画は「打ち切り」と切っても切れない関係にあります。 「打ち切り」は漫画家の都合など全く関係なく唐突に訪れます。 ですから、あまりにも壮大な伏線を張ると、いざ打ち切られた時に収集がつかなくなって、漫画家の自我が崩壊したりします。 たとえば車田正美先生の「サイレントナイト翔」は、「聖闘士聖矢」クラスの長期連載を想定した巨大な伏線が張りめぐらされたにも関わらず、一切解決しないまま10週で打ち切られました。 逆に、荒木飛呂彦先生の「バオー来訪者」は、最初から短期集中連載の予定だったとしか思えないほど完成された打ち切り漫画です。 さて。 「月刊少年ガンガン」創刊号から連載していた漫画に、「ハーメルンのバイオリン弾き」と「輝竜戦鬼ナーガス」があります。「ハーメルン」には4人の魔界軍王、「ナーガス」には炎魔六将軍という伏線が張られました。 長期連載になった「ハーメル」では、初期の4人だけでは敵が足りなくなってしまい、後から強すぎて封印されていた奴などが登場しました。 一方、「ナーガス」は六将軍の1人目を倒した時点で打ち切りが決定。強引にラスボスを倒すところまで話を進めるために、残りの5人は雑魚扱いで瞬殺されていきました。 そんな「ナーガス」を描いておられた増田晴彦先生、次回作「風の騎士団」の連載途中で本誌「ガンガン」を追い出されて「Gファンタジー」に移籍。結局、大量の伏線を残したままで「第1部完」と打ち切られました。 その次の連載は増刊の「ガンガンWING」に左遷。これも速攻で打ち切られ、ジャンプ10週連載にありがちな「さあ行くぞ!」式で幕を降ろしました。 そんな増田先生が、久しぶりに「ガンガン」本誌に返り咲き。昨年の11月号から始めた新連載が「スサノオ」という漫画です。 ところで、増田先生は「寄生工房通信」というホームページをお持ちです。 作品一覧でむかし別ペンネームで描いていたエロ漫画をカミングアウトしてたりとなにげに素敵サイトですが、連載中の裏事情を色々と書いてくださるのも面白いです。 たとえば、掲示板に書き込まれた読者の意見。「主な読者層は同人オタク女性とか言われる現在のガンガンに、美形キャラも萌えキャラも登場せず、モンスターが延々とバトルを繰り広げる漫画は合わないのではないでしょうか」。 先生、答えて曰く。
てっきり増田先生がモンスターフェチな趣味全開で暴走したのかと思っていたのですが、むしろ編集部主導企画だったのですね。 さりげなく打ち切り寸前の不人気を愚痴ってるのも好感度アップです。 そんなわけで、第7話でテコ入れが入ります。異形の化け物しか出てこないバトル漫画という方針を曲げて、半裸で幼女なヒロイン・クシナダさんの登場です。 この際、増田先生はホームページでこう語ってくださいました。
すでに宣告が出ているようです。まさに打ち切り崖っぷち。単に雑誌を読んでいるだけでは分からないこの臨場感。打ち切られるのか、ギリギリで盛り返すのか、読者もハラハラドキドキです。 結局、1ヵ月後にはアンケート結果が出て10話打ち切りが決定。ついに今月号に最終回が掲載されました。 「世界最強神話昇天(ごあいどくありがとう)!!!」とか書いてあるのがヤケなのか気合いなのかよく分かりません。 最終回では、あらゆる未消化の伏線や倒していない敵の数々は完全無視。 これで終わりだということをまったく気にせず平常通りに展開して、最後のコマに「第1部完」と書いてあるのを除けば最終回らしさは微塵もありませんでした。ナイス開き直り。 なお、今月号には誤植があって、「P764とP770が入れ違いになっています。前後の展開を見るとおかしく感じられると思います」とのこと。 申し訳ありません、何の疑問も感じず読み切ってしまったちゆはダメでしょうか。 そんなこんなで色々書きましたが、ネットアイドルちゆは増田晴彦先生を応援しています! |
平成13年7月12日 | ガンガン新連載、奇面組&岸本(弟) |
9月12日発売の「少年ガンガン」10月号から、新沢基栄先生の「はいすくーる奇面組(仮)」の連載が始まります。 …と、実は昨日のニュースで書く予定だったのですが、「スサノオ」の話に気合いが入りすぎて忘れていました。 さて。 10年前、「ドラクエ4コマ」の売れ行きが好調で調子にのったエニックスが作った少年漫画誌が「少年ガンガン」です。 近年は同人くさい絵柄と同人くさい物語で同人ねーちゃんが喜びそうな漫画が増殖。萌えとかショタとかホモとかで、一部の大きなお友だちにオタク雑誌として人気を得ています。 その辺りは編集部が好きでやっているのかなと思ってたのですが、実際はそうでもないようです。 増田晴彦先生情報によると、編集部でも今のガンガンに問題を感じており、近ごろ新連載と最終回が多いのはその表れとのこと。 といいますのも、今の「ガンガン」読者層は限定的で高年齢化が進み、少年誌のくせに正統派の少年漫画がウケなくなっています。 だから、「このままでは近い将来ガンガンは少年誌として立ちいかなくなる」「少年誌であるガンガンは少年漫画を読みたい読者が大勢いてくれないと体裁的にも営業的にも困る」というのが、編集部の見解だそうです。 その問題を解決する策の一つが激濃ゆ巨大モンスター迫力バトル漫画「スサノオ」の新連載だったわけですが、あえなく打ち切り。 そこで次に登場したのが、「奇面組」だというわけです。 ですから、今回の新沢先生起用は「コミックバンチ」や「伝説マガジン」のようなアダルト向け懐古主義ではなく、むしろ正統派少年向けギャグ漫画で子どもたちの人気を得たいという意向だと思われます。 …そこで「奇面組」という発想がアレですけど。 ちなみに、これから「奇面組」を含めて4号で7本の大量新連載が始まるそうです。ただでさえ殴れば人が殺せるほど分厚い雑誌ですのに、まだ厚くするのでしょうか。 「奇面組」より一足早く、来月号から始まる新連載をご紹介しますと…。 1.「幻想水滸伝」とか「ハリーポッター」とか大好きなショタ属性の同人作家・高坂りと先生が描く魔女っ子もの萌え萌え漫画。 2.現在「少年ジャンプ」連載中でやおい姉ちゃんに大人気の「NARUTO」を描く岸本斉史先生の実弟、岸本聖史先生の漫画(双子らしいです)。 岸本先生(弟)は、増刊号に読み切りが掲載された際、わざわざ「某誌活躍中の兄貴を超えろ!!」とアオリ文句を書かれ、ほかの新人は「○○先生」と言ってもらってるのに一人だけ「岸本君」呼ばわりされたほどの編集部期待の人材。 作風(特に絵柄)は兄貴に激似です。 そんなこんなで、ネットアイドルちゆは少年ガンガンを応援しています。 |
平成13年9月1日 | 小島あきら先生、元気を出してください特集 | ||||
漫画家の小島あきら先生が、体調を崩されたそうです。 なんでも、血液検査を受けたら基準値「5〜45」の項目が「207」になり、「このまま放っておいたら確実に早死にするよ」と言われたとのこと。 …くれぐれも、ご無理をなさらないでくださいね。 さて。 そんな小島先生は現在、「月刊ガンガンWING」に連載しておられます。 「ガンガンWING」は、「日本一元気な少年漫画誌」を目指すつもりが気がつけば「日本一の同人雑誌」になっていた「少年ガンガン」の姉妹誌。 本家「ガンガン」以上に露骨な少女向け少年漫画路線を展開して、読者の半数以上は同人オタクの女性などと噂される雑誌です。 しかし、一方でダグラム風味のロボットやホシノ・ルリもどきの美少女が活躍する「ジンキ」という怪作も連載しており、油断はできません。 そんな「ガンガンWING」に、小島先生が連載しておられる漫画のタイトルは「まほらば」。 そして、これが各所のオタクさんたちに支持されています。 たとえば、天上の飛鳥さんの7月27日。
また、着物魔王亭さんの7月30日。
さらに、LongHornさんの7月28日。
そして、最後通牒さんの7月27日。
一方の「ラブひな」は、ヒロインが自分から舌を入れたりラブホに誘ったりと、早く私の処女を奪ってよ状態。連載終了も近そうな気配です。 そして、ポスト「ラブひな」第1候補の正統派オタク向けラブコメ漫画は、この「まほらば」です。 すでに単行本第1巻が発売されています。「売り上げが悪ければ連載を打ち切られる」という話もありますので、興味を持たれた方は是非、この機会にご一読ください。 ネットアイドルちゆは小島あきら先生を応援しています。 |
平成13年9月29日 | エニックスお家騒動 | |
最後通牒さんが詳しく取り上げておられますので激しく今さらですが、エニックスの漫画出版関係が面白くなっています。 現在、エニックスが出している漫画雑誌は4誌です。 「少年ガンガン」…日本一のオタク向け同人漫画誌 「ガンガンWING」…高年齢層寄り(たぶん)のガンガン 「Gファンタジー」…女性層寄り(たぶん)のガンガン 「ステンシル」…何をトチ狂ったか創刊された少女漫画誌 この他、5年ほど頑張って廃刊になった「ギャグ王」、わずか2ヶ月半で廃刊になったエニックス初のヤング誌「コミックバウンド」などもありました。 それでは、今月号の「ガンガンWING」をチェックしてみましょう。 ●「陽炎ノスタルジア」 なぜかペン入れ前の下書きを掲載(「H×H」がよくやってるアレです)。登場人物の1人が死亡。「水…貴…あとを…頼みます」。第一部・完。 ●「ジンキ」 敵を追っ払い、主人公の独白。「ただ、これだけははっきりしています。まだ…すべてが終わっていないということを…。これから起きる何かが…すべての始まりだということを!」。第一部・完。 ●「ワールドエンド・フェアリーテイル」 「このままじゃ終われない。ケリはきちんとつけねーと」「…分かったわ。では行きましょう。…この学園にかけられた、呪いを解くために」。彌勒編・完。 ●「パンゲア」 主人公、仲間と再会。敵が「また会おう」と言って去っていく。謎の人物、登場。セリフ「お目覚めかね」。第2部にご期待ください。 そう、4作品同時途中打ち切りです。ちなみに、打ち切られた各先生の巻末コメントは…。
浅野先生がやばいです。 ともあれ、実は先々月号でも「悪魔狩り」と「ひなぎく見参!」が、先月号でも「タクティクスオウガ」が、同じようにジャンプの10週漫画よろしく中途半端に打ち切られています。 さらに円満終了(?)した作品も多数あり、ここ4ヶ月で終了した漫画の数は12本。…ちなみに「ガンガンWING」の連載本数は常時14本くらいです。 問題は、「それを読むために雑誌を買う人も多い」ようなエース級の漫画が大量に打ち切られた点です。そのことで、「ガンガンWING」はひどく魅力のない雑誌になってしまいました。 「少年ジャンプ」にたとえると、「H×H」「ヒカルの碁」「ワンピース」「遊戯王」「シャーマンキング」「テニスの王子様」「こち亀」「ナルト」「ボーボボ」「ジョジョ」がいきなり全部打ち切られたようなものです。 この惨状にMOON PHASEさんも、「今月号の『ガンガンWING』! 何がどうなってるんだよ、これ」とコメントしておられます。 しかし、話はこれだけでは終わりません。その数日後に発売されたエニックスの少女漫画誌「ステンシル」でも、人気連載が3つほど唐突に打ち切られていました。 2chの噂などによると、元編集長が漫画家を引き連れてエニックスを離反。新会社を立ち上げ新雑誌を創刊するからだそうです。 ともあれ、今月の「ガンガンWING」は第一部完の嵐だけでも見る価値があると思います。 ネットアイドルちゆは、残った「まほらば」の小島あきら先生を応援しています。 |
平成14年3月6日 | エニックスお家騒動の顛末 | |
昨年9月29日のニュースで、「少年ガンガン」お家騒動について、ご紹介させて頂きました。 エニックスは、「少年ガンガン」「ガンガンWING」「ステンシル」「Gファンタジー」などの月刊漫画誌を出しています。 ところが、「少年ガンガン」の元編集長が、上記4誌の人気作家を10人以上引き連れて別の会社を設立。新雑誌「コミックブレイド」を創刊しました。 時を同じくして、エニックス作家陣で唯一納税額が1億を超える売れっ子・「最遊記」の峰倉かずや先生も一賽舎の新雑誌に作品ごと移動。 立て続けに漫画家に逃げられるのは、やはりエニックス側に何らかの問題があるからかも知れません。 ともあれ、「少年ガンガン」はテコ入れで対抗。往年の人気漫画「南国少年パプワくん」の復活、「ハーメルン」作者の新連載など、昔のファンの呼び戻しにかかります。 また、「鋼鉄天使くるみ」「魔法少女猫たると」の介錯先生・「羊のうた」で一部ファンの絶大な支持を受ける冬目景先生を引っ張ってくるなど、オタク層の呼び込みにも余念がありません。 一方、新創刊「ブレイド」の目玉は、人気漫画「まもって守護月天!」の続編。 元々「少年ガンガン」で連載していたのですが、ある日突然連載がお休みに。少し待ったら再開するのかと思いきや、作者が別の漫画の連載を始めてそれっきりほったらかしにされた漫画です。 果たして、「ブレイド」が「ガンガン」を超えるのか、それとも「ガンガン」が盛り返すのか…。主に野次馬的な視点から「ブレイド」は大きな注目を集めました。 ところが、先月末。実際に発売された「ブレイド」には、こう記載されていました。 「企画プロデュース・エニックス」 同人誌生活文化総合研究所さんの2月21日によると、エニックスが訴えを起こし「正式に謝罪を受け」「株式50%を取得することで和解」していたそうです。 いちおう「和解」とされていますが、実質的にエニックスが子会社で新雑誌を1つ作った形。漫画で競う以前に、大人の対応で「ブレイド」の完全敗北です。 ともあれ、「ブレイド」創刊号の見所はこの辺でしょうか。 …14歳レイプ。作者は「ガンガンWING」に連載していた頃、巻末のコメントに「どこまでやってよいのでしょうか」と書いておられましたが、ここまでやってしまいました。 なお、目玉の「守護月天」と一部でパクリ疑惑が囁かれる「悪魔狩り」の続編は、前作を知らないひと置いてけぼり。 エニックスの漫画誌の読者でなければ、何だかよく分からない雑誌かも知れません。 ネットアイドルちゆは「コミックブレイド」を応援しています。 ≪平成17年2月14日・追記≫ 上で「14歳レイプ」と書いたのですが、「ジンキ・エクステンド」第4巻に「今年の10月まで13」という発言がありましたので、正しくは「13歳レイプ」でした。 |
平成14年3月22日 | フランス書院、Zコミックスを創刊 | |||||||
エニックスは「少年ガンガン」を創刊する前、才能ある新人を発掘するため「エニックスファンタジーコミック大賞」を開きました。 そこで優秀賞を受賞したのが、「Z MAN」という漫画でした。 審査員評では、いのまたむつみ先生が「アイデアもひねり過ぎ、絵も描き込み過ぎ」とコメント。石ノ森章太郎先生にも「熱意のあまり見づらいです」とシメられました。 ちなみに、大賞をとった「ハーメルンのバイオリン弾き」も、松本零士先生に「バイオリンがギターに見える」とツッコまれています。 ともあれ、そんな経緯で「Z MAN」は「少年ガンガン」に連載を開始。無駄な熱さと突き抜けた勢いで、雑誌の黎明期を支えました。 さて、この漫画の主人公は、記憶喪失で自分の名前を忘れています。そこで、ヒロインが名前を付けてくれるのですが…。 名前がないから「ナナシさん」。いくらなんでも安直過ぎます。……これが一発ネタではなく、4年に渡る長期連載の間ずっと「ナナシさん」「ナナシさん」と呼ばれ続ける主人公が気の毒でした。 その他、最初はロリコンキャラだったアジャンタさんが、物語が進むにつれて老けていったのも印象的です。
さて、その「Z MAN」の作者・西川秀明先生は、「エニックスファンタジーコミック大賞」受賞以前から、まみやこましという名前で18禁エロ漫画を描いておられます。 最近、そんな先生の昔のエロ漫画が、フランス書院の「Zコミックス」に再収録されました。「Z MAN」そのままの絵柄のエロ漫画もあり、未読のファンの方にはオススメです。 また、2月26日のニュースでも触れましたが、10年ほど前はエロ漫画への風当たりが強かったため、自主規制で巨大な修正を入れられていました。 ところが、今回の「Zコミックス」版では、その「消し」が極小サイズに。旧版をお持ちの方にも一見の価値がありそうです(旧版との比較←エロ画像有り、お子様注意)。 ネットアイドルちゆは西川秀明先生を応援しています。 |
平成14年8月14日 | 「スパイラル」がアニメ化 | |
昨年8月のニュースで、「少年ジャンプ」連載の漫画・「魔術師2(マジシャン・スクウェア)」について触れました。 マジシャンを目指す2人の やはり「少年ジャンプ」でマジック漫画をするなら、「魁!!男塾」の男爵ディーノみたいなキャラを主人公にしたマジシャン暗黒武術会でもやった方がいいのかも知れません。 ちなみに、普通、漫画の打ち切り情報は雑誌の発売日まで分かりませんが、この時、監修の北見マキさんのホームページには打ち切り数週間前の段階で次の告知が掲載されていました。
自分の漫画のタイトルを間違えているのは単なるケアレスミスでしょうが、しばらくすると、なぜかこの告知はホームページから消されてしまいます。 そして、その後の更新で、「残念ながら休載となりました(大きい声では云えませんが、詳しい内容は集英社から口止めされています)」と書かれていたのがちょっぴりアレでした。 ところで、マジックをネタにした漫画と言えば、「少年ガンガン」に「マジック・マスター」という漫画が連載しています。 こちらは、マジシャンを目指して勉強する子供たちが、先生に教わったり発表会をしたりしながら、「超能力を研究している科学者の所に超能力者のフリをして潜り込め!」「手品を利用して信者を集める新興宗教に乗り込んでトリックを暴け!」といった漫画的なミッションを地味に淡々とこなすお話です。 さて、その種の「企画っぽい漫画」として、ミステリ漫画があります。 「金田一少年の事件簿」のヒット以降、「少年ジャンプ」も2匹めのドジョウを狙い、多くのミステリ漫画を企画しました。 しかし、「人形草紙あやつり左近」は30週、「心理捜査官草薙葵」は23週、「少年探偵Q」は15週、「ぼくは少年探偵ダン!!」は19週と、いずれも短命で打ち切られています。 一方、「少年ガンガン」も、同じように「スパイラル〜推理の絆〜」というミステリ漫画を連載させました。 微妙なミステリ作家の城平京先生がストーリーを担当、同人テイスト全開の水野英多先生が作画を担当ということで、無理に例えると「ラブひな」の絵でストーリーは「金田一少年」という感じの混ぜちゃいけない洗剤を混ぜちゃったような第一印象を受けました。 連載開始当初は、学園で殺人事件に巻き込まれた天才少年の主人公が数名の犯人候補からズバリ真相を言い当てるエピソードが続きます。 しかし、そういった「犯人当て」から、段々と「敵と推理力で対決する漫画」に路線変更。限定されたルール内での知略戦という意味では、「金田一少年」よりも「ジョジョの奇妙な冒険」のスタンドバトルに近いかも知れません(注:本当に「ジョジョ」のつもりで読むと「だまされた!」と思うこと間違い無しです。全然違います)。 主人公も、最初は「謎はすべて解けた」の要領で「これが真実の旋律か…」などと言っていましたが、話が進むにつれて鬱になっていきます。 自分のことを「無能で無力で自分を信じられない臆病な負け犬だ」と思っている主人公を、いかに立ち直らせて事件に向かわせるかに敵も味方も一所懸命です。 最近の連載では、学校内でサブマシンガンを乱射する美少年が、めった刺し殺人犯のヘタレ眼鏡・陸上の天才のお姉さん・爆弾作りが趣味の爆裂ロリータさんのズッコケ3人組と銃撃戦をしています。 ……ちょっぴりバトル・ロワイアル入ってますが、その間、主人公はサブマシンガン美少年に人質にされて囚われのお姫様のように事態を傍観しているだけ。最後は女の子に励まされてやる気の出た主人公が推理でサブマシンガンに勝つような展開になるのかも知れませんが。 そんなこんなで従来のミステリ漫画の概念からは少々逸脱していますが、原作者によると「ハートはミステリ」だそうです。 その奇形ミステリ漫画が、10月からテレビアニメになります。正直あまり期待していませんが、ネットアイドルちゆは「スパイラル」を応援しています。 |
平成16年12月25日 | ヤングガンガン創刊 | |||||
だいぶ前にお引っ越しをしたのですが、大阪でも東京でも、この時期道端のゲロが増えるのは変わらないんですね。どこに行っても大人って汚いです。 さて、「少年ガンガン」などの漫画雑誌を出しているエニックスが、以前「バウンド」という青年誌を作ったことがあります。 ●表紙:水着のグラビアアイドル ●キャッチコピー:「バカに目覚めるオトコのコミック」 ●目玉の漫画:漫☆画太郎「虐殺!ハートフルカンパニー」 ……一体どっちに向かって弾んでんだという感じで、わずか5号(2ヶ月)で潰れました。 それから4年、エニックスが再び青年誌に挑戦しています。 「バウンド」で懲りたのか、まず3ヶ月に1度「ガンガンYG」という雑誌を出して様子を見てから、改めて月2回の「ヤングガンガン」がスタート。 表紙はドラクエかFFで、グラビアページも全部二次元美少女。目玉は、かつて「少年ガンガン」の人気連載だった「ロトの紋章」の続編。子供のころ「ガンガン」を読んでいた層やゲーム大好きのアダルトなチルドレンを狙っているようです。 とりあえず、「少年ガンガン」に比べると乳首が出まくるあたりがヤング。 あと、読むとインクで手が真っ黒になるという「ガンガン」の特徴を忠実に引き継ぎました。 ところで、ちゆにとって「ガンガン」が一番面白かったのは、創刊まもないころ。 矢追純一監修の宇宙人漫画とか、盲目っ娘萌えの格闘漫画(4つの鈴を集める話だったがもちろん全部集まる前に打ち切り)とか、雑誌の方向性が定まらずに油っこい漫画が乱立していました。 そんなガンガン黎明期を支えた作品の1つが「激闘!!一番」です。 教室にリングのある高校に入学した主人公が、いろいろな格闘家と戦っていくお話。上級生のシゴキでタイヤのトンカツを食べさせられたりします。 第1話の敵が青銅会館(たぶん正道会館がモデル)を名乗るなど、いちおうマジメな格闘漫画っぽいのですが、マーシャルアーツ使いがベトナムホイップを出したり、中国拳法家が秘孔をついてきたり、どこまでマジなのかよく分かりません。 ちなみに、当時「ダッダーン! ボヨヨンボヨヨン」というCMが流行っていましたが、この漫画のヒロインは、保健のダッダン先生。 そして、この漫画で最もイカれていたのは大玄寺くんです。 初登場シーンからヤンキーに絡まれていますが、その理由は、「てめえ俺のダチ公に何をしたっ。てめえがやってるなんとかセミナーに行きだしてから、タバコはやめるわ 酒はやめるわ すっかりマジメになっちまったぜっ」 そんなわけで、学校中に超神秘力発掘セミナーを布教している大玄寺くん。 「正しい心!」と念じるほどパワーアップするので、試合中も、彼のクラスメート(セミナーの会員)たちが、「正しい心!正しい心!」と応援していました。 しかし、主人公の必殺技・胴首閃斬(要するにキン肉ドライバー)で倒され、大玄寺くんは忘れていた記憶を取り戻します。 彼は、苦労して買ったドラクエを自室で今まさにやらんとしている時、突然窓から入ってきた謎の男たちに誘拐され、改造手術を受けさせられたのです。 「私は……私は……」 「ドラクエをやりたかったんだあ――――っ!!」 魂の叫びをあげると、大玄寺くんの姿が……。 「な なんだあ あれは――っ!?」 「だ 大玄寺が変身した――っ」 ドラクエやりたさのあまり虎に変身したのかと思いきや、校長先生が叫びます。「しまった 奴に埋め込んだ虎の強化細胞が暴走しおったか――っ」 ……犯人はお前か。 その後、ダッダン先生の正体は警視庁の秘密特捜刑事だったとか、校長が動く便器に乗って逃亡とか、死ぬほどどうでもいい話が続いた後、主人公がライオンになって大玄寺くんを倒して終わるのでした。 そんなわけで、「ヤングガンガン」にも、もっとこういう昔の「ガンガン」を彷彿とさせるような漫画があると個人的には嬉しいです。 ネットアイドルちゆは「ヤングガンガン」を応援しています。 |
平成17年3月23日 | ヤングガンガンの方向性 | ||
雑誌の読者プレゼントには、購買層が反映されます。 オカルト雑誌なら、魔法の振り子やパワーストーン。 ホモ雑誌なら、「ゲイセレブからの超ド級豪華プレゼント」としてコンドーム1年分が当たったり、「マッチョリックス」とか「SG理髪師 ガン堀りバーバー」といったビデオがもらえたりします(「SG」は「スーパーガッチリ」の略)。 あと、育児雑誌では、「たまごクラブ」ならムーニー新生児用、「ひよこクラブ」ならムーニーマン、「こっこクラブ」ならトレパンマンと、お子様の成長に合わせて読者プレゼントも成長します。 そんな中、昨年12月25日のちゆニュースで紹介させて頂いたエニックスの新雑誌「ヤングガンガン」の読者プレゼントは……。 「まるで本当の女性にひざまくらをしてもらっているかのような心地よい肌触りを実感できちゃうぞ!」 ……編集部が想定している「ヤングガンガン」読者は、この下半身を欲しがるような人種みたいです。 ……こちらも、「ヤングガンガン」読者のソファに2人分のスペースはいらねえという意味ですね。 そんなこんなで、そーゆー方向けの雑誌として絶好調の「ヤングガンガン」。 しかし、創刊当初から大きなセールスポイントだったゲームコミック部門では、早くも呪われております。 たとえば、PS2のゲーム「DRAG−ON DRAGOON」の漫画は、弐号で「参号へつづく」と引いた後、参号で「休載します。ご了承下さい」になり、その次の号で消滅して、そのまま帰ってきておりません。 創刊号の表紙を飾った「ファイナルファンタジーXI」の漫画も、創刊3号で「作者取材の為、次号休載」になり、その次の号で「作者取材のため、今回からしばらくの間、休載とさせて頂きます」となりました。 再開時期は「今年春以降を予定しております」とのことで、作者はいつ終わるとも知れない取材に旅立ってしまったようです。 ちなみに、ちゆの経験では、「続きは(春夏秋冬)」という類のお知らせは、「続きは永遠にありません」という意味の暗号だったことが多いです。 韓国漫画「熱血江湖」なんて、「熱血!!のつづきは単行本で…!!!(初春ごろ発売予定)」から4度目の春ですけどコアミックス様? さて、「ヤングガンガン」の読者アンケートのハガキを見てみると……。 創刊準備号では、「掲載して欲しいジャンル」を聞く質問の選択肢は、「ラブコメ/バイオレンス/ファンタジー/車・メカ/ギャンブル/ゲームコミック/歴史/サイコホラー/エロ系/格闘モノ/ヤンキー/アクション/他誌の外伝/職業モノ/スポーツ/過去のガンガン作品のリバイバル」でした。 「ヤンキー漫画」はあるけど「ギャグ漫画」なんてジャンルは存在しない!という辺りが男らしさ爆発です。 その次の号では、選択肢が「スポーツ/ファンタジー/ラブコメ/ゲームコミック/ギャグ/職業モノ/エロ系/バイオレンス/車・メカ/格闘モノ/ヤンキー/アクション/体験モノ/歴史/ギャンブル」に。 どうやら前回の「ギャグ」は入れ忘れただけだったようです。あと、「過去のガンガン作品のリバイバル」などの選択肢が消えたのは、実は旧来の「ガンガン」読者からあまり期待されていないことが判明しちゃったとかでしょうか。 ちなみに、初期は営業マンがプロレスラーになる「コミックバンチ」みたいな漫画も載ってましたが、そっち路線は早々に見限った様子。 現在では、立派なエロ寄りのオタク向け青年誌に落ち着きました。 ところで、創刊準備号では、グラビアページまで全員二次元美少女でした。 これは、グラビアに力を入れていたエニックス初の青年誌「コミックバウンド」がわずか5号で休刊した経験から、編集部が三次元人の魅力に疑問を抱いているためだと思われます。 それでも、創刊号の読者アンケートで「アイドル・タレントのグラビアを掲載して欲しいと思いますか?」と意識調査。 「イエス」が多かったのか、創刊5号では、質問が「どのようなタイプのアイドル・タレントを掲載して欲しいですか?」に変化しました(選択肢は「妹系」「清純系」「セクシー系」「巨乳系」)。 その結果を受けて、創刊9号から始まることになったアイドルグラビアの予告の煽り文句は「10代!? コスプレ!? アイドルグラビア始めちゃいます」。 巨乳のキョの字も出てこないのは、たぶんアンケートで「妹系」にマルを付ける人が圧倒的多数だったのでしょう。さすがひざまくらと一人掛けソファを愛する読者たちです。 ネットアイドルちゆは「ヤングガンガン」を応援しています。 |