昔のちゆニュース
◇「エイケン」関係◇
平成13年05月12日:ラブひな以上!?大反響のチャンピオン新連載 平成13年05月18日:誕生!エイケンリンク 平成13年06月22日:代アニ、就職・デビュー率100%突破 平成13年06月25日:エイケン同人誌、登場 平成13年09月07日:「エイケン」単行本第1巻、ついに発売 平成17年01月21日:松山せいじ先生の「ブラック・ジャック」 |
平成13年5月12日 | ラブひな以上!?大反響のチャンピオン新連載 | |||
「覚悟のススメ」「鉄鍋のジャン!」「グラップラー刃牙」…。そんな雄度の高い、激濃の漫画群が少年チャンピオンの魅力でした。 しかし、それだけでは雑誌は売れません。世間から遅れること10年余、ついに秋田書店もメディアミックスなるものの存在を知り、そして気がつきました。 時代は萌えだ。 そうして始まったプロジェクト・萌え。すでに「しゅーまっは」や「ななか6/17」といった萌え作品の連載が始まっています。 そして何を血迷ったのかブロッコリーと提携、巻末読者ページにでじこを起用しました。この件は3月30日、4月6日にお伝えしました通りです。 さて。 そんな少年チャンピオンが先週から、さらなる萌え層の取り込みを狙って、脅威の新連載をスタートさせました。 その名は、「エイケン」。 タイトルを考えた人は、チャンピオンにはすでに「フジケン」という漫画が連載していることを忘れていたのでしょうか。 しかし、そんな「エイケン」が今、局所的に大ブレイクしています。 まだ連載は始まったばかり。第1話と第2話しか発表されていないにも関わらず、2ちゃんねるのエイケンスレッドに鬼のようなレスがついていくのです。 ジャンプならばともかく、チャンピオンの新連載としては異例のことです。 スレ1:88cmFカップ鷲掴み!『エイケン』 スレ2:111cm!?チチは小学6年生『エイケン』2階目 では、この超話題作が、実際に2chでどのような評価を受けているのか見ていきたいと思います。 >エイケン読んだら小ゲロ出たよ >読もうと思っても眼が拒絶する >服と髪型のセンスが知的障害者と狂人を足したような宇宙人テイスト >最終兵器だな …とにかく大反響です。 ここで、エイケンの内容を簡単にご紹介します。 基本プロットは、何の個性も魅力もないダメ男が自分以外全員美少女の「エイケン部」に入れさせられ、コケた拍子に乳を揉んだり、うっかり着替え中のところに入ってしまったりするラブコメ。 では、肝心の女性陣の品揃えは。 巨乳のヒロイン(88のF)。長身の体育会系女(99のG)。チャイナ系お嬢様。見た目は幼女の天才科学者。中身は恥ずかしがり屋の美少女だと思われるクマの着ぐるみ。 …そして、フリフリのエプロン姿の爆乳小学生(111のH)。
…萌えますか? 作者は代々木アニメーション学院のマンガ・コミックプロ養成科の卒業生。第1話のスミッコに、「松山せいじ先生より♪」という熱いコメントが掲載されています。
アンタ、漢ですよ…。 ともあれ、異様な盛り上がりを見せるエイケンスレッド。 ついにエイケンウッチャーたちは、自らをエイケニストと呼称。憎しみを通りこして愛着を感じる人たちまで登場します。 >この板よんでたら、ずっと昔からエイケンを読み親しんでいるような錯覚が襲ってきた >もはや嫌っていた自分が過去の愚物 >アンチすら仲間にしてしまったこのスレは、永く語り継がれていくことだろう。エイケニスト、永遠なれ もちろん、こうして最終解脱を遂げたエイケニストたちについて行けない人も続出。 >ここのスレの住人はみんなヒロポンでもやってんのか!? >俺には駄目だ…もうこの漫画にはついていけない こんなにも語られ、憎まれ、奇妙な愛着さえ覚えさせるエイケン。 チャンピオンに新しい萌えの風を吹かせる救世主となるのでしょうか、単なる駄作として時の流れの中に忘れ去られていくのでしょうか。 果てしない迷走を始めたチャンピオンの、明日はどっちだ!? 松本先生は3年前、少年ガンガンに「裏剣道ZERO」という漫画を連載していました。エイケンの作者は、過去にどんな作品を描いていたのでしょうか。 エイケンをご存知でない方にはあまりお楽しみ頂けないと思いましたので、ご紹介は別ページにしました。 すでにエイケンを楽しんでおられるエイケニストの方は、続けてちゆニュース番外編「裏剣道ZERO」特設コーナーをお読み頂けると嬉しいです。 |
平成13年5月18日 | 誕生!エイケンリンク |
まずは、お礼から。 えでぃ〜さんに20万アクセス記念画を頂きました。凝ったイラストを、本当にありがとうございます。 ちなみにえでぃ〜さんのサイト・「bitmax studio」はこちら。アニメの「星界」シリーズのメカニック原案をされた方で、レベルの高いCGなどが置かれています。 ところで、頂いた画像の背景にも使用されている先行者ですが、朝日新聞が行なった米国&中国の世論調査の結果にも、奴の影が垣間見えます。 「米国が脅威」だと考える中国人が60%なのに対して、「中国が脅威」だと感じる米国人は85%。中国人・米国人ともに「現在の国力は米国が上」と認識していいるにも関わらず、恐れているのは亜米利加の方なのです。 「中国を脅威と感じる理由」では、「中国の軍事力」という声が圧倒的多数を占めています。そして、亜米利加人の43%が、中国について情報を得る媒体としてインターネットを利用していると答えています。 間違いありません。亜米利加人の85%は先行者の侵略を恐れているのです。 さて。 今日の話題は、5月12日のニュースでご紹介しました「少年チャンピオン」萌え推進路線の奇形児・「エイケン」の続報です。 今週号(第3話)の見どころは、次の場面。 主人公「な…なんだコレ…? ウォーターベッド?」 小萌「い…痛いです!! 先輩」 なんと、あまりの大きさに、乳をウォーターベッドと間違えて揉みしだく主人公。 このインパクトに、2chにも3つ目のエイケンスレッド・ベッドでご奉仕 花右乳メイド隊『エイケン』3階目が立てられました。1スレッド1話のペースで着実に伸びています。 そして本日、ついにエイケンリンクが誕生しました。 主催はYukkyさん。エイケンネタのサイト・日記・BBS、その他エイケニストのホームページを結ぶリンク集です。これを縁に、より一層のエイケニストの交流と親睦が営まれることを、切に願います。 チャンピオンに熱あれ、エイケニストに光あれ! |
平成13年6月22日 | 代アニ、就職・デビュー率100%突破 | |
目が拒絶する絵柄で物語はラブひな。歪み狂った異形的人体デッサン。111cmの爆乳を登載した小学生。 そんな無茶の連続投球でありながら奇妙な愛着すら感じさせ、ついには人類をエイケニストという名のニュータイプに覚醒させてしまう引力を秘めた漫画。 それが、少年チャンピオンで連載中の「エイケン」です。 関連サイトを網羅するエイケンリンク、世界初のファンサイト・エイケニストのキセキ?なども登場して、いよいよ(ごく一部で)注目が高まっています。 ところで、少年漫画界のミュータント・エイケンを産み出した土壌は何なのでしょうか。 そう考えて、作者である松山せいじ先生の経歴を見直してみますと、やはり代々木アニメーション学院のマンガ・コミックプロ養成科出身という点が目を引きます。 同じ代アニ出身で注目の漫画家といえば、綱島志朗先生です。代表作は、「ガンガンWING」で連載しておられた「LIFE:ERRORS」。 「能天気で理想主義な熱血直情少女が主人公のキレイゴト物語」に見せかけて最終回で非情な現実の前にヒロインの自我が崩壊。そのまま何の救いもなく終わってしまうスーパーシンキングエンドでした。 いや、綱島先生の漫画はエイケンのようにネジが外れているわけではなくて、むしろ面白い部類だと思います。現在は「ジンキ」連載中、ルイちゃんが可愛いです(余談)。 でも、こうして考えると、やっぱり代アニ卒にはちょっと独創的な方が多いのかなと思ってみたり。…もちろん褒め言葉ですよ? そんなわけで、今日の話題は代々木アニメーション学院です。 「恥ずかしい美少女アニメキャラを使った広告が発する二次元フェロモンで引き寄せたオタクをだまして荒稼ぎ」みたいなイメージもありますが、本当のところはよく分かりません。 そういった怪情報に関しては、とりあえずじんさんの傑作コラ漫画・代アニ調査班(YMR)がオススメです。 ところで代アニといえば、異常に高い就職・デビュー率で有名です。 プログラムやCG関係ならまだしも、その職業の絶対人口が少なそうな声優科・コミック科・ノベルス科で、本当に90%以上が就職・デビューできるのか、素人ながら疑問に思ってしまいます。 そんなとき、今年度の広告を目にしました。 平成13年3月卒業生の就職・デビュー率…115%! 大卒でも苦しいと言われるこの就職氷河期に、生徒100人につき115人も就職しているとは。代アニ恐るべし。 でも、なぜ100%を超えるのでしょうか。 いちおう噂では、1人で2社以上合格した生徒さんは”2”とカウントして、内定数÷生徒数で計算するからだそうです。 また、1日だけアシスタントをすれば「マンガ業界デビュー」、声優科なら一度ドラマのガヤでもやれば「声優デビュー」とカウントするらしいです。確かに嘘ではありませんが。 それと、全入学生(または全卒業生)での就職率ではなく、就職斡旋を希望した人だけで算出した率だという話もあります。就職斡旋を受けるには、出席・課題提出・成績が一定以上必要なので、在学中に不真面目だった奴はカウントされないことになります。 学校に入っただけで誰もが漫画家や声優になれるわけではありませんので、当然といえば当然ですけど。 それにしても、100%以上の数字を広告に出すのは逆効果なような気もします。 「ぼく、代アニのコミック科に行きたいんだ。ほら、この広告みてよ。就職率115%だから安心だよママン」とか息子に言われたら、親御さんはとても心配されると思います。 やっぱり志願者に紹介する数字としては「全入学生のうち、希望の業界に就職できた人の割合は」「全卒業生のうちの割合では」といった情報を伝えるのが、仮にも学校を名乗る者の最低限の義務のような気もします。 でも、やっぱり自分と家族がおまんま食べることが第一ですよね。一企業・代々木ライブアニメーションとしては当然の営利活動だという気もします。 ともあれ、松山せいじ先生のように代アニ卒で、現在は第一線で「エイケン」を連載中という方もおられるわけです。 結局、本人の気合いと努力と根性と遺伝的要因(才能)と外界からの偶発的要因(運)が肝心ということかも知れません。 今の日本なら、たとえホームレスになってもそうそう餓死はしないでしょう。駄目ならダンボールに寝泊りする覚悟を決めて夢に向かって突っ走ってみるのも、また人生かなと思います。 |
平成13年6月25日 | エイケン同人誌、登場 | |
ついに発行部数で小泉メルマガに負けてしまった「少年チャンピオン」。 かつては筋肉が躍動して汗のシャワーが舞い散る漢と漢の燃え漫画がひしめきあっていたこの雑誌も、最近になって「萌え」を学習しました。 17歳の女子高生が頭を打って脳だけ6歳児に退行したという設定で、幼女を自宅に監禁して9年間じっくり育成したいといった類の欲望をモラルに抵触しない範囲で充足してくれる「ななか6/17」。 キュートな絵柄なのに妙にネタがグロく、可愛い女子中学生に無理矢理「クジラのチンコでけー」と叫ばせる「しゅーまっは」。 それら萌え系新連載が人気を獲得する中で、そうした通常の萌えの臨界点を軽く振りぬけてしまった怪作、「エイケン」が登場しました。 いびつにくねったラインで描かれる巨乳に手足が生えたような少女たちに囲まれた主人公が送るドタバタな日常は、一言で表現すると「うらやましくないラブひな」。 しかし、それでいてこの漫画には人の心を狂わす魔力があり、何度も読み返すうちにマジックマッシュルームを食べたような恍惚とした陶酔が訪れ、最終的には第七感(セブン・センシズ)に目覚めてエイケニストと呼ばれるネオ・ヒューマンに転生する境地まで突き抜けていってしまいます。 そんなエイケニストたちの中には、さらに第八感(エイト・センシズ)に目覚めて冥界と行き来することさえ可能になってしまった猛者も存在します。 Fey Tasさんも、そんな新世界の扉を開かれたお一人です。なんとこの方、まだ単行本すら出ていないエイケンの同人誌を作ってしまわれたのです。 その名は「乳旋風」。 自己紹介によると、Fey Tasさんの好みのタイプは「亜人や獣人など」だそうです。エイケンに登場するギャルたちの病的に変形した人体バランスがその辺りの嗜好とマッチしたということなのでしょうか。 ところで、かつて東亜プランが作った数々のシューティングゲームは、「大旋風」「飛翔鮫」「究極タイガー」「鮫!鮫!鮫!」「ドギューン」「タツジン」「バツグン」などの狂ったバカタイトルを付けられながらも、ゲームの内容は熱く硬派で、ゲロを吐くほど圧倒的な弾幕量を誇り、プレイする者に麻薬的な破壊の快楽を味あわせてくれました。 Fey Tasさんは、ご自身の作られた同人誌に「飛翔獣」「究極KEMONO」「獣!獣!獣!」「しりひなドギューン!!」など、その東亜シューティングをモジったタイトルを付けておられます。 もしかすると、エイケンのファン層は東亜プランのファン層と重なっているのかも知れません。 エイケンと東亜プランには、何か共通の魂があるということなのでしょうか。 そういえば、確かに「タツジン」「バツグン」「エイケン」と並べてみても違和感がありません。 …すみません、自分でも何が言いたいのかよく分からなくなってきて収集がつかないのですけど。 そうそう。書店員のたわごとさんに、次のような情報がありました。
タイトル四文字で、萌え系コミックの最終兵器…。 何のことでしょうね。 |
平成13年9月7日 | 「エイケン」単行本第1巻、ついに発売 | ||
「萌え」という言葉を、ご存知でしょうか。 gooの新語辞典で「萌え」を検索すると、次のように表示されます。
なお、鷺沢萌語源説に関しては疑問視する向きも多く、たとえばフラットクラックスさんは、「作品、キャラクターの知名度から言っても明らかにご都合主義な後付けした説明」と主張。 「伊東岳彦が使い出した『熱い』事の心情表現=『燃える!』『燃え!』から転じて、『萌え』になった」のではないか、と述べておられます。 そんなこんなで、「萌え」という言葉は真剣に論じれば博士論文のテーマになりそうなくらい深遠なものですが、さしあたっては「キャラクター達に対する最大級の愛情表現をする言葉」(by萌えっ娘。ちゃんねる!!さん)と思って頂ければ問題ないかと思います。 たとえば、ほっぺに赤いぽやぽやがついた幼女に「お兄ちゃん、大好き!」と言われて、「萌え〜」。 あるいは、カードキャプターのさくらちゃんを見て、「さくらちゃん萌え〜」。 または、日本のロケット打ち上げ成功に関して北朝鮮が「わが国に対抗するミサイルだ」と本気で怒っているのを見て、「北朝鮮萌え〜」。 こういった萌え要素は、アニメ・漫画・ゲームと各種メディアに広がり、「シスタープリンセス」や「デ・ジ・キャラット」など、多くのオタクさんが萌えておられます。 では、あなたはこれに萌えられるでしょうか。 小学6年生、111cmの巨乳、体操服、ツインテール、ユッサユッサ…。 各要素を分解して見ると確かに「萌え」ですが、しかし、全体として見るととても常人が萌えられるものではありません。 「萌え」とは単に音符を羅列すればいいのではなく、巧みな感覚で音符を配置してメロディを奏でなければならないのです。 ところが上記のコマは、その辺りの機微を軽く超越。そして、さらなる高みを目指そうとしています。 そんな上記のコマを含む漫画が「エイケン」。 詳しくは5月12日のちゆニュースを参照して頂きたいと思いますが、「週刊少年チャンピオン」に連載中の新世代異形萌え漫画です。 かつて、「巨人の星」「あしたのジョー」など、劇画スポ根路線が漫画界を席巻したことがありました。 しかし、それが段々と廃れてきた頃、本当に人を殺す殺人打法などが出てくる漫画「アストロ球団」が登場。破天荒な超人野球を描くことでスポ根を突き詰めるとギャグになると明らかにし、劇画を踏みにじり、その息の根を止めました。 その故事にちなんで、キムネ古本屋従業記録さんは、「エイケン」のことを次のように評しておられます。 「戦後マンガが段階的に歩んできた生産様式から数世代飛躍し、史的唯物論を全否定する歴史の破壊者、すべての萌えマンガに終末の訪れを告げにきたモンスター、すなわち萌えの『アストロ球団』だ」 そして今、ついに、その「エイケン」の単行本第1巻が発売されました。 目印は作者の脳に何らかの損傷があると感じさせる色づかいで描かれた表紙、あるいは全身に白い液体がぶっかかった巨乳ビキニ姉ちゃんがいる裏表紙です。 すでに私たちは、12人の妹に囲まれて口ぐちに「兄チャマ」「兄や」「兄くん」と呼ばれて萌えまくる段階まで到達しました。 「エイケン」は、そんな萌えの歴史を終わらせる漫画、つまり萌えの愚地克巳になるのでしょうか。それとも未来に子孫を残すことはなく、進化途上の奇形魚のように死に絶えてしまうだけでしょうか。 願わくば、「エイケン」がさらに進んだ萌えのステージへの誘いとならんことを――。 ネットアイドルちゆは「エイケン」を応援しています。 |
平成17年1月21日 | 松山せいじ先生の「ブラック・ジャック」 | ||||||||||||||
最近、秋田書店が色々な漫画家に「ブラック・ジャック」を描かせています。 BLACKJACK.JPのインフォメーションを眺めるだけで、マッシブなブラック・ジャック先生、ちょっとお耽美なブラック・ジャック先生、「エロイカより愛をこめて」の世界に混ざってしまったブラック・ジャック先生などの姿が楽しめます。 先日の「ヤングチャンピオン」には、ついに立原あゆみ先生(「本気!」などの作者)の描くブラック・ジャック先生が登場しました。
いつもの立原あゆみ先生の漫画と同じく、いい年こいてるわりに青臭い男性が、ポエムのような説教のような台詞を連発。 どこからどう読んでも「立原あゆみ漫画」以外の何でもなく、「ブラック・ジャック」である意味が1ミリもないのが、もはや清清しいと思いました。 また、「少年チャンピオン」には、山本賢治先生の描く「ブラック・ジャック」が月イチ連載中。 山本賢治先生については平成15年9月15日のニュースでもご紹介しましたが、エロ漫画を描いても少年漫画を描いても変態がワラワラ登場して女の子のお腹から内臓が飛び出すのは変わらないというフリークスな漫画家です。 「ブラック・ジャック」の作画でも、先生はその才能をバリバリ発揮。たとえば、原作ではシルエットだった死体が、山本賢治版では臓物はみ出してます。
脳の異常でノラ猫が死んだ女房に見える男の話でも、山本賢治版では、奥さんがなぜか全裸で、乳首まで描かれています。
ドクター・キリコに安楽死させられている途中のお母さんすら、山本賢治版ではなんだかエロいです。
この他、「ドクター・キリコが美少女を連れ歩いている」とか「原作ではすぐに自殺した魔王大尉が死ぬ前にモンスター化して大暴れ」とか、好き勝手やっているように見えますが、実は、基本的なストーリーは意外なほど原作に忠実です。 ただし、ブラック・ジャック先生の人格描写はけっこう独特。
原作の(悪く言えば)偽善者っぽいところが薄くなり、露骨に嘲笑するような場面が多いです。 ちゆとしては、山本賢治先生が原作通りの「ブラック・ジャック」を描くというのは、なんだかアイスにタコ焼きをのせるような違和感があります。 もしも「内容はそのままで絵柄だけ今風に差し替えた『ブラック・ジャック』を作ろう」という企画なら人選で踏み外していると思いますし、せっかく山本賢治先生を選んだのなら、原作通りのストーリーをベースにするのではなく、山本賢治先生が「ブラック・ジャック」をダシにするくらいの形のリメイクが読みたかったです。 さて。 そんな「少年チャンピオン」の今週号に、今度は松山せいじ先生の描く「ブラック・ジャック」が載りました。 松山せいじ先生については平成13年5月12日のニュースなどでご紹介しましたが、代表作の「エイケン」は、サイコなおっぱいを持った女の子たちが発情期のゴリラばりの勢いで主人公に迫って来るという少年向けエロコメの最先端をブッちぎった怪作。 「グパパ」「ジョベベ」と少年誌の限界に挑戦する描写は、同時期に連載していた漫画版「スクライド」の「ビクン…ビクン」なエロ描写と競い合っているかのようでした。 そんな松山せいじ先生の「ブラック・ジャック」は、原作の持つ数多のテーマから、ピノコ可愛ぇえ!という一点に絞って抽出。基本はロリですが、欲望のおもむくままに巨乳ピノコも描かれます。 人間の愚かさとか命の尊さとかはピノコが可愛けりゃどうでもいいやと割り切っており、もちろん「ブラック・ジャック」でも何でもなくなっていますが、松山せいじ先生ですから全然オッケー。 むしろ、もっと物理やバランスを超越した奇乳が良かったとか、お風呂で石けんなら擬似顔射が欲しいとか、いつもの「ヌヂョンヌヂョン」「アワッび〜ん」みたいなイカした擬音がある方が……などと思ってしまいますが、先生にしてみれば、その辺はもはや極め尽くしたということなのかも知れません。今後は、それらを超越した先生の新境地にも期待です。 ネットアイドルちゆは松山せいじ先生を応援しています。 |