昔のちゆニュース


「アニメ」関係

平成13年03月07日:アンドレ死す(でも再放送)
平成13年05月19日:あのホモアニメがサウンドドラマで蘇る
平成13年07月05日:あぃまぃみぃ!
平成13年07月16日:宮村優子さん、NHK朝の連ドラに出演
平成14年01月10日:鋼鉄天使くるみ、実写化
平成14年05月15日:実写版カリンカ、意外な好評
平成14年12月19日:「臭作」の新作アニメがまた登場
平成15年10月01日:「ガンダムSEED」最終回
平成17年01月06日:「機動新世紀ガンダムX」DVD化
平成20年03月18日:本当は面白い「アイマスXENOGLOSSIA」
平成21年04月10日:超次元サッカーアニメ 「イナズマイレブン」 簡易まとめ


平成13年3月7日 アンドレ死す(でも再放送)

 現在、衛星第二の「BSアニメ劇場」という番組の中で、「ベルサイユのばら」が再放送されています。その今日の放送で、アンドレが死んでしまいました。分かっていたことですが、悲しいです
 そんなわけで、今日のちゆニュースはアンドレ追悼です。

 では、何の脈絡もなくアンドレの最期の言葉を引用します。
 「オスカル、何を泣く? なぜ泣くんだ? 俺はもう、だめなのか」「何を馬鹿なことを、アンドレ」「そうだね、そうだ、そんなはずは無い。すべてはこれからはじまるんだから。俺と、お前の愛も。新しい時代の夜明けも。すべてがこれからなんだ。こんなときに、俺が死ねるはずはない。死んで、たまるか…」
 …悲しいです。さらにオスカル様まで撃たれ、次回最終回「さようなら わが愛しのオスカル」に続きます。しくしく。

 ところで、BSアニメ劇場では、アニメ本編の前後に「みんなから届いたお便りやイラスト」を紹介するコーナーがあります。

 その司会を務めるのが、彩お姉さんこと石津彩さんです。

 ちゆとしてはオリジナルビデオアニメ「世界の光・親鸞聖人」の鈴虫役の人と紹介したいところなのですがたぶん誰も知らないので、少年どうしの青い性愛の軌跡を描いた傑作「ロミオの青い空」でニキータの声をあてていた方だと紹介しておきます。
 昭和47年2月22日生まれの彼女に「お姉さん」の呼称を用いるのはちょっと微妙ですが、気にしないでおきましょう。

 その彩お姉さん、アニメ本編終了後、なぜかとても興奮しています。コメントもハイです。
 「ベルサイユのばらでした。うー…、どうしましょう、オスカルまで撃たれてしまいました。もうねぇ、今日は涙で曇って、画面が見えません。ですから録画した方はもう一回見てお話を見てください。もぅー…、どうしましょう。そして、ら、来週は最終回なんですよ、もぅー…。見る勇気がないんですけど、みんなで頑張って応援しましょうね。次回お楽しみに」

 ちなみにお姉さんはオスカルとサンジュストにだけ「様」をつけるのですが、それを無意識で自然にやっているのが怖いです。

 そして、お便りが紹介されます。

 「いつも楽しく見ています。この前やっと結ばれた二人の場面で思わずうれし泣きしてしまいました」(宮城県・小林優香さん)
 「いま友だちとの間では、水曜日(ベルばら再放送の日)を薔薇曜日と呼んでいます」(兵庫県・由良恵子さん)

 このナイス・メッセージに対してお姉さんは「薔薇曜日っていいですね。もっと早く教えてくれれば私も毎週、薔薇曜日って使ったのに」とコメントしていますが、これは相手が子どもだと思って適当に言っているのではなく、たぶんマジです

 ネットアイドルちゆは彩お姉さんを応援しています。


平成13年5月19日 あのホモアニメがサウンドドラマで蘇る

 「グラビテーション」という漫画をご存知でしょうか。

 連載は「きみとぼく」。作者の村上先生の代表作は「きみのうなじに乾杯!」。…そう、純正のホモ漫画です。
 昨年の秋、これがWOWOWでテレビアニメ化され、男同士のキスシーンなど、幾多の問題映像全国のお茶の間に流れました。

 しかし、いったい何時の間にホモアニメが大手を振ってブラウン管に映れる時代になっていたのでしょうか。



 はるか古代、子どもにマジカルステッキや超合金を売りつけることでのみ、テレビまんがはビジネスとして成立していました。魔女っ子の活躍や巨大ロボの戦闘はすべて玩具の宣伝ソーセージの売れた本数こそ絶対。
 しかし時は移り、そんな番組を見ながら培養されたオタクさんが大繁殖。中には、社会人でありながら収入のほとんどを魔女っ子に注ぎ込む者バブルの余韻でまだ金がある親のスネをかじったバカ学生も多く含まれていました。

 そこにLD・DVDといった複製技術の進歩が加わり、アニメそのものが商品として成立する時代が到来しました。
 深夜枠など、テレビ局に払う金は抑えられる割に、オタク層は眠い目をこすって見てくれる時間帯があります。そこにLDやDVDの宣伝としてアニメを流すわけです。オタクは一度見た番組がそっくり収録されただけのDVDを購入してくれます

 WOWOWはこれに注目しました。
 富野先生の久しぶりの新作・全裸美少女乱れ飛びアニメ「ブレンパワード」といったキラーコンテンツを用意して、オタク層の新規契約を目論んだのです。
 さらに第1巻は1000円のOVAさながら、無料時間帯にもアニメを放送。「オタクアニメはWOWOW」というブランドイメージ作りに腐心しました。

 ●全身ペイントの「南海奇皇(ネオランガ)」
 ●ドリルでルンルンクルルンルンの「D4プリンセス」
 ●傑作「OH!スーパーミルクチャン」
 ●人気クリエーター新作路線その1:大地丙太郎「今僕」「月影蘭」
 ●人気クリエーター新作路線その2:佐藤順一「ストレンジドーン」
 ●人気クリエーター新作路線その3:米たにヨシトモ「まりんとメラン」
 ●露骨なあざとさが逆にウケた「ハンドメイドメイ」

 そうして大きなお友だちの支持を得たWOWOWは昨年の秋、今度はやおい層を顧客につけようと画策。ついに伝説の「闇の末裔」&「グラビテーション」コンボを世に送り出しました。



 つまり、商売が成り立つほど美少年ホモアニメ好きのお姉さんが存在するから放送されるわけですね。資本主義・自由主義の社会として、極めてまっとうなお話しでした。

 「最遊記」の峰倉かずや先生の納税額が赤松健を越えた現今やおいビジネスの潜在需要は計り知れません

 さて。
 何が言いたいのか自分でも分からなくなったところで今日のニュースです。
 そのアニメ版「グラビテーション」の後日談が、「グラビテーション Sound Story」としてドラマCD化されます。グラビテーション公式ホームページに掲載された、出演声優陣へのインタビューによりますと…。

関智一「今回はボリューム感のあるシナリオで、すごく気合いを入れて今鼻息を荒くしているところです。(略)濃密に描かれているので、その辺を楽しみにしていただければ」

 違う意味で期待大ですね。


平成13年7月5日 あぃまぃみぃ!

 少年チャンピオンが送り出したメディアミックス作品「スクライド」。要するに地獄地震後の関東スタンド使いがバトルする話のようですが、そのTVアニメ第1話が放送されました。
 でも、漫画版で好評だった亀甲縛りが出てこないのですけど。

 黒田先生、早くあのシェリスとかいう生意気な小娘を監禁して緊縛して強姦してやってください「リヴァイアス」の時みたいに

 さて。
 デジタル化・衛星・ケーブルTVなどでチャンネルの数が無駄に増え、視聴者を奪われた地上波の地方局などはそのうち合併なり倒産なりすると予想されています。
 それを回避する生き残り策の1つとして、地方局でも番組制作に力を入れる動きが起こっているようです。

 そんな中でオタク層の懐柔を画策して作ったと思われる、地方局でしか見られないアニメの第一弾が「Legend of BASARA」でした。
 しかし、少女漫画原作の人気はイマイチだったのか、第二弾以降は「同級生2」「下級生」「To Heart」「こみっくパーティー」オタ媚びエロゲアニメ路線を展開。見事、「エロゲー原作アニメは地方局」という意味不明のイメージを確立させました。

 同様に、初期の映画一辺倒から路線変更して大きなお友だち向けアニメに力を入れるWOWOWも「萌え系アニメ」が大好き。
 頭に巨大ドリルを生やした美少女が「ドリルでルンルンクルルンルン」と戦う「D4プリンセス」などを輩出してきました。

 その流れで、昨年の夏に放送されたアニメが「ハンドメイド・メイ」です。

 まず、登場人物の名前が早乙女和也、谷かすみ、南原耕太郎、敷島氏などなど、「ゲッターロボ」の早乙女博士、「エイトマン」の谷博士、「コンバトラーV」の南原博士、「鉄人28号」の敷島博士といった懐かし博士の名前をパロって軽くジャブ。

 物語は、「うる星やつら」「ああっ女神さまっ」「ちょびっツ」と伝承される女ドラえもんネタ。女性キャラはロリコン・シスコン・マザコンと取り揃えて各種お好みに対応可能です。
 そして、アニオタ層に媚びて媚びて媚び過ぎて死にそうなほど徹底した乳揺れ&パンモロ(パンチラではない)

 そのあまりにもあまりなあざとさ&恥ずかしさ&ダメっぷりいっそすがすがしいくらいで、ターゲットのオタク層をバッチリ撃ち落としました

 放送当時、ちゆのある友人は、こう言いました。
 「ミニスカートで派手に動き回ってもパンツが見えないアニメは不自然だ。しかし、『メイ』はちゃんと見える。そのリアルさがいい

 パンツ見せまくりの女の子たちに囲まれてウハウハ生活のどの辺りにリアリティがあるのか皆目見当がつきませんが、もう理屈ではないのでしょう。

 そうそう。有名な話ですが、「ハンドメイド・メイ」オフィシャルページが以前あったドメイン(http://www.hand-maid.net/)は、今では外人のエロサイトに使われています。

 ともあれ、それから1年。
 「ハンドメイド・メイ」のスタッフによる新作アニメが登場しました。それが「あぃまぃみぃ!ストロベリー・エッグ」です。
 こちらの新番組紹介では、次のようにアオられています。


 学校にいるときゃ女と女、課外授業は男と女、教師と生徒は女と女、男と女は10歳違い、(アブノーマルな)青春が熱い!


 これだけ読んでも何のことやらサッパリですが、物語は女装した体育教師が女子中学生とラブラブになる話。レズ・ロリ・女装萌えの方などに対応している模様です。

 とりあえず第1話はパンモロ全開、縦線までクッキリでした。

 それ以外に見どころはありませんが、そこは始まったばかりということでこれからに期待しましょう。

 なお、主人公の体育教師の声をあてるのは「激走戦隊カーレンジャー」レッドレーサーを演じた岸祐二さん。
 舞台などで活躍されている方ですが、「ガオレンジャー」のカメラオルグや「ジョジョの奇妙な冒険」アーケード版のヴァニラ・アイスなど、声の仕事もしておられます。

 激走戦隊…、何もかもが懐かしいです

 ネットアイドルちゆはレッドレーサーを応援していました。


平成13年7月16日 宮村優子さん、NHK朝の連ドラに出演

 むかし、「愛天使伝説ウェディングピーチ」というテレビアニメが放送されていました。

 時は、すでに「美少女戦士セーラームーン」がシリーズ4年目「SuperS」に突入していた頃。
 女子中学生がウェディングドレス姿に変身して戦うという設定は、まさに2匹目のドジョウを狙った低品質パクリ作品の代名詞にふさわしいものでした。

 しかし、「ウェディングピーチ」の原作者は富田祐弘先生。印税収入こそ武内直子先生に根こそぎ持っていかれたものの、「セーラームーン」の産みの親の1人です。
 一方の「セーラームーン」は、初期の路線に飽きた幾原邦彦監督によって俺様テイスト全開で作られていました。

 ですから、むしろ「ウェディングピーチ」の方が初期セラムンの正当な後継作だと捉えることも不可能ではありません。

 なお、余談ですが、富田先生は小説や脚本で固有名詞だけ変えて同じ場面をそっくり使いまわしという必殺技を持っておられます。
 たとえば、「マクロスII」小説版と「電影少女」小説版の、主人公がお風呂上りのヒロインに欲情するシーンは人名以外まったく同じ文章でした。

 さて。
 そんな「愛天使伝説ウェディングピーチ」のウリは、愉快な必殺技のネーミングです。
 剣で斬りつける技ならば「情熱のケーキカット」。敵の攻撃を弾き返す反射攻撃ならば「ウェディング結納がえし」

 その他、「乙女の恥じらいベ〜ル」「愛のメモリアルキャンドル」などなど。
 たとえ、いきなり発光して敵の目をくらませたスキに逃げるだけの卑怯技でも、「いけないウェディング!恋の逃避行」と叫びながら放ちます。

 また、ネーミングに関しては、メインキャラの「スカーレット小原」「谷間ゆり」といった人名も注目されます。
 特に「谷間ゆり」スズランの英語名からとったのでしょうが、そんな名前の美少女からはパイズリしか連想できません

 そういえば、「ウェディングピーチ」は声優に関して、「主役は新人・悪役はベテラン」という妙なこだわりを持っていました。
 そこで抜擢された4人の愛天使の声優は、氷上恭子、宮村優子、野上ゆかな、今井由香でした。

 今でこそ低予算の全てを声優に注ぎ込んでオタクに媚びた出来の悪いOVAを思わせる声優陣ですが、いずれも当時は知名度など無いに等しいド新人
 そんなわけで、この「ウェディングピーチ」の話で何が言いたかったかと申しますと、「ちゆが宮村優子さんを最初に知ったのはウェディングピーチだったなぁ」という思い出話でした。



 それから、宮村優子さんは「新世紀エヴァンゲリオン」アスカ役で出演。
 全体的に暗いムードが漂う物語で一服の清涼剤となるべく明るく快活なキャラクターとして登場したものの、終盤で自我が崩壊。病院のベッドで寝ている姿をネクラ主人公のせんずりのオカズにされてしまう「あんたバカぁ!?」の台詞で人気を得ました

 ファーストアルバム「ケンカ番長」も一部で大ブレイク、みやむーのニックネームが定着します。

 そうして順調な声優ライフをエンジョイしていたところ、「FRIDAY」「宮村優子は元AV嬢」疑惑が浮上。
 宮村優子さんと思われる人物が出演しているハメ撮りビデオの存在が広く知られ、ショックのあまり自殺したファンが出たと噂される騒ぎになりました。

 そして、それが宮村優子さん本人か否かで、一部で巻き起こった世にも恐ろしい大論争
 結局、首筋のほくろや唇の下の傷の一致「バカ、バカ、バカぁ」の声が「エヴァンゲリオン」のアスカそのまんまなど、非常に信憑性が高いと言われています。

 ただ、外見や声が一卵性双生児のように似ているAV女優さんが凄い偶然で存在していた可能性も否定はできません。
 そういえば、耳の形が違うから別人実は元彼がフラれた腹いせに流出させたプライベートビデオだ、などの怪しいフォローもありました。

 その後の宮村優子さんは、エロ漫画家と結婚して一瞬で離婚ビクターに見捨てられる念願の「救急戦隊ゴーゴーファイブ」に準レギュラーとして出演映画「バトルロワイアル」に出てデスゲームのルールをファンキーに解説などなど、波乱万丈なアーティスト人生を送っておられます。



 さて、ようやく前置きが終わって本題です

 その宮村優子さんが、本日から今週末まで、NHK朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」にゲスト出演されています。

 ネットアイドルちゆは宮村優子さんを応援しています。


平成14年1月10日 鋼鉄天使くるみ、実写化

 「D4プリンセス」というテレビアニメがありました。

 内容は、頭と腕に巨大ドリルを装備した13歳のお姫様がバトルする、お気楽ドタバタもの。
 特に話題となったのは、イロモノ声優2人組が偏差値低そうなアッパーテンションで歌い上げる主題歌の、聞くけば聞くほど馬鹿になりそうな歌詞でした。


 ドリルでルンルン クルルンルン♪
 ハートがルンルン プルルンルン♪
 変身よ! 今がチャンスよ!
 ドリルでルンルン クルルンルン♪
 みんなの幸せ 守るんルン

 (略)

 涙がルンルン ウルルンルン♪
 悲しみルンルン ウルルンルン♪
 くじけそう 女の子だもん!
 ドリルがルンルン クルルンルン♪
 勇気を与えて くれるんルン

 (略)

 台詞「ドリル、回しまぁ〜す!
 台詞「回されてまぁ〜す!


 …「寒い」とか「痛い」とか言われるとハイそれまでよですが、このノリが感性的にフィットした方々の間で大受け。
 便乗商法(?)のエロゲー「ドリル少女スパイラルなみ」が発売されるなど、局所的にぷちドリルブームが巻き起こりました。

 さて。そんな「D4プリンセス」の放送が終わった後、同じ枠で始まった後継のオタクさん狙い撃ち美少女アニメ、それが「鋼鉄天使くるみ」でした。

 主人公は、ショタ顔の可愛らしい少年・仲人くん。「少しおとなしくて弱っちょろいけど芯は真っ直ぐで…」という感じの、どこにでもいる立派なギャルゲーの主人公です。
 ヒロインは、「鋼鉄天使」と呼ばれる戦闘用アンドロイド・くるみちゃん。アラレちゃん並みの怪力の持ち主で、童顔でタレ目でポニーテールで巨乳。衣装はアンミラとメイドを足して2で割った感じです。

 他にも、くるみちゃんに惚れているレズッ子鋼鉄天使と、仲人くんに惚れているパツキン鋼鉄天使が登場。舞台は大正時代ということで、心なしか「サクラ大戦」も混ざっています
 個人的には最後までバカアニメを貫いた方が良かった気がしますが、終盤はシリアスに戦っていました。

 最終回は、くるみちゃんと仲人くんがチューするとなんだか不思議なパワーで奇跡が起こって万事うまくいったという展開。
 主役カップルのキスから発散される「愛のウェーブ」でラスボスを改心させて終わった「愛天使伝説ウェディングピーチ」、主役カップルのセックスが弥勒の結合パワーとなって怪物を滅ぼした「妖獣教室」を思い出します。

 そんな最終回から1年後、新作「鋼鉄天使くるみ2式」の放送が開始されました。
 前作では「仮面ライダークウガ」の荒川稔久先生が脚本を担当しておられましたが、「2式」からはみずから手がけたアニメのノベライズをポルノ小説にしてしまう「無限のリヴァイアス」の黒田洋介先生にバトンタッチ。ファンを不安にさせました。

 「2式」は、前作の設定・キャラクターを流用しながらも、パラレルワールドとして展開します。
 メインキャラクターの鋼鉄天使3人は変わりませんが、主人公はショタ少年から内気な眼鏡っ娘にメタモルフォーゼ。さらに、その眼鏡っ娘にベタ惚れのレズお嬢様まで登場し、あざとくマニア受けを狙います

 メインキャラに男性はおらず、物語は女学生5人のほのぼのレズ話に終始。デ・ジ・キャラットの「にょ」に対抗して「はにはに」を流行らせようと目論んでいたようですが、あまり流行りませんでした

 一方、「2式」と同時に発表されたもう1つのシリーズが「鋼鉄天使くるみ零」。こちらはテレビではなく、販売用のビデオオリジナル作品です。
 鋼鉄天使ではない「普通の人間」のくるみちゃんが登場し、他の作品のようなドタバタではない真面目なお話を…というか黒田脚本でした。

 そんなこんなで、ドリルのような一発ネタかと思いきや、しつこく延々と引っ張られ続ける鋼鉄天使シリーズ。
 その最新作は「鋼鉄天使くるみpure」。なんと、アニメではなく実写です。

 しかし、スイカと天ぷら以上に食い合わせが悪いアニメと実写。
 お約束と記号によって脳内にイメージされる理想のアニメ美少女に比べると、どうしても実在の女性は見劣りしてしまうのです。

 その辺りは、「ときめきメモリアル」実写版に関して、がっぷ獅子丸先生が鋭く喝破しておられます。
 「僕たち、実際の女の子を想像して擬似恋愛をしたいんじゃなくて二次元の女の子との恋愛をするために遊んでるんだもーん。馬鹿だなあ、ときメモの映画なんか観に行く訳ないじゃないか」(「悪趣味ゲーム紀行」92頁)。

 なお、2次元の実写化で比較的成功するのは人気エロゲーの実写版です。
 いくら2次元に萌え狂っていても、男の人の性欲は己の3次元の肉体に起因します。ですから、2次元と3次元の狭間・コスプレ時空に迷い込む人が出たり、2次元寄り実写エロの需要は見込めるわけです。

 ともあれ、実写版「鋼鉄天使くるみ」の公式ホームページを見てみましょう。

 気になる「鋼鉄天使」3人のキャストは、全員中学生。先の考察から、実写で純粋な萌えを追求しても確実にコケるので、期待されるのはズバリエロ要素です。
 その点、「中学生」は2次元寄り実写エロの要素としては成功のようで、ネットでも、「妙に興奮する」「思ったよりエッチくさい」「触りてぇ!」「エプロンめくりてぇ!」等の感想が出ています。

 放送でも、アンミラメイドファッションに身を包んだ中学生の乳揺れ・入浴・着替え・ハミ乳などを押さえれば興奮して擦り寄ってくる方々が大勢いると思いますが…。
 ヌードデッサンでヌードにならない「エスパー魔美」実写版の例もありますし、前途は多難です。

 ところで、ストーリーはどうなるのでしょうか。戦車を放り投げたりするアニメ版を実写で再現するのは予算的にも厳しいらしく、他の作品とはパラレルワールドになる模様。
 公式ホームページによると、今回の「鋼鉄天使」は次のような設定だそうです。


 人間と違ってストレスも感じず、人間以上に「愛情を持って」黙々と看護対象者(ご主人様)に尽くすことができる存在。いつしかそれは「看護ロイド」と呼ばれるようになった。
 たとえば両親が共働きで不在になる家庭の子供の遊び相手・世話係としてor一人暮しの独身男性を慰める存在として(以下略)


 看護ロイドって…。月並みな感想で恐縮ですが、やはり陵辱福祉アドベンチャーゲーム「奴隷介護」を連想してしまいます。


 その試作1号機として“くるみ”が完成。早速その実験モニターとして、綾小路グループ社長の甥で中学生の“神維仲人”の元へ届けられる。
 というのも、仲人はあることがトラウマとなって自分から家の外へ出られない、いわゆる「引きこもり」状態になっていたのだ。


 ショタ少年、ロリ眼鏡っ娘と変遷を遂げてきた仲人くんですが、ついにひきこもりになってしまいました。もう、どこに出しても恥ずかしくない立派なエロゲーの主人公です。


 果たして彼女たちは仲人を「引きこもり」状態から救えるのか!? そして、人間と機械の間に「愛」は芽生えるのか?
 フレッシュな中学生たちが演じる、とっても“pure”な新感覚SFラブコメディです。


 はいはい、とっても新感覚なSFラブコメディですね。…でも、みんなが期待しているのはピュアではなくエロです

 ちなみに、脚本は初代に回帰して「仮面ライダークウガ」の荒川稔久先生が担当。
 …今回に限っては、本能で叩きつけるエロ描写&イカれたストーリーに定評のある黒田先生に突き抜けて頂いた方が良かったかも知れません。もしもホモネタなら断然、荒川先生なのですが

 ネットアイドルちゆは「鋼鉄天使くるみ」を応援しています。


平成14年5月15日 実写版カリンカ、意外な好評

 2次元の美少女アニメを無理矢理コスプレ実写ドラマ化しようという無謀企画・「鋼鉄天使くるみpure」
 1月10日のニュースでも取り上げましたが、家から出られないひきこもりの少年が、3体の看護ロイドと暮らす物語です。

 第1話の冒頭、ベッドから右足で降りるか左足で降りるか悩む主人公。「ここのところ、左で行っていいことないしなぁ。おとといは左で指を切ってる。左は恐いなぁ、迷っちゃうなぁ。右の周期に入ったと見るか……」
 ガリレオを「ガリ様」と呼んで崇めていたり、重度のバスオタクだったり、制作者の微妙に歪んだ「ひきこもり」像が気になります。

 しかし、やはり一番のキモは、恥ずかしいコスプレ姿でアニメ的な奇行を演じさせられる現役女子中学生の役者さんたち。
 第1話が放送された際の2chのスレッドの反応は……。

 >誰かこの企画止める奴いなかったの?
 >「視覚的暴力」と言う単語が頭に浮かんだ
 >途中モニタを直視できなかった
 >タ、タスケテ・・・
 >一寸でも萌えた奴、人間やめた方がいいよ

 ところが、放送が進むにつれ、段々と好意的な感想が出てくるようになります。4話・5話が放送された頃の別のスレッドの反応を見ると……。

 >イカン、面白い。脚本がこなれてイタくなくなったのか、ただ単に俺が慣れたのか
 >冗談抜きで面白く感じてきた、折れ。末期症状だな
 >おまえら完全に洗脳されたみたいだな
 >ヤヴァイ・・先週から・・マジで面白いと思ってしまった・・・マジでくるみたんに萌えてしまった・・好きになってしまった・・・

 そして、新たなる看護ロイド・「カリンカ」が登場する第6話が放送されると……。

 >カリンカたんの風呂シーンで抜きました
 >はじめて勃ちました。完全敗北です
 >カリンカ・・・・・・(;´Д`)ハァハァ

 しかし、そのカリンカさん、放送前の評判は良くありませんでした。
 たとえばTentative Name.さんは、3体の看護ロイドの役者さんの写真が公開された時点で、次のように語っておられます(1月10日)。


 くるみの!くるみのッ!スカートとストッキングの間の「絶対領域」がッ!激しくイイッ!!触りてぇ!
 そしてサキッ!乳は小さいが年齢を考えると仕方が無い!ストッキングとスカートが半分透けて地肌の色が見えているところも良い!エプロンめくりてぇ!
 次!カリンカ! …えっとぉ〜、そのぉ〜…。すいません早退していいですカ?


 ところが、実際の放送でカリンカが登場すると……(5月13日)。


 カリンカ最高!としか。
 すっげぇ好みなんだわこの性格にこのルックスにこの言い回し(*´Д`*)ハァハァ踏みにじられテェ



 また、私生活サトラレ日記さんも、前情報だけの段階では、次のように述べておられました(1月10日)。


 カリンカ役の寺門ジモ仁美って子、卒業Rで志村まみやってた子にそっくり


 「卒業Rの志村まみ」とは、「悪趣味ゲーム紀行2」にて、「一発ヤるより一緒に肩組んで酒飲めそうなナイスガイ」と評された人物。萌え心を踏みにじった実写版ダメ配役の代名詞です。

 ところが、カリンカ初登場の回を見てからは……(5月13日)。


 あのー、カリンカたんの可愛さを語り尽くせるお仲間さんはいらっしゃいませんか。写真映りが悪過ぎるせいで損しまくってますよカリンカたん。その辺どうなのよ。
 正直、くるみたんのパンモロよりもカリンカたんのおぱんちゅラインの方が萌えますヨ


 志村まみ呼ばわりが、「たん」付けにグレードアップ。徳川綱吉が犬を食べたというくらい劇的な心境の変化です。

 ちなみに、そんなカリンカさんは次のような人。肩にうっすらと残る水着の跡一部の方に大好評です。


 公式ホームページによると、メインの役者さん3人の中で一番の幼児体型
 身長は小4女児の平均くらい、スリーサイズは「はじめてのおるすばん」のしおりちゃんを超えるぺったんこ・ほそい・うすいです。

身長
くるみ 154 77 58 78
サキ 150 71 58 78
カリンカ 140 63 51 65


 そんなこんなで、前評判は最悪だったにも関わらず、フタを開ければ多くの人を萌え狂わせている実写版カリンカさん。
 ネットアイドルちゆは「鋼鉄天使くるみpure」を応援しています。


平成14年12月19日 「臭作」の新作アニメがまた登場

 パソコンで遊ぶエッチなゲームを作っている、「エルフ」という会社があります。
 かつては、「ドラゴンナイト」「同級生2」「下級生」「この世の果てで恋を唄う少女YU−NO」など、ユーザーが一生の思い出にするような名作ばかり出していた、スゴいメーカーです。

 しかし、近年は、旧作のリメイクや昔のゲームのキャラを使い回した脱衣麻雀など、過去の遺産を食いつぶしているイメージが強いです。
 ちなみに、PC98時代に出したゲームのほとんどはWindows用に作り直されましたが、「YU−NO」だけは血のつながった実の娘とヤっちゃう(しかも2人)ためか、いまだにリメイクされていません。

 さて、そんなエルフの作品に、「遺作」というエロゲーがあります。
 「遺作」という名前の強姦魔の用務員といっしょに旧校舎に閉じ込められた男女。黄色いタオルを肩にかけ、小汚いジャージに身を包んだ変態オヤジが、ホラー映画の怪人のように襲ってくる! 果たして、主人公は女の子を遺作の毒牙にかけずに外に出られるのか……という感じのゲームです。

 以前、「燃える!お兄さん」という漫画が用務員さんを「ただの働くおっさん」呼ばわりしたため「少年ジャンプ」が回収に追い込まれたことがありますが、このゲームの用務員さん差別っぷりはその比ではありません。
 ともあれ、そんな「遺作」が当たったので、以降もエルフは「臭作」「鬼作」などを発表。遺作・臭作・鬼作の変態オヤジ3兄弟が誕生します。

 その次男・臭作は強姦魔の女子寮管理人。暴力を使う兄・遺作と違い、DVカメラやパソコンを活用して盗撮写真で女性を脅迫する知性派です。
 そして、「臭作」は変態オヤジから逃げるゲームではなく、プレイヤーが臭作となって盗撮とレイプを繰り返す変態オヤジシミュレーションゲームです。

 そんな「臭作」で問題になるのが、絵里というキャラクター。
 越後屋が時代劇に出れば懲らしめられるのと同じように、美少女がエロゲーに登場すれば辱められるのが当たり前です。
 ところが、「臭作」では、何をどう頑張っても絵里とだけは絶対にヤれません。まるでバラモスを倒せないドラクエ、ポロリのない「ドキッ! 丸ごと水着 女だらけの水泳大会」です。ユーザーは憤慨しました。

 そんな折、「臭作」のアニメ化が決まります。
 もちろんテレビアニメではなく、レンタルしたり、LDを買ったりして見る18禁アニメ。そこで、多くのファンは、「もしかしてアニメ版では臭作が絵里をヤってくれるのでは」と期待しました。

 そして、発売。ファンは必死でアニメの中の臭作を応援しました。
 ――がんばれ、臭作。
 ――勝て、臭作。
 ――憎い絵里を倒すのだ。

 しかし、全3巻のアニメの最終巻、絵里に警察を呼ばれて逃げ出した臭作は道路に飛び出し、交通事故で死ぬのでした。

 ところが、話はそれで終わりではありません。
 しばらくして、その続編となる新作アニメ、「臭作〜Replay〜」の発売が決定したのです。事故死から蘇った臭作が、再び絵里に挑みます。

 その時すでに、旧作キャラ使い回しゲーム「エルフ オールスター脱衣雀」にて、エッチシーンこそないものの、絵里の脱衣がありました。
 「ゲームのために絵里を脱がせるなら、アニメだって……。もしや、最初のアニメで悶々とさせておいて、2度目のアニメも買わせるという商売上手なのでは!」 ファンはそう信じ、一部の雑誌も「今度こそ絵里がヤラれるらしい」とアオっていました

 そして、発売。ファンは再びアニメの中の臭作を応援しました。
 ――それゆけ、臭作。
 ――輝け、臭作。
 ――今度こそ絵里を倒すのだ!

 そして、全4巻(前より増えてる)の「臭作〜Replay〜」の最終巻。ついに、臭作と絵里との最後の戦いが始まります。

 絵里「なぜなら私はあなたの理性が生み出した幻ですから!」
 臭作「やれやれ……、よもや自分がたかがゲームの中の登場人物で、その上、誰かに操られているだけのチンケな存在だったとは……」

 あれ?

 絵里「あなたは1つ間違っていました。単なる登場人物は私達だけで、あなたはおそらく……」
 そこで場面が変わって、暗い部屋で「臭作」のゲームをプレイしているオタクが1人。明るい外に出るドアが開いて……。

 絵里「行きましょう。もっと楽しいことが、あなたを待っているから

 そうして、引きこもり少年はエロゲーをやめて陽の当たる世界へ――。
 ……って、何でやねん

 実は原作のエロゲーのオチも大体そんな感じなのですが、ファンは絵里の陵辱が見たい一心で、そんなところで原作を真似られても誰も嬉しくありません
 多くの人は失望しました。「俺はヌくためにエロアニメを買ったのであって、そんな説教をされる筋合いはない! ていうか引きこもりで悪かったな!」

 そして、今度こそエルフを信じるのはやめようと思いました。

 しかし、それも終わりではなかったのです。来年の1月24日から、3度目のシリーズ「臭作〜Liberty〜」が発売されます。
 鬼畜の美学を語り実践する侠(おとこ)から真性ヒキオタまで身を落とした臭作が、再び鬼畜スターとして戻ってくるのです。

 例によって、そっち系の雑誌はアオっています。「ヤツは帰ってきた…そう、やり残したことがあるから」「絵里の子宮に臭作の超特濃&超大量の赤ちゃんの素汁をたっぷりと満タンに注ぎ込まない限り、ヤツはいくらでも復活を果たす!」
 ネットでも、「今度の絵里は凄いです、ついにです」といったウワサが流れています。

 エルフを信じるのはやめようと思っていた人も、そう聞くと、うすうす無駄と悟りながら、つい淡い期待を抱いてしまいます。
 果たして、鉄壁の絵里は健在なのでしょうか。それとも臭作の執念が実り、ヤってしまうのはもちろん、多くのファンが切望する絵里の浣腸シーンまで実現されるのでしょうか。

 ネットアイドルちゆは、臭作を応援しています。


平成15年10月1日 「ガンダムSEED」最終回

 ガンダムシリーズの最新作、「機動戦士ガンダムSEED」が最終回を迎えました。
 「アニメージュ」の年に一度の人気投票では、2位の「あずまんが大王」の4倍近い票数で圧倒的な1位。日経新聞の記事にも「『第二次ガンダムブーム』ともいえる」ほどの盛り上がりだと書かれており、商業的にも成功したらしいです。

 そんなわけで今日は、この番組を見ておられなかった方向けに、「ガンダムSEED」とはどんなアニメだったのか、ご紹介したいと思います。
 毎週見てた方には今さらの内容ばかりで、申し訳ありません。また、ちゆの記憶だけで書いている部分もありますので、「〜について描写されてない」などは、単に見落としている可能性もあります。

 なお、「宇宙空間を羽ばたいて飛行する鳥型ロボット」など、SF考証の問題については、言い出したらキリがないのでなるべく触れないことにします。
 また、「ガンダムというタイトルでなければ別だけど、ガンダムとして見ると……」という見方も避けて、なるべく単体のアニメとして見たいと思います。


 主人公・キラくん


 第1話で、突然戦闘に巻き込まれた民間人のキラくん。なりゆきでガンダムに乗ることになると、いきなりガンダムのOSに文句をつけます。「無茶苦茶だ! こんなOSで、これだけの機体を動かそうだなんて!」
 そして、キーボードを叩き始めると、わずか数分でガンダムのOS書き換え完了。ガンダムの性能がバツグンに良くなりました。

 適切なたとえではないかも知れませんが、はじめてパソコンに触れる人が「このWindowsってヤツ、無茶苦茶だ!」と言って、その場でWindowsより高性能のソフトを開発してしまうような感じでしょうか。
 超人的な能力ですが、実は彼は、受精卵の段階で遺伝子を操作することで人為的に作られた、生まれつきスポーツ万能で成績優秀なイケメン君なのです。

 「SEED」の世界では、同じように遺伝子操作された人間がたくさんいて、その多くが宇宙コロニーに暮らしています。

 ナチュラル:普通に生まれた人。主に地球に住む。
 コーディネーター:遺伝子操作された優秀な人。主に宇宙コロニーに住む。

 そして、このコーディネーターとナチュラルが、戦争をしています。
 キラくんは中立の国に住む民間人でしたが、友達グループといっしょに戦闘に巻き込まれ、安全な地域まで、地球側の戦艦で移動することになりました。
 当然、地球側の戦艦なので、コーディネーター軍が攻撃してきます。しかし、ガンダムを上手く操縦できるコーディネーターは戦艦でキラくんだけ。そこで、自分と友人の身を守るため、キラくんはガンダムで戦うことになります。


 「一見〜ですが、実は……」


 そんな感じで、どうにか安全に戦艦を降りられる場所まで移動したキラくんたち。ところが、キラくんの友達の1人・フレイさんは、戦艦を降りないと言い出します。
 「これでもう安心でしょうか、これでもう平和でしょうか。そんなこと全然ない。世界は依然として、戦争のままなんです。私、自分は中立の国にいて、全然気付いていなかっただけなんです」「本当の平和が、本当の安心が、戦うことによってしか守れないのなら、私も……」

 自分の国のため、危険を承知で戦いたいという彼女。「自分だけ安全な場所にいられれば良い」という人が多い中、なかなか見上げた言動です。
 その発言に、友人たちも「フレイの言ったことは、俺も感じてたことだ」と同調。「それに、彼女だけ置いていくなんてできないしさ」と、同じく戦艦に残ることに決めました。

 ところが、「ガンダムSEED 公式ガイドブック」に掲載された福田監督のインタビューによると……。

このシーンは一見、友を思う仲間達を描いた感動的なエピソードに感じられますが、実はこれらは認めがたい行動を描いているんです。
彼らは熟考することなく、皆が入隊するならと軽い気持ちで戦場に残る決断を下した。いうなれば、学校などで友達同士、一緒にトイレにいたりしますよね。あれと同じです

 だったら、そこで感動的な音楽を流さないでくださいサントラによると、この場面で流れていた曲の名前は「平和の祈り」)。
 画面の上では肯定的に描かれていますし、そもそも「ここで戦艦を降りたら話が終わってしまう」「脇役の葛藤などに時間を割けない」という話の都合もあって、この辺りの展開は多少無理があってもお約束。そんな隠しメッセージを仕込まれても読み取れません。

 また、その友人たちのキラくんへの思いについて、福田監督は次のように述べています。

彼らは常にキラに軍に残ってもらいたがっていました。それは決してキラの身を案じているわけではなく、自分の安全のこととか、グループの連帯が心配なんです。
本当にキラのことを考えてあげるなら、(略)戦いに心を痛めているキラの気持ちを理解してあげるべきです。そしてキラをアークエンジェルから降ろしてあげようとするはずです

 ……あれ、そんな描写でしたっけ? ちょっとビデオ再生。

 艦に残る決意をした友人たちも、キラくんについては、「あいつは降りるよな、きっと」と考えています。
 そして、脱出用のシャトルに乗り込むキラくんに、自分たちは残る旨だけ伝えて、笑顔で別れの挨拶。「これも運命だ、じゃあな」「生きてろよ!」と、こころよくキラ君を送り出すのでした。

「じゃあな。お前は無事に、地球に降りろ」

 理解があって、思いやりもあって、キラくんは本当にいい友人に恵まれてますね。……って、こいつら、顔にも口にも心の声にも出さないけど腹の中はドス黒いという「設定」なんですか?

彼らは友情を誤解しているんですよ。そしてこれは現在の若者が抱えていることでもある。彼らを通して若者が誤解しがちな友情の矛盾点を描いていきたいと考えています。

 最初から難癖をつける目的で見たりしなければ、この場面の描写から「友情の矛盾点」は読み取れないと思います。劇中で肯定的に描かれていた内容に、「一見〜ですが、実は……」と後から言われても
 そんなにうがった見方をしなければ制作者の意図が読み取れないのでしたら、作った本人以外には絶対分かりません

 とは言え、視聴者が制作者の意図通りに作品を受け取る必要はありませんし、制作者が作品の意図やテーマを視聴者に伝えたくないということなら、何の問題もないんですけど。


 機動昼メロ戦士・種付けキラきゅん


 さて、もっともらしい動機を述べて軍に志願したフレイさん。ところが、実は彼女、前の戦闘で父親が死んだショックでおかしくなっていたのです。頭の中は、憎いコーディネーターを殺しまくってやるという復讐心でいっぱい。
 そこで、艦内で最大の戦力であるガンダムのパイロット・キラくんを、自分の体でたらしこむことにしました。「そうよ、みんなやっつけてもらわなくちゃ……」

フレイさん15歳、キラくん16歳

 そうして童貞(?)を捨てたキラくん。フレイさんに感化されて、性格も変わります。

 キラ「敵はどこだ!? ストライク、発進する!」
 副長「まだ敵の位置も、勢力も分かってないんだ。発進命令も出ていない」
 キラ「何のん気なこと言ってるんだ! いいから早くハッチ開けろよ!! 僕が行ってやっつける!!」

 ところが、実はフレイさんには婚約者がいました。それは、キラくんの友人の1人・サイくんです。
 突然婚約解消を言い渡されたサイくん、びっくりしてフレイさんを問い詰めますが……。

 フレイ「あたし、ゆうべはキラの部屋にいたんだから!
 サイ 「え……キラ? どういうことだよ、フレイ? キミ!?」
 キラ 「もうよせよ、サイ。どう見ても、キミが嫌がるフレイを追っかけてるようにしか見えないよ
 サイ 「なんだとぉっ!」
 キラ 「ゆうべの戦闘で疲れてるんだ。もうやめてくんない?

 さすがにブチ切れたサイくん、一発殴らせろと向かっていきます。しかし、相手は遺伝子操作で運動神経も超人レベルのキラくん。軽く腕をひねり上げられてしまいました。
 そして、とどめの一言。「やめてよね。本気でケンカしたら、サイが僕にかなうはずないだろ


 そのままサイくんを地面に投げつけ、しりもちをつかせるキラくん。友人の婚約者を寝取った上、これほどの屈辱を与えるとは。逆ギレにもほどがあります
 ちなみに、サイくんはこの後、キラくんに負けじとガンダムを操縦しようとしますが、まともに歩かせることもできなくて泣き崩れます

がっくり膝をついてコケるガンダム。その中の人も同じポーズで号泣するの図

 そして、勝手にガンダムを動かした罰として、1週間の営倉入りに。


 ちなみに、キラくんが勝手に捕虜を解放した時や、別の人が勝手に戦闘機を動かして撃墜された時は無罪でした。
 福田監督は、「キラは友達から差別を受けてる」つもりで作っていると発言していますが、放送を見る限りでは、キラくんはみんなから必要以上に優しくされ、サイくんだけ差別されているように思えてなりません。


 「敵を皆殺しにするまで戦争は終わらない!」

 ともあれ、キラくんの前に、すごく強い(という設定の)敵が現れます。その名は「砂漠の虎」。どの辺が虎なのかというと……。

衝撃の虎スーツ

 趣味が悪いとかそういう次元ではありません。ついでに、彼が乗る機体もモビルスーツと言うよりゾイドに近いものです。

 ともあれ、このコスプレイヤーが、キラくんに問いかけてきます。「戦争には制限時間も得点もない」「なら、どうやって勝ち負けを決める? どこで終わりにすればいい?」
 普通に考えれば、降伏文書に調印した時が終わりでしょう。しかし、さすが虎は一味違います。「やっぱり、どちらかが滅びなくてはならんのかねぇ?」

 そして、対決。キラくんの活躍で、戦闘は地球側の勝利に終わり、虎も「勝敗は決した。残存兵をまとめて引き上げろ」と部下に命令します。
 ところが、勝敗が決した自覚はあるのに、虎本人は特攻してきます。「言ったはずだぞ! 戦争には明確な終りのルールなどないと!」「戦うしかなかろう、互いに敵である限り。どちらかが滅びるまでな!
 何だかよく分からない信念に基づいて、「砂漠の虎」は死んでしまいました。

 外交の手段としての戦争なら、相手を滅ぼすまで戦う必要はありません。負ける側にしても、自分たちが滅びるよりは先に「これ以上戦争を続けても損なだけ」というラインがあると思います。
 しかし、どうも「砂漠の虎」の認識では、戦争は国益のためにやるのではなく、相手が憎いというだけの理由で殺し合うもののようです。そこに損得勘定はないので、当然、終了条件など考えません

 この場面だけ見ると、「砂漠の虎」が歪んだ戦争観を持った変態さんのようです。ところが、放送を見続けると、どうも「ガンダムSEED」世界の大人はみんな同じような認識らしいことが分かります。

 そこで、公式ガイドの福田監督インタビューを見ると……。

フレイは相手を全滅させないと戦争なんて終わらないと言いました。しかし、戦争とはそんな単純なものではない。殲滅戦は決して戦争の終結を意味するのではないと思います。

 いや、当たり前ですけど。というか、福田監督が「みんなは『相手を全滅させないと戦争は終わらない』と思っている」という前提で話を作っていることに驚きです。
 作ってる人の考え方が変だから登場人物も全員変になったということでしょうか。

 また、そもそも視聴者には「SEED」世界の戦争の原因が謎です。
 劇中では、戦争の原因はナチュラルとコーディネーターの間の差別感情だけで済まされています。しかし、両者の緊張が武力衝突に発展したきっかけは、地球軍がいきなり宇宙コロニーに核を撃って24万人を殺した事件。
 報復に核を撃ち返される可能性のある攻撃を実行するには、当然、その甚大なリスクに釣り合うだけのメリットがあったハズです。まさか「相手が憎い」というだけで、共倒れを覚悟して撃ったわけでもないでしょうし。しかし、その肝心な部分がサッパリ描写されていません

 もちろん、戦争が単なる舞台装置なら、開戦の経緯などには触れず、現にある戦争という状況の中でのドラマを描けばいいと思います。
 しかし、

どのように戦争を終わらせるのか、戦争の中でどこに未来や希望を見出していくのか、そういったメッセージをキラを通して伝える

 ……という話なら、戦争の終わらせ方に当然深く関わるだろう、戦争の発端をすべて裏設定にした意味が分かりません。

 余談ですが、「ニュータイプ」5月号のインタビューにて、両軍がどういう戦争の終わらせ方を想定しているのか、福田監督が答えてくれています。

ザフト(コーディネーター側)は、自治権を勝ち取るための外交の延長として、条件闘争をやっている形ですね。もちろん殲滅線をやるつもりはない

 ……そんな裏設定があったとは。本編には外交のガの字もありませんでしたけど。どうか「砂漠の虎」にその辺のところキッチリ教えてやってください

地球側としては、プラントの自治権を認めることは絶対にありません。もともとプラントは彼らの所有物、植民地ですし、地球はプラントの資源に依存しているという事情もあるので独立されたら逆に生殺与奪を握られてしまいます。譲歩の余地なしです。

 敵に資源を依存しながらの戦争……。その設定だと、現時点ですでに生殺与奪を握られていませんか? 状況が想像できません。

 また、脚本の吉野弘幸さんによると、初期の設定では、コーディネーターたちは外宇宙へ出て行きたがり、ナチュラルたちは出て行かれたら困ると言って戦争になった、という話を組んだとのこと。
 どうも、この肝心の戦争の原因について設定が確定していないか、少なくともスタッフ間で共通の認識がないようなフシがあるのですが……。「相手を皆殺しにする」以外の戦争終了パターンが登場人物の誰にも想定できない理由がそれだとしたら、いくら何でもあんまりです。


 マルコ・モラシム

 砂漠の虎の次に出てきた敵は、マルコ・モラシムという名前。アナグラムすると「シモムラ・コマル」となり、設定制作の下村敬治さんとの関連が気になります。そして、公式ホームページの下村さんのコラムを読むと……。

シナリオ打ち合わせ。監督が「ちょっと思ったんだけどさー」 この一言で時々驚愕の設定持ってくるんで現場の人間にも先が読めないのです(笑)

 ああ、下村さん困ってるんですね(福田監督に)。それで、キャラクターにそんな名前付けちゃったと。


 強引な恋愛

 子供向けの漫画やアニメでは、恋愛にも「捨てられた子猫を可愛がる意外なカレの姿に一目ぼれ」といった分かりやすい説明描写が付きます。
 でも、恋愛に理由はありませんし、「なんでこの娘がこんなヤツのことを?」と思うことは現実にもザラ。アニメでも、恋愛描写を変に説明的にしなくてもいいと思います。

 しかし、やはり物には限度というか、「ガンダムSEED」で繰り広げられる強引なカップリングには違和感があり過ぎます

 たとえば、コーディネーターのDさんの場合。
 戦闘で捕虜になったDさんが、拘束されて医務室のベッドで寝かされていました。すると、そこにナチュラルの女の子が入ってきます。なぜかおびえているようなので、軽く話しかけてみると……。


 彼女はこんな形相で、泣き喚きながらDさんの顔面に向かってナイフを振り下ろしてきました。間一髪、よけるのが遅ければDさんは死んでます

 ……どうやら、彼女は先の戦闘で彼氏が死んでしまったらしく、自分のカレが死んだのに、こんなコーディネーター野郎が生き長らえているのが許せなくなり、捕虜のDさんを殺そうとしたみたいです。

 それ以来、Dさんは何となく彼女のことが気になるようになりました。どうやら彼女を好きになってしまったようです。
 Dさんは所属していた軍も勝手にやめて、彼女といっしょにテロリストとして戦うことに決めました(もちろん母国に帰れば極刑でしょうし、Dさんは軍の要人の息子なので家族にも迷惑がかかるでしょうが、そういった葛藤をDさんはテレビ画面に出しません)。

 ちなみに、設定によると、Dさんは「狡猾な性格」だそうです。


 人間ポップコーン

 プロデューサーの竹田青滋さんのインタビューによると、

戦争というのは麻薬や強盗などの犯罪レベルの暴力じゃないということをみんなにわかってほしいし、圧倒的に悪なんやでというのとを知ってもらいたいんです。そのために戦闘シーンや殺戮シーンは酷く描かないと怖さが出ない

 ということで、

ひでぶ! あわびゅ! たわば!

 ……「戦争の怖さ」が「北斗神拳の怖さ」と同じベクトルですが、土曜夜6時の地上波でコレをやったこと自体がエラいような気もします。


 ヒロイン(?)・ラクスさん

 キラくんには、コーディネーターの親友がいます。その親友にもやはり婚約者がいて、名前をラクスさんといいました。
 そこでキラくんは、再び寝取り属性を発動。最終回の前には、キラくんはフレイさんと別れてラクスさんとラブラブになっていました。

 さて、そのラクスさん、無防備にパンモロを見せるなど、序盤は単なるおつむの弱い人として描かれていました。

おもむろに脱ぐ

 ところが、福田監督のインタビューを見ると……。

彼女は観察しているんですよ、アスランを、そしてキラを。(略)半分くらいは天然ですが、自分を演じることもできる。

会話の端々に意図的にいろいろな言葉を置いていって、アスランという人間がどういう人間なのか、ずっと試していたんです。

ラクスの台詞で「なにと戦わねばならないのか…、戦争は難しいですわね」というものがあります。彼女はそのことをわかっている人間なんですよ。

 パンツを見せたりしながら、相手が自分にとって「使える」人間かどうか試していたとのこと。やな奴ですね。確かに劇中でも、自分の考えを聞かれると答えをはぐらかして「あなたは?」と聞き返す場面が多かったです。
 しかし、たまに彼女が自分の考えを口にするときも、思わせぶりなだけで具体性は皆無でした。「戦争は難しい」発言にしても、それ以上の言及は一切なかったので、それが経験からくるものなのか、本で得た知識なのか、とにかく悟っているのか、映像からは一切分かりません。

 そして、物語終盤。ラクスさんは戦艦を盗み、ナチュラル側でもコーディネーター側でもない第三勢力を結成します。
 ところが、ラクスさんがその軍勢で何をしたかったのか、視聴者には分かりません。とりあえず攻撃されたら撃ち返すなど、最後まで行き当たりばったりな行動しかしていなかったように見えます。

 ちなみに、最終回の直前にラクスさんが長々と語っていたセリフは、「わたくしたち、人は、おそらくは、戦わなくても良かったはずの存在……。なのに、戦ってしまった者たち。何のために? 守るために? 何を? 自らを? 未来を? 誰かを撃たねば守れない未来、自分、それは何? なぜ? そして、撃たれた者にはない未来。では、撃った者たちは? その手につかむ、この果ての未来は? 幸福? 本当に?」
 ただ思いついた疑問を羅列しただけの中学生ポエムに見えますが、最後までこんな感じで、問題提起以上のことは口にしませんでした。

 どうも福田監督の脳内では彼女はスゴイ人物らしいのですが……。劇中の描写からは、「実は分かっている人間」と言うより、「天然に見せかけているけど実は分かっている人間のように見せかけてやっぱり天然」に思えます。


 状況の変化

 コーディネーター側のガンダムのパイロットは、キラくんの親友です。そこで、物語の中盤までは、「敵味方に分かれた親友同士が、それぞれの正義のため、ガンダムで戦う」というコンセプトでした。
 ところが、そんなキラくんと親友も和解。2人で仲良くラクスさんの第三勢力に加わり、いっしょに戦うことになります。ついでに実は生きていた「砂漠の虎」も仲間になりました

 一方、コーディネーター側もナチュラル側も、それぞれ軍のトップがキチガイ化。大量破壊兵器を撃ち合う殲滅戦を始めます。
 朝日新聞の福田監督インタビューによると、「世界大戦的な戦争をリアルに描く」ことを目指していたハズですが、いつのまにか「悪いヤツのせいで戦争が起こっている。正義の主人公たちが行っくぞ〜!」という構図になってしまいました。


 最終回「終わらない明日へ」

 「TV Bros」の福田監督インタビューによると……。

今回の基本はですね、言葉で解決できなきゃダメということです。
これは「ファースト」のニュータイプに対するアンチテーゼなんですけれど、人と人とが心で分かり合えるなんていうのは嘘なんですよ。何もしないで分かりあえるわけないというのがあるんです。(略)言葉でぶつかり合えないと、後はどちらかが滅ぶまで殺しあうしかない。どんな問題でも言葉で解決するしかないというのが、「SEED」で一番出した部分ですね。
ですから、キラとアスランが和解したように、全ては話し合いで解決していく物語になっているんですよ。

 これを踏まえた上で、いよいよ最終回。
 「SEED」のオープニング主題歌の出だしは、「たどりつく〜場所さえも〜分からない〜♪」ですが、まさにそんな感じの内容です。

 さて、キラくんは物語序盤で、自分を慕ってくれていた女の子が乗った脱出シャトルを目の前で落とされ、ずっと後悔していました。
 最終回でも、それと同じようなシチュエーションになります。元彼女のフレイさんの乗った救命艇が、敵に落とされそうになったのです。「今度こそ助ける」と思ったのも束の間、敵の攻撃が救命艇を直撃。フレイさんは死にました

 ところが、キラくんの前に、フレイさんの幻覚が現れます。
 「ありがとう……ごめんね……ずっと、あやまりたかった……(略)……あなたはもう、泣かないで……(略)」

 しかし、その後のキラくんには大した活躍もありませんし、最終回でわざわざ同じ失敗を繰り返した意味もよく分かりません。フレイさんに謝らせるだけなら死ななくてもできますし
 過去のガンダムの名場面を形だけ真似しておけば、ガンオタが絶賛してくれるとでも思ったのでしょうか。

 ともあれ、両軍のトップ(みたいな立場の人)も、それぞれ次のような最期を迎えます。

 ナチュラル側:戦闘中、戦艦のブリッジで艦長と軍のトップが仲間割れのケンカ(片方が発砲)。他の乗組員はどちらの味方をするでもなく、2人をブリッジに残して全員退去。そのまま敵艦に撃たれて、戦艦大破。
 コーディネーター側:最高評議会の議長が、命令を聞かない部下を撃つ。撃たれた部下も撃ち返し、議長は死亡。直後、武装した敵兵が乗り込んでくるが、その場にいた他の軍人は全員戦いもせず持ち場を放棄して逃亡

 ……軍人たちのありえない行動の連発に、「砂漠の虎」が優秀な軍人だと言われていたのが納得できました。

 そこで、コーディネーター側の軍を、ほとんど何の伏線もなく現れた穏健派の議員が武力制圧。「現在、プラントは停戦協議に向けて準備をはじめています。それに伴い、プラント臨時最高評議会は、現宙域におけるすべての戦闘行為の停止を、地球軍に申し入れます」というアナウンスをしたところで、エンディングテーマが流れ出しました
 両軍とも戦力は残っていますし、これまでの描写がお互いに訳の分からない憎しみだけで殺し合っている異常な状況だったこともあって、視聴者には、この唐突な描写で戦争が終わったとはとても思えません

 また、もしもこの最終回で「話し合いでの戦争解決」が実現されたのなら、その最大の功労者はほとんどエキストラに等しい脇役に過ぎなかった穏健派の議員です(視聴者のほとんどは「誰この人?」という感じ)。
 スタッフのインタビューなどによると、どうも穏健派の議員さんたちはテレビに映っていないところで色々と活躍していたようなのですが、何しろそんな描写は1つもありませんでした

 一方、キラくんやラクスさんは、発射された核ミサイルを撃ち落とすなど、戦闘中に対処療法で死傷者数を減らす努力で精一杯。戦艦を盗み出すくらいですし、もちろん「話し合いによる解決」など念頭になかったと思われます。
 主人公たちの存在は何だったのか、特にフレイさんの犬死にの意味が分かりません。

 そういえば、「砂漠の虎」との問答以来、戦う理由について悩んでいたキラくん。ラクスさんに影響され、物語中盤〜終盤では、「僕たちは、と戦わなきゃならないのか、少し分かった気がする」「こんなことを終わらせるには、と戦わなくちゃいけないと思いますか? 僕は、それと戦わなくちゃいけないんだと思います」などと発言するようになりました。
 しかし、キラくんが思う「それ」とは「何」なのかは、最後まで説明はありませんでした。もちろん、キラくんが「それ」と戦う描写もありません。あの発言のとき、彼はいったい何と戦うつもりだったのでしょうか。とりあえず、自分の意見は思わせぶりにほのめかし、難しい問題を他人に問いかけるだけの態度はラクスさんそっくりでしたけど。

 そんなこんなで、何もかも放り投げられた脱力の最終回でしたが、スタッフロールが流れ切った後で、主人公であるキラくんが、締めの一言を漏らします。

 「どうしてこんなところに来てしまったんだろう、僕たちの世界は……」

 それはひょっとしてギャグで言っているのですか?
 聞きたいのはこっちです。本当に、どうしてこんなところに来てしまったんでしょう、このアニメは


 まとめ

 公式サイトのインタビューで、福田監督はこう述べました。

ガンダムっていう看板を掲げているからには(略)未来に対するなんらかの希望、道標、解答を描く作品を創りたい

 福田監督は、これに失敗してしまったのでしょうか?
 いえ、違います。実は「TV Bros」のインタビューにて、「問題提起に対する解答の部分は、最終回で描かれるんですか?」と聞かれた監督が、次のように答えています。

答えはね、エンターテイメントは提示しないものですよ。それが感じられればいいんです

 そう、「人間は言葉の動物」で、「人と人とが心で分かり合えるなんていうのは嘘」ですけど、なんか感じられるんです!
 ……「SEED」の場合、異常な描写不足に加えて「一見〜だけど実は……」という演出フェイクもあるので、もはやニュータイプじゃないと感じ取れない領域だと思いますけど。

 ともあれ、公式ホームページのインタビューにて、福田監督が「一番注目して欲しい点は?」「ストーリーです」と答えているにも関わらず、同じホームページのアンケート「SEEDのここが好き!」では「お話が面白い」という意見が最少数派でした。

 確かに、戦闘描写が楽しめる回もありましたし、面白いキャラクターもいました。でも、少なくともストーリーに関しては、最終回まで見て脱力感しかありません。
 他の平成ガンダムに比べて「SEED」が良かった点として、ちゆが自信を持って挙げられることと言えば、エロ同人誌のネタにできる女性キャラが多いことくらいでしょうか。

 どうしてこんなところに来てしまったんだろう


平成17年1月6日 「機動新世紀ガンダムX」DVD化

 今月の28日に「機動新世紀ガンダムX」のDVDボックスが発売されるそうです。

 「ガンダムX」は、「Gガンダム」「ガンダムW」に続いて放送された、平成8年のアニメ。
 「『ガンダム』史上、もっとも数奇な運命を辿る」「報われることなく散った作品」(「アニメ批評 #001」)などと言われています。

 とりあえず印象的だったのは、自分用のモビルスーツを見て「色は白がいい。白がいいんだよっ!」とキレてスプレーで塗り直してた人(「完璧なる白だ……、んふふふふ」)。
 あと、ずっとサングラスをかけていたモミアゲ艦長が、最終回で素顔を晒すと別に普通のツラだったのは反応に困りました。

 さて、「ガンダムX」の話題になるとなぜか必ず登場する単語が「視聴率」と「打ち切り」です。
 とりあえず、近い時期の人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」と最初10話の視聴率を比べてみると……。


 どっちが「エヴァ」で、どっちが「ガンダムX」なのかはお察しください

 ともあれ、「ガンダムX」の視聴率はこの後、26話までの間に4.3%を2回ほど超えるレベルで安定します。……ちなみに、前番組「ガンダムW」の視聴率が平均4.3%でした。

 そして、そこで事件が起こります。それまで夕方5時の放送だったのが、27話から朝の6時に左遷されてしまったのです。
 当然、後はひたすらかわいそうな視聴率が続くことになりました。

 27話「おさらばで御座います」 1.5% 
 28話「撃つしかないのか!」 1.4% 
 29話「私を見て」 0.8% 
 30話「もう逢えない気がして」 1.5% 
 31話「飛べ、ガロード!」 1.4% 
 32話「あれはGファルコン!」 0.8% 
 33話「どうして俺を知っている!?」 1.4% 
 34話「月が見えた!」 0.8% 
 35話「希望の灯は消さない」 1.3% 
 36話「僕らが求めた戦争だ」 1.5% 
 37話「フリーデン発進せよ」 1.7% 
 38話「私はD.O.M.E… かつてニュータイプと呼ばれた者」 1.1% 
 最終話「月はいつもそこにある」 0.6% 

 そして、全46話の予定だったハズが、ここで打ち切りおさらばで御座います
 結局、6.2%で始まって0.6%で終わるという美しい視聴率の流れができあがってしまいました。

 しかし、もちろん、低視聴率=駄作ではありません。

 ただ、「ガンダムX」の場合、打ち切りのせい(たぶん)で、物語終盤に悟った人が登場。金田一少年のように関係者を招集して長々と喋り、作品のテーマを全部クチで説明してくれる最終回になってしまいました。
 ……まあ、監督には、1年間放送したアニメの最終回で「実は主人公たちは二次元人だった!」をやった前歴がありますから、別に打ち切られなくてもメメタァな終わり方をした可能性はありますけど。

 ちなみに、その「悟った人」については、声優を古谷徹(アムロの人)にするという案もあったそうです。

≪プレイバック・ガンダムX最終回(ネタバレ)≫

ヒロイン 「私の心を感じてください。そしてすべてを明かしてください
艦長 答えが示されるのか……15年間、さがし求めてきた、その答えが……」
アムロ 「私はD.O.M.E……かつて、ニュータイプと呼ばれた者。(略)みんなそれぞれに『ニュータイプ』という言葉をとらえている。(略)しかたがないことかもしれない。きみたちはニュータイプという幻想でつながった世代なのだから……」
艦長 「ニュータイプが幻想だというのか!」
アムロ 「人を超えた“力”と『人の革新』とは別のことなんだ。(略)ぼくの終わりとともに『ニュータイプ』という言葉も消えるべきだった。けれどもそれに囚われてしまった人々は、その次を求めてしまった」
総司令 「ニュータイプは未来を作らないのか!」
アムロ 「そうだ。それと同時に、過去にしがみつき、それを利用することしか考えなかった者にも未来は作れない。(略)そう、すべては幻だ。(略)『ニュータイプ』を求めてさすらう時代はもう終ったんだよ。そしてきみたちは新しい未来を作っていかなきゃならない。(略)『ニュータイプ』という言葉を捨てればいい。それで願いは叶うはずだ。(略)ぼくも元いた場所に帰る」
総統 「行かないでくれ! 『ニュータイプ』がなければ、我らはどうなる!
美形 「そんなものはなかったんですよ。はじめから
アムロ ふるい時代は これで終わりだ

 監督によると、「作品中の『ニュータイプ』という言葉と自分にとっての『ガンダム』という言葉は限りなくイコール」(「アニメージュ」平成9年1月号)なので、上記の「ニュータイプ」は「ガンダム」と置き換え可能です。

 つまり、「ガンダムX」の最終回は、私たちガンダムという幻想でつながった世代に、こう語りかけているわけです。
 ガンダムはファーストだけで終わるべきだったが、「それに囚われてしまった人々」(ファン)と「過去にしがみつき、それを利用することしか考えなかった者」(バンダイ)は「その次」を求め、「Z」以降延々と続いてしまった。だけど、そろそろロボットのツラと名前だけ「ガンダム」のアニメを縮小再生産し続けるのはやめようよ、と。

 ……言ってることは、それほど珍しい主張ではありませんね。「ガンダム」と名の付くアニメの登場人物の台詞でなければ

 とは言え、「Zガンダム」「Vガンダム」「ターンAガンダム」など、ガンダムにおいて「ガンダム潰し」むしろポピュラーなテーマです。
 ただ、「X」の世界では絶対者の一言でみんな納得したところ、現実世界では、主人公を廃人にしようが、過去のガンダムを全部黒歴史として地中に埋めようが、今でも平気で「ガンダムSEED DESTINY」が放送されています。

 そうそう。「X」の話に戻りますが、脚本では、主人公たちが最後に月を去る時に「さよなら」と言う予定だったところ、監督が「あれはまだ、ぼくには言えないよ」と外したそうです。
 ……ガンダムに囚われるなと言いながら、ガンダムに「さよなら」が言えない監督。このアニメのそういうところ、好きです

 そんなこんなで、ガンダムシリーズの中でも特に気まずい作品になった「X」。
 アマゾンの「ガンダムX」DVDボックスの紹介を見ると、「人気シリーズ『ガンダム』に新しいコンセプトを取り入れて再ブームの火付け役としても話題となった」なんて書いてありますけど、すみません何か別のアニメと間違えているのでしょうか?

 ネットアイドルちゆは「機動新世紀ガンダムX」を応援しています。


平成20年3月18日 本当は面白い「アイドルマスター XENOGLOSSIA」

 芸能事務所のプロデューサーになってアイドルを育てるゲーム「アイドルマスター」が、昨年、テレビアニメ化されました。

 当然、「アイドル伝説えり子」みたいな芸能界サクセスストーリーになるかと思いきや、アニメの制作者は、「ガンダムやイデオンに憧れてサンライズに入社した僕としては、巨大ロボットという伝家の宝刀をこの大きな企画で出したかった」などと、訳の分からない発言。

 その結果、ゲームでは単なるアイドルだった春香ちゃんが、アニメでは身長30メートルの巨大ロボット「インベル」に乗って戦うことになりました。
 これにはAmazonのレビューなどでも、「ここまで支えて応援してきたファンを裏切り見捨てた」「(ファンにとって)これほど屈辱的な作品はない」といった声が多いです。

 そんなわけで、最初の一歩で致命的に足を踏み外しているテレビ版「アイマス」ですが、これを実際に見てみると、作品自体のクオリティは大変高く、それでいて実は二歩目も踏み外しており、三歩目以降は空中を歩いているのが分かります。

 そこで今日は、テレビ版「アイマス」がどんな内容だったのか、ネタバレ全開で簡単にご紹介したいと思います。



 まず、第1話の冒頭は、いちおうアイドルのオーディションからスタートします。

第1話「上京ペンギン」より 第1話「上京ペンギン」より

 ところが、このオーディション、実は参加者以外はすべて仕掛け人

 本当は、主催者が探しているのはアイドルではなく巨大ロボのパイロットなのです。
 なぜそんなことをしているのかというと、この世界のロボットは気に入った美少女が乗らないと動かないという仕様なので、こうして偽装オーディションで女の子を集めることで、ロボが気に入る美少女を探しているのです。

 そんなわけで、はるか遠方の格納庫にいる巨大ロボット「インベル」も、このオーディションの様子をカメラでチェックしています。

第1話「上京ペンギン」より 第1話「上京ペンギン」より 第1話「上京ペンギン」より
胸チェック! スカートの中チェック! 全身チェック!

 こうして、インベルに気に入られた春香ちゃんに合格通知が届き、彼女はアイドルを目指して上京するのでした。



 ところで、「アイドルマスター」の世界には、インベルを含めて5体のロボットが存在しており、そのすべてが美少女好きロリコン率高し)です。
 劇中では、この5体のロリロボをひっくるめて「iDOL」と呼んでいます。

 さて、そんなiDOLのうちの1体を、上京したばかりの春香ちゃんが偶然目撃します。
 そして、生まれて初めて見るロボットの勇姿に感動して、春香ちゃんが「iDOLって、ちょっとかっこいいね」と言った次の瞬間……。

第1話「上京ペンギン」より 第1話「上京ペンギン」より 第1話「上京ペンギン」より
格納庫で盗撮中のインベル 春香「iDOLって、かっこいいね」 ドキュゥゥゥゥゥゥン!

 格納庫のインベルが、轟音をあげながら勝手に起動します。

 どうやらインベルの脳内で、
 「春香がiDOLを褒めた」→「iDOLイコール俺」→「春香たんと俺は相思相愛!!
 という思考が展開されたようです。

 興奮したインベルは、パイロットも乗っていないのに隔壁を内側から突き破って移動、唐突に春香ちゃんの目の前に現れます

第1話「上京ペンギン」より 第1話「上京ペンギン」より

 さらに、インベルは重力をコントロールして春香ちゃんの身体を宙に舞い上げると、そのまま自分のコクピットに吸い込みます
 そうして、わけがわからないままコクピットに座らされた春香ちゃんの目の前に、これまで撮影された盗撮映像の数々が映し出されるのでした。

第1話「上京ペンギン」より 第1話「上京ペンギン」より 第1話「上京ペンギン」より

 どうやら、ロボットなので言葉が喋れないかわりに、「ずっと君を見ていたよ」とアピールしているようです。



 こうして、インベルのパイロットになった春香ちゃん。

 彼女にしてみれば、突然現れた巨大ロボットが、なぜか自分の盗撮映像を大量に所持していたわけです。
 そのあまりにも変態的なアプローチに、春香ちゃんも意外と悪い気はせず、少しずつインベルに惹かれていきます

 そうして、「ちょっとくらい冒険しても、いいよね?」と言って、インベルのために勝負パンツをはいたり……。

第6話「高度二万米」より 第6話「高度二万米」より 第6話「高度二万米」より
ロボのことを想いながらパンツを選んで赤面する16歳

 「わたしのことを、もっと知ってほしい」「まだ誰にも見せてないの。だからインベルがはじめてだよ」と言って、インベルに水着姿を見せたり……。

第8話「コンペイトウ夜話」より 第8話「コンペイトウ夜話」より 第8話「コンペイトウ夜話」より
夜の海でデート 春香「じゃじゃーん!」 インベルのモニタに「●REC」

 そして、ある日、インベルの中に「FAVORITE FILE 0518」というファイルを発見した春香ちゃん。「このファイル、何?」とクリックしてみると……。

第15話「格納庫天国」より 第15話「格納庫天国」より 第15話「格納庫天国」より

 当然のように、中身は春香ちゃん盗撮集でした。
 このあまりにも変態的な行動に、さすがの春香ちゃんも思わずほおを染めて、「ありがとう……インベル」と喜びます



 そんなこんなで、人間に萌えるロボットロボットに恋する人間
 狂った者同士だからこそ相性完璧という、バカップルを超えた狂ップルがイチャイチャしているわけですが、そんな2人の恋路を邪魔する敵が登場します。

 それは、インベルの元カノの千早さん
 具体的には、16年前までインベルのパイロットだったという……、えっと(計算中)……、とんでもない年増女です。

 千早さんは積極的にインベルにアプローチしますが、インベルは若い娘に夢中で、まったく振り向いてくれません。
 そのショックで、「どうしてなのインベル。私はすべてをあなたに捧げた。心も、身体も。なのに……」と落ち込む千早さん(48歳)。

 しかし、その後、彼女は幼女拉致作戦を実行。

第18話「夜」より 第18話「夜」より
誘拐された幼女(とかち) 生意気な幼女にアイアンクロー

 この作戦がうまくいって、めでたく千早さんはインベルの強奪に成功します。



 インベルを奪った千早さんは、「やっと戻ってきてくれた、私のインベル……」と、恍惚とした表情でインベルにスリスリ

第21話「最後の・プリン」より 第21話「最後の・プリン」より 第21話「最後の・プリン」より

 そして、自分以外の人間がインベルに触れると、突き飛ばして「汚れるじゃない」と激怒。
 「ほらインベル、いまキレイにしてあげるわね……」と言って、インベルにキスをします。

 なお、この前後、美少女しか乗せないハズのインベルが、千早さん(48歳)の操縦で動いている理由は謎ですが、

 (1)最近春香ちゃんが構ってくれないのでスネてみた
 (2)久しぶりに昔の彼女に会ったら気が狂っていたので、さすがに少し同情した
 (3)たまにはヤンデレもいいかなと思った

 個人的には、(3)に説得力を感じます。

 ともあれ、インベルを操縦しながら、「うふ……熱いわ……インベル……うふふ……とけちゃいそう……」などと千早さんがコクピットで感じていると、そこに我らがヒロイン・春香ちゃんが登場!

第23話「RUN!」より 第23話「RUN!」より
春香「私…」 「私、あなたが…好きです!」

 春香ちゃんは、「私、あなたが…好きです!」とロボットに告白
 次の瞬間、インベルは目を光らせて、千早さんが乗っているコクピットを射出します。

第23話「RUN!」より 第23話「RUN!」より 第23話「RUN!」より

 ……哀れ、ポイ捨てされて空を飛んでいく千早さん(48歳)

第23話「RUN!」より 第23話「RUN!」より 第23話「RUN!」より
春香「ずっと…」 「…好きだったの」 その頃の千早さん

 こうして、正式に彼氏彼女になったインベル&春香ちゃんと、もともと病んでいた精神をさらに病んだ千早さんでした。



 さて、インベルに捨てられた千早さんは、「満たされていくの、白く……うふふ……うふふふふ……」「クリームみたいに……白いの……」などと言い出します。

第24話「復興暦百八年」より
千早「真っ白にトロけて……」

 彼女が言うには、人間の身体を粒子化させてロボに撃ち込むことで、ロボと人間は物理的に融合できるのだそうです。
 「インベルとわたしは、ひとつになるの。真っ白に……トロけるの……とおっても甘くて……気持ちがいいの……ふわふわのマシュマロ……とろとろのミルククリーム……

 そして、怪しげな装置を起動させ、千早さんは自分の身体を粒子化させるのでした。

第24話「復興暦百八年」より 第24話「復興暦百八年」より
怪しげな装置で、千早さんの肉体は消滅



 しかし、インベルとの融合を果たすには、だれかが千早粒子をインベルに撃ち込まなければなりません。
 そこで登場するのが、千早さんの忠実なペットである雪歩です。

第20話「かえりみち」より 第24話「復興暦百八年」より
雪歩「私の飼い主は千早さんです」 雪歩と、生前の千早さん

 「私の飼い主は千早さんです」と言い切る雪歩は、愛する千早さんの願いを叶えるため、ロボに乗って出撃。
 春香ちゃんに向かって、千早さんの素晴らしさを訴えます。

 曰く、「あなたは何も分かっていない。何の努力もせずにインベルのマスターになって、インベルに愛されて。千早さんの……」

第25話「春の雪」より 第25話「春の雪」より 第25話「春の雪」より 第25話「春の雪」より 第25話「春の雪」より
「苦しみも!」 「悲しみも!」 「情熱も!」 「想いも!」 「何も!」

 「……あなたには何もない! なのに、なぜあなたは愛されるの?」と、千早さんの半裸や全裸を回想しながら熱弁する雪歩。
 確かに、若いというだけでインベルに愛されている春香ちゃんには、(年増女の)苦しみも、(年増女の)悲しみも、(年増女の)情熱も分からないでしょう。

 それから、雪歩は見事にインベルを倒して千早さんの粉末を撃ち込むことに成功します。

第25話「春の雪」より 第25話「春の雪」より 第25話「春の雪」より
雪歩「千早さんとインベルを、ひとつに! 千早さん、これが私の…愛です!」

 ところが、せっかく注入された千早粉を、インベルは体外に噴射

第25話「春の雪」より 第25話「春の雪」より 第25話「春の雪」より

 ……哀れ、ゴミのように空気中に飛散していく千早さん(48歳)の粒子

 それを見て、涙目になる雪歩。

第25話「春の雪」より 第25話「春の雪」より
雪歩「なんで?」 「なんで…!」

 そこで、春香ちゃんが長々と語り出します。
 曰く、「きっと、インベルは……ううん、iDOLでも人でも、好きな人と一緒になるって、そういうことじゃないよ。好きな人と一緒になるって、その人と同じになるんじゃない。きっと、違うところをお互いに見つけていくことなんだよ。だから、わかんないことも、キライって思うこともいっぱいあるかも知れないけど、でも、きっとそれでいい。それでよかったのに。インベルは千早さんを見てたのに。千早さんは、インベルに見てもらおうとするだけで、インベルを見なかった。それはきっと……愛じゃないもの!

第25話「春の雪」より 第25話「春の雪」より 第25話「春の雪」より
「愛じゃないもの!」 ガガーン! 「ごめんなさい…ありがとう…」

 そう、これまでの半年間の放送はすべて、この巨大ロボと恋愛中の女による、愛についての説教のためにあったのです。
 これには精神を病んでいたレズっ娘も思わずガガーンと心を打たれて泣いて謝ります

 ただ、要するに「千早さんのインベルへの愛はニセモノだけど私の愛はホンモノ」という話なのですが、これまで本編で描写されてきた限りではどっちもどっちの電波女に見えるのが難点です。

 それにインベルにしてみれば、16歳と付き合っているところに大昔に捨てた48歳が言い寄ってきただけの話で、どちらかといえば、さきほどの雪歩の主張「四十過ぎて独身の女の気持ちは小娘には分からぬわ!」(要約)の方が実情に近い気がします。

 そんなこんなで、春香ちゃんの台詞を本編の内容とリンクさせるとしたら、むしろ次のような感じになるかと思います。



 きっと、アイマスは……ううん、アイマスでも何でも、好きな原作がアニメ化されるって、そういうことじゃないよ。
 原作を尊重しつつアニメならではの魅力を出そうとしたら、消化不良になることも、単なるファンアイテムで終わることもいっぱいあるかも知れないけど、でも、きっとそれでいい。それでよかったのに。

 ファンは原作を見てたのに。サンライズは完全新作ロボットアニメを作ろうとするだけで、原作を見なかった

 それはきっと……愛じゃないもの!


平成20年3月18日 「アイドルマスター XENOGLOSSIA」と斧女

 「アイドルマスター」のテレビアニメ版の放送中、16歳の少女がゴスロリをイメージした服を着用して、斧で父親を殺す事件がありました。

 毎日新聞などによると、少女が斧を購入したのは9月13日だったそうです。
 一方、少女が住んでいた京都で9月12日に放送された「アイマス」の第24話には、白ゴスロリの少女が斧で母親を殺そうとして返り討ちにあう場面がありました。

第24話「復興暦百八年」より 第24話「復興暦百八年」より 第24話「復興暦百八年」より
事件直前に放送

 もちろん偶然の一致なのですが、ロリータファッションで少女で親子でよりにもよって斧をチョイスと、誰も来ないところに設置された地雷を的確に踏み抜くのは、さすがテレビ版「アイマス」でした。

 そして、事件後、「スクイズ」や「ひぐらし」は別に斧も出ないのに、「女子高生による暴力シーンがある」「少女が凶器を持っている場面がある」という理由で放送を自粛しました。
 一方、斧購入日の前日に斧を出した「アイマス」は、不人気が幸いして偉い人たちに気付かれず。

 事件の直後にも、知らんぷりして少女が斧で惨殺スプラッタを地上波で流していました。

第25話「春の雪」より 第25話「春の雪」より 第25話「春の雪」より
事件直後に放送


平成20年3月18日 インベルとゆかいな仲間たち

 テレビアニメ版「アイドルマスター」には、インベル以外にも何体かの「iDOL」が登場します。

 たとえば、“テンペスターズ”というiDOLは、ストライクゾーンが園児という真性のロリコンで、パイロットの5歳児を乗せたまま行方不明になって7年ほど失踪
 ようやく帰ってきたときには、パイロットは精神は5歳のままで身体だけ12歳のハイブリッド幼女に育てられていたという、驚異の拉致監禁ロボでした。

 一方、我らがインベルは盗撮方面に強く、「タシロボ」「タシロス」「淫ベル」などの名をほしいままにしましたが、第14話で、実は“ネーブラ”というiDOLも、パイロットの幼女時代の盗撮映像を大切に保存していたことが判明。
 さらに、“ヌービアム”というiDOLも、第25話で雪歩の幼女時代の盗撮映像を大切に保存していたことが判明します。

 結局、iDOLは盗撮魔とロリコンばかりでした。

第21話「最後の・プリン」より 第14話「なんか うごき づらい」より 第25話「春の雪」より
インベルさんの録画 ネーブラさんの録画 ヌービアムさんの録画

 さて、そんな感じでインベルもロリコンなので、千早さんに対しても幼女だった頃は優しかったです。

 たとえば、千早さんが初めてインベルに乗ったときは……。

第21話「最後の・プリン」より 第21話「最後の・プリン」より 第21話「最後の・プリン」より
千早さん、インベルに初搭乗 インベルの数値がグングン上昇 モニタに「●REC」の文字

 いつものように愛情を録画で表現するインベル。
 幼女時代の千早さんも春香ちゃんと同じ手で口説いていたわけですが、これでモテモテなのがインベルのすごいところです。

 そうして、インベルと千早さんはコクピットに裸で寝るほどの仲になったのですが、

第21話「最後の・プリン」より 第23話「RUN!」より 第25話「春の雪」より
千早さん(幼女時代) 千早さん(48歳) 千早さん(粉末)

 どうしてこんなことに……(答え:愛じゃないもの)。


平成21年4月10日 超次元サッカーアニメ 「イナズマイレブン」 簡易まとめ

 テレビ東京系で日曜の朝に放送されていたアニメ「イナズマイレブン」が、今週放送の27話から、水曜午後7時30分のゴールデンに移動しました。

 そこで、「時間が変わったから見るけど、過去の放送分までチェックするつもりはない」という方向けに、26話までのあらすじを簡単にまとめてみました(ネタバレ注意)。


 イナズマイレブン誕生


 主人公は、「雷門中学」のサッカー部。

 部員7人の弱小クラブで、部費が無駄だから廃部にすると言われますが、40年間無敗の「帝国学園」に勝てたら許すということに。

帝国学園サッカー部の皆さん

 そして、試合当日。
 雷門中学は、いそいで勧誘した素人を合わせてギリギリ11人という状態(運動音痴のメガネくん含む)で、帝国学園に通用するハズはなく……。


 帝国学園の皆さんは、サッカーというのはボールを通して相手選手をノックアウトする競技だと誤解しているフシがあります。
 雷門イレブンは次々とフィールドに倒れていき、メガネくんは「もうこんなのイヤだぁ〜ッ!」と泣きながら逃亡


 すると、メガネくんが脱ぎ捨てたユニフォームを勝手に着て、ベジータ似の転校生・豪炎寺さんがフィールドに入ります。

 豪炎寺さんは重度のシスコンで、妹が交通事故で寝たきりになって以来、「俺だけのうのうとサッカーをやるわけにはいかない」と誓っていましたが、帝国学園のラフプレイにキレて加勢したのです。

 これに力づけられたキーパーの円堂くんは、手から巨大な手を出す「ゴッドハンド」を会得。
 豪炎寺さんも、ギュンギュン回転しながら炎を出す「ファイア トルネード」で反撃。
 ついに1点を奪います。

「ゴッドハンド!」 「ファイア トルネード!」

 それでも試合は1対20ですが、実は、帝国学園は豪炎寺さんの様子を偵察に来ただけなので、これで満足すると試合放棄して帰宅。
 「実質的に雷門イレブンの勝利とも言える事態」だということで、廃部を免れました。

 エンディングでは、「青春おでん」という昭和ソングに合わせて、雷門中学のマネージャー三人娘(眼鏡っ娘、お嬢様、普通)が踊り、豪炎寺さんがギターを弾きます



 ドラゴンが出た!


 サッカーをやめていた豪炎寺さんですが、「勘違いも甚だしいわね。あなたに一番サッカーをしてほしいのは、一体だれなのかしら?」と、お嬢様が説教。
 いつもメガホン片手に応援してくれた妹の愛くるしい姿を思い出した豪炎寺さんは、正式にサッカー部に入ります。

豪炎寺さんの妹・夕香 豪炎寺さん、黄金時代 場外で色々活躍するお嬢様

 一方、部員が7人の頃からのフォワード・染岡さんは、転校生の出現に面白くありません。
 「あんなのは邪道だ! 俺が本当のサッカーを見せてやる!」ということで、特訓の末、ドラゴンが出るシュートを編み出します。

炎は邪道だけど、ドラゴンは邪道じゃないよ

 そうして迎えた「オカルト中学」との練習試合。
 ですが、相手キーパーの必殺技「ゆがむ空間」の前に、染岡さんのドラゴンは通用しません。


 「俺の……ドラゴンクラッシュが……この程度だと……」 愕然とする染岡さん。

 ここで雷門中学の下級生たちは染岡さんを見限って、豪炎寺さんにパスを集中。
 染岡派の二年生は「染岡にボールを渡せ!」とキレますが、豪炎寺派の一年生たちは「だって、染岡さんのシュートじゃ止められてしまいます!」と聞きません。

一年生たち VS 二年生

 とりあえず、豪炎寺さんがノーマークのときに、マークが2人も付いた染岡さんにパスを出す二年生はおかしいと思います(たぶんホモです)。

 ともあれ、キーパー・円堂くんのリーダーシップでチームは結束を取り戻して、染岡さんと豪炎寺さんの合体技で勝利。

染岡さんのパス→豪炎寺さんのシュートで、炎のドラゴン

 そして、「エースストライカーの座は譲ったわけじゃないからな」という染岡さんに、「フッ」と返事をしつつ心の中で妹の名を呼ぶ豪炎寺さんでした。

え、エースストライカーの座は
譲ったわけじゃないんだからね!
「フッ (……夕香)」


 これがイナズマ落としだ!


 こうして始まった地区大会、1回戦の相手は「野生中学」です。

 ズバ抜けてジャンプ力が高い野生中学ですが、実は豪炎寺さんは浮き球をトルネードする以外に攻撃パターンがないので、自分より高く飛ばれると何もできません。

 こんなときこそ、染岡さんの出番です!
 「空中戦でかなわねェなら、こいつはどうだ!」と張り切ってドラゴンを出そうとした染岡さんは、敵が回転しながら突っ込んできてケガで退場しました。

1回戦の染岡さん全プレイ

 結局、雷門中学は、豪炎寺さんが人間を踏み台にして超高く飛ぶ技「イナズマ落とし」で勝つのでした。


 その次の試合では、ゴール前にバリアを張るキーパーに対して、豪炎寺さんと円堂くんのツインシュート「イナズマ1号」で勝利します。



 メガネ、立つ!


 そして迎えた準決勝の敵は、「秋葉名戸学園」
 その選手たちはメイド喫茶に入り浸っているという情報を受けて、メガネくんはメイド喫茶ですとッ!と激しく食いつきます。

「メイド喫茶に入り浸っていた
……ですって」
「行ってみるしかないようですね
メイド喫茶に!」
「マジかよ!」
赤面する染岡さん

 「これは試合を有利に進めるための情報収集なのですよ!」ということで、イナズマイレブン、メイド喫茶に行くの巻


 このメイド喫茶、ちゃんとオタクっぽくない客もいるのがリアルです。

 それから、メイド喫茶の地下にある、秋葉名戸サッカー部の部室(?)に招待されて、オタクたちと意気投合するメガネくんでした。

なぜか当サイトの
左上の画像と似てますね
「幻のゲーム機・パプンGX
ではありませんか!」
「スイッチバックまで再現とは!」
「分かってくれるのかい?」

 そして、ついに試合当日。

「わが校における試合では、マネージャーはすべてメイド服着用、という決まりになっております」

 秋葉名戸の必殺シュートは、ブン回した人間の顔面でサッカーボールを叩き込む技


 また、赤いマフラーを装備した特撮オタクが、「俺はヒーロー、誰にも止めることはできんッ! 変身!」と叫ぶと、ボールがスイカと入れ替わります


 これに対して、メガネくんは、「正々堂々悪に挑む、それがヒーローでしょう! スイカとボールをすりかえて相手をあざむくなど、ヒーローの技ではありません!」と説教。特撮オタクはショックで崩れ落ちるのでした。

 それから、シュートを撃たれたらゴールを動かすことで枠外にする技が炸裂しますが……。


 「勝てばいいのだよ勝てば!」「これがオタクの必殺技だ!」と言う秋葉名戸イレブンに、メガネくんが説教。

 「オタクとは、ひとつの世界を真摯に、まっすぐに極めた者! ゲームのルールを破ってまで勝とうとするアナタたちに、オタクを名乗る資格などありません!」
 「メガネくん、キミの言葉で目が醒めたよ。……僕たち、もう卑怯なことはやめるよ!」

 ということで、最後は正々堂々と戦って雷門イレブンの勝利でした。


 決戦! 帝国学園


 決勝戦の相手は、40年間無敗の「帝国学園」に決まりました。

 しかし、帝国学園の監督は、試合に勝つためなら何でもする男。
 具体的には、雷門中学の移動用バスのブレーキオイルを抜いたり、事故を装って天井から鉄骨の雨を降らせたりします


 サッカーに勝つためなら集団殺人もいとわない監督の方針に、帝国学園のキャプテン・鬼道さんは疑問を抱きます。

自室でサッカーボールをだっこしながら悩む鬼道さん

 結局、鬼道さんに事前に助言されたおかげで、雷門イレブンは降りそそぐ鉄骨の回避に成功
 帝国学園の監督は逮捕されるのでした。

 そして、正々堂々と試合開始。

 鬼道さんがゴッドハンドを破るために編み出したシュート「皇帝ペンギン2号」は、地中から召喚したペンギンがボールと一緒に飛んでいってキーパーを攻撃する技です。


 しかし、円堂くんはゴッドハンドでペンギンを爆死させて勝利。雷門イレブンは地区大会優勝を果たすのでした。


 あと、雷門中学の眼鏡っ娘マネージャーは鬼道さんの妹で、実は鬼道さんもシスコンでした。



 鬼道の決意!


 それから、全国大会がスタート。

 この大会には「ゼウス中学」という謎の学校も参加していますが、謎の学校なので開会式は欠場で、プラガールが羞恥プレイ状態でした。


 そして、雷門中学の1回戦の相手は「戦国伊賀島中学」。
 隊列を組んだ選手たちが相手選手を吹き飛ばしながらフィールドのド真ん中を爆走する「円月の陣」などの忍者サッカーに苦戦しますが、なんとか勝ちます。


 ところが、鬼道さん率いる帝国学園は、例の「ゼウス中学」に0対10で負けました

ゼウス中学のシュートで、帝国学園のゴールは大破

 この屈辱を晴らすため、鬼道さんは雷門中学に転校して、イナズマイレブンの一員に!
 2回戦では、ゴール前に壁を出すキーパーと戦って、鬼道さん・豪炎寺さん・円堂くんの合体技で勝利しました。

ゴール前に壁 ボールを3人一緒に蹴る

 そして、準決勝の相手は、まさかの亀田三兄弟モドキ


 駄菓子屋で子供の列に横入りするなど性格に難がある三兄弟ですが、実は豪炎寺さんに対してツンデレなだけでした(3人とも豪炎寺さんが大好き)。

 これを倒した雷門中学は、決勝でゼウス中学と戦うことになります。


 激突! 神 VS 魔神!!


 ところで、雷門中学のキーパー・円堂くんのゴッドハンドは、全国大会では亀田モドキにすら通用しませんでした
 対して、ゼウス中学のシュートはゴールを破壊するほどの威力です。

ゼウスのシュートが入ると… なぜか爆発が起こり… ゴールが粉々に

 そこで円堂くんは、ゴッドハンドを超える「マジン・ザ・ハンド」の研究を始めます。
 マジン・ザ・ハンドは、かつて円堂くんの祖父が使っていた必殺技。祖父のノートによると、胸がポイントらしいのですが……。

祖父の遺品のノート

 結局、ノートの意味は分からないままで、決勝戦がスタート。

 ゼウス中学の選手は、停止させた時間の中を悠然と歩くようにボールを運びます。


 さらに、翼を生やして空を飛び、空中からシュート!


 あと、地面を動かして問答無用で相手選手を負傷させる技で染岡さんが退場しました。

染岡さん、最後の決戦でも見せ場なし

 絶体絶命の雷門中学ですが、ここで円堂くんに天啓!
 祖父の形見のグローブが左だけ痛んでいるのに気が付いて、「分かったよ、じいちゃん! じいちゃんは、マジン・ザ・ハンドを左手で出していたんだ!


 なぜなら、心臓は体の左側にあるので、左手の方が気を伝えやすいからです。


 だから、このカッコいいポーズで心臓と右手をリンクして気を伝えることで、祖父を凌駕する右手のマジン・ザ・ハンドが出せるのです。


 ゼウス中学のシュートをムッキムキの魔神がキャッチ!

 雷門イレブンが中学サッカー界の頂点に立った瞬間でした。


 神よ泣け! ネリリ星人のひどい罠!


 こうして、26話で日本一になったイナズマイレブンですが、放送時間が変わった27話からは新展開。
 宇宙人が攻めてきたので、宇宙人とサッカーで戦います

宇宙人、襲来 背景が北斗の拳みたいに… これが宇宙人のキック力だ!

 ネットアイドルちゆは、イナズマイレブンを応援しています。



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