昔のちゆニュース
平成13年04月01日:克・亜樹の画集を買いました 平成13年04月25日:山口貴由がヤングアニマルに殴り込み 平成13年07月14日:平成20年の五輪は北京開催 平成13年08月30日:「ふたりエッチ」1000万部 平成13年10月05日:「煌羅万象」がアニメ化 平成14年05月10日:「全日本妹選手権!!」第2巻 平成14年10月21日:「ホーリーランド」重刷&巻頭カラー |
平成13年4月1日 | 克・亜樹の画集を買いました |
克・亜樹先生の画集を買いました。 そこで今日は発売から1週間以上経っているにも関わらず、克・亜樹先生の話題です。四月バカの企画とか事前に考えておけばよかったと後悔していますが、もう遅いです。来年をお楽しみに。 さて。克・亜樹先生といえば、「少年サンデー」に連載していた小・中学生向けの淡い微妙なエロが売りの「星くずパラダイス」が少し有名かなという程度でしたが、「ふたりエッチ」の大ヒットによって一躍メジャーなエロ漫画家になりました。 「ふたりエッチ」は単行本13巻の時点で累計800万部。単純計算で、1冊60万部売れている計算になります。 それにしても、みんなそんなに好きなのですか「ふたりエッチ」。表紙につられて買うのですか「ふたりエッチ」。”心と体があったまるスーパーラブラブコミック(はぁと)”というキャッチコピーに惹かれて購入するのですか「ふたりエッチ」。 あの漫画、読んでも新婚さんがイチャついているのを見せつけられるだけですし、ちゆとしてはなんとなく面白くないのですが。 そうそう。「ふたりエッチ」といえば、バップがWOWOWで実写ドラマ化という心底どうしようもない企画がありました。 結局このドラマ、漫画的表現を強引に実写映像で再現という失敗率200%の試みに無駄なチャレンジャー精神を炸裂させて見事玉砕、ひたすら見るのが苦痛な作品に仕上がってしまいました。 ちなみにドラマ版「ふたりエッチ」の公式サイトはこちら。トップページの300KBのイメージマップの脅威には、ただただデザイナーの正気を疑うばかりです。 そんな「ふたりエッチ」は現在「ベルセルク」と並んで「ヤングアニマル」を支える人気連載として頑張っていますが、その「ヤングアニマル」もあかほりさとるや出海まことを起用してみたりとよく分からない雑誌です。 それにしても、「覚悟のススメ」の山口貴由先生まで引っ張り出してくるのはどんな経緯があったのでしょうか。言われてみれば、今の「チャンピオン」と「ヤングアニマル」は系統が似てるかも知れませんが。 そういえば、克・亜樹は完全にエロ漫画家に転向したと思われる向きもありますが、ご本人の中ではあくまで「色々な題材にチャレンジしていく中での一つ」との位置付けのようです。 ですから、「ビタマン」の連載とか「ハーレム革命」みたいのばかり描いていくわけではないようです。 そこでようやく画集の話題です。 まず、インタビューで衝撃の事実が判明。 克・亜樹は楳図かずおの「漂流教室」の大ファン。 是非とも「ふたりエッチ」の今後は「人類滅亡後の未来に行ってしまった真と優良が殺し合いの末に人肉食いをする」ような展開にして欲しいです。 また、「これまでの作品に対する作者ご本人の一言コメント」のコーナーがありますので、ちゆの好きな作品につけられたコメントをチェックしてみます。 ●SHOW …「売れませんでした」 ●エンジェル・ハード …「やっちまった変な作品」 ●美少女創世伝説PRINCESS …「1巻は好きです」 先生、2巻以降はお嫌いなのですね。ファンの心にざっくりショック。ウソでもいいから夢のあるコメントをつけてほしかったです。 そんなこんなで、この画集、克・亜樹のファンの方なら買われてもよいのではないかと思います。ただし、「ふたりエッチ」のファンの方は要注意です。 「ふたりエッチ」のイラストは2点しか収録されていません。 この辺りは画集の出版元の角川書店と「ふたりエッチ」関係の版権をもつ白泉社の揉めっぷりが想像されます。 というか、この画集を買う人の半分くらいは「ふたりエッチ」目当てだと思うのですが。その辺で暴動が起こらないか心配です。 |
平成13年4月25日 | 山口貴由がヤングアニマルに殴り込み | |
今月1日のニュースで、克・亜樹の画集の話題を取り上げました。 その克・亜樹先生の代表作「ふたりエッチ」の最新刊・第14巻が27日に発売され、単行本累計900万部を突破するそうです。 日本全国に900万冊の「ふたりエッチ」。すべて集めれば、東京ドームを「ふたりエッチ」で満杯にできそうです。 さらに5月25日には、ふたりエッチ画集「ゆらゆら」の発売が予定されています。 先日の画集にふたりエッチのイラストが2点しか収録されていないと思ったら、そういうことだったのですね。 さて。 そんな「ふたりエッチ」が連載している漫画雑誌が、ヤングアニマルです。 最近「ヤングアニマル嵐」なんて雑誌も誕生しましたが、「リイドコミック爆」と何か関係あるのでしょうか。 現在ヤングアニマルを支える二本柱は、「ベルセルク」と「ふたりエッチ」です。「ももいろシスターズ」も、ちょっとしたヒット作でしょうか。 その他、たぶんマニア狙いで、あかほりさとる先生や出海まこと先生が原作をしておられる漫画もあります。 出海まこと先生といえば、今号でバスジャック犯の少年が人質の女性をレイプしてるシーンとか描いておられますが、これ大丈夫ですか? あの事件のとき、リアルタイムでこういう妄想をしていた人もいるのでしょうか…。 そんな感じで、豪華なのかそうでもないのか微妙なヤングアニマル執筆陣に、新たな鬼才が参入しました。 彼の名は、山口貴由。 ご存知、「覚悟のススメ」の作者様です。 「覚悟のススメ」は、濃い漫画が多い少年チャンピオンにあって、なお異彩を放っていた極上の漫画です。 その魅力はもはや言語化不可能ですが、主人公の名は葉隠覚悟。 日本軍に虐殺された3000人の捕虜の英霊が宿る戦略兵器・強化外骨格「零」を身にまとった戦士です。 彼が、実の兄にして両性具有の現人鬼と譲れない死闘を繰り広げる…という物語が展開されます。 全編を通して「覚悟完了!」「当方に迎撃の用意あり!」「見事な血涙であった!」「何だか知らんが とにかくよし!」などの山口節が炸裂。 「瞬殺無音部隊」「化学兵器・戦術神風」といったネーミングセンスも秀逸です。 そして根底に流れる武士道、有無を言わさぬ迫力。 たとえば、戦いの最中に左手を失った覚悟は叫びます。「残った右がやけに熱いぜ!」 また、強化外骨格に宿る3000の英霊が成仏して、天国に行ってしまった時、彼らは「私は軍人!安らぎは受け取らぬ!覚悟の居る、あの荒れ果てた世界に安らぎをもたらすのだ!」と叫んで天国で割腹。現世に戻ってきます。 なお、ここの41番の方など、たまに漫画版「バトル・ロワイアル」の作者が山口貴由先生だと勘違いしている人もいますので注意です。 その山口貴由先生が、ヤングアニマルで新連載です。 タイトルは「蛮勇引力」。 ジャンルは近未来警鐘バトルアクション。モチーフは、巷の浪人を束ねて国家転覆をくわだてた由比正雪。 テクノロジーの発達による都市機能の自動化に伴い、大量の失業者が発生する近未来。その社会の中心・神都に、一人の侠(おとこ)が現れます。
…そんな感じで始まる新連載。期待は大きいです。 ネットアイドルちゆは山口貴由先生を応援しています。 |
平成13年7月14日 | 平成20年の五輪は北京開催 |
今、パリでエロ広告ブームです。 2年ほど前から、洋服や化粧品の宣伝で「おしゃれなポルノ」と呼ばれるセクシー広告が流行。朝日新聞によると、「全裸写真は当たり前。SMまがいや性器を連想させるものまで」とのこと。 近ごろ話題になったのは、裸の女性が四つんばいで羊と向きあって「セーターがほしい」とつぶやく広告だそうです。 さて。 そんなパリも立候補していた平成20年のオリンピックの開催地が、北京に決定しました。 対抗馬だったトロントは、市長が「アフリカなんか行きたくない。踊る原住民の輪の中で、釜ゆでにされる私の姿が見える」と失言したのが響いて敗北。 正直者が馬鹿を見た感じです。 また、「巌流島に向かう宮本武蔵の心境だ」と、市長さんみずから妄想幻魔大戦なコメントを残して出陣したのは、我らが大阪市です。 見事に102票中の6票を獲得して、森前総理なみの低支持率を見せつけてくれました。 この結果を受けて、市の助役さんは「驚いた。こちらに過大評価があった」とコメントしてくださいましたが、何を今さらという気がしないでもありません。 なお、この無駄な招致に費やした金額は166億円。「ふたりエッチ」が3000万冊ほど買えます。 そうそう。市民団体「大阪オリンピックいらない連」は、これから市長さんの辞任を求めていく方針だそうです。 では、ここで各マスコミの報道を見てみましょう。 まずは右代表、産経新聞。 わざわざ社説で大阪の敗因を分析。「熱意が足りなかった」という精神的な問題を重視しました。 一方の左代表、朝日新聞。 こちらは、社会面で敗因を分析。亜米利加の中国市場への期待や台湾問題など、北京決定は外交上の帰結なのだそうです。 なお、五輪に関する社説には「大阪」という言葉は1文字も出てこず、ひたすら中国共産党を心配していました。 このように、同じ事件を取り扱っても、精神が大事か近隣外交が大事か、各紙の個性が出て面白いところです。 そんなこんなで、大阪市はまた平成60年くらいの五輪を目指して頑張ってください。 |
平成13年8月30日 | 「ふたりエッチ」1000万部 |
克・亜樹先生が「ヤングアニマル」に連載しておられる漫画「ふたりエッチ」が、ついに単行本累計1000万部を突破しました。 単純計算で「単行本1冊500円×1000万部×印税10%」とすれば、克・亜樹先生は「ふたりエッチ」で5億円ほど儲けておられることになります。もちろん納税額も半端ではないハズですが。 「ふたりエッチ」は、処女と童貞のまま見合い結婚した夫婦が、「あたしたち…少しずつステップアップしなくちゃ」と夜毎の営みを通して絆を深めていく物語。 常に読んでいて腹が立つほどラブラブで、普通の恋愛もののような波乱やすれ違いもなく、ひたすらイチャイチャと甘ったるい新婚生活が続きます。 さて。 克・亜樹先生の「ふたりエッチ」以外の作品で比較的有名なのは、10年ほど前に「週刊少年サンデー」に連載していた「星くずパラダイス」でしょう。 「星パラ」は、主人公のダメ男が2人のアイドル歌手と三角関係になって学園生活をエンジョイする「きまぐれオレンジロード」型のラブコメ漫画。 ただし、最後にひかるちゃんが「あたしは3年間だまされていた」と気がつくような展開はなく、最後まで三角関係が継続。バラ色生活はエンドレスという感じの幕切れでした。 ところが、克・亜樹先生が「終わりなき青春」「終わりなき新婚生活」といった甘い漫画ばかり描いてこられたかというとそうでもなく、先生はグチャドロな人間関係も大好きです。 次に、そんな作品の例を挙げてみますが、ネタバレを含むのでご注意ください。 ●「SHOW」 天才ミュージカルスターの母親に使用人として虐待されながら育てられ性格が歪んだ主人公が、幼なじみのヤクザに脅されたりしながら母親に復讐するためがんばる物語。 ●「ぼくの銀色ハウス」 主人公は自分の父親の再婚相手(つまり義理の母親)と寝てしまう。義母を忘れるために普通の女の子と付き合おうとする主人公だが、その子はその子でむかし不倫していた男の奥さんに刺されて入院。結局、親父と別れた「元・義母」と主人公が結婚してハッピーエンド。 ●「美少女創世伝説プリンセス」 主人公の21歳無職は、かつて憧れていたアイドルの隠し子である6歳の幼女を誘拐。そのまま立派なアイドルに育てあげ、16歳になったところで処女を奪って結婚。幸せな家庭を築いてハッピーエンド。 ●「ハーレム革命」 主人公の父親は、日本に住みながら4人の妻とハーレム生活を送る強者。第1話で主人公の憧れの幼なじみが父親の5人目の妻になり、主人公は父親から幼なじみを奪還するため頑張ることに。 以上を踏まえて、先生が「ふたりエッチ」に至るまでの軌跡を捉え直してみます。 「星くずパラダイス」など、先生の作品は男女の恋愛が絡むものがほとんどでした。そして、「ぼくの銀色ハウス」で恋愛の先には結婚・家庭を作ることがあるという点が強調されます。 さらに、「美少女創世伝説プリンセス」では、芸能界で成功してスターになるよりも、好きな人と結ばれて家庭を持つ方が輝いてるという結論に至りました。 そこで「ふたりエッチ」では、それまでのゴールだった”結婚”をスタート地点に、より現実的な方向で「家庭を作ること」を掘り下げます。 幸せな家庭を作るには、コミュニケーションが不可欠 → 夫婦のコミュニケーションとは、セックスである → では、理想的な夫婦のセックスの有り様とは そして、その有り様を単に漫画として表現するに留まらず、読者の実践に役立つ具体的マニュアルという形で描き出します。 「これはただのHマンガじゃありません。Hを考えるマンガです」という先生のコメントは、別にエロをやるための適当な言い訳ではなく、大マジメなわけです。 そうして実験的に作られた「ふたりエッチ」は5億円級の大ヒット。 しかし、現実世界で3次元の嫁をもらって子作りして家庭を築くことを奨励し、なおかつその具体的な手順まで示そうというこの作品。極めて非生産的に2次元を性欲の対象にするアニオタさんにとってはアイデンティティーを真っ向から揺るがすものにさえなりかねません。 結局、どの辺りの層が・どう受け止めて・どんな理由で「ふたりエッチ」を買っていくのか、ちゆは未だによく分かりません。 その辺りを課題として、これからも「ふたりエッチ」に注目していきたいと思います。 ネットアイドルちゆは克・亜樹先生を応援しています。 |
平成13年10月5日 | 「煌羅万象」がアニメ化 | ||||||||
「ふたりエッチ」という漫画を、ご存知でしょうか。 平凡なサラリーマンの主人公が、お見合いでゲットした美人で巨乳でバージンの嫁さんとハメまくる新婚生活を描いた漫画で、単行本は累計1000万部を突破しました。 そんな「ふたりエッチ」の作者である克・亜樹先生が「マガジンZ」に連載しておられる少年漫画が「煌羅万象」。先日、そのアニメ化が決定しました。 克・亜樹先生のファンサイトによると、1回10分で全24話のネットアニメになるそうです。 ネットアニメと言うと忌まわしい思い出ばかりですが、想像を絶する画質の悪さで200円ボッタクリと叩かれた「あずまんがWEB大王」、ピノコ役の声優に宇多田ヒカルを起用して案の定ダメダメだった「ブラックジャック」のことはひとまず忘れましょう。 ところで、「ふたりエッチ」で克・亜樹先生を知った方は、先生の「少年漫画」と聞いて違和感を持たれるかも知れません。 確かに先生は青年誌・成人誌に書かれることも多いのですが、「週刊少年サンデー」に「はっぴぃ直前」や「星くずパラダイス」を連載していたこともあり、少年漫画のキャリアも長いのです。 そこで今日は、「ふたりエッチ」の克・亜樹先生が15年前に「少年サンデー増刊号」に連載しておられた漫画をご紹介したいと思います。 タイトルは「まぼろし佑幻」。主人公の催眠術師・まぼろし佑幻くんが、悪の奇術団と戦う物語です。
さて。催眠術師がどうやって悪と戦うのかと言いますと… 「催眠深度一・運動支配! ひざが地面について離れない!」 「催眠深度二・視覚支配!! 闇でなにもみえない!」 そんな感じで、敵に催眠術をかけて倒します。投げナイフの名手と戦うなら、「手もとが狂う! ナイフはあたらない!」です。 そうして催眠術をかける場面はバトルの山場として、気合いを入れて描写されます。たとえば、敵を窓からジャンプさせてダメージを与える技は…。
この他にも、敵に突風の幻覚を見せて吹き飛ばす「飛散風塵の嵐」など、主人公は数多くの殺人催眠術をマスターしています。 敵に自白させる際は手っ取り早く、「おれが指を三度ならすと…おまえは、この場で死にたくなる」と脅したりもしていました。 そんな彼が戦う敵・悪の奇術団のボスはこんな方です。
ちなみに、このルシエル地凱さん、正体は主人公の兄でした。物語の終盤、ついに兄弟対決が始まります。 ルシエル地凱「暗示だぁ。きさまの体は動かない!!」 まぼろし佑幻「おれの体は動く!!」 ルシエル地凱「動かない!!」 まぼろし佑幻「動く!!」 そんな盛り上がってるのか盛り上がってないのかサッパリ分からない死闘の後、ルシエル地凱の悲しい告白が始まります。 実は本当の敵は、ルシエル地凱をだまして利用してきた主人公の母だったのです。 そして、このお母さん。「私は若い」と自己催眠をかけることで500年も生き長らえてきたという化け物です。 主人公は彼女に「催眠深度三、すべての人格防御は解除!!」と催眠術をかけ、500年分まとめて老化させて殺しました。 しかし、その戦いで主人公も死亡。ひとり残されたヒロインは、悲しみにくれることになります。 ところが、そこは催眠術師。実は最後の戦いに向かう前に、主人公はヒロインに催眠術をかけていたのです。「きみはこのオルゴールをきくたびに、おれの幻に会う」。
ヒロインは、オルゴールを聞いて幻覚を見てはブツブツひとりごとを言う廃人同然の状態になってしまいました。 そして、最後に突然「三つ数える、あなたはまぼろし佑幻を忘れない」と読者に向けて催眠術が放たれ、物語は終わります。 もちろん主人公は死亡、ヒロインは精神崩壊のままでした。 そんなこんなで、克・亜樹先生が立派な少年漫画家であることがお分かり頂けたかと思います。 たぶん「ふたりエッチ」も、最後は主人公が死んで、嫁さんもショックで廃人になるのでしょう。 なお、「まぼろし佑幻」の主人公はヒロインに告白しておきながらチューもできないヘタレ野郎でしたが、最新作「煌羅万象」の主人公は本命以外の女をキープしている上に、キスしたり乳もんだりホテルに連れ込んだりとやりたい放題です。 その辺りはエロ漫画を経て先生が変わられた部分ですが、克イズムは今も変わらないので安心です。 ともあれ、ネットアイドルちゆは克・亜樹先生を応援しています。 |
平成14年5月10日 | 「全日本妹選手権!!」第2巻 | |||
「ザ・いもうと!!! 『癒し系』は数あれど、やはり身内の温かさに勝るものはありません!! ここ東京ドームには、『妹』に対する異常な憧憬と執着を見せる癒されない野郎どもが、例によって5万人も集結しました。ブサイクやコギャル、彼氏持ちなどは戸籍が認めても我々は認めません!!」 ……そんなナレーションで始まる、「ヤングマガジン アッパーズ」連載の漫画「全日本妹選手権!!」。その最新刊・第2巻が発売されました。 そっちの人の間では非常に有名ですが、「漫画といえばスラムダンクとドラゴンボール」といった方には一生知る機会がないと思いますので、簡単にご紹介させて頂きます。 タイトルと表紙は、あざとい「妹萌え〜」な漫画に見えます。そして、メインキャラクターの3人(&最近登場した新キャラ)は「お兄ちゃんが大好きな妹キャラ」です。 でも、妹萌えなのは最初の方だけで、後はオタク女としてのキャラ立てが強調されていく彼女たち。「妹選手権」というより、「同人やおい女選手権」に近いです。 内容は、あえて言うなら「あずまんが大王」や「ももいろシスターズ」に近いイメージの4コマ。しかし、マニア向けの要素が色濃く、オタクのオタクによるオタクのための漫画という感じです。 人を選びますが、この表紙の本を抵抗なく購入して電車の中でニヤニヤしながら読めるような方なら、生々しい共感が楽しめるかも知れません。 ……いくら登場人物のセリフに過ぎないとはいえ、講談社もなかなか。 ちなみに、「アッパーズ」編集部は、この漫画のカレンダーを発売したいそうです。妹選手権カレンダー化計画によると……。
……結局、4月24日になっても1000通に届かず。しかし、あきらめない編集部は締め切りを5月21日に延長し、まだ募集を続けています。「妹カレンダー欲しい!」という方は、ぜひメールを送りましょう。 そうそう。別に妹の話題ではありませんが、最近、「ふたりエッチ」にもリボンを付けたロリっ娘が登場しました。 しかし、児童ポルノ対策なのか設定年齢は24歳。ロリコンエロゲーの「当ゲームの登場人物はすべて18歳以上です」よろしく、性交シーンでは「庄子さんは24歳です」「庄子さんは24歳です」と繰り返されます。さすが克・亜樹先生。 ネットアイドルちゆは「ふたりエッチ」を応援しています。 |
平成14年10月21日 | 「ホーリーランド」重刷&巻頭カラー |
「ヤングアニマル」をご存知でしょうか。 最近アニメ化された「藍より青し」や「ふたりエッチ」で大衆人気を確保しつつ、「覚悟のススメ」の山口先生による漢漫画など佳作・良作も載っており、現行の青年誌の中では見所が多いのですがTVコマーシャルのセンスはどうかなぁと思う雑誌です。 そんな「ヤングアニマル」連載陣の中で、個人的に注目しているのが、森恒二先生の「ホーリーランド」という漫画です。 いじめられっ子で引きこもりの少年が、自室で現実逃避に何十万回もパンチの素振りをしているうちに本当に強くなってしまい、夜の街でヤンキーを狩るという物語。 要するに、ヒッキーが主役のストリートファイト漫画ですが、特筆すべきは、格闘場面の間に挿入される解説の森先生独特の語り口です。 (1)自問自答の多用 普通:TVやマンガでよく見られるボクシングのガードのような状態は、路上では有効ではない。森先生:TVやマンガでよく見られるこのボクシングのガードのような状態――果して路上では有効なのか? 否!!! (2)恥ずかしい言葉選び 普通:伊沢マサキは、路上用にアレンジしたボクシングの技術を持つ。森先生:ボクシングを路上(ストリート)用に特化(カスタマイズ)した究極の技術を持つ男――それが路上のカリスマ・伊沢マサキなのだ!! (3)作者の実体験を挿入 普通:よく護身術の本などで目にする「刃物の奪い方」は危険だ。森先生:よく護身術の本などで、時々刃物の奪い方を目にするが、あれはどうだろうか? 僕(作者)自身が不器用なのもあると思うが、刃物を奪おうとして手にケガを負った事がある。 (4)話の飛躍 普通:人は許容以上の精神的負荷を負うと、それを逃がす為に逃避的行動をとる。森先生:人は許容以上の精神的負荷を負うと、それを逃がす為に逃避的行動をとる。僕(作者)にも十代の不安定な時期、そういう経験がある。規則的に並んでいるモノや音など無意識に数えてしまうというものだ。ひどい時には新宿の地下道のタイルを端から端まで数えたりもした。確か4000以上あったはずである。 ……作者自身が新宿地下道のタイルを数えた話を何の脈絡もなく聞かされる漫画を、ちゆは他に知りません。 なお、森先生が語る格闘理論の信憑性については漫画だと思っておいた方が無難です。 作中でも、「この漫画はボクシングの教本ではないので厳密にフォームを解説はしていません。もっとくわしく知りたい方はジムへ行こう!」と読者に配慮されていました。 ところで、「ホーリーランド」では、1人で多人数を相手にするときは、弱い奴から確実に倒すべきだと解説されています。 格闘漫画の巨星「プロレス スーパースター列伝」では、ブッチャーに地獄突きを伝授したシンガポールの空手家が「一番強い奴から倒せ」と教えていましたが、どちらが正しいのでしょうか。 そんなこんなで、累計1300万部突破の「ふたりエッチ」と比べると、非常に謙虚な発行部数の「ホーリーランド」。 本屋さんで見かけることも滅多になかったのですが、最近、ちょっと多めに増刷されたみたいです。これを機会に、一度読んでみてはどうでしょうか。 ネットアイドルちゆは森恒二先生を応援しています。 |