「教科書には載らない1chの歴史」の補足です◇

補足(2) 牛丼オフ会

 2001年の8月11日、西和彦さんがアスキー本社でオフ会を開きました。
 参加者の中には、2chの管理人・ひろゆきさんや「ゼビウス」を作ったゲームクリエイター・遠藤雅伸さんもおられました。

 ascii24.comの報道によると、このオフ会の様子は……。

専業の煽り屋がいる!

西氏は“2ちゃんねる”には専業の煽り屋がいる」ことを、何度も強調した。ほかの掲示板と比較して、“2ちゃんねる”には技術的な差はないとし、それでも人が集まるのは、運営者側に雇われた専業の煽り屋がいてスレッドを盛り上げているためだという考えだ。

それに対して、管理人のひろゆきさんらからは、そのような事実はなく、証拠もないという反論があった。しかし西氏は、「人為的な書き込みの動きを感じる」と強調する。


 ……実際に煽り屋がいるかどうかはともかく、「証拠もない」という反論に対して「そう感じるから」としか答えなかったのなら、西さんの主張はちょっと弱いと思います。

 さて、この記事では、西さんが怒鳴る一幕もあったと紹介しています。

西氏がひろゆきさんらに対して「後ろでごちゃごちゃしゃべっとるんやったら出て行け!」、「ひろゆきの友達は俺の敵や!」などと怒鳴りつけるなど、一時騒然とすることもあった

 実況スレなどによると、参加費1000円で牛丼がふるまわれたところ、ひろゆきさんが2杯目の牛丼を食べようとしたら西さんの逆鱗に触れたらしいです。

 この件について、オフ会に参加していた遠藤雅伸さんが、「777'sLLL」というサイトの2002年2月23日のインタビューで詳しく語ったところによると……。

  その頃、牛丼を食べ終わった人が出始め
  50人に対し100も用意されていたでしょうか
  後方には大量の余った牛丼のセットがあったのです
  食べ終わった人が
  お代わりをもらいに行くようになり
  ひろゆきが
  「オレももらってきていいっすかね?」
  と遠藤に聞き
  「お前は特別にナーバスな立場だから」
  「ちゃんとアスキーの人に確かめて、許可を貰ってから取ってこいよ」
  ここで遠藤はひろゆきに釘を刺しています
  「そうっすね」
  と確認してひろゆきは立ち上がり
  アスキーの係の方に確認して牛丼を手に席に戻ろうとしたのです
  そのやりとりは、正面に居た西氏からは見えていたと思われます
  そしてひろゆきが席につこうとするその時
  「おい、お前、泥棒!」
  と西氏がひろゆきを制しました

  彼以前にもお代わりしている参加者がいたのですが・・・
  「もう1000円払え」
  ひ「だって、余っててもムダじゃないですか」
  西「1000円で2杯も食えるわけないだろ」
  ひ「ちゃんと係の人に了解を取りました」
  西「そんなことオレが許可してない」
  西「係が許すわけないだろう」
  この時の係の方の顔、土気色でした
  というわけで、ひろゆきは牛丼を戻し
  西「2ちゃんねるは泥棒」
  西「2ちゃんねるはプロの煽り屋を雇ってる」
  ひ「そんなの居ない」
  西「いや、お前は泥棒だろ、俺が居るって言ってるんだから居る」
  みたいな西氏の独善的妄想思い込み発言が続きました


 また、このオフ会には、アンジさんという女性の方が参加していたのですが、遠藤雅伸さんのインタビューによると、彼女が2chを擁護する発言をしたところ、西さんに罵倒されたそうです。

遠:2ちゃんねるに対する不満に対する意見として
  アンジが「ちゃんとした人も中にはいる」
  という発言に
  西「なんだよ、このエロ婆!」
  という煽りもありました
ア:涙出そうになりました。
  (略)
ア:エロバァのあとにね
  ひろゆきが大好きなババァだからひろバァってあだ名
  つけてやるよ〜っておおはしゃぎしてました
  ずっとひろバァ〜(小躍り)って呼ばれ続けました


 また、アンジさんは勝手に写真を撮影されたそうで、

遠:1人の参加者がカメラでアンジの写真を撮りました
  (略)
  通常、オフ会というものは
  写真を撮るという行為に関して
  非常にナーバスだったりします
  (略)
  2ちゃんねるというのは匿名掲示板ですから
  2ちゃんねるのオフ会は、写真なしというのがデフォルトです
  (略)
  撮られる人の同意が得られていて
  しかも他に映り込まないという前提で
  初めて写真は許可されるっていうのが普通ですよね 
  (略)
  勝手に写真撮られたアンジは怒り
  その(写真を撮った)行為をひろゆきが非難したばっかりに
  「ひろゆきが女連れてきてた」
  とか
  「ひろゆきの彼女」という勘ぐりがあったわけです
  実際にはアンジはひろゆきと会ったのは2回目
  (略)
遠:その時の西氏のセリフ
  「写真は撮ったもの勝ちだ!」
  この発言には会場もちと沸きました
ア:ネットにばら撒かれるくらいなんだって言われて怖かったです。。。
遠:西「俺だって写真週刊誌に写真撮られたことがあるんだ。お前も好きに使え!」
L:…
ア:脅されました


 このインタビューを読んで、オフ会に参加していたバトルウォッチャーの哭きの竜さんは、次のように語りました。

わたしが一貫して避けていた衝撃の写真事件を当事者も交えてなにもかも明らかに。
なんで避けたてかつーと、牛丼事件は「西和彦とひろゆきとのほのぼのとした心温まるエピソード」なんだけど、
だって、さぁ…写真事件は…あれシャレになんねぇじゃん。

 なお、上記のインタビューは当事者の片一方からの証言ですし、オフ会から半年以上経ってからのものなので、思い込みや記憶違いはあるかも知れません。
 ただ、いちおう、他の参加者のコメントなどを見ても、転載させて頂いた部分の大筋は間違っていないように思います。

 ちなみに、ascii24.comの報道によると、西さんがオフ会を開いた動機は……。

“Face to Face”には勝てない

西氏はこのオフ会を開催したことについて、「実際に“Face to Face”でコミュニケーションをしてみたかった」ことが理由だと語る。キャラクターベースのコミュニケーションでは、感情まで送ることはできないとし、面と向かって会話することには勝てないとした。そして、今後インターネットなどの技術革新が進んでも、それらによるコミュニケーションが、“Face to Face”のコミュニケーションに取って代わることはありえない、という考えを示した。



 なお、2ちゃんねる研究さんの8月16日の更新では、「女性を勝手に撮影した行為はまさに非常に2ちゃんねる的である」として、ひろゆきさんがそれをとがめたことについて、「普段はイジメを面白がっている人間が身内をイジメられたら大騒ぎしているみたい」だと述べています。

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